2019/08/21 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 夜の闘技場は、湿った暑さが漂っている。
闘技場の客達は、冷やした酒などを飲んで涼を取っているが、出場者である剣闘士はそうもいかない。
元々、長袖の上に上着まで着ていて、汗をかきがちなのだが。
それに更に重ねるように湿度が高くなると、流石に苛立ちが生まれてくる。

「(あー、早く始まんないかなー)」

戦いが始まれば、そちらに意識が自動的に集中する。
故に、一刻も早く、試合が始まって欲しい。
そして出来ればちょうどよく勝てるような女の子が出てきて、この苛立ちを性欲に変えてぶつけさせてほしい。

『さて!お待たせしました!
対戦相手の選定が終了しましたので、これから興行試合の方、始めさせて頂きます!』

「(来たか……!)」

助かった、という喜びとともに、男は対戦相手を迎え入れる。
今日の相手は誰だろうか

クレス・ローベルク > 来ない。
対戦相手が、一向に来ない。
もっとも、男にとってはまたかという感想しか無い。
実況席をじとりと見つめると、アナウンサーも苦笑気味に、

『えー、現在、選手の方が急用で試合参加を辞退しまして……』

「……はぁ」

まあ、そうだろうなという感想しか無い。
そうなると、道は二つだ。再び選手をマッチングするか、あるいは対戦相手を今から急募するか、だ。
そして、そのどちらも中々難しい――選手だって、試合がないと解ればさっさと闘技場から出ていくだろうし、急に募集して応募があるとは限らない。
最悪、地下で飼っている適当な奴隷を見繕うだろうが――出来ればそれは避けたいだろう。彼らは労働力として働いている者も多いのだし。

『現在、急遽選手受付開始しておりまーす!興味の有る方はお近くのスタッフまで――』

さて、新しい選手は来るだろうか。

クレス・ローベルク > ――未だ、選手は来ず。もうしばしこの暑さに耐えることになりそうだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。