2019/07/30 のログ
■クレス・ローベルク > ――試合が始まる
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 『さあ、今日も始まりました、アケローン闘技場興行試合夜の部!』
夜空を仰ぐ円形闘技場では、今日も試合が始まっている。
昼の試合では、この闘技場では割と珍しいガチの激戦が行われたとあって、観客席は大盛り上がり。
試合前から既に歓声が挙がっているほどに、この試合は期待されているらしい、が――
「(うーむ、これはこれでプレッシャー)」
試合場に立つ青い闘牛士服の男は、そう独りごちた。
勿論、期待に沿う努力はするが、今回は少し盛り上がりすぎている。
此処で圧敗などした日には、自分の名前に大きな疵が付く事は間違いない。
「(せめて、やられ役の奴隷とか、そっちの『楽な試合』になってくれないかなあ)」
盛り上がりに水を差すことにはなろうが、男としてはそちらの方がまだマシだった。
しかし、どうなるかは結局は上のご意向次第。
神様ヤルダバオート様上司様と祈るしか無いのだ。
『さあ、それでは今日の選手は――』
■クレス・ローベルク > 「(さてさて……)」
今日はどういう試合が行われるのかと考えてみる。
試合の特色は、大体マッチメイクで決まるので、今日の対戦相手がそのまま運営の意向と考えていい。
「(最近はガチ試合多めだから、そろそろ色事系・楽勝系来るかな?いや、逆にそう思わせてのガチが定番ネタ化してるしなあ)」
後者の可能性のほうが大きいと考えたほうがいいだろう。主に自分の覚悟的な問題で。
一応、家柄的にそういうのに向いているし、だからこそ剣闘士の世界で生きていけているので、必ずしもそれが悪いという事ではないのだが。
「(しかし、出来れば命の保証ナシの試合はやめてほしいよなあ)」
話せば分かるタイプの魔族も増えてはいるが。
しかし、闘技場という場所の雰囲気から、どうしても血腥い、生か死かの戦いを求めてくる者は居る。
最近は、そういう連中の相手をこちらに振られることが多いが、
「(ま、それもしょうがない。商売のウチと諦めるしか……いや、諦めたくないなあ!)」
相手をするなら誰とでもやるが、出来れば命の危険はないほうがいい。
命がけのスリルとか、そういうの良いから、と願わずには居られないのであった。