2019/04/23 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にマルティナさんが現れました。
クレス・ローベルク > 星空の下。アケローン闘技場、定例試合。
今日の観客席は、何時もとは違う異様な雰囲気――興奮というよりは、好奇の声が多くある。
それもその筈、今回の試合は――

「……吐きそう」

その好奇の視線を、今は一人で浴びている男は、良くない意味での緊張感に包まれていた。
それは、今回の試合が、異様な雰囲気の下で開催される事と無関係ではない。
何せ、今回は何時も違い、対戦相手の情報をある程度まで知らされているのだ。
その情報とは――相手はふたなり、そして妊婦であるということ。

「勘弁してくれよ……」

ふたなり、は良い。相手にするのは珍しいが、それ用の訓練は欠かしていない。
だが、妊婦相手となれば話は全く違う。
何せ、アケローン闘技場は血は流しても死を齎す事は許されない。
それは、妊婦の胎児であっても同じこと。そして、胎児は、全ての人類の中で尤も死にやすい存在だ。
男が緊張するのもむべなるかな、という所だろう。
だが、男の心境とは別に、試合は開始される。

『それでは、今日のアケローン闘技場メインイベント、妊婦冒険者マルティナと、剣闘士クレス・ローベルクのスペシャルマッチを開始します!
先ずは、マルティナ選手、入場――!』

マルティナ > 闘技場への参加は様々な思惑がある。
まずは単純に賞金。
キサラとの結婚生活を控えている以上、お金はいくらあっても困る事はない。
孤児院の運営をマルティナの収入だけで賄うのは無理だとしても、妻を生活で苦労させたくはないし。
そしてこれは妻にも言えない事だが、これから会いに行く飼い主へ嘆願するために少しでも心象を良くしておきたいという打算だ。
大衆の前で痴態を晒せば、あの飼い主は少しは満足するかもしれない。
そう思い、格好もかなり恥ずかしいものを自ら選んだ。
僅かに局部を覆っていた衣装すら脱ぎ去り、身につけているのは貞操帯のみ。
妊娠して膨らんだお腹も、異常な大きさの巨根も、それと釣り合うだけの巨大な陰嚢もお尻も全て丸出しである。

『本日の挑戦者はマルティナ・ラーゲルフェルト嬢!
彼女はかつて奴隷として出場したこともあります!
今日は挑戦者として舞い戻ってきたようですが、果たしてこの格好で勝つ気はあるのでしょうか!?』

中々酷い紹介である。
実際このような姿だし、当時の戦績も芳しくなかったのだが。
だが羞恥に耐えるマルティナに、更に追い打ちをかけるかのように紹介のアナウンスは続く。

『記録によりますと、当時飛び入りの挑戦者に敗北しフェラチオと騎乗位で盛大に射精する様を見せつけた、とありますね。
ちなみに既に滅んだ国の王女で、王家では唯一の生き残りとのことです。
お姫様が露出と恥辱に目覚めて堕ちるところまで堕ちた、といったところでしょうか』

何もそこまで言わなくてもと、羞恥心で流石に頬を赤らめる。
まあ堕ちるところまで堕ちたというのは概ね合っているのだが。
実際改造と開発をされつくしたこの体は、ただ視線を感じるだけで勃起し鈴口から粘液を吹き出している。
視線を感じる度に愛撫と搾精液をしてくる触手ケースを着け続けた結果だろう。
この勃起も、お腹が大きくなっているせいで完全には持ち上がりきらず、中々凄い格好となっている。
そんな痴態を晒しながら対峙するのは、偶然にも面識ある剣闘士であった。

「こうも早い再会になるとは思っていませんでしたよ。
どうかお手柔らかに」

粘液を吹き出し、赤面しつつも口調はしっかりしたもの。

クレス・ローベルク > ついさっきぶりに出会ったマルティナの顔を見て、男は一瞬、渋い顔になる。
できれば、同姓同名の別人であって欲しかった。何せ、闘技場について少しばかり情報も教えてしまったし、責任のほんの一端が、男にあるのは否定できないからだ。
しかし、こうなってしまえばやるしかない――直ぐに営業用の、温和な笑みに変えて、マルティナと相対する。

「うん、宜しく。
まあ、何だ。こうなった以上、俺もマジでやるけど……良いんだね?
君が敗けたら、知り合いであろうと妊婦であろうと、手を抜かずに、いや、おそらく普段以上に、過酷な凌辱をするけども」

取り敢えず、それだけははっきりさせておく。
無論、胎児を傷つけるような無体はしないが、それで手心が加えられたりはしない――寧ろ、膣内射精という客受けのしやすい演出ができない以上、もっと派手で、屈辱的な責め苦を行う必要があるぐらいだ。
故に、未だギリギリ後戻りが出来る、今の内にそれは問うておきたい。

そして、それに良しと答えるならば、男は腰のホルスターから、媚薬注入器を二本逆手構える。姿勢は、ボクシングの様な、左の足だけ踵を浮かし、両手を高く構えるスタイル。
今回は、物理的攻撃は一切してはならない――故に、剣は使わない。
そもそも、衣服を剥く為の剣なのに、相手はほぼ裸であるので、実質無用の長物なのだが。

「女性相手の場合、最初の一撃は必ず女性からと決めている。
準備が出来たら、かかっておいで。それが、試合開始の合図だ」

マルティナ > 「私もお金は必要ですから、それは無理な相談ですね」

クレスもプロである以上、知り合いや妊婦だからといって勝利を譲ってくれるという事はない。
元よりそんな事は期待していない。
そして過酷な陵辱という脅し文句も、マルティナにとっては今更にしか感じられない。
これまでの恥辱や陵辱に比べれば、少なくとも今逃げ出す程の理由にはならず。

「あら、ちゃんと女性扱いしてくれるんですね。
私の方がおちんぽ大きいのに」

戦うと決めた以上、こちらも知り合いだからといって手加減はしない。
軽く挑発するような軽口を叩きながら、譲られた先手をどう活かすか思案しゆっくり円を描くようにクレスの周囲を周る。
基本的な戦法は魔法によるアウトレンジでいいだろう。
何か飛び道具を隠し持っている可能性もあるが、こちらに接近戦の利はない。
するとしたら不意打ちで油断を狙うぐらいだが、そんな手が容易に通じるような相手には見えず。

「では、遠慮なく!」

装備らしい装備のないマルティナだが、唯一身につけた貞操帯は魔法の抑制の効果がある。
とはいえ即死しない程度に威力を抑えるという程度で、闘技場で打ち合うには都合が良い効果。
おかげでマルティナもオーバーキルはあまり気にせず戦える。
そんな条件下で選んだ最初の一手は、火の玉をぶつけるオーソドックスな攻撃魔法。
人間に直撃すれば、衝撃で吹き飛ばしつつ火傷も狙える。
防がれても体勢は崩せるし、爆風で視覚と聴覚も少し撹乱出来る様子見の一手。
それほど早くはないので、ある程度の使い手なら回避が無難だろう。

クレス・ローベルク > 「そういう自虐ネタはむかつくというより、ただただ痛々しいからやめておいた方が良いと思うけどなあ」

あのサイズと競おうとは思わないと言うか、あれは一体何に入れるモンなんだろうか、と男は純粋に疑問に思う。
成人女性でも大分挿入に苦労しそうなサイズなのだが、まさか無理矢理ねじこむのか、だとしたら俺以上に彼女の方が鬼畜なのでは――

などと、そんな事を考えていると、あちらの方が炎弾を飛ばしてきた。
さして、速度がある訳でもない、男なら何の問題もなく回避できるレベルだ。が。
男は、避けない。どころか、自分から炎の玉に向かって駆け出す。
そして。

「はっ、と」

そして、次の瞬間、するり、と男が炎の玉をすり抜けた。
少なくとも、映像を見ている実況や解説はそう錯覚しただろう。
実際は、炎の玉に対し、やや左側に踏み込み、そのまま体捌きで回避し、駆け出しただけだが、速度が全く落ちないが故に、そう見えてしまうのだ。

「悪いが、こちらは様子見なんてしないよ!距離を取りたきゃ、頑張って逃げるんだね!」

ジグザグに動いて、マルティナの二の矢を撃ちにくくしつつ撹乱し、大きなステップで前に跳ぶ。
そのままの勢いで、マルティナの首筋に、媚薬注入器を打ち込もうとする。

マルティナ > 完全に見えた訳ではないが、何をしたのかは概ね理解した。
僅かに驚きの表情をしながら、後退を始めるマルティナ。
油断していたつもりはないが、少し侮っていたらしい。
後退しながら速射のように続けて細かい火の玉を放つが、どれも有効打とはならず距離を詰められていく。
実戦や屋外での戦闘であればいくらでも逃げ続ける事が出来るが、闘技場の果ては近い。
ステップを踏む度に、巨大な肉棒と陰嚢が揺れる。
無様な姿を晒すのは承知で逃げ撃ちに徹していたが、程なく壁際まで追いつかれた。
クレスの得物が迫る。

「簡単にはっ、当たりません!」

簡易な術で牽制しつつ準備しておいた魔法をここで発動。
一つはまたも爆炎の魔法だが、発動地点はマルティナの背後。
更にもう一つの術で炎熱を防ぎ、衝撃を利用して一気に距離を稼ぐ算段だ。
ただ飛翔するだけでなく爆炎の余波に追撃者を巻き込みながら間合いを取る手。
背後の爆炎により殆ど吹っ飛んでいるようなものだが、その姿勢の制御も風の術を応用して行える。
迫るクレスの脇をすり抜ける事に成功すれば、一気に闘技場の端まで移動して今度は攻撃のための大技を準備する事が出来るかもしれない。

クレス・ローベルク > 「意外と素早いな……」

後退するマルティナに対して、追い縋る男。あちらは走りながら炎弾を撃ってくるが、その程度、当たるものではない。
とはいえ、誤算もあった。普通に追いつくと思っていたが、相手の速度はこちらと同等。
否、あれだけ邪魔な物をぶら下げた上でその速度ならば、実際の身体能力はこちら以上なのではないだろうか。
だが、此処は闘技場。何時までも逃げられる訳ではない。壁際に追い詰めたと見るや、男は最後の一息と、少女と距離を詰める。

「まずはいちげ、なあっ!」

距離を詰めた瞬間、少女が爆発した様に見えた。
当然、その余波は、まともに男も浴びることになる。
爆破点からずれているので、四肢がバラバラになるような事は無いが、高温と衝撃に煽られて男の身体は吹っ飛ばされる。

「ぐおおお、いきなり自爆で飛翔とか、何考えてんだあの人!?」

わざと転がって衝撃を殺した男は、立ち上がってマルティナの方に振り返る。
どうやら、マルティナの企みは成功したらしい。

マルティナ > 戦闘中は常に強化している身体能力にあそこまで追いつかれた時は焦ったが、壁際では何とか出し抜く事が出来た。
やはり体術のテクニックでは到底及ばないらしい。
距離を取り、着地次第マルティナは次の魔法を準備する。

「このぐらいしないと簡単には逃してくれそうになかったので。
では、次はこちらの番ですね」

熱は防御魔法と加護によりダメージにはならず、体に来る衝撃も殆どは軽減した。
逃げ回りつつ予め準備したりと並行して複数の術を処理するセンスが必要な高等技術だが、マルティナは易易とやってのけてみせた。
これでイニシアチブを握った確信を持ちつつ、手の中に魔力を集中。
体捌きを見るにただの直射では決定打を与えるのは難しそうだ。
となると、手数で攻めるか誘導弾か広範囲を爆破するか。
広範囲を爆破しつつ確実に殺さないようにコントロールするのは、いくら威力を減衰されているとはいえ少々難しい。
余波で吹き飛ばされ激突、となった場合いくら魔法の威力そのものが減衰していても意味がないからだ。
町中で会った時に聞いた忠告はこういう事かと実感する。
そうなると、体勢を崩している今の内に手数で追い込んでいくべきか。
素早くそこまで考えて、今度は氷塊を手の上に作り出すマルティナ。
一つ一つはせいぜいこぶし大までのサイズだが、次々と無数に充填されていく。
それを弾幕のように、クレスへと発射していった。
威力自体は直撃したところでちょっと強く殴られた程度だろうが、数が数である。
決着を目的とせず、体力と気力を削ぐ事を目的とした攻撃だ。

クレス・ローベルク > 「くそっ!」

男は、氷弾から逃れるように、走り出した。幸い、弾は同時発射されているわけではなく、一発一発連射されているだけだし、弾速も遅い。
ならば、常に走り、方向を変えて、狙いを絞らせなければ当てるには苦労するだろう。
だが、闘技場には、遮蔽物が無い。
マルティナに攻撃を当てるためには近づく必要があるが、近づくのは射撃手にとって大きな隙になりうる――

「(いや、待てよ?)」

そもそも、さっきの爆破魔術といい、氷弾の連打といい、ヤケに大規模な魔術を次々と使っている。
特に、あの爆破魔術など、呪文も媒体も使わず使うには、威力が大きすぎる。
とすると、あの呪文はその場で即興しているのではなく、予め身体の中で用意して、発射しているのでは――?

「だと、すれば」

男は、魔力感知のセンサーを引き上げる。
そして、それと同時、マルティナに対して真っ直ぐ突っ込んでいく。
致命となりうる頭のみを腕で防御し、全ての攻撃を喰らいながら、自分の体の耐久力と精神力任せに。

「(たとえ何であれ、近づいたのなら、何らかの魔法で対応しようとするはず)」

氷の塊が、骨を軋ませ、肉を削ぎ、鈍い痛みを与えてくる。
その痛みを無視するように、男は彼女がどんな魔術を使っているのか、どんな魔力の流れを用いているのかを知覚する。

「(身体能力強化は入ってる。後は氷の術式――だけど、そっちは意味がない)」

「おおおおおおおおおお!」

雄叫びを上げ、男はマルティナに全力疾走する。
肝心なのは、次に彼女が使う魔術。
それに、嘗て自分がとある魔術師から教わった魔術破りの術――邪魔眼を用いて、その魔術に干渉する。
それが、男の作戦だった。

マルティナ > もし弾切れ、この場合魔力の枯渇を狙って逃げ回るのであれば楽な試合運びとなるはずであった。
マルティナの魔力は生まれついてのものもあるが、改造の影響で更に強化されている。
剣闘士一人を体力切れまで狙い続ける程度の自信はあった。
だがクレスの反応は、マルティナにとってはあまり楽にならない手。

「(ダメージが蓄積する前に肉薄して勝負という事ですね。
しかし、これだけ余裕があれば今度の回避は余裕です)」

クレスの狙いをそう判断し、弾幕の密度を少し上げて遅滞としながら次の術を準備する。
先程は爆炎と防御を同時に使ったが、同じ手が簡単に通じるとは思っていない。
そもそも今氷塊を連射している最中なので追加で二つ同時に発動を準備するのは先程より難度が高い。
牽制のための小技とは違うのだ。
小技に加えて二つ程度の制御はマルティナは余裕で行えるが、同時発動が増えれば増える程指数関数的に難易度は上がる。
よって、次に使う術は一種類のみ。
だが切り込んでくるクレスをかわすには十分な、短距離ワープ。
見えている範囲にしか跳べない、移動距離が短い、そのくせ制御は難しいというあまり使い勝手が良いとはいえない術。
だがこれだけ見通しがよく、クレスの間合いまで猶予も十分。
十分に引きつけてから短距離ワープすれば、十数メートルは稼げる。
そこからまた遠距離攻撃でクレスの体力を削れば、いつか決定的な隙をつけるはず。
そう目論見、短距離ワープを準備しつつクレスを引きつけていたのだが……。

「……!
不発!?」

この感覚、始めての事ではない。
かつて魔法が殆ど封じられていた時にはお馴染みだった、魔法が殆ど霧散していくあの感覚と似ている。
あの時は1割以下の威力にまで減衰させられていたのだが、短距離ワープは完全に不発となりマルティナは少しも移動していない。
理由は分からないが、逃げ切る手が潰れた以上手元の発射待ちの氷塊と体術で対応するしかない。
こちらから不意をつけば、至近距離でも有効打を狙う手はあったかもしれない。
だが今回はこちらがイニシアチブを失った状態で対応しなくてはいけないという状況。
非常に不利である。
しかしマルティナは、結局それらの対応は何もする事が出来なかった。
やぶれかぶれで手元の氷塊を全て発射しきると、反射的にお腹を抱いてクレスに背を向ける。
クレスが胎児を狙うとは思ってもいないし、お腹には念の為防御魔法を幾重にもかけてあるので滅多な事では危害は加わらない。
そう頭では分かっているのだが、これはとっさの行動で何の打算もなかった。
撃ちきった氷塊でクレスを倒せていなければ、抵抗する力を失ったマルティナは簡単に捕まってしまうだろう。
そして倒せている見込みは果てしなく薄い。
お腹を守るように抱いて、ぎゅっと目を閉じて運命に身を委ねた。

クレス・ローベルク > 「見えたっ!」

彼女が使用しようとしていた魔術は、空間移動。
成程、確かにそれを使われれば男とて苦しかった。
だが、見えてしまえば、それに干渉するのはたやすい。
空間を捻じ曲げる魔力に、自らの魔力を流し込み、拡散させる。

「よし、殺したっ!」

未だ氷弾を撃ち続けてはいるが、終りが見えた以上、精神的な優位はこちらにある。
全てを受けきり、肉薄する男に対し、彼女は胎児を庇った。
だが、男に同情の気持ちは湧いてこない――どころか、怒りさえも浮かんでくる。
今更、そんな事をするぐらいなら。そもそも最初から、

「こんな所に、来なきゃ良かったんだ……!」

或いは、それは怒りというより、悲しみとか、やるせなさとか、或いは過去の自分に対する何らかの感情の発露だったのかもしれないが。
ともかく、がら空きの背中に、先ずは一発媚薬を打ち込む。
だが、この媚薬は一回目では、単に五感が敏感になったり、新陳代謝がよくなるだけで、発情効果が起きない――故に、即座に二回目を叩き込もうとする。
とはいえ、二度の注入は流石に隙が大きい。
もしかしたら、隙を突いて逃げられるかもしれないが――。

マルティナ > 僅かな抵抗の選択肢を捨ててお腹を守り、敗北を確信したが追撃は注射の一撃のみ。
針の刺さる痛みはあるが、ダメージは大したことはない。
薬品に何かしらの効果があるのだろうが、まだ体は動く。
先程はどんな手で魔法を霧散させたのか分からないが、今度はダメ元で飛翔の魔法を発動。
主に空中で高速移動するためのものだが、地上で水平方向に使えばとりあえずはこの場を逃れる事が出来る。
咄嗟の発動では精密な制御までは出来ないので、ふっ飛ばされて地面を転がる事になるだろうがそのぐらいなら防御魔法でカバー。
そうして、注射針をかわして飛翔魔法でまたもや距離を離すと、慌てて立ち上がる。
しかし、距離を稼いだところでまた魔法を妨害されてはマルティナの勝ち目はかなり薄い。
だがその危惧の前に、体の異変がマルティナを襲った。

「……えっ、な、なんで?」

勃起した巨根から、どくどくと放たれる白濁の粘液。
異常な量の精液である。
マルティナにとってはこのぐらいの量は普通なのだが、射精に至るような快感の自覚が全くない。
注射の影響かもしれないが、目の前の事態に理解が追いつかず一瞬呆気にとられるマルティナ。
その隙を、クレスは果たして見逃すだろうか。