2018/10/10 のログ
■クレス・ローベルク > 『第三回戦目の挑戦者は、こちら!』
――それは、岩石であった。
全長からして、明らかにクレスより倍はある高さ。森の土の様に黒いその肌は、鍛え上げられた豊富な筋肉によって隆起していた。
そして、唇を三日月の様にしたその表情は、明らかに敵を甚振る残虐な楽しみを前にした捕食者のものだった。
「実況――!モンスターがこんな所に紛れてるんだけどォ!?しかも明らかに対話できなさそうな奴!」
実況に慌てて確認するが、実況娘は寧ろ軽蔑するような表情で
『何を言ってるんですか。黒巨人族を知らないんですか?生まれながらにして人間の大人顔負けの筋肉量を誇り、その後も成長と鍛錬によって人間を遥かに凌ぐ――』
「知らないよ!っていうか何!?コイツと戦うの?下手しなくても死ぬよ俺!?だってほら、アレが素振りする度に、衝撃派出てるじゃん!音速超えてるじゃん!?」
『それこそ知りません。戦うのが嫌ならギブアップしてください。したとして止まるかは知りませんけど。はい、試合開始ー』
投げやりな言葉とともに鳴らされるカーンというゴングの音。
最近闘技場で俺の扱い軽すぎないかと思いつつ、戦闘用の剣を抜く。
『あ、ちなみに彼女、女性ですので。ちゃんと勝ったら犯してくださいね?』
「えっ」
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。