2018/08/09 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 「あー、流石にもう挑戦者は居ないかな?」

闘技場の中央で、剣を鞘に納めつつそう言うクレス。
既に幾人もの対戦相手と戦っているものの、その口調にはどこか飽き飽きとした物があった。

「(実際――飽き飽きもするよなあ)」

この手の大会は最強を決めようとか、多額の賞金を奪い合おうという様な性質ではなく、どちらかというと偶々空いてしまった闘技場のスケジュールを、取り敢えず埋めておこうという物に過ぎない。勿論、少ないながらも賞金は出るし、女を犯すチャンスもあるのだが――それ故に出場選手の質は、どうしても堕ちてしまうのだ。

「さーて、どうするかな。乱入者が出るか、闘技場側が気を利かせて女奴隷とか出してくれると良いんだけど……」

クレス・ローベルク > 「(居ない……か。どうするかな)」

一応、大会のルールとしては、このまま挑戦者が居なければクレスが優勝、賞金獲得の運びとなるのだが、何せ今まで倒したのは雑魚ばかりだ。こんなので賞金を貰っても、という気もするし、何よりプロの剣闘士としては、お客に楽しんで帰っていってもらいたいという気持ちもある。

「ふーむ、まあ、まだ時間はあるしその間、剣舞でもしてパフォーマンスしようかな。実況の人ー」

そう呼びかけると、闘技場に『現在、対戦相手不在のため、進行がストップしております。暫くの間、闘技場付き剣闘士、クレス・ローベルクの剣舞にてお楽しみください』というアナウンスが流れる。

「(まー、この人達の大部分は剣舞とか型を食い入るように見る人達じゃないとは思うけど)」

しかし暇つぶしにはなるはずだ、と思い、剣を振るう。ただ振るだけではなく、身体を回し、時には宙返りの様な空中技を決めながら踊る。

クレス・ローベルク > あれから暫く経ち、良い加減剣舞で時間を潰すのも辛くなってきた。

「(も、もう何か観客の方も殆ど俺の方を見てない。流石にもう無理では……?)」

流石にこのまま推移すれば、運営側がストップをかけるだろうが、それまでの間は自分が場をつなぐしか無い訳で。

「(もう誰でも良いから早く来てくれ……)」

クレス・ローベルク > 『おーっと!此処で新しい挑戦者の方がエントリーしてきました!』

「(おっと……!)」

そのアナウンスに剣舞をやめ、選手入り口をにらめつける。今度こそ強い敵が来てほしいと、そんなことを思いながら。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。