2018/07/31 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 闘技場の中央、試合場では、今日も激しい戦いが繰り広げられている。今も、金髪の男、クレスが、禿頭の筋骨たくましい男に、足刀蹴りを見舞った所であった。その一撃で禿頭は闘技場の壁まで吹き飛び、血を吐いて倒れた。
「うん、好調!」
ガッツポーズで周囲の観客にアピールする。しかし、今のは所謂前座、本番前の余興に過ぎない。先程の禿頭とて、真剣に戦ってはいたものの、血を吐いたのはあくまでも演技であり、血糊袋を口に含んでの戦闘だった。真剣ではあるが、しかし真面目とは言い難い。クレスは試合のプログラムを教えてもらってはいないが、次こそは本当の『敵』が来る事は疑いようはなかった。
「さあ、次の相手は誰だい?できれば、かわいい女の子がいいな!可愛がってあげよう!男は知らん!」
■クレス・ローベルク > 禿頭を倒した直後、会場は大盛り上がりであった。
しかし、やがて拍手が一つ消え、二つ消え、そしてやがてすべて消え、歓声も収まり――そして、会場は水を打った様に静かになった。
「……あれ、ちょっ、あの、次の対戦相手は?今日これまだ一回戦目だよ?」
イベントの進行役を兼ねている実況者に対して大声で確認すると、魔導機械による拡声音が返ってきた。その声は、会場に響き渡るほどの大音声でありながら、とても申し訳無さそうな声音で、
『あ、そのー……次の対戦相手の方、どうやらお腹壊しちゃったみたいでー』
「えっ?」
『別の対戦相手も探したんですけど、今都合がつく人いなくてー、そのー』
『イベントの進行自体、不可能なので此処で中止って形に……』
――一旦全てが停止した。そしてその直後、禿頭を倒したときとは比べ物にならぬ程の怒声が、観客席の全周から響き渡った。その声は様々であったが、意味する所は一つ。つまり「ふざけんな」であった。
「ちょ、待って!確かにこれはどうかと思うけども!でも僕に当たられてもこま……石はやめて石は!誰か!誰か対戦相手は居ないのかー!?」