2018/05/12 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にレキ・キドーさんが現れました。
■レキ・キドー > 出場してしまった。
悪くすると衆人環視の前で身に宿る呪いを看破されたり、犯されたりしてしまうかもしれないが。
前者はこの国がそういった事に極めて緩いという点でいくらか楽観できてしまう。
後者は… まあ、どうせ、この地に留まるわけでもないと思えば死ななきゃ安い。
だったらここの事を教えてくれたローザの挑戦を受けても良かったのかもしれないが、
それはまるで公開レイププレイを前提にしているようで、やはり積極的にはなれなかった。
一宿一飯の恩義があるのにと思うと後ろめたいけれど、いささかハードルが高過ぎる。
「――来ても恨みやしないけどね。」
負けを前提に戦うのではなく、連絡もしていないのに対戦者として現れるのであれば文句のつけようもない。
――息を整えながら呟いて、勝手に文字が変わっていくスクリーンを見上げる。
何戦か戦い抜いて、賞金額はそれなりに吊り上がっていた。
『休憩中』や『挑戦者募集中』などの表示に、賞金額や賭博の情報、スポンサーの広告が続く。
■レキ・キドー > 少しインターバルが長い。
挑戦者を確保するためにもある程度の透明性は保たれているのかもしれないが、
そろそろ自分を潰すために闘技場側の保有する対戦者が吟味されているのではないかと思うと、居心地が悪かった。
本日の闘技場がどのような運営方針であるかは分からない。
見栄えのしない挑戦者だから、案外素直に実力勝負を組んでくれているのかもしれない。
しかし第一印象って重要で。
ローザから聞いていると、どうしても濡れ場のイメージが先に立つ。
幸い観衆が一斉にそのような気配を発散すれば気付くはずなので、まだまだ本当に方針は決定していないらしい。
そして闘技場側がどのような筋書きを想定しているとしても、
それは飛び入りで私に挑戦するという者が現れれば、どのような展開になるかは流れ次第。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にアシュトンさんが現れました。
■アシュトン > (自分はそもそも、こういう場所での戦闘には向いていない。
当然である、障害物や隠れる場所がない。そんなモノがあっては、観戦に向いていない。
まぁ、イベントの趣向では、敢えて設置されていたりするが、稀だろう。
よって、平地での正面切っての戦いが普通であり。とことん、不向きな訳であるが。)
「うへぇ……」
(挑戦者出入り口から姿をあらわした時の第一声がコレであった。
実のところ、次の対戦者選びには運営側も難儀していたようで。
ちょろっと様子見しに来た時に、今回のスポンサーの中に、贔屓にしてもらっている貴族が居たのが運の尽き。
何度かこういう事もあったのだが、間を繋ぐ意味で、勝っても負けても賞金は出すと言う条件で、無理やり参加させられてしまった訳であり。
それが理由で一つ。もう一つは、顔見知りだったことからだ。
いやま、褐色肌の異国人、なんて情報を直前で知らされた時点で、嫌な予感はしていたのだが)
「どうするかなー、これ」
(フードーとゴーグル、口当ての布に隠れた顔が、若干と歪んだ。
なんだか真っ二つにされる未来が見えるのだが、気のせいであろうか。
適当に、やや広めの距離を取った位置で佇みつつ、アナウンスが進むのを待っている。
あちらからすれば……まぁ、装備や雰囲気で誰かは判別着くかもしれない)
■レキ・キドー > 壁面の表示が眩く瞬き、次の対戦相手が決定した事を告げる。
同時に数多の賭場が開かれ、会場が一気に活気づいた。
「――あれ、ヒトか。」
闘技場に上がり、対戦者が人型である事を甘く見て、いいのかと呟くが、ローザの例もある。
一応魂は一つ分に見えるけれど、超強化される人が全て自分と同じ特性によるとは限らないし、
何よりここで出て来るからには勝つ公算があるのだろう。
…覆面の下が大衆受けする美人さんで、やられ役として現れたのなら南無いが。
始まってすぐに対戦した美少年やら少女に手をつけなかった事で、闘技場もこちらのスタンスは理解していると思いたい。
ところで。
「…んんんン??」
どこかで見た装備のような気がする。
睨み合い?ながら、唸って眉根を寄せた。
まさかと思うので、違うと思っておく事にする。
こういうスタイルで仕事をするアシュトンの同業者みたいなのがいるのだろうと。
――アナウンスは賭場の締め切りまでの間、それぞれの戦績や特性などを紹介して盛り上げる。
最後にもう一度スポンサーのコマーシャルが入り、ルール無用の勝負が幕を開けた。
「――お願いします。」
一礼するや否や、小柄な和装の黒ずくめは長刀を肩に担いで飛び出した。
アシュトンと会った時に比べると、手甲やら具足、鉢金などが加わり、袖がたすき掛けされているが、やはり軽装である。
仮に相手が常人であっても反応する距離は十分にあるが、もたもたしていれば納刀したままの鉄鞘が袈裟切りに襲い掛かる事になる。