2017/09/23 のログ
■天姫 >
「ほおう…」
目の前の巨獣を鮮やかに屠り去った青年
大剣をこちらに構える姿は実に壮健、なかなかに強そうな男であった
観客を騒がせる男の乱入
なかなかに名のしれた戦士なのだろう、口角が思わずあがってしまう
ぴくっ…
肉体に刻み込まれた記憶が僅かに反応する
が──鬼の闘争本能が薄れているわけではない
「こういうのを待っておったよ。
───名乗りを挙げさせてもらおう。
天鐘争城雨月之刀鬼、故会って闘技場の剣鬼として刀を振るっておる───征くぞ!!」
大鉈を片手で軽々と大上段に持ち、一足飛びに男へと飛びかかり振り落とす
その軌道は真っ直ぐ直線的、愚かな程に力任せでしかない一撃
───当たればタダでは済まないと一目でわかる剣気を放ちながら剛刃が迫る
■ヴィクトール > 此方のパフォーマンスを見るや、相手の女の顔が血に疼いた笑みを見せる。
強い相手と戦う時の高揚感、それを楽しめる同族といったところか。
女のわりに体は自分よりも引き締まっており、何より振り回している得物は自分の剣のように荒々しい。
どうやら思った通りの、血に飢えた獣だと確信し、此方もニヤリと笑い返す。
「おぅ! ぁ、ぉ? て、てんしょうそうじょう……長ぇよっ!? 天鐘な、いいな! 俺はヴィクトールだ、チェーンブレイカーの遊撃隊隊長だ……来いやぁっ!!」
東洋の聞きなれぬ音の名前に、長い綴が重なると、思わず目が点になりながら言葉を繰り返すが、面倒だと頭を振って適当なあだ名を着けて切っ先で指し示す。
そして、彼女の掛け声に叫ぶように答えれば、此方も斬りかかろうと、体を僅かに沈めさせるが……彼女の放とうとした刃から感じる、危うい気配に目を見開く。
「マジかよ……っ!?」
まともに防御したら、確実に殺られる。
そのイメージに突き動かされながら、大きく跳ねてサイドステップで刃を回避すれば、着地と同時に滑りつつ、体を捻転させて横薙ぎの構えを取る。
「……おらぁっ!!」
一間空けて、意識を剣に集中しながら刃が空気を叩きつける破裂音を響かせ、横薙ぎに振るわれる。
その速さで放たれた衝撃の刃は空気を歪めながら弧を描き、荒々しく反撃を試みるだろう。
■天姫 >
「くふふ、天姫で良い。八卦の山ではそう呼ばれておった」
暢気に返しつつ、地に切り込んだ刃を引き抜く
相手の名乗りを聞けば、どこかの組織で隊長を任されているようだ
これは実に楽しめるだろうと期待も高鳴ってゆく
相変わらず仕掛けられたモノのせいで汗ばむ肌を腕で拭い刃を持ち直し……
ガキンッ──
大きな金属音が響く
鬼姫の右脚が上げられ、黒鋼のような色に変色し放たれた衝撃の刃を受け止めていた
「呵々、我が四肢は鋼と同じぞ。
即座に反撃するその意気や好しッッ!」
再び大鉈を振るう
豪快な風斬り音と共に振るわれるそれは、隙も大きく速度こそ凡庸であるものの力に任せた無茶苦茶な軌道で、
何度も相手を追いかけ斬り潰そうと放たれる
■ヴィクトール > 「よし、天姫だな。んじゃいくぜぇっ!」
それならわかりやすいと、素直に頷くと戦いの火蓋が切って落とされた。
刃を避け、反撃の斬撃。
荒っぽい見た目のわりに技の攻撃を放ったが、響いた防御の音に、んなっ!? と、マヌケな声をこぼして目を見開く。
クレイモアの時に使える一種の必殺技であり、斬撃を放った場合でも破壊力は高い。
だが、変貌した色合いと、鋼という言葉に苦笑いを浮かべながら冷や汗を垂らす。
それなら確かに効かねぇやと。
「やってくれるじゃねぇかっ!」
再び突撃からの刃は、大振りで回避はできるが、当たれば危険な気配が相変わらず消えない。
自分よりも荒々しい刃を見るのは初めてで、無茶苦茶だと思いながら、防戦一方に避け続ける。
とはいえ、頭のなかに浮かぶ選択肢に表情が渋くなる。
(全部相性最悪だなぁオイ)
分身しても致命傷を狙いに行く前にどちらかが殺られかねない、戦旗槍は魔法を使わぬ彼女には無用の長物、黒曜石粒子なんぞ、使おうものならコントロールの合間に潰される。
久しぶりの苦戦を強いられる中、最も可能性が残った武器を選び、大剣に黒い靄がかかっていく。
「そろそろこっちの番だっ」
両手で構えていた剣は、靄が解けると双剣に変貌する。
四肢に黒い靄を纏い、獣のように身を低くして加速し、大振りの一撃をすり抜けながら、クロスカウンターのように片方の剣を勢い良く突き出し、鳩尾を狙った突きを放つ。
殺すつもりはないのもあり、刃を潰して形成しているが、当たれば鉄の棒で打突されたのと変わりない。
大剣よりも大きく一撃の火力が下がるが、胴体ならば多少なりダメージは有るだろうとギリギリの攻めを撃つ。
■天姫 >
「荒々しく攻め来るかと思えば防戦一方じゃな、どうした」
あちこちに小規模のクレーターを作りながら得物を振り回す
尋常ならざる重さの鉄塊を振り回しているのだから大体の相手は攻め倦ねるものである
そしてそのやりとりがVIP達からは飛び入りの男の不利と見えたのか
なにやら言伝された様子の係員が闘技場の奥へと消える
無論、そんな様子は刃を交える二人にはまるで見えるものでもなかったのだが
「──!? 妖刀か…?」
大振りの隙に懐へ入り込もうとするそれ
鬼の反射神経に容易く看破されたその一撃を軽く蹴り飛ばしてやろうと左脚を───
「ぐぎゃあッ!?」
突然悲鳴をあげ、稲妻に打たれたように鬼の身体が硬直する
首輪に刻まれた呪印が一瞬煌めいたような光が、男には見えただろうか
「───ごぼッ」
そして鳩尾を狙った一撃は弛緩した筋肉を容易く貫き深々と鬼の肉体へとめり込み、
手に持っていた大鉈を轟音を鳴らして地へと取り落とし、蹲るようにして膝をついた
■ヴィクトール > 「その一撃食らったら、流石にタダじゃすまねぇだろうからなぁ?」
こと殺すという考えで倒しに行くなら、大剣で刃をぶつけ合わせないように突撃しながら、突きを繰り出せばいいが、例え切っ先を丸めたとしても、突き刺さる可能性がある力になりかねない。
そういった点では加減ともいえるが、戦っても無駄殺しはしないのが信条だ。
速度を重視した動きに切り替え、一層スレスレの戦いを仕掛けに行けば、流石に甘かったかと左足の動きに僅かに身を強張らせる。
「……」
悲鳴と共に直撃の感触は、幾ら馬鹿正直に刃を振るう彼女でも、ダメージに身構えた様子がない感触。
首輪に見えた光と、ここらのやり口からすれば、容易に想像が付き、戦いを楽しんでいた純な闘志が一気にどす黒く染まっていった。
刃を大剣に戻すと、ガァンッ!と派手な音を立てて切っ先を武舞台へ突き刺し、半ばまでめり込んだ刀身が石畳に無数の亀裂を走らせる。
「……おい、次邪魔したら、ここらの輩全員切り捨てるから覚悟しろよ?」
冷え切った声に載せる意志の魔法は、観客共々へ悪鬼のごとく暴れまわる自身の想像を脳裏へ叩きつける。
楽しみたいだけなら邪魔するなと、脅しをかけながら彼女へと振り返ると、腰に下げたショートソードを逆手に抜き、自身の脇腹を少しばかり切り裂いた。
今の直撃は無しだと言わんばかりの自害を見せつけるが、怒りと痛み、そして高揚感が重なったことで血が暴れ始める。
「……っ」
ぐらりと上体が揺れた後、そのまま倒れそうに傾き…ダンッと踏みとどまる。
俯いたままクレイモアを引き抜くと、先程の双剣への変化よりも禍々しい靄で包みながら、あっという間に形を変えた。
大振りな戦斧、それは片方に三日月の刃を宿し、反対側にはスパイクを備えた力の得物だった。
「……いくぞ、女」
少しばかり機敏性の増した動きで彼女へ近づくと、斧を振り回し、先程よりも威力を増した刃が振り回される。
双剣ほどではないにしろ鋭く早く、鋼の上から受け止めても衝撃は中々に響くはず。
だんびらの間合いに下がらせないように距離を詰めつつ、時折腹部を狙った鋭い蹴りを、スパイク部分での打突は、硬質の太い梁が鋼を鎧通しのように貫こうとし、人が変わったように彼女を叩きのめしにかかる。
■天姫 >
「……?」
競りあがってきた胃液を飲み込み、顔を上げれば男は観客席に向かい憤りを見せている
「………呵々ッ」
笑いが溢れる
成程、人の身でありながら鬼との戦いに心底喜びを見出していたのだと
ならばと異形の脚に力を込め立ち上がる
「気を揉ませたのう……此処からは妾も全霊を尽くそう」
額や頬に伝う嫌な汗を拭い去り、自身に迫る嵐のような攻めに正面からぶつかりにゆく
大鉈を振るい、重い一撃を打ち払う
腹を狙った鋭い蹴りが突きささるが、薄いながらも筋骨隆々とした鬼の肉体の防御力にそれを任せ、こちらも剛刃を振るう
しかし相手の速度も上がっている、先程の攻撃すら当たらず、相手の間合い取りが上手いと見るやその得物を放り投げる
「があああっ!!」
反撃の咆哮をあげ、振るわれるのは鋼鉄化した四肢──といっても右腕はないのだが──の爪
腕を振る、脚を振り回す
その全ての先端に刃物が装備されているような猛獣の攻め───
■ヴィクトール > 人でありながら魔を喰らい、その力を取り込み、喰らわれた魔の残滓すらねじ伏せた……筈だった。
「そうか、悔いがないようにするといい」
言葉遣いも、目付きも異なる。
先程までは喧嘩を子供のように愉しむ、大きな少年といった様相だったが、今はその瞳に興奮の火はなく、淡々とした様子で呟きながら金色の双眼が見据えるだけ。
「…お前は力で振り回しすぎだ。それでも魔の端くれか?」
大振りながら、戦斧という刃が上部にのみある形状ゆえに、間合いを詰めても取り回せる。
密接するならば、柄側と刀身との付け根あたりをそれぞれ握り、短く構えながら振り回せば、丁度刀身が脇腹や肩口を狙うように振り下ろされる。
獣のように爪を振るうならば、両手の間に広く空いた柄の部分で爪を受け流し、そのまま流れるように反撃を繰り出す。
爪には受け流してからの縦一閃と横薙ぎを、蹴り足には敢えて全力で肩からぶつかりにいき、蹴りの勢いが乗る前に潰しにかかる。
スキあらば、筋肉の比較的少なそうな股間のあたりを柄頭で思いっきり打ち付けようともする。
■天姫 >
「くふふ、だが当たれば終わるぞ──!!」
大鉈を放り捨てた後はただひたすらに豪腕と豪脚を振り回す
が、弾かれ、避けられ当たらない
ヴィクトールの攻撃は鬼姫の肉体を的確に捉え、その肉体、
鋼化していない胴部分に突き刺さる
相手にもダメージは確実にあるのだろうが───
「人間ならさっさと倒れるのであろうがな、
其の程度では妾は下せぬッッ!!」
この鬼は耐久力も並ではないらしい
すでに幾度も攻撃受けボロボロのように見えても、その眼は爛と血の色に輝いている
そして…、跳躍し、高く掲げた左拳を握り込む
地に当たれば周囲直径数メートルの地面が多少陥没する程度の剛拳が振り下ろされるが……
■ヴィクトール > 打突を主体とした反撃をじわじわと押し込み続けるが、中々に倒れない。
それでも瞳は変わらぬまま、そのダメージを積み重ねていこうとするが、女の方から勝負に出てくる。
人間であれば、その言葉に口元が僅かに弧を描きながら、跳躍する彼女を見上げた。
「なら本領を出そうか」
バックステップから更に一瞬の貯めを経て地面を蹴り、彼女の下降と入れ違うように宙に飛び上がる。
洞窟を吹き抜ける風のように、呼吸の音を響かせながら息を整えると、双剣の時のように四肢へ魔を纏っていく。
先程とは違い、ゆらゆらと踊る靄ではなく、燃え盛る炎のように荒ぶったそれは、四肢の力を人為らぬモノへ変貌させ、肩に担いだ斧の柄をギリギリッと握りしめる。
そして、落下した彼女目掛けて、今度は此方が斧を振り下ろすが、先程までのショートスイングの一撃とは別物。
彼女が放った破壊の一撃に、勝るとも劣らぬ、剛力の一撃を落としていく。
身体が軋む音が聞こえるほどの力は、庇うなら腕ごと胴体へ押し付けて切り裂きかねぬ勢いが篭っている。
■天姫 >
振り下ろされた拳は円形のクレーターを形作る
一度当たれば終わる、その攻撃は矢張り当たらず、鬼姫は空へと視線をあげる
そこに見えたのは…人ならざる力
鬼姫の頬につう、と汗が伝う
熱く汗ばんだ肌を冷やすような、冷たい汗が
「貴様……」
ぽつりと呟く
「…本当に人間か?」
呟きながら視線を放り捨てた大鉈へと向ける
遠い、拾い上げられる距離には非ず、その暇もないだろう
「──舐めるなよ」
鋼鉄化した左腕を掲げ、その一撃を真正面から受け止める、ではなく──全力で振り抜き殴りつける
強烈な衝突音と火花、衝撃が拡散し、同時に…
「う゛あッ…… ぐ…」
苦しげな声が響く
全力で振り抜いた左腕は切断こそされていないものの、
肘の辺りの関節が壊れだらりと力なくぶらさがっている
「───う、く、ぐああああっ!!」
咆哮は怒りからか、反撃の力を振り絞る為のものか
おそらく最後であるだろう全力を込めた鋭角な蹴りをヴィクトール目掛け放つ
■ヴィクトール > 問いに答えはなく、刃が二段目の隕石のように振り下ろされる。
刃と鋼の拳が交差した瞬間、ギャリッと金属が擦れる音とともに、耳をつんざくような強烈な金属音が鳴り響き、互いの腕へその振動が伝わっていく。
爆ぜる火花と共に、もろにその衝撃を受けた腕の関節が壊れていく中、とすっと着地すると、その衝撃にダメージを受けた腕が小刻みに震える。
「女、問いに答えておこう。此奴は人間だった」
過去形の答え方をしつつ、無事だった反対の手で戦斧の柄頭を握りしめた。
方向とともに、最後の反撃が迫れば、半身になりながら回避をするものの、体に残ったダメージに脇腹を抉られ、血が舞い散る。
それでも内蔵へ届かせることがなく、伸び切った足へ、先程の力よりは落ちたものの、それでも人外となる膂力で斧を振り下ろし、鋼の膝を打ちつけて砕こうと捨て身気味の反撃に転ずる。
「魔を喰らって血肉とし、魔の魂の残滓を噛み砕き、剰え不和の我が魂を刃に宿した。最早魔に近い」
戦うに連れ人を離れていく、まだ追いつききっていない身体はビキビキと悲鳴を上げ、限界間近の悲鳴を上げる。
■天姫 >
「ぐがッ…」
蹴り脚が伸び切った位置で膝を砕かれ、左脚が用をなさなくなった
右腕はもとより隻腕、左腕と左脚を砕かれ、片膝をつく
「……な、成程、のう……。
既にその中身はヒトではなかったか……」
言い終わると牙を食い縛り、壊れた膝を立て、立ち上がる
ダメージの影響下手足の黒ずんだ鋼鉄化は消え去り、檜皮色の肌に戻っていた
「……さあ、続きぞ」
そして、左腕を無理やりにあげ、そしてその言葉を憮然と言い放つ
鬼が人を喰らうは自然の摂理
人に鬼に退治されるのは世の習い
しかし鬼と魔は同族のようなもの、
敗北を受け入れられない鬼姫が立ち上がるには十分な理由であった
が、既に鬼姫の身には武器は有らず、その牙で喉笛に喰らいつくことぐらいしかできないのだが
■ヴィクトール > 膝を潰す瞬間、嫌な音が響き渡り、徐々に彼女が潰されていくさまに観客達がもっとだと活気づくところだろうか。
そんな嗜虐の熱気も気にせず、彼女の言葉に小さく頷いた。
「あぁ、とはいえ、血の疼きに振り回される未熟者だがな」
欲望がコントロールできなくなった瞬間、血に巡っていた魔族の本性が暴れるように飛び出してしまう。
今宵は剣に封じられた黒鳥が意志を担ったのは、見世物だったからというのもあり。
勝負ついたと思いきや、まだだと立ち上がる様子に小さく溜息を零すと……不規則に身体が跳ねるように動き始める。
「……そうだな、続きといこう。だが、我ではもう抑えられん。幸運を、鬼よ」
研ぎ澄まされた意思がふっと散っていくと、斧は元のクレイモアへと戻っていく。
だが、同時に金色の双眼が血走っていくと、獲物を目の前にした獣のごとく睨みつけ、上体を低くした。
「ガァァァァッ!!」
獣の如く駆け出すと、近付いた瞬間に喉元を捕まえようと片腕を伸ばす。
捕まれば、先程までと変わらぬあの力で、腕を軋ませながら石畳に面子の様に叩きつけようとするだろう。
■天姫 >
「戦いへの衝動を抑えられぬ。
呵々、妾も同じ、未熟故な。戦いへの疼きを抑えられぬ」
豪胆に言い放ったのは良いものの、
先程から一方的に攻撃を受け、薄布の下の肉体は既に痣がいくつも出来ている
内臓の詰まっている部分は鋼鉄化の力が及ばないとはいえ、
鬼の肉体にこれだけのダメージを与えられたのは随分と久しいことだった
「ぅ──がふッ!」
獣の如く、と化した男の突撃を迎え撃つ武器はない
なんなく喉元を捕まえられ──
「────」
石畳が砕ける程の勢いでその身を叩きつけられ、
その反動で地から弾き返るようにその小さい体躯が跳ね上がる
■ヴィクトール > 身体が石畳の上でバウンドすると、観客の声が沸き立つ。
もっとやれ、血を晒せ、呻かせろと、戦いではなく嬲られる彼女の姿を求めていく。
「はぁ…っ、ァアァァァッ!!!」
獣の雄叫びのごとく、石畳の上で転がる彼女の前で、仰け反り気味に叫ぶと、剣を石畳に投げるようにして突き刺した。
再び喉元を捕まえて抱え上げ、鳩尾や胃の辺りを狙ったフックを幾度と叩き込むが、腕の筋力が疲労で弱まったのか、鋼にダメージを与えるほどの力はないが、十分な苦痛となる力はあるはず。
「グルル…っ」
殴っていた手で襟元を捕まえれば、そのまま横へ引きちぎろうとするように振り抜いていく。
獣が獲物を捕まえて食らうように、血が違う熱を身体に巡らせつつ息を荒げる。
反対側も、下肢の方も、纏っているものを強引に片手で脱がせようとしながらも、必要とあらば引きちぎってでも、獲物を喰らいにかかる。
■天姫 >
小柄な体躯の鬼が石畳に全身を打ち付けられ、
更に首を捕まえられ胴を乱打される様子に観客は沸いてゆく
盛り上がるような隆々とした腹部の筋骨も拳に軽々と貫かれ──
「おごっ、かひゅ、ガぶッ」
殴りつけられる度に胃液と泡が口元から溢れてゆく
手も脚もだらりと下がり、殴られるたびに力なく揺れる
絹を裂く音が何度か響けば、その檜皮色の肌全てを衆目に晒す
豊かにぶらさがる乳房、体躯と比較して大きな臀部、
鍛え上げられた腹部は…無数の殴打によって見るも無残であるが、
それでも観客を沸き立たせるには十分な肉体であるだろうか
全身の力が抜けたせいか、尻に深々と捩じ込まれていた張り方が抜け、床へと落下し音を立てた
■ヴィクトール > 胃液を口から溢れさせながら、身体が力なく揺れる。
あれだけ力強い戦いを見せていただけあり、戦いに生きる彼女が欲望に蹂躙される姿は、もっとだと彼らを騒がせた。
「……?」
戦うための身体には大きすぎる乳房に、臀部だが、スリットが埋め尽くされるような茂みと女としての興味はあまりないようにみえる。
そんな体を舐めるように視線を這わせていたが、ごとりと何かが落ちる音に気づいた。
訝しげにそちらへ視線を向ければ、尻穴に捩じ込まれていたディルドが目に映る。
獣のようではあるが、欲望を動かす原動力は彼の記憶にあり、それが何かを理解すれば、投げ捨てるように彼女を石畳にうつ伏せに下ろし、それを手に取る。
無言のままそれに魔力をまとわせ、過去の記憶にあった鬩ぐを思い出すと、びっしりと突起が映え、根本にいくほど尻穴をこじ開ける、開発用の玩具へと変貌した。
ぐっと腰を観客達へ突き出すように上げさせると、いつの間にか滑りを帯びていた玩具を無遠慮に根本まで一気に突き刺す。
ぞりぞりっと腸壁の粘膜を削るように挿入されていけば、一番太いところで子供の腕ぐらいはありそうなディルドを限界まで押し込む。
これ以上は要らないという太さまで入れれば、ぐじゅっと勢い良く引き抜いて、間髪入れずに突き刺す。
アナルを掻きむしるように出し入れを繰り返せば、嫌でも咥え込める太さを大きくしていくことになる。
ついでにディルドの突起に菊座の陰毛が絡み付けば、ぶちぶちっと音を立てて根本から引きちぎり、痛みを交えて快楽と混ぜ合わせていく。
■天姫 >
「う゛あッ、あ……」
投げ捨てられれば小さく苦悶の声を漏らし、本能的に散々打たれた腹を守るよう身を丸めようとする
しかしそれは許されず、腰を無理やりに持ち上げられる感覚にそちらに目線を向ける
「っ…な、何……───!?」
目に入ったのは、自分に捩じ込まれていたソレよりも遥かに凶悪な形をした、何か
まさかこれを自身の菊座に再び突き入れようというのか、鬼姫が驚愕に眼を見開くと同時…
どぢゅッ
「お゛う゛ッッ、お゛ッ───」
短く喉が詰まるような声を漏らす
根本まで捩じ込まれたそれは鬼姫の肛門を限界近くまで押し広げていた
「かひゅ、ひゅッ……あぎッ、ぎゃ、あ゛ーッ!」
尻の穴が捲り返る程の勢いで引き抜かれ、そして再び根本まで
繰り返される度に悲鳴にも似た声を上げる
それを何度も繰り返され、僅かにあった括約筋の抵抗がなくなる頃には
「あ゛…ぁ、あ゛ー……おあ゛…♥」
ぽっかりと抉られ広がりきった肛門を晒し、全身を小刻みに痙攣させる鬼姫の姿があった
■ヴィクトール > 徐々に獣欲の中に理性が戻っていくも、微睡んでいるように虚ろ。
だが、言葉も行動も、彼がしてきたことが全てできるように蘇らせられる、最適な状態とも言えた。
重たい水音を響かせながらディルドをピストンさせていけば、掠れるような悲鳴から、徐々に盛付いた牝犬のような端ない声へと変わっていく。
ごりごりっと根本まで押し込まれていけば、だらしなく口を開いた尻穴に、ディルドのざらついた棘をぐりゅぐりゅと左右に捻って擦りつけつつ、一気に引き抜き、粘膜をこそぎ落とす。
そこからどうしようかと無意識に思うと、係りの者が手招きするのが目に飛び込む。
これを使えというように武舞台の下から滑り込まされたのは、真緑の濃厚な液体が満ちた盥とそれを注ぎ込む、くちばしの太いシリンダー。
こういう時はと、無意識ながらに考えつつ、先程突き立てた剣の鍔へ、彼女の両手を掛けさせると、そこを支えに立ち上がらせ、砕けた膝は、彼の魔力が仮の関節の様に動きを冴え、まとわりつく。
再び尻肉を掴まえ、突き出せと言わんばかりに引き寄せると、シリンダーを手に取る。
「……人前で、糞ぶち撒けるなんてどうだ? 天姫」
少しぼんやりとした口調ながら、何をするのかを語りかけると、シリンダーに緑色を吸い上げていく。
そして嘴を突き刺し…隙間から溢れぬように、筒部分ごと押し込むように押し付ければ、そのまま薬を押し込んでいく。
じゅるじゅると注がれていくそれは、腸の蠕動運動を刺激しつつ、排泄物の水分を膀胱へと送り込ませる。
固まりを出させながら失禁までさせるための、戯れ用の浣腸液を注げば、再び吸い上げて二度目、三度目と注ぎ、盥が空になるまで注いでいく。
■天姫 >
「──…っ…?」
肛門をほじくり返され完全にグロッキーの状態だったが、剣を支えに立ち上がらされる
驚異的な鬼の回復力から破壊された肘や膝は既に治りつつあるものの、魔力の支えによりようやくと立ち上がることができる
隻腕故、剣へと片腕を預けることになるが…その剣を引き抜いて反撃……
とまでは流石に消耗が激しいのか、大人しく尻肉を鷲掴まれ引き寄せられる
「……ず、随分、な悪趣味、を、持って、お゛ほぅッ。
う゛あ゛っあ゛っ、あ゛っ!っあ゛、な゛、な゛に゛、ィ、ぐぇ…ッ♥」
筒ごと捩じ込まれ更に大きく肛門を割り開かれ、舌を出し苦悶に喘ぐ
何度も何度も押し込まれればぎちぎちに締まった腹筋の下、柔らかな下腹が丸く盛り上がりを見せて
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からヴィクトールさんが去りました。
■天姫 > ──闘技場での陵辱は続く
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」から天姫さんが去りました。