2017/05/22 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にフォークさんが現れました。
フォーク > フォーク・ルースは覆面ファイター「ザ・バーバリアン」というもう一つの顔を持っている。
最初はスター選手のやられ役として出れば良いと闘技場の支配人に頼まれたのだが、
生まれつきエンターテイメントを好む彼のこと。あっという間に観客の心を掴みスター街道を駆け上がってしまった。

今夜も男は闘技場に立ち、大勢のギャラリーたちに向かって叫ぶ。

「諸君、わざわざ俺様の仕合を観るために、高い入場料を払ってよく闘技場に足を運んでくれた!
 皆を失望させないような熱く淫猥なバトルを今夜もお届けしよう!」

そして両手の人差し指を高々と衝き上げる決めポーズを出すと、割れんばかりの歓声が沸き立った。
闘技場の英雄は、太い腕をグッと組み対戦相手が登場する入場門を睨みつける。

(ふふふ。ウケるんだよな、このポーズ)

内心、ほくほく顔だった。

フォーク > 「どりゃああああああっ!!!」

今夜もザ・バーバリアンの必殺技B・B・B(ビュリホー・バーバリアン・バスター)が炸裂した。
技を受けた対戦相手は何度も地面をバウンドして倒れ伏す。
男は気を失った対戦相手を両手で高々と抱え上げた。

「我が肉体は金剛不壊。今宵も皆様の血で酔わせることができたようだな!」

観客が満足の歓声をあげる。
歓声も集まれば音の波動となる。その波動が退場する男の背を強く叩いた。

選手控室に到着した男は、気を失った相手をベッドに寝かせる。
もうそろそろ目を覚ますことだろう。
B・B・Bを受けた方はもちろん痛い。しかし見た目が派手な割にダメージは控えめになっている。
闘技場ファイターには様々なタイプがいるが、男は滅多に真剣勝負はしない。

「ふー、暑いな。やっぱ覆面を着けたまま戦うのは蒸れていけねえな」

基本的に闘技場ファイターはみな頑強で剛力だ。
そんな連中が真剣でぶつかりあえば、大怪我どころか下手すれば死人が出る可能性が高くなる。
なので観客を楽しませながら、相手に深手を負わせないという高等技術が闘技場ファイターには要求されるのだ。

「さーて、今夜はギャラも入ったし少しいい店で飲むとするか!」

人が闘士に変わり、闘士が人に戻る控室。
男は喜々として人に戻り、夜の歓楽街へと消えていった。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からフォークさんが去りました。