2016/08/19 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にフォークさんが現れました。
フォーク > 「さあ、今夜も紳士淑女をたっぷりと楽しませてやるぞーー!!」

覆面ファイターが太い両腕を天に衝き上げながら叫ぶ。
呼応するかのように闘技場いっぱいの観客たちが歓声を上げた。
人気ファイター『ザ・バーバリアン』。その正体は傭兵フォーク・ルースである。

ザ・バーバリアンが人気ファイターに成り上がった理由は多々ある。
その一番の理由が、悪くて強いということである。特に女性ファイター相手への執拗な攻めは特筆すべきものがある。
プロモーター側は利益のため。観客はバイオレンスとエロティシズムを求め、
そして我らがザ・バーバリアンはファイトマネーと役得のために闘技場に立っているのである。

はてさて、今夜の相手は一体だれか……サプライズのため、ザ・バーバリアンも聞かされてはいない。

フォーク > 「……ほー。これはこれは。俺と同じ覆面ファイターではないか」

やってきたのは、顔全体を真っ白な覆面で覆った長身のファイターだった。
身長190オーバーの男よりも、背が高い。
確か『ナッツ・クラッシャー』とか言ったか。その覆面に包まれた頭で固い木の実を砕くパフォーマンスを何度か見たことがある。

かくして試合は開始された。

男ファイター同士の試合は、真剣にやっている風に観客には見せるが実は手抜き試合だ。
ファイターにとって一番大切な要素は怪我をしないことだ。多少の流血や打ち身はすれど、骨折や後遺症が残るような怪我はさせないという暗黙のルールがある。
そもそもこの闘技場のバトルはショービジネスに近いものがある。男と女の淫猥な取っ組み合いがメインで、男同士のファイトは前座扱いも良い所なのだ。

(いいか、いくぞ)

男がナッツ・クラッシャーの背後を取り、反るように投げ捨てた。
ナッツ・クラッシャーは昏倒する。そして起き上がらなかった。

救護班が駆けつけ、敗者をタンカに乗せて退場していく。
ちなみに、ナッツ・クラッシャーの覆面の下にある頭は鋼鉄のヘルメットで覆われているのでちょっとやそっとでは気絶はしないのである。
あくまで気絶したふりなのだ。

「ふははー。どうかね諸君、男同士の取っ組み合いなので少々物足りなかったかな!?」

と、拳を高らかに挙げて勝利宣言だ。

もう一試合くらい、できるだろう。それにしても鋼鉄ヘッドバッドは効いた!!