2021/08/11 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にラッツィオさんが現れました。
ラッツィオ > 湾岸都市の倉庫街、表通りから何本か奥に入った、人通りの少ない一角。
カフェからくすねてきたような黒板つきの看板に、『便利屋コチラ』と汚い字で書き殴られていた。
倉庫に通じる扉は半開きになっており、入りやすくしておこうという最低限の配慮がうかがえる。
内部は少々埃っぽいが広く、ベッド、テーブル、ソファ、チェスト等の家具が無造作に配置されている。
男は部屋の中央にあるデスクに両足を乗せ、廃棄されたものを拾ってきたやたら豪華な革張りの椅子に深く腰掛けていた。

「――仕事――美女と仕事が同時に舞い込んで来ねェかなァ……」

今日の食い扶持に困るほど、仕事に飢えているわけではない。
何なら今すぐ外出をして、貴族の一人娘を傷物にした酔っ払いを哀れな目にあわせに行ってもいい。
だがその仕事も、契約した期日までは日があるし、尻尾を掴んでいるから逃げられる恐れもない。
面白いことが舞い込んで来ないものかと、そう期待して根城から出られずにいるのだった。

ラッツィオ > その日、新たな依頼が舞い込むことはなかった。
男は立て看板をしまいに、倉庫の外へと消えて――。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からラッツィオさんが去りました。