2021/04/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にリーアンさんが現れました。
リーアン > 宵闇に沈む港湾都市、倉庫街の一角に、其の日、己は身を潜めていた。

今宵、カジノで売買される予定の『商品』が、其の倉庫には集められているらしい。
見張りの目が光っている間は、ただ、手をこまねいているより無かったが――――

酒と博打と、女。
およそ、男を駄目にするものが揃っている此の街で、
何処までも職務に忠実になれる男など、存在していないのかも知れない。
少しだけ、などと自らに言い訳をして、最後に残っていた見張りが何処かへ、
其の背を見えなくなるまで見送ってから、己は其の建物の戸口に近づく。
奇跡的にか、何らかの意図があってか、施錠されていなかった扉をそっと押し開き、
闇の中に目を凝らしながら、そろりと身を滑らせて。

≪誰か、……居ますか?≫

囁くように投げ掛けるのは、帝国の言葉。
此れが通じる相手であれば、かなりの確率で、帝国の民であろう、と。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」に黒須さんが現れました。
黒須 > (静かな夜の湾岸都市でのこと、ひとつの喧嘩が起こっていた。
圧倒的な差で勝負は決まっており、辺り一面は流血の証が多々あった。
喧嘩の相手をしていた黒須、顔は血液まみれになりながら歩きタバコをして街を歩いていた。

「…あ?」
(少し鼻を動かして感じた匂い。
女性の匂いだが、その建物からして、似つかわしくない匂いだった。
早くもこの血を流したく宿に向かいたい気持ちを抑えながらも中に入り、暗闇の中、そこにいる女性を見つけては声をかける)

「…何してんだ?あんた…。」

(声をかけながら何かを喋る相手。
言葉はわかっていないためにしゃがみながら睨んでいるかのような目線で女性を見る。)

リーアン > 扉を閉じ切れば完全な暗闇になる、だから、扉は薄く開いておいたのだが。
其処から誰かが入ってくる気配に、まるで気付かないとは思わなかった。

「―――――――!?」

ぎくりと双肩を揺らし、振り返った視界に映ったのは、長躯を屈み込ませた男の姿。
鼻腔を衝く金臭い匂いも、其の、眼差しも。明らかに――――

≪何、仰ってるのか、解りません、わたし……≫

迷子みたい、と続ける言葉も帝国の言葉で、つまりは完全に、
迷い込んだ異国の民を装いながら。
ひらひらと両手を振る仕草、そそくさと男の脇を擦り抜ける。
今日は日が悪い、――――――出直すことにしよう、と、内心歯噛みしながら。
黒衣の裾を翻し、己は素早く、宵闇の中へ消えた――――――。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からリーアンさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」から黒須さんが去りました。