2020/10/18 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」に燈篭さんが現れました。
燈篭 > ダイラス船着き場周辺地域
港湾都市というだけあり、そこは船を添わせる水辺が大きく目立ち、船が多い
奴隷 物資 金を運び込まれるのが止んだ夕暮れを過ぎた宵闇の最中

鬼は市場で仕入れた酒を手に上機嫌で足を千鳥にさせた。
右へ傾き、左へ傾き、手には余計な彫りをしていない、真っ新な硝子瓶。
横に太いそれの首を持ち、中には凶悪な口元を開かせた見事な蛇
鬼を威嚇する顔つきと目が合うと、鬼はへらへらと笑うのだ。

鬼はその顔と、蛇が良く浸かった黄金色を好んで買い取った。
本来ならその酒、一口の丈で注ぐもの。
鬼からすれば小さい小さい 酒とはこう飲むもんだと、親の指で蛇が出ずるのを止め、天に空けた口の中。
注がれる音がどべんどべんと指で抑えちゃ量も出ない。
なぁに、傾く時間が増えればそれでいい。 ああ、何とも身体熱くなる。

「いぃ~い味だぁ……こいつぁ滾る。堪らないなぁ……♡」

生きた蛇の命が崩じた味がする。
度数のさながら、喉と胃がガァッと熱く蒸せる。
今の時期の潮風の冷たさが、熱く火照った身体に丁度いいったらない。
長く留めた髪が揺れ、潮の匂いが鼻を通っていくと、酒以外の味がしていい突き出しに感じた。

「はぁぁぁ……いい買い物したなぁ。うん! アタシはやはり買い物上手だ!」

ゴルドでいくら支払ったかなんて記憶にない。
足りなけりゃ金だろうが、銀だろうが出していたのだろう。
換金なんてめんどっちぃことを鬼はしない。
余分に出した気もするものの、鬼はこの酒が熱くてうまくて、思考も大雑把。

燈篭 > 逢魔の時間を過ぎた闇は鬼にとって心地よい
海辺は月明り そしてあちらこちらでは夜の船の為か明かりが焚かれているが、無粋なものと感じない
行先も目的もない 鬼の気持ちの向くままに、いろいろな顔を持つ船を横目に裸足で歩く石の冷たさ

熱い身体には風も石も、この暗がりの冷たさすらいい心地だ
酒を煽る音が、がぶがぶと。 蛇の頭を舌で押しやり、とうとう瓶に口をつける。
熱い 暴れたい 犯したい 鬼の願いは鬼の儘に 我が儘に収束していく。

何処の多首は鬼を拵えたとか。
ならこの蛇の酒は鬼とこうも性に合うのも不思議じゃアない。
身体の肉が潜められない。 酒も、命も、鬼は満足に食めた。
ならば鬼が次に望むのは由々しき事だけに注がれる。

「ぁあー……ちくしょうめ。 海辺酒なんざやるもんじゃあなかった。
 こりゃあいけない。 足りない、足りないよう。」

凶悪な笑みを浮かべ、しかし切なげで鬼は鳴く。
燃やし尽くすばかりの動きを欲しがっている。
この石の地面に倒れたら少しはこの火照り、マシになるか?と見下ろすも
鬼がその程度で静まるものかよ、と歩き出す。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にゼナさんが現れました。
ゼナ > 「んあぁ~~~……?」

月明りと防犯のための最低限の篝火だけを光源とした夜闇の中、寒々しく響く波打ちの音に紛れて響いたのは、曖昧としてどこか舌ったらずな声音。
そちらに目を向けたなら、つい先程曲がり角から現れたと思しき一人の娘がこてんと傾げた小首の蒼い双眸を、じぃぃいっと小鬼に向けているのが見えるだろう。
そのまま数度瞬いて、今度は逆側にこてんと頭部を倒して何事か考えるかの間を空けた後、ふらふらとして危なっかしい足取りが小鬼に向かってむっちりと肉付きの良い体躯を進めた。
そうして異貌の少女の前で膝を曲げ、小躯に視線を合わせてから

「こらぁ、だめれすよぉ、ちっちゃな子がこぉんな時間まで一人でいたらぁ……って、っぷぁ、お酒くしゃいぃぃい。なんれこんな……あっ、わたし? わたしがおさけくしゃい……? あはははははっ」

袖なし貫頭衣の大きく開いた襟ぐりが、深々と谷間の切れ込む爆乳を見せつける。間近に迫った冬をも感じさせる秋夜の寒さに見合わぬ薄着なれど、鳥肌を立てるどころかむしろ薄く汗ばむほどの体温の高さを発散させているのは、支離滅裂な言葉の羅列が孕む甘い酒精の為なのだろう。
要するに酔っぱらいである。

燈篭 > 嗚呼、熱い 蒸せる 頭がぼうっぅとしていく。
鬼の頭の中は熱で浮かされていた。
飢えという熱に。 酒で乾きは癒える。 命を食めば満たされる。

しかしこの熱だけはどうもしようがない 戦いか 交ぐわうか。
それだけでしか消えない熱を抱えている。
酒を口につけると、熱が増える。
しかし鬼にはどうもしようがない 酔いどれ、頬を染め、脚をふらつかせながらも、飢えが トマラナイ

「んぉう?」

ふらりふらりと歩いていく。
人の気が無かった静かな海辺。
鬼の前に現れたそれは肥えた雌

なんだいよく見れば剣も携えているじゃあないか
いいねぇ、いいねぇ、アタシの望む者がやってきたと背が伸び、首が上を向く。
するとどうだい、この肥えた雌 甘ったるい声と蕩けた顔でアタシを見下ろしている

「……ぁあ?」

思わず鬼は目をパチクリとしたものだ。
なにせ喧嘩を売れる相手かと思えば見てみろ皆の衆
鴨が葱と鍋に加え、卵を土産に温飯(ぬくめし)まで抱えてきたような格好だ。

「はぁぁー……こいつぁ驚いたよ、おまけに酔いどれたぁ気が利いてラぁ。」

ケラケラケラと一人笑う鬼。
酔いは残れど闘気なんざ欠片も失せた
嗚呼、勿体ない この雌が素面ならば その心 へし折ってからただの子種を注がれるだけの
それだけのアタシの一夜にしてやったというのに。

「おうおう、良く来たねぇ。アタシの相手に丁度よさげだぁ。」

そう言って鬼、気軽に挨拶をすれば上機嫌に変わる。
互いににへらにへらと酔いの顔。手をとるどころか、その鬼
小柄な体に見合わず地の力を見せる。

「おらよっっと♪」

懐に潜り込み、脚を一発払うなら、雌は担がれ鬼の向くまま

「ええ、とぉ。」

肥えた旨そうな雌を抱え、酔いどれていれば更に手軽
額に片手をかざし、トォーーンッと船へ一蹴飛び。

「とぉっ!」

酔っ払いを相手に担いで飛んでは危うい手ながら、気にしない
無人の選んだ船は、穂を携える小舟ながら、中に部屋を盛ったと見える手ごろ感

「いやぁ良いのが手に入ったぁ。
 蛇なんざ呑んじまった 空が白む以上に楽しめそうだ、なっ!」

パァンッ!と揉みしだきの甲斐がありそうな、褐色の尻に向かって一発平手打ち
良い音が鳴りながら、部屋の中へと連れ込もうか。

ゼナ > ゼナは自分が酒に弱いことは既に自覚しているので、アルコールの類には出来るだけ近寄らぬ様にしている。それでも、世の中には付き合いという物があり、生来の押しに弱い性格も相まって、強くしつこく頼み込まれれば「―――わかりました、一杯だけですよ……?」などといってついつい差し出された杯を受け取ってしまう事もある。
今回も共に商船護衛の仕事をこなした冒険者達との打ち上げパーティの最中、どうしても断りきれずに呑んだ一杯だけで小麦の顔をぼふっと炎熱させ、思考も口調もぐにゃんぐにゃんに蕩けさせてしまったのだ。
早々にぐでんぐでんとなった戦士娘の酒の弱さに驚きつつも『これはイける』とほくそ笑んだ他の冒険者達の邪な企みなど知らぬまま、小用に立ったゼナは、何をどう間違えたのかトイレの窓から酒場の外へとぬめり出で、ちょっと散歩で夜風に当たろうとしているうちに迷子になって、船着き場での奇妙な出会いに辿り着いてしまったのだ。

「んあぁ~…? あなたのおあいてれすかぁ……? べつにいーれすけどぉ……あ、でも、ごりょーしんがしんぱいしてるでしょーしぃ、あそぶのは明日にしてぇ………んにゃあっ?」

小躯に見合わぬ屈強な女傑めいた口調に面食らいつつ、『アタシの相手』と言われて追いかけっこや紐飛びといった子供の遊びを思い浮かべて考え込んだ酔っぱらいは、次の瞬間予想外の力強さに抱え上げられ頓狂な声を漏らした。
そのまま少女が信じがたい跳躍で夜空へと飛び上がったなら

「にゃぁぁあああああ………あははははははははははははっ♪」

猫の鳴き声めいた悲鳴がそのまま笑い声へと繋げられた。
幸いにして航海の最中の大嵐にさえ酔って中身をぶち撒けるという事のなかった戦士娘の三半規管は、酸っぱい体液を少女の背筋にぶっかけるなんて粗相もせぬままお持ち帰りされた。

「――――ッにゃふん!?♥ い、いきなり人のおしりたたいちゃいけませんんぅぅうう~っ」

むちむちの太腿に食い込んで、乳肉にも負けぬ豊満な尻の丸味をぱっつんぱっつんに浮き上がらせたホットパンツを小気味よい音と共に震わせた戦士娘は、着地の衝撃にゆらりゆらりと揺れる小舟の奥の暗がりへと連れ込まれる事となるのだった―――。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からゼナさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」から燈篭さんが去りました。