2019/09/07 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にチヅルさんが現れました。
■チヅル > たまの気晴らしに、とふらり流れ着いた港街。
朝は眠りを貪り、ようやく動き出したのは昼もやや過ぎた頃。
特にすることもなくフラフラと彷徨うこと数刻が経ち、既に日が沈みかけては街を薄赤く染め始めていた。
同時に人の行き交いは収まるどころかその賑わいを増し“夜の顔”へと変えていくのだろう。
このまま賑わいに溶け込むか、それとも一度宿に戻るか。
さてどうしたものかと案を遊ばせながら白くか細い指は同じく白さが際立つ薄い顔立ちの口元を覆う。
なにかを考える時のクセである。
不意に。
視界の中、人混みの中に視線を集める“浮いた出で立ち”を見つけた。
遠目に見てもわかる、双つの存在感を揺らし頬を朱に染めるーー少女。
恥じらいではない、もっと欲を内包した貌に目を奪われること数瞬。
放っておいてもいいだろうがこれ以上暗くなれば流石に狼藉を働こうとする輩も出てくるはず。見てしまった以上は仕方ないと頭を振りながら女影に歩み寄る。
「君、迷子かい?もう直暗くなる。この辺りはごろつきも多い、宿まで送ろうか?」
正面から青い服に身を包んだ細身がやってくるのが見えるだろうか。
全体的に線も陰も薄い姿は一見男のようにも、女のようにも見えるだろう。
目の前まで来ればひょいと身をかがめて視線を合わす。
どうやら宿まで案内しようと申し出ているようだ。
■トルテ > (男たちの不躾な視線で散々に豊乳を弄ばれて昂ぶりを覚えたお嬢様は、そろそろ近場の宿に部屋を取り、そこでガチガチにいきり勃った剛直を一度鎮めようなんて事を考えていた。本来であれば赤地に黒のチェック模様の入ったスカートを不自然な膨らみで持ち上げるだろうふたなり巨根も、今はコルセットめいたハイウェストにて下腹に押し付けられているため然程目立ちはしていない。それでも自分がいかがわしい妄想で淫乱な体躯を火照らせているという事に後ろめたさは感じていたのか、不意に投げられた涼声にはビクンッとその身を跳ねさせてしまった。そんな動きにさえふくよかな双丘は柔らかく揺れて周囲の目を楽しませてしまう。)
「―――ふぇっ、え、ええ、と、その、ま、迷ったわけではなくてですね、わたくしは今夜のお宿を探している所でして、その……あ、ありがとうございます」
(黒の垂れ目をきょろきょろそわそわ彷徨わせ、頬の赤みを一際強く広げながらの言葉は挙動不審を絵に描いた様な代物。その最中にちらりと盗み見たのは、男装の麗人とも美形の貴公子とも取れるスレンダーで中性的な姿。そんな相手が身をかがめて美貌を寄せるなら、こちらはますます胸の鼓動を弾ませる事となる。それでもその申し出はとても親切な物なのだからと、逃げ出したくなる気持ちを押さえつけてひとまずはお礼の言葉とできるだけ淑やかに見える笑顔を相手に返す。)
■チヅル > 少女の答えは、どうやら満足のいくものではなかったらしい。
驚き慌て取り繕う笑顔を見ては「なんてこった」と言わんばかりの表情がついこの出てしまう。目を伏せると長い睫毛が緻密に重なり、額に伸びる指がそこに陰を落とす。
些細な動きにも大げさに追従するふくらみがチヅルの、周囲の視線を掻っ攫い、無防備さを際立たせるのだ。
放っておけば本当にさらわれてしまいそうな予感にハァ、と漏れたため息も拍子抜けのせいか半音上がったようにも聞こえる。
「…この時間だと合いてる宿なんて闇宿か色宿くらいなものだよ。
失礼かも知れないけど君、ひとり旅は初めて?
…ううん、ちょっとぶっきらぼうが過ぎるか。
僕のとってる部屋で相部屋だけど、それでもよければどう?
正直、このまま放っておくのも心残りなんだよね」
やや呆れ気味に、芝居がかったちょっと大げさにも見えるリアクションで視線を山分けながらチヅルは少女に提案をする。
■トルテ > (実際トルテは迷子ではなく、送ってもらう宿さえまだ決めていないという有様。それでもここはいくつもの宿が連なる宿場通りなので、部屋を見つけようと思えばすぐにでも見つかるだろうと高をくくっていた。とは言え、中性的な面立ちの娘からのエスコートの申し出はありがたく、それ故『ごめんなさい』という拒絶の謝罪ではなく、感謝の言葉と笑みを向けたのだ。)
「―――――え…? い、いえ、その、この街には幾度か訪れておりますし、いつもならこの時間でも部屋を取るくらいは……、あ」
(続いて彼女から発せられた申し出に黒瞳を丸くしたお嬢様は、数度の瞬きを交えつつ言葉を紡ぐも、その途中でようやく思い至ったかハッとした表情で半開きにした口元を繊手に隠した。今日のダイラスはいつもに比べて人が多いとは思っていたし、近々祭りが始まるなんて話もここに至るまでの船上で耳にしていた。となれば、親切な彼女が言う通り、既にどこの宿も満室なんて可能性は少なくない。さぁ…っと童顔を青褪めさせたお嬢様は)
「あぁ……そんな、ど、どうしましょう……。わたくし、うぅ……どうしましょう……」
(眉尻を下げた困り顔であっけなく狼狽した。常日頃からいやらしい妄想を楽しむお嬢様なれど、流石に実際そうした宿に泊まる勇気など持ち合わせていない。となれば中性的に見えても恐らくは自分と同年代くらいと思しき彼女との相部屋こそが、今のトルテに残された最良の選択肢なのは間違いない。とはいえ、未だスカートのハイウェストの奥にて灼熱の滾りを保ち続ける剛直が、相部屋の近しさの中で露見してしまうかも知れない。とは言え冒険者の如く野宿に甘んじる逞しさなどあるはずもなく)
「―――――……あ、ありがとうございます。貴女の親切な申し出に、甘えさせてくださいませ」
(結局はかぁぁ…っと頬を染めた上目遣いを彼女に向けて、こちらからも相部屋を願う事となったのだった。)
■チヅル > (うん…この子の眼は蠱惑が過ぎる。というかそそる。)
ころころと変わる面相を眺め、最後に出た上目にほんの少し固まる。
一瞬と言えども少女の目に呑まれ、息を呑んだのだ。
ハ、と我に帰り小さく咳払いをすれば今度は頬を緩めて微笑みを向ける。
とりあえず目先の懸念は拭えたようだ、と納得し。
「うん、では甘えてもらおうかな。
さて、それじゃあ部屋に行こうか。それともご飯にするかい?」
満足そうに大きく頷く。少し重みのある亜麻色がひょこり、と揺れる。
そして迷うそぶりもない細く真白な指が彷徨う少女の手を曳こうとす、と伸びる。
緩慢だが無駄のない動き。特に抵抗もなければその指は少女の小さな手の甲に触れ、優しく握るだろう。
「ああ、そういえばまだ名乗ってなかったね。
“私”はチヅル。君はなんて呼べばいいかな?」
ゆっくりとまぶたを押し上げると蒼い双玉が少女の黒眸を見つめる。
名乗る声と言葉に少しだけ柔和さが混じれば警戒を解いたようにも聞こえるか。
■トルテ > (懇願に対する不自然な間が、気恥ずかしさの混ざる上目遣いを数度瞬かせた。しかしすぐに彼女が笑顔を向けてくれるなら、こちらもほ…っと安堵して)
「それではお部屋への案内をお願いいたします。その、夕食は……えぇと、あまりお腹が空いていませんので」
(宿探しの途中で見かけた露店にてあれこれ買い食いしてお腹いっぱいになっていますとは言えず、つっかえつっかえの言葉を笑顔でごまかし夕食の誘いには遠慮を返す。少女の繊手が騎士めいて向けられるなら、こちらもまたごく自然に白手を重ねて彼女のエスコートを受け入れた。手指を握るその所作にいやらしい所などなかったはずなのに、それでも「ん…っ」なんて吐息が漏れてしまって頬のピンクが強まった。)
「あ、そうでしたね。ごめんなさい。わたくしはトルテと申します。相部屋のお誘い、改めて感謝させてくださいませ、チヅル様」
(身長差から見下ろす形となった碧玉に向けるのは、あどけなさを残す黒瞳。
つい先程まで互いの名すら知らなかった初対面の相手なれど、トルテは最初から警戒心など抱いてはいない。世間慣れしていないお嬢様故の無警戒もあるだろうが、騎士めいた所作の似合う眼前の少女が良からぬ事を考えているとは思えなかったという理由が強かろう。どちらかと言えばスカートのハイウェストに隠した剛直を始めとして、トルテ自身のいやらしさを露呈する事なく一夜を過ごせるかの方が問題だろうとお嬢様は考えていた。)
■チヅル > 「はは、様付けか。ちょっと照れちゃうな。
それじゃあ改めて、こほん……トルテ様、エスコート致します。
はぐれないよう、御手をお借り致しますね。」
ごく自然に出てきたのだろう、育ちの良さが窺える丁寧な言葉遣いはチヅルにとって珍しく、またこそばゆくもあった。
令嬢の煩悶など露知らず。
まるで演劇のようなセリフとともに重ねた指に僅かに力を込めて握る。
そして恭しくお辞儀をすればゆっくりと振り返り宿へと導く。
頬に差す朱が濃くなっているのを横目に見れば、自身の理性がどこまで持つかも少し自信がないこと察せられないよう一人苦笑を浮かべながらすいすいと人混みをすり抜ける。
少女の歩幅に合わせて無理のない速度で、かつ最小限の動線で振り回さないように。
「大丈夫?もう着くからね。」
時折振り返っては状態を見やりつつペースを調整していく。
そう言い切るが早いか宿の前へと辿り着く。
ーー中の中、と言った評価がしっくり来るような印象に薄い3階建ての木造宿。白く塗られた壁が入り口から左右に伸びていてそれなりの大きさを感じさせる。
慣れた感じに戸をくぐり階段へ。躓かないよう1段1段を慎重に登らせながら先導したのは最上階、角部屋。
ここでの最高級なのだろうか、高価なわけではないがそれなりに整えられた家具、人一人には少々持て余す広さの間取りに大きな寝台が特徴的である。
大きい窓から見える見晴らしが微妙なことを除けば好条件なスイートルームだ。
「お疲れ様ですトルテ様。大したものもない部屋ですがどうぞお寛ぎくださいませ…ふふっ、やっぱりガラじゃあないなぁ」
こうして部屋の中央まで連れてくれば手を離しこれまた芝居がかった動きで振り返れば片膝をつき丁寧に一礼をして…やはり小恥ずかしいのか直後小さく照れ笑いをしながら頬を掻く。
■トルテ > (女にしては背も高く、鋭利な美貌にもどこか男性的な凛々しさが宿っている。それでもスラリとした肢体の細さと、一つ編みにした亜麻色の長髪はその姿を女として捉えさせる。その結果として今のトルテは、男装の少女に手を取られてエスコートされるお嬢様という、少しばかり微笑ましい形で周囲の注目を集める事となっていた。それでも胸の駄肉には時折男たちの卑猥な視線が突き刺さりるも、先程までに比べれば明らかにその圧は減じている。)
「はい、お気遣いありがとうございます、チヅル様」
(おかげで淫乱気質を秘めたお嬢様も、いかがわしい妄想などすることもなく少女の案内する宿に辿りつくことが出来た。彼女のエスコートはその見目を裏切る事のない手慣れた物で、同性とは言え出会ったばかりの相手と一夜を共にするという緊張感をいくらか解してくれた。案内された宿は然程立派な物ではなかったけれど、それでも十分な清潔感を有していたというのもお嬢様の安心感を強める一助となっていた。)
「とてもいいお部屋ですね。ありがとうございます……ふふ、その様におっしゃられますけど、チヅル様のエスコートは随分手慣れている様に思えましたよ? 普段からわたくしの様な相手をこうしてお部屋に連れ込んでいるのかしら、なんて思えてしまうくらいに」
(おどけた一礼の後に向けられたはにかみ笑いに返すのは、トルテにしては珍しい忍び笑いを含んだ冗句。性の匂いを感じさせない彼女だからこそ安心して向ける事の出来た言葉――――ではあるのだけれど、きょろきょろと視線を巡らせたとて室内に存在する寝台は一つきり。大きなベッドは二人で寝転んだとて十分ゆったりとできるだけの広さはあるけれど、それでもそこには気恥ずかしさと緊張感を抱かざるを得ない。寝台に黒瞳を向けたまま不自然に黙り込んでしまったお嬢様の頬が、ふたたびじわじわと朱の色彩を滲ませはじめていた。)
■チヅル > 「さぁ、ね?」
少女の悪戯気な問いかけに意味深気に微笑み濁す。
その雰囲気は先ほどまでのものとも違う、少しだけ色香を混ぜたもの。
「冗談は置いといて、仕事柄案内人みたいなことや芝居を打つこともあるからね、こう見えて芸達者なんだよ」
と、すぐに素の雰囲気に戻りおどけて見せるがその目の前では少女は一点を見つめたまま再び頬を燃やしているところだった。
視線を追えばその理由を半ば察した様子でゆっくりと、しかし流れるような動きで少女の背後に回りその小さな双肩に手を置く。
そのまま可愛らしい耳元へ唇を寄せ、吐息がかかりそうな距離まで詰める。
「具合が優れないようだね。ちょっと熱っぽいみたいだ、少し横になるかい?」
そ、と囁く声。からかう物に違いはないがその声には確かに色気の孕んだものであり。
■トルテ > 「なるほど、そういう事だったんですね。チヅル様が実は軽薄な遊び人、という訳ではなくてほっといたしました」
(彼女の言葉からその生業がどういった物なのかは想像も出来なかったけれど、それでも返す言葉はくすくす笑いを伴う戯れめいた物。このお嬢様にしては、そしてこの短時間にしてはずいぶんと気楽に話せる様にはなった。それでもこれから数刻もしない内に彼女と褥を共にするかと思えば、薄れつつあった緊張が再び顔を覗かせるのも仕方あるまい。そんなタイミングで背後に回り込んだ長駆がトルテの肩に繊手を添えたなら、お嬢様はひとたまりもなくぴくんっと肢体を跳ねさせて、耳朶に注ぎ込まれる妙に甘やかな囁きに)
「――――ふぁぁ…っ♡」
(思わず恥ずかしい声音を漏らしてしまった。それに気付いて赤みを増す顔を俯かせる。頬が赤いのは熱があるから。彼女が先に告げた言葉を言い訳にするように)
「は、はい……思ってた以上に、疲れてしまっていたのかも、知れません。お言葉に甘えて、少しだけ……」
(言いながら寝台へと近付いて腰を折り、パンプスのアンクルストラップをしゅるりと解いていく。豊尻がスカート裾を持ち上げて、楚々としたペチコートのヴェールの奥に、むっちりと肉付きの良い太腿を見せつけた。一瞬外着のままで寝転がる事に抵抗を覚えるも、萎えていてさえ野太い淫蛇を押さえつけているハイウェストを解いて着替え姿を晒す事などできるはずもない。着替えは彼女が夕食などで部屋から出た隙を狙ってさっと済ませる事にして、今は少々はしたなくもこのままの姿で……と決めてその身体を寝台に横たわらせた。―――その後、ふたなりの淫蛇を隠すお嬢様が何事もなく一夜を過ごす事が出来たのか。それを知るのは褥を共にした二人だけ。)
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からトルテさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からチヅルさんが去りました。