2019/07/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にクルトさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にホアジャオさんが現れました。
クルト > 知人にあの港町は食う物が美味いだとか、遊ぶところが多いだの教えられ足を伸ばしたのは良い物の。
遊ぶと言っても札遊びは何人か指使いの怪しいディーラーが居たのでパス。
ではせっかくの海辺だし釣りでもするかと思い港の方にとやってきたのだが……

「めんどくさい……」

話は単純、見るからにこの街を歩き慣れていないよそ者の少年が人気のない場所に迷い込み。
服装は知識がなくても金のかかったものと判る一品、それも一人きり。
これはカモだと地元の荒くれが絡んでくるのは考えてみれば当然だった。
はじめは親切を装い案内してやろうかと声をかけられ、断れば人の親切を……と暴力を仄めかし絡んでくる。まったくテンプレである。

なのでまずは下っ端らしき男の顎を拳で跳ね上げ頭を揺らしたところで腹を蹴っ飛ばし壁に叩きつける。
続いて地を這うような異様な前傾姿勢で一気に間合いをつめ、容赦なく身体が浮くほどに腹を突き上げ悶絶したところを股間を蹴り上げてやる。
いずれも小柄な体躯を補うようなくるくると回転の力を攻撃に加えた動きであり、遅滞なく円運動を繋いでいく動きは熟達のもの。
そうして頭目と思わしき男は身長2mを超える大男、単純な力比べでは少々分が悪いと右腕を引き絞り

「雷気発剄」
胸の上に手のひらを叩きつけると同時、雷気のほとばしりが弾け、心の臓に電撃を叩き込まれた男はビクンと痙攣するとそのまま動かなくなる。
まあ呼吸はしているから死んではいないだろう。
せっかくの旅行がさっそくケチがついたと眉にしわを寄せながらも、ちゃっかりと迷惑料を懐から徴収していきよし、と頷いて。

ホアジャオ > 船着き場の片隅、空の貨物の木箱が積まれた上、木陰になり、海風が吹き抜ける場所で
海の男たちに餌付けされ、たむろしている猫たちに塗れて寝転がっている女がひとり。

「―――…ンん…」

これぞ、と思えば
―――たまにいじめても良さそうだと思っただけの時でも――
身なり身分誰彼構わず喧嘩を売ることで、すこーし悪名高いその女の耳は、争いの物音が聞こえてくれば、それを聞き逃す事なく
ぱか、と細い目の瞼を上げると、のしかかっている猫たちを跳ねのける勢いでぴょこん、と上体を起こす。

「―――喧嘩…どこ…」

寝ぼけまなこをきょろきょろと見回せば、倒れ伏す中に立っている少年がひとり。
それを見止めると、にま、と紅い唇が三日月を描く。

「来运气(ツイてる)……
ねえ!ちょッと!」

ぽんと空き箱から飛び降りると、にこにこぶんぶんと手を振りながら駆け出した。

「アタシとも喧嘩してよ!」

軽い足音で駆け寄る女を、少年は果たして『どう』判定するのか…

クルト > 暑い……と眉間にしわを寄せ心底嫌そうに呟く。
この一見すれば暑苦しそうに見えるコートは環境維持機能、つまり暑くても寒くても一定の気温を保ってくれるのだが照りつける太陽の下で暴れると気分的に暑くなる。
首元が汗で気持ち悪く姿隠しのチョーカーを外すと耳と尻尾がぽふんと零れ出て……。
次の瞬間声をかけられると鼻にしわがよるほど嫌そうな表情を浮かべ。

「なに?こいつらの親玉か何か?」
獣性を抑えるチョーカーを外したせいで相手の爛々とした気にあてられ、打つような闘気を向けながら、脱力した独特な構えを向けて

ホアジャオ > 「――親玉にみえる?」

傍まで駆け寄って、たん、と立ち止まって両手に腰を当てる。
そのまま好奇心の塊の視線で、少年の下から上までじろり、と撫で上げて。

「まァ、喧嘩してくれる、ってェならそういう事にしてもいいケド
――ね、アンタなら今の、準備運動位でしょ?」

最中の動きは見れていなかったが、相手がいささかも呼吸を乱していない様子を見ればそれくらいは解る。
――そして、大概そういう場合、ほんのすこし物足りないのだ……
少なくとも、自分の場合は。

「ついでにもうちょッと身体、動かしても損はないと思うケド?」

怪我でもしたらふつう、損に決まってはいるのだが
そんなものは損の内に入らないとでも言うように。
早くも自分も準備運動とばかり、足首、手首をほぐして、首をぐるりと回して
また相手に視線を合わせると、にっ、と細い目まで綻ばせて笑った。

クルト > 「見えないね」
どことなく荒々しい空気を纏っているが先ほどの奴らのような野卑な物は感じられない。
どちらかと言えば大きなネコ科の肉食獣と言ったところか、好奇心と面白がるような瞳、それから一見して見て取れるしなやかな身体つきからそんな印象を。

「別に、俺は喧嘩だとかそういう荒事を楽しむようなタイプじゃないけど……そういう……遊びは好きだよ。
 殺し合いじゃないんでしょ?なら、いいよ
 何か賭ける?」
普段ならばこの身体を動かした後の昂ぶりは自分でなだめ静められる、そういう訓練も受けてきた。
けれどこの相手は『気持ちの良い』奴だと直感が告げている。
だったらこの、ちょっとやってみようかなという気分は悪いものではない。

右足ごと右半身を軽く引き、突き出した左手の平を相手に向けて構えを取って。
乏しい表情にあるかないかの笑みを浮かべて、くいと誘うよう顎をしゃくり。

ホアジャオ > 「――まァ、そだね。
少なくともアタシは、アンタを殺すつもりはないなァ」

殺し合いか、と聞かれると、はて、と考え込む。
故郷でのマフィア同士の抗争も何事も『喧嘩』のひとことで片付けてきた。
流石に『戦争』とは区別はつけるが、そのほかはぜんぶ、女に取っては一緒だ。
ぶちのめして、倒れたら、負け。
倒したら、勝ち。
相手が乗り気の様子なら、更に嬉しそうに細い目が細くなる。

「ホント?ありがと!
賭け――なら、そだなァ……」

くるり、黒い瞳を一巡させて。

「『負けた方が、この街で一番のレストランでご飯を奢る』
…ってェの、どお?」

負けるつもりが全くない女は、果たして賄い切れるかどうかの賭けの商品を口にして
こちらも、半身を相手に向けて、腰を低く、落とす。
紅い口元は笑ったまま、その視線は相手の挙動を見逃さないように据えられて…細められる

クルト > 「ああ、うっかり死んだらその時はその時って事で」
自分も、それに相手も、積極的に殺すつもりはないが当たり所が悪ければどうなるかわからない。
そこまで気にして拳を振るえるわけがないとあっさりと割り切って、骨が折れるなんてのは回復魔法なり霊薬があれば治るからノーカンだ。
好戦的な、しかし油断のない鋭い視線が肌をぴりぴりと刺激して心地よい。

「この街一番の、ねえ……。俺、結構食うよ?」
言外に自分が勝つぞと挑発を交え、こちらを見切ろうとする鋭い視線には心が躍る。
ならば見せてやろうと全身に魔力を充溢させ足周りにパリ……と雷気が散る。
足運びは右に流れる動きを見せながら、僅かに浮いた足裏は地面を蹴らず滑り雷気の反発で身体を反対側に流す。
身体の起こりから動きを見切るような相手を惑わす幻惑の歩法を交え、しなるような蹴りが側頭部を狙い跳ね上がる。
速く鋭く、しかし体格のせいで僅かに軽い一撃を。

ホアジャオ > 相手の足元に立ち昇る痺れる気配に細い目を目いっぱい開いて見とれる気配を見せるが

「!おッ、とお!」

次の間、側頭部へ集中する気配にほぼ反射といって良い、跳ねるように身を斜めにしながら身体を沈める。

「魔法、使えンの…!」

ずるい、何て不貞腐れた表情で呟きながら
横倒しに倒れる、その身を支える両手を着くと同時、地面すれすれを滑って行く蹴りを足を跳ね上げる様に放つ
―――果たして、雷を纏うような軸足に届くだろうか?
届いたところで、何が此方のみに起こるのだろう?――

クルト > 「へぇ……今の初見で見切るんだ」
結構自信あったんだけどな、と楽しげに口の端が吊りあがる。
根無し草になって以来、仕事に厄介ごとにと何度も闘争を経験してきたが、こうした競い合いというのは久方ぶりだ。
楽しい、という感情がじわじわとこみ上げてくる。

「俺の武器、だからね」
ずるいの言葉は不意を討てた褒め言葉とさらりと受け流し。
一見すれば無理のある体勢で避けたというのにしなやかに身体を攻撃に転じさせる対捌きは目を見張る。
蹴り足の勢いを殺さず遠心力で身体を引かせ転がるように地面に身体を投げ出し蹴りを回避すると倒れこむ寸前に手で地面を打ちくるりと身体を翻し一旦間合いを離して。

「流石、慣れてる」
深く長い呼吸で身体のリズムを整え、楽しげな笑みを向けて。

ホアジャオ > 躱された蹴り脚の勢いを止めず、重心をそのまま両手に乗せると横転の要領ですとん、と立ち上がる。
当たらなかった事については少し口を尖らせて
それでも、少年の言葉にふふん、と得意げに顎を上げて見せる。

「伊達で喧嘩売りまくってないかンね…
次、アタシからッ!」

す、と視線が鋭くなった次の刹那
た、と地面を蹴った音がした、次の瞬く間には
離したはずの間合いが触れ合う距離までに縮まっている
懐近くへ現れた身を屈めた女は、そのまま伸びあがる様に少年の顎へと勢いを乗せた掌底を放つ!
訓練を受けている身ならば、その動きは見止められたかもしれないが
果たして、反応できるか、否か―――

クルト > 「いつもこんな事を……それは流石にちょっとどうかと思う!」
売りまくってるんだ!?と流石に驚き突っ込みを入れてしまうが、油断したつもりはなかった。
だというのに想像よりもずっと上の速度に一瞬反応が遅れ……しかし視線は交差するほどにはっきりと追いかけて、瞳に互いの姿を映しこみながら楽しげな笑みを向けて。
伸び上がる掌底に腕をクロスさせて受け止め、はっきり言ってパワーでは勝てそうにないなと軋む腕に眉をしかめながら宙へと飛び上がり勢いを殺す。

本来ならば人が一番無防備になる接地箇所の無い空中、しかし足先にほとばしる雷気が宙にレールを描き、その上を滑るように旋回。
尻尾を翻し勢いをつけた踵落としをお返しとばかりに打ち下ろし。

ホアジャオ > ばん!と音立てる勢いで掌底が相手の防御に阻まれる。
瞬間、相手が宙を滑り旋回するのを目で追いつつも、放った腕の勢いそのままに、こちらも身をぐるりと翻して

「十人十色、ってえ…いうでしょ!」

身体を回すその勢いを乗せ、背面側へ跳ね上げる足の踵が、落とされる踵を迎え撃ち
中空でがん!と打ち合う音。

「ふンぬ……!」

踵が痛い。
思わず細い目に涙が滲むが
その跳ね上げた足を更に振り切って地面へと落とすと同時、
逆側を跳ね上げて、落ちて来る――筈の――相手の肩口、または側頭部を捉えんと蹴りを放つ!
回転の勢いは消え、体重を乗せたものではない、あくまで勢いだけの風圧が、彼に迫って――

クルト > 「負けず嫌い……だね!」
踵に対して踵をぶつけるなんて無茶な動きに呆れたように、けれど面白がる声音を交えてハッと笑い飛ばし。
蹴り上げられるまま身体が運動エネルギーを失い一瞬の停滞。
続く蹴りは回避しきれはしないが、体重が乗っていない事を見て取り間に腕を割り込ませ、勢いに押されるがままに吹き飛ばされて間合いを離し。
両手両足で地面を削って滑りブレーキをかけて。

「じゃあ、今度は俺が……っ」
速度が自慢の自分が速度で驚かされた、その意趣返しだとジリ……と地面に雷気のレースを生み出し、四足の獣のような姿勢で打ち出されるように加速。
ここからそこに打つぞ、と隠し切れない闘気を胸元に向けながら、引き絞った身体から矢のような掌底を心臓めがけて打ち放つ。
こめられた電撃は流石に加減はしたものの直撃を食らえば一瞬自由を奪われるだろう。

ホアジャオ > 当たった、と見た相手は敢えて吹き飛ばされた様子で、器用な身ごなしで体勢を整える。
その仕草にわあ、と思わず目を輝かせてしまいつつ、口先だけは残念そうに尖らせる。

「当ッたり前でしょ。負けて楽しいわけ…
まあそういう時もあるケド」

言いながら自分を鑑みてみて、そういえば、と後頭部をぽりぽりと。
見遣る相手は、相手が何事か『溜め』の気配。
そうして少し、解るようになった痺れるような、雷が満ちる気配。
次には正に電光石火、少年が向かってくる――正面に。
勢いは風圧さえ載せ
そのまま己が胸に向けて放たれる、矢のような掌底――

「!啊(わぁ)…」

細い目を目いっぱい見開いて見守る中、少年が迫る気配で『躱しきれない』と身体が悟る
と、女の上体からくたりと力が抜け
風に押される羽が如くふわり、と上体を仰け反らせて膝を落とす。
それでも、胸元から顎先を、痺れる気配が通って行き――

「痛ゥ――ンのォっ!」

ぐ、と再び身体に力が入る。
自分の上で伸びきった腕、その肘へ向けて
ブリッジするように更に身体を仰け反らせながら、折った膝を上へと跳ね上げる!

クルト > 「勝った方が楽しいに決まっている……っ」
当然だと頷き、相手の驚いた様子にどうだ見たかと悪戯の成功した子供のような笑みを浮かべる。
当たれば骨が軋み肉が弾ける応酬を繰り返しながらもそこにあるのは競い合い遊びを楽しむような胸躍る感情で……。

「それ、避けるんだ……!」
未熟、攻撃の威は直前まで隠すべき、しかし高揚しすぎたせいか相手は明らかに予兆を察知していた。
折り重なるように交差していく身体、すれ違う視線と視線
一瞬が間延びして引き伸ばされていく感覚の中膝が腕を跳ね上げ……等速に戻った世界の中で慣性のまま吹き飛び、左手と両足で地面を削りながら体勢を整える。

ずきずきと痛む腕はおそらく骨にヒビが入っている。
それがどうした……と折れた右腕を囮に使えば……と冷えた殺気を迸らせ……。

「負けた」
あの瞬間打てる最高の手を打ちかわされ反撃まで受けた。
殺し合いならここからが本番、身を削りながら相手の命脈を抉り取る泥臭い闘争が始まるのだろう。
けれどこれは喧嘩だ。
鮮やかな一撃を決められた以上、自分が負けたと言わざるを得ない。

「……」
悔しいけれど、凄く悔しいけれど、もう一回!と声を上げたいけれど。
眉間と鼻にしわを寄せ凄い悔しそうな表情を浮かべながらも力の入らない右腕を持ち上げ、精一杯の潔さアピールを。

ホアジャオ > 蹴り上げた足のまま身をまた翻し、後転の要領で立ち上がる。
先ほど打ち合った左の踵が痛んで、萎えそうになる膝にぐ、と力を入れて踏みしめた。

「刺痛(あたた)……」

次には顎に残る痺れをさすりながら、また体勢を整えた相手に向けて半身を向ける、が
一瞬、漂う殺気に、再び視線を鋭くして相手を捉えて――

「――ン?」

次に少年から発せられた言葉に、思わずきょとんと眼を瞬く。
しばらくそうして相手を見て、ぽりぽり、とまだ痺れの残る顎を指先で掻いて

「――勝ッた」

潔い宣言と、悔しそうな表情の相手を見て取ると、両手を万歳の形にして上に上げる。
その表情は

『未だやれるンでしょ、って声かけたいけど何だか折角潔く宣言してくれてるんだし我慢しなきゃ』

を雄弁に物語って―――何だか物足りなさそうな。
それでも次に一つため息を付くと、気を取り直したようでにま、と紅い唇で微笑う。

「じゃァ、ご飯おごりね!
―――言っとくケド、アンタも相伴すンだかンね?」

金だけ出させて一人飯、というのは何とも味気ない。
もうすっかり気を許した様子で少年に近付くと、その両肩をバシバシ叩きながら

「大丈夫!足りなくなッたら、近くのゴロツキから巻き上げれば良いンだから!」

何の心配をしているんだか…

クルト > 「殺し合いでいいならもうちょっとやれる
 けど、そういうのじゃないでしょ?
 マトモに打ち合ったらゴリラパワーで負けるから次はもうちょっとやり方を変える」

合意の上での喧嘩は荒っぽい試合のようなもの、だからやられたと思ったらそこで負け。
と、相手の不満そうな目に気付いて返すも、やっぱり負けたのは悔しい、そしてあの時ああしていればとたらればが浮かぶ自分の未熟さが一番悔しい。
だから次はと自然に口にして、チョーカーを付け直すと耳と尻尾が霧のようにぼやけて消えていく。

「俺も身体動かしてお腹空いたし、いい店を教えてくれるなら願ったりかなったり
 大丈夫、これでも俺結構稼いでるから」
ばしばしと肩を叩かれ身体をぐわんぐわん揺らされながらゴリラ…と憎まれ口をこぼすも逃げるほど嫌なわけでもなくて。
コートの収納から取り出した下級回復薬を取り出し一口、腕の痺れが取れれば後は自然治癒に任せた方が骨が頑丈になる……と思う。
で、どこ?と視線で問いかけ。

ホアジャオ > 「…ちょッと、仮にもカヨワイ女性に対して『ゴリラ』は無いンじゃァないの」

バシバシ叩いていた腕をぐい、と相手の首を抱え込む様に伸ばし、叶うならばその頬っぺたをぎゅーと引っ張ってやろう。
消えていった尻尾と耳の辺りを、少し名残惜しそうに見遣ってから

「まァねえ…弾みで死んじまうってえのはともかく、最初ッから殺すだのなンだのってェのは、趣味じゃないや。
――楽しみにしてるよ」

『次』という言葉が滑り出たのなら、にまあとまた紅い唇が三日月に笑う。
何処へ行くのか、と尋ねられるならそのまま、ふっふっふ、と笑って少年を引きずるようにして歩き出そう。

「ハイブラゼールのちょいと奥の方。
最近出来た『本格的シェンヤン料理』がウリの店で、点心が美味しいらしいンだよ。
――他にも『火を吹く』くらいに美味しいやつが、ね」

けらけら楽し気に語るその口調。
シェンヤン料理に多少通じて居れば、味についての言葉の裏を、探る事もできたかもしれない…
ともあれ、少年を伴って船着き場を後にしよう。
先の喧嘩と、待っている晩餐と――新しい『喧嘩友達』を見付けた所為で
その足取りは何時にもまして軽く、跳ねるように

クルト > 「俺の体重乗せた蹴りを蹴りで打ち上げてくるパワーでか弱いとか、冗談」

ハッとおちょくるように笑うも頬を引っ張られればじたばたと暴れ抵抗を見せ、けれど本気で押しのけようとしているわけでもなくじゃれあう程度には気を許している証で。
なにやら執着を感じる視線にはびくんと、尻尾の代わりに紐で括った髪の毛がピンと立って。

「そういう時、ちゃんと負けたって思えないやつはいつか実戦でも無茶して死ぬって言われたからね。
 けど、負けて悔しいって思えない奴は強くなれない。今度は俺がおごらせる」

じっと表情に乏しくも感情豊かな瞳を向けて……開放されずに引きずって行かれればぺしぺしと背中を叩いて抵抗の意思を示して。

「火を噴く……?油でもたくさん使ってるの?」
でも美味しいなら試してみるか……と無防備に口にしてビン!と耳と尻尾が隠蔽を突き破って立つハメになるのだがそれはまた別の話。
まあ、来て良かったかなと、さっきまでの不機嫌さをどこかに捨てて口元を綻ばせて。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からクルトさんが去りました。