2019/01/26 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 天高く雲一つなく晴れ渡っていた一日も、終わりを迎える夕暮れくらいにもなると時折吹く風が冷たく、誰も彼もが首を竦めるようになった頃。
夕焼けというよりは薄闇が迫りくる港は、出入りが一通り落ち着いているようで、人出はあるものの、ごった返すというよりは緩く街へと流れていく。
人出が目当ての露店も1つ2つと店じまいの様相を見せ始めている前を、港の奥の方――空の積み荷が山と積まれている方へと、足を運ぶ女がひとり。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にキニスさんが現れました。
■ホアジャオ > 女は何やら布で巻いた、長くて幅のあるものを担いでいる。
空の積み荷が積まれた前まで来ると、足を止めて…担いでいたものをずるりと降ろして、足元に立てかける様に置いた。
(没有人(誰もいないよね)?……)
何気ない風を装いつつ、人目がない事を確認する。そうしながら空の積み荷の方へと後退りして……背中を付けると、空き箱同士の隙間を後ろ手に確認する。
(不要紧(大丈夫)………)
もう一度素早く目線で周囲の人目を確認して、その隙間に長物を押し込んだ。
■キニス > 「よっ、お嬢さん」
彼女が背を向ける積み荷の山の上
その上に座って、周囲を確認し、何やら怪しげなことをしている彼女に声をかける
「…何やってるか、聞いても?」
明らかに怪しい挙動をしていた彼女に対し、揺さぶりをかけるように帽子を被り直し、視線を送る
月明りが彼のシルエットを地に残し、逆光により彼女からは彼の顔を把握しづらいだろうか
得体のしれない雰囲気を醸し出しながら、彼女へと接触する
■ホアジャオ > 「哎呀!?」
天井はついぞ思惑の外。思わぬ方向からの一声に思わず飛び上がって、その場を弾むように2,3歩後退りながら声のへ首を巡らした。
「……べつに、なァんにも?」
細い目を何度か瞬いて見上げても、黒っぽい人影しか把握できない。それ自体に不満そうに紅い口を尖らせて、腕組みをしてふんぞり返って相手を睨みつける。
「してたとしても、アンタに関係あンの…?」
■キニス > 予想通り驚いた反応を得られて、ニヤリと笑えば、積み荷の上からジャンプをし、地面へと軽々と着地する
そうして彼女の前に立てば、頭を搔いてその姿をジッと見据える
「…今の言葉にそのセリフ…シェンヤンの方の出身か」
ここら辺では聞きなれない言語と格好
それを確認すれば、自分の記憶と一致する場所を思い出し、口に出す
となれば、『さっき』のは密輸か何かか…?怪しいな
「いや、一応ここら辺の警備を任されていましてね。何かお困りではないかと思いましてよ」
■ホアジャオ > 「けーびぃ??そンなン居ンの?ココ」
目の前の相手を見上げたまま眉を吊り上げて、素っ頓狂な声を上げる。そうとなれば…と視線を爪先に落として忙しく考え込み始める。
「…アレはさ、ちょッと重い上に宿に置いとくのも面倒なンで、暫くの間置いとかせてもらおうかと思ッて…」
別段隠し事をするつもりはない。(多分)後ろ暗いことでもないし。開き直るように顔を上げると、押し込んだばかりの『荷物』を指さして
「御覧の通り邪魔ンなンないんだし、みのがしてくンない?」
ぱん!と両手で拝む仕草をした。
■キニス > 「んまァ、一応ね」
素っ頓狂な声を出した彼女に少し困った顔をしつつ返す
一応、彼女も警戒しつつここまで来たのだろう
だが自分も伊達に長年経験を積んできたわけじゃない。気配を消すぐらいは造作もないことだ。
「はぁ…置いていいか悪いかはどんな荷物かってのを見た後だ。
見逃したい所は山々だけどな…見るぞ?」
溜息を吐きつつ、彼女の言葉を聞けば押し込んだ荷物を取り出そうと手を伸ばす
重くて面倒な荷物なら尚更看過できない
見逃そうにもその荷物の中身を見る必要はある
それに単純に彼女がどんなものを持ち込んできたのか気になっていた。
■ホアジャオ > 荷物に手を伸ばす男を、両手を合わせた格好のまま不安げに見守る。
『荷物』の布を紐解けば…女の半身ほどの長さもある、全体が鋼鉄の鉈、だ。斧に近い厚みを持つそれは、持ち上げるのも容易ではないだろう……
「……ねェ、べつに変なモンてェわけでもないでしょ?」
そわそわと待ちきれないように、男の背後から声を掛ける。
■キニス > 「重ッ!」
持ち上げようとして、一回だけ持ち上がらず
深呼吸して持ち上げれば、その鉈を構える
どうしてこんなものを彼女が…と思いつつ、とりあえず、鉈を慎重に置く
「いや、変なもんじゃねぇけど危なくないか!?
何でこんなもの持ってるんだよ!…もしかして、お前が使うのかこれ」
そわそわとしている彼女へとりあえずそうツッコミを入れておこう
世の中には幼いからでも怪力パワーを出せる超人が居ることは承知である
そのため、彼女が使うこと自体は驚かないが…
「はぁ…全く、危険物はダメだよ。ちゃんと自宅に持って帰りなさい」
溜息を吐き、彼女に軽いチョップをかませばその様に返す
■ホアジャオ > 男の返答にえーッ、と明らかに不満そうにむくれる。
「べつに危険じゃァないだろ!『それなり』のやつにしか振り回せないンだし…
…前に武器屋に借りた後、一日返すの遅れたら引き取れってェンだもん…」
ふくれっつらのまま布を巻きなおして、はぁあああ~っと大きな溜息。「……けち」ぼそ。
■キニス > 「や、そんなあからさまに不満そうにするなよ!」
彼女の顔を見れば、しかめっ面でそう告げる
「いや、鋼鉄の分厚い鉈はかなり危険だと思うんですけどね…
それはお前が悪い」
ふくれっ面の彼女を腕を組んで見据える
溜息を吐きたいのは自分の方だ
そんなものをここに置くなんて…いや、置くという名の廃棄か?
「誰がケチだ。聞こえてるぞ
…ま、お前が俺に体でも許してくれるなら、置いてやらんでもねーけどな?」
ニヤリと笑って至極最悪なことをいう
勿論、そんなことする訳ないと思ってのジョークなのだが
■ホアジャオ > 「隙間に置いといたって何ンも減ったりしないだろ!けーち、けーち!」
べーっと舌を出して、布を巻きなおした鉈を足に立てかける。これからまた、これを引きずって宿に戻るなりなんなりしないとならない…と思うと、目の前の男に理不尽な八つ当たりをしてしまうのも仕方ない(はず)。
…が、男からの提案にす、と細い目で値踏みするように見返して
「…わかッた。アンタがアタシに喧嘩で勝ったら、大人しく持って帰ったげる…」
女にとっては八つ当たりの発散でしかない提案を、しれっと相手に投げかけた。
■キニス > 「減りはしないけど、見つけた時に困るだろ。けちけち言うな」
舌を出している彼女に、子供かと呟けば頭を抱える
この娘だけで何回溜息をついたことだろうか
見た目だけで言えば自分と同い年くらいだが…精神年齢が幼過ぎる
「いや、マジでか…いや、そっちかい!?
体は体だけれども!?ってか勝手に俺がやる前提で言うな!?」
完璧に八つ当たりである提案を受け、心底ビックリしつつ
しかし彼女の目を見れば本当にやる気みたいであり
「しゃーねぇ…」と腰にある剣を地面へと置けば、拳を構える
「ベアナックルだ。それで負けたらしっかり持ち帰れよ?
…顔はよしといてやろうか?」
■ホアジャオ > 相手が提案を受け入れる様子に、満足げに紅い唇に笑みを浮かべる。脚に立てかけた鉈を、ずるずるとひきずって空き箱へと立てかけた。
そうして手首、足首をほぐしながら振り返る。
「…べつに、好きにしていいよ?アタシは、遠慮しないケド」
心底楽しそうにそう言って、軽い足取りで男から距離を取る。男の歩幅で5歩ぐらいの所で振り返って、半身に構えて腰を落とし…
「初手はゆずったげる…」
細い目が更に細くなって、紅い唇が三日月の笑みを作った。
■キニス > 「ほん、笑えば案外美人じゃねぇか。
わかったよ。顔は勘弁……」
彼女の満足気な笑みを見れば、調子が良さそうにそういう
しかし、次の彼女の構えを見れば、目を細める
…なるほど、シェンヤンの洋装を纏ってるのは格好だけではないらしい
「…拳は専門じゃないけどな。行くぞ」
そう言って、彼女の方へ真っすぐと距離を詰めれば
右足を踏み込み、左手でジャブを放つ
あろうことか、その狙いは彼女の顔面だ
■ホアジャオ > 真っ直ぐ向かってくる相手からの気が左から迫って来る。――拳だ。
「門外だからッて」
がくん、と上体からのけ反る様にして顔面への拳を躱す。そのまま背後へと手を付いて、後転をしながら――
「言い訳にはなンないかンね!」
男の顎へと蹴りを放つ!
■キニス > 「っ!」
後転からの蹴りを相手と同じようにして仰け反って回避する
当たるギリギリを回避し、前髪を風が切れば
後退した彼女に向って走り出す
「やっぱり、有名な拳法の門下生って奴かい!?」
彼女へと向かって、また拳を、今度は腹部へと放つ…
と見せかけ、その左脚へ向かってローキックを放つ
■ホアジャオ > すとん、と後転から着地した所へ男が迫って来る。次の狙いは腹部――兎に角自分には男に打撃の力は及ばないから―
「ただの…」
今度はその場でとん、と跳んで
「喧嘩慣れだよ!」
相手の首目掛けて右、左連続で回し蹴りを打ち込む!
■キニス > 「ちぃっ!」
見切られていたかと
次の攻撃へと移行しようとすれば彼女の回し蹴りが首へと命中する。
慣性に任せてそちらへと投げ出されれば、即座に体勢を立て直して拳を構える
「なるほど…やるじゃないか。ちょっと油断してたぜ」
拳を構え直せば、呼吸を整える
灰色の瞳で彼女を見据えれば、その魔力の流れを掴み
先ほどと同じように今度も腹部へと狙いを定める
■ホアジャオ > たん、と着地して、体勢を整える相手に目を細めて微笑う。
「…伊達に、地元で番張ってないかンね」
向かってくる相手にこちらからも地を蹴って近付き――相手の拳の裏側へと身体を回転するように滑らせ、その回転の勢いのまま左回し蹴りを相手の頭部へと叩きこもうとする
■キニス > 「ならこっちもちょっと本気で行くぞ」
身体を低くし、その蹴りを避ける
魔力の動きを把握しているからだろうか、軽々と彼女の攻撃を避けれる
「よいしょぉ!」
回し蹴りで隙だらけになった彼女の項に向かって裏拳を叩きこもうとする
■ホアジャオ > 「!ぁッ……」
項への裏拳がほぼまともに入る。ぐらり、目の前が一瞬揺らぐが、ぐ、と踏みとどまって
「…イャアっ!」
気合一閃、ぐるりとその脚を軸に後ろ回し蹴りを相手の頭のある筈の場所へ放つ!
■キニス > 「よし、入った」
狙い通りとニヤリと笑えば
彼女の渾身の回し蹴りが飛んでくる
自分の頭を正確に狙ってくるそれを軽々と防ぐ
「狙いは良かったが、闇雲の攻撃が致命傷を与えれるはずがない」
そうして彼女の蹴りを防げば、その腕を素早く彼女の首へと回し
裸絞を仕掛けようとする
■ホアジャオ > 身体が掴まれれば確実に不利になる――伸びて来る腕を敏感に察知すると、回し蹴りの足を戻す勢いのまま横転して距離を取った。
たん、と着地すると、くらくらする額に指を宛てて口を尖らせる…
「…なンか急に動き良くなったね……」
言い終わるが早いか、た、と地を蹴ってひと跳びで懐に飛び込み、滑り込むように脛目掛けた蹴りを繰り出す
■キニス > 「ちょっと本気を出してるだけだ。
喧嘩好きの中華娘にサービスしてやってるんだよ」
距離を取られれば、こっちも構えを取る
彼女が言葉を発した直前に飛び込んでくるのも想定ない
脛へ目がけた蹴りをジャンプで回避し、その空中で顎を蹴りあげようとする
■ホアジャオ > 脛目掛けた蹴りを放った脚の回転そのまま横へ転がって顎への攻撃を回避する。その勢いのまま体を起こし、今度は狙いを定めた踵からの後ろ回し蹴りを、着地したばかりであろう男へ放つ!
「你真…让人生气(むかつく)!」
■キニス > 「考えたな…!」
着地直後を狙われて、まだ体勢が整ってない所に回し蹴りが飛んでくる
狙ってやってきた彼女にニヤリと笑えば、その蹴りに大して反射的に腕を上げるも
その身体ごと吹き飛ばされる
「やっと暖まって来たところか?まだ続けるかい?」
咄嗟に腕を上げたことでジンジンとしびれはしているものの、まだ拳は握れるようで
立ち上がって、グーパーと手を動かせば彼女を見据える
■ホアジャオ > 脚を引き戻して構えなおした。呼気を整えながら肩を揺らす…その頬と目元は興奮で桜色に染まっている。
「…アンタが『参った』ってェいうなら、止めたげる…!」
最早目的がちょっとずれている。言うが早いか地を蹴って距離を詰め、跳び蹴りを放ってくる!
■キニス > 「少しは落ち着けよ…」
呆れた顔でそう告げる
興奮するタイミングがここでとは、と少し残念な気分になりつつ
こっちも気合いを入れ直す
「こんな可憐な女の子相手においそれと言えませんなァ!」
風の如く飛んでくる跳び蹴りを両手で防ぎ、その足を掴もうと手を伸ばす
■ホアジャオ > 蹴りを防がれると、左足だけが引き遅れて男の手に掴まれる。
(糟了(しまった)!…)
掴まれた後の至近距離では圧倒的に不利だ。
咄嗟に身体を倒して両手を地面に付くと、身体全体ばねにして自由な右脚で男の顎を狙うが、距離的に明らかに勢いが足りない…!
■キニス > 「よっし…!」
彼女の足を掴めば、自分の方へと引き込み、そのまま力任せの接近戦へと移行しようとする
飛んでくる彼女の右足を防げば、こちらへと引き込む
そのまま彼女の身体を抱きしめるように腕を回し、体の自由を奪う
「こうなっちまったら俺のもんだな…!金的でも目つぶしでも狙うか?
まぁ、それも全部読めるけどな」
彼女を後ろから抱くように動きを封じればその様に告げる
何か怪しい行動はしないか、じっくりとその動向を伺う
筋力ではこちらは上だが、喧嘩となると何をしてくるかわからない
彼女がやってくるのはそれくらいか…他にも何かあるだろうかと、考える
■ホアジャオ > 後ろから固められてしまえば、悔し気に脚をじたじたとばたつかせて
「放开…放して!」
ぶん!と振り上げた頭が、男の鼻面に勢いよくぶつかったりするかもしれない…
■キニス > 「だー!騒ぐなこの野郎!」
ジタバタと暴れる彼女
それを必死に押さえつける
なんというじゃじゃ馬娘だろうか。
暴れる彼女を抑えつけているのに集中しているとその頭が勢い良く迫り
「ぶっ!?」
自分の顔面へクリーンヒットする
その衝撃で脳が激しく揺れ、彼女を抑えつけていた力はなくなり、地面へと仰向けに倒れる
■ホアジャオ > 身体が解放され、2,3歩飛ぶようにして男から離れて警戒するように向き合う…
「…アレ?」
もしかして、勝った(?)のかしら…
そおっと近寄って、脚でつんつんしてみて、反応がない。
「………勝ッた」
ひとり、ガッツポーズをしてみる。…少し空しい。
立てかけた鉈を見遣る。やはり黙って残していくわけにはいかないだろう。
「…荷物、増えた」
全部自分のせいだが。ぶすっとこぼすと、男の肩の下に潜り込んでよっこらしょと立ち上がる。そのままずるずるとひきずって鉈を手にして
「どっちか、途中で放ってこ…」
本気なのだか冗談なのだか、そう言いながら男と鉈を引きずって歩き出す…
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からホアジャオさんが去りました。
■キニス > そうして、彼女との戦いは取り合えず終了する
『参った』の言葉は言えなかったものの、とりあえずラッキーパンチで彼の負けであった
優しい彼女に抱きかかえられ、運ばれる
その後彼が目覚めたのは街の中にあるゴミ置き場であったが
それはまた別の話である―――
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からキニスさんが去りました。