2019/01/20 のログ
■リーザ > 「う、うるさくない!理由はどうであれ殺したらそうじゃない」
自分の方が危険なのに、男のいう事についかっとなり言い返し。
そしてすぐに我に返って今のなしと言うように首を振る。
手を向けられると何かされるのではと慌てて背中を荷物にぶつけ。
向ける剣先は音を立てて揺れ、手が震えている事を示して。
「それならなんで今日に盗みに来たのさ。
寒いのは嫌だけど、盗まれたら仕事が失敗で懐も寒くなるんだよ」
歩み寄ってくる男にどうしようどうしようと混乱し始め。
少しでも距離を守ろと剣を構えなおそうとするのに慌て落としてしまい。
地面に剣が落ちる音を立てて、完全に泣きそうな顔で男と落とした剣を交互に見る。
■キニス > 「随分と立派な価値観をお持ちで…お前もいずれ『そう』なるよ。覚悟しとけ」
彼女が新米なのは薄々勘付いて居たし、何だか理想を追っている感じなのも理解した
ただ、綺麗な価値観は長続きしない。いずれ穢れるだろうと思いつつ彼女を見据える
「良い額の報酬だったからな。こんなに寒くて辛いなんて思わなかったけど」
混乱してる彼女に向って、とりあえず足を止める
慌てて剣を落とす様子に何だか本当に可哀想になってしまい
外套の内ポケットを漁る。
「ほらよ。とりあえずこれ飲めよ。暖まる
大丈夫だって、睡眠薬とか媚薬とか入れてねーからよ」
取り出したのは水筒であった
中には温かいコーンスープが入っており、この芯まで冷える寒さから守ってくれるだろう
勿論、彼女がこれを信じてくれればだが…とりあえず、警戒を解かねば
■リーザ > 「判ってる…!それでも……うう…」
態度と言動で完全に新人だと気が付かれあろうが止まれず、人に関す津依頼を受けないようにしようとはしているがそれでもいつかは人を殺める事となるのは覚悟はしている。
男の視線に何時かはこの言葉を言えなくなる、そう染まるのだろうと思い知り。
「私もだよ。お金に困ってなければこんなに寒い場所の仕事なんて…」
ある意味似たような理由で仕事を受けたのかと、混乱した片隅で冷静に考えてしまうのはきっと現実逃避。
男の足が止まればほっとし、外套の内を漁る姿に直ぐに警戒して。
「え……あ、うん。あ、ありがと…」
取り出されたのはは物ではなく水筒。
それを渡されて驚きと意外のあまりに固まってしまい。
次には頷いて疑いもせずに口をつけて、おいしいと…飲み進めてしまう。
■キニス > 「…ま、嫌だったら今すぐ冒険者でも辞めて花屋でもやるんだな」
言葉に詰まる彼女に帽子を被り直して澄ましてそういう
今まで何かしらの原因で冒険者を辞めて、平穏な職に就いた奴はいくらでも見て来た
大概は、強姦だとか、そういうのだったが。
「ふーん、そうかい…美味いか?」
彼女の容姿を一瞥する。なんともまぁ、自分より寒そうな格好だと思う。
腕を組んで荷物に背を預ければ、彼女にスープの感想を問い掛ける
「こういう寒い所では必須だ。身体も温まるし、いざという時に良く動ける。
覚えておけよ。……さてと、金に困ってるって言ってたよな?」
ちょっとしたマメ知識を新米である彼女に教える
伊達に何十…何百年も冒険者をやってない。旅をしつつやっているからそこまで有名ではない、が一か所に留まりやれば、そこでトップにはなってるほどの実力だ。
彼女の発言を聞き、口元に手をやればあることを思いつく
これがもし成功すれば、自分も彼女もハッピーになるだろう
そう思えば早速口を開き
「そこで提案だ。俺と一緒に来ないか?」
彼女に手を差し出し、そう問いかける
■リーザ > 「それはそれで元手がかかるから無理だよ…」
親元を離れて一旗揚げようと考え、それを直ぐに止めて他を目指すなら実家にいた方が良かった。
飛び出した手前直ぐにそんな事は出来ないし、何より元手もないと首をふって。
「美味しい……スープだったんだ」
海の側での仕事を完全に舐めているという姿。
眼の前に今まで危険と思っていた男がいるにも関わらず、ついスープの味を温かさに意識を逸らせてしまって素直に感想を返し。
「私、夜の仕事なんてこれが初めてだったし…準備はしないとなんだね。
覚えておくよ、次はちゃんと準備するって。ここで稼がないと王都に戻れないから」
普段は王都に近い場所で薬草を集めるか、村に泊まり込みでの害獣駆除専門。
夜に立つなど冒険者を始めて今夜が最初だとついぽつりと…。
男の言うマメ知識はまさに知らない事、素直にうなずいては次にはそうしようと決めて。
「……あなたと一緒に?ど、どうしてそんな話になるの!?」
そしての突然の提案に驚き、差し出された手を見てどういう事と驚きを隠せずに。
■キニス > 「…まー確かにな」
彼女の言葉を聞けば、若くて金がないって世知辛いなと呟く
金がない、実力がない彼女のような女性はすぐ権力者や暴漢に穢されて
どこぞに売っぱらわれるのが常だ。
仮にここに盗みに来たのが俺じゃなくて極悪人だったらどうしたのだろうか
「お、おう…ま、全部飲んでもいいぞ
そうだな。防寒対策は必須だからな。マジで。しもやけになって指切る羽目になるかもよ」
海の側でも、雪山地帯でも、防寒対策は常に必須だ
まだまだ新米で舐めているような格好の彼女に少しドヤ顔で説明する
何だか、珍しく先輩らしいことをしている気がする。気のせいだろうか。
「いや、お前がここで俺の盗みを許したら金貰えないんだろ?
それは俺も同じだ。俺も盗みに失敗したら金が貰えない。
そこで提案なんだが、泥棒を手伝ってくれねーか?それで、報酬は山分けだ。
お前は黙って俺についてくるだけでいい。悪い話じゃねーだろ?」
驚きを隠せない彼女にとりあえずは説明をする
■リーザ > 王都に戻れば多少は出来た伝手で最低限の仕事で食べてはいく事が出来る。
しかしそれにできない、どうにかして王都に戻る路銀を必要として。
気が付いていないが、ここに来たのが男ではなく別ならば。
きっと今頃は弄ばれて売り飛ばされていたなど思いもしない。
「ほんと?それじゃ貰うよ。
それはやだな…気をつけないと駄目なんだ」
自分とは違う年季の入った言葉には頷くしかできず。
そのドヤ顔はどうかと思うのだが納得できただけに反論も出来ない。
「それは当たり前だよ。だから帰ってほしいんだよ。
え、泥棒の手伝いって……え?それって私は依頼主を裏切っちゃうよ。
でもそれで路銀が…」
受けた説明に増々驚いてしまう。
それはつまり依頼主を裏切る事、自分では男を止めれず報酬は貰えない。
それだと王都に戻れない……その考えがぐるぐると回りそして…。
早く王都に戻りたい、その欲に負けて差し出された手を取り、手伝うという事を了承してしまう。
■キニス > 「あぁ、風邪引くんじゃねぇぞ。しっかり飲んどけ」
意外と面倒見のいいこの男。
彼女に水筒を預ければ、腕を組んでうんうんと頷く
「まぁ、嫌ならいいんだけどな
それはそれで俺は強行手段に…」
と思っていたが、悩んだ末に自分の手を取り、協力することを了承した
賢明な判断だ、と一言いえば、彼女へ荷物へ一つの木箱を探すように指示をする
「あぁ、そういえば…俺はキニスだ。よろしくな。お前は?」
木箱を探している最中に彼女へそう自己紹介をする
名前を知らないのはやりづらいだろうと、彼女の名前も問いかけておく
その後は無事に目的の木箱を見つけ、王都へと向かう
彼女に付いてくるように良い、用意した馬車へと乗れば王都へと共に向かうのであった―――
■リーザ > 「身体は丈夫だけど、風邪は困るから。ありがと」
泥棒なのに面倒見がいい。
簡単に自分など倒せるだろうに親切にされてすっかりとペースを乱し、言われるままにスープを飲み干して。
本当はいけない事と判ってはいる。
でも盗まれてしまえば報酬は貰えない、そうなれば身体を売ってお金を稼ぐしかない。
それだけは嫌と提案を受け入れるしかなく。
一言に情けなさそうな顔をして、言われるままに木箱を探し始めて。
「私?私はリーザだよ。よろしくでいいのかな…?」
大き目の荷物を解き覗き込むようにしながら男に名乗り返し。
その時に顔を向けないのは自分の今が情けないと思ってしまうから。
その後は無事に男の探す木箱を見つける事を出来てほっとして。
言われるままに付いて行き、馬車に乗れば共に王都へと向かう事に…。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からリーザさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からキニスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にジーナさんが現れました。
■ジーナ > 桟橋に停泊するのは、何処か禍々しい闇色を纏った大型船。
何処から来たのか、何処へ向かうのか、忙しく立ち働く男達なら知っているのだろうが、
行き交う人影を虚ろな眼差しでぼんやり眺めている己に、其れを教えてくれる者は居ない。
何故なら己は、無骨な黒革の首輪を着けられ、右足に黒鉄の足輪まで嵌められて、
頑丈な檻の中へ入れられ、運ばれるのを待つ積み荷でしかないからだ。
何かの薬を使われたのか、術を掛けられているのか、意識は茫洋としており、
双眸は硝子玉のように無感動に、ただ、桟橋からの景色を映し出すのみ。
目覚めた時に与えられた名――深窓の姫、アデライード――は辛うじて覚えているけれど、
名乗る場面が訪れるかどうかすら、今は定かではなかった。
名も無い奴隷として売られ、何処か遠くへ連れて行かれてしまう可能性も決して低くはなさそう、で。
■ジーナ > もし、こうして積み荷の中に紛れているのが本物の姫君だったなら、
今頃は決死の捜索隊がひとつふたつ、姫君の行方を追って来ていただろうし、
或いはもう枷も外され、救い出されて丁重に城なり邸なりへ戻されている頃だったかも知れない。
然し―――己は所詮、紛い物、こうした事態に備えた代用品である。
態々誰かが救いになど来る筈も無かったし、
攫った側にしても、己が偽物であったところで―――其れは即ち、
好きなように嬲り、腹癒せに殺してしまっても構わない、ということである。
己の未来に暗澹たる思いを抱くでもなく、ただ、ぼう、と。
大人しく檻の中に座っている積み荷の纏う衣の裾を、潮風が柔く巻き上げて行く。
乱れた髪が視界を遮れば、幾度は瞬きはするけれど―――其れだけ、で。
■ジーナ > きっと今の状態では、泣きも叫びもしないであろう偽物の姫君に、
ちょっかいを出そうとする者も、未だ居ない。
船で運ばれるのか、此処で受け渡しが行われるのか。
何れにしても、もう少し辺りが暗くなってからのことになりそうだった―――。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からジーナさんが去りました。