2019/01/04 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 冬の昼下がり、相変わらずの雑多な人々で賑わう船着き場。
ここ数日は貨物よりも客船が多いようで、貨物船用の舫のそばにはあまり人気がなく、貨物の空の木箱だけがぽつんぽつんと残されているだけだ。
その貨物の空の木箱に、腰かけている女の姿がひとつ。
木箱の上に胡坐をかいて、厚手の白いマフラーをぐるぐる巻きにして、胸に暖房替わりの黒猫を抱いて…
「今天很冷(さむ)……風、冷たい」
白いマフラーに顔を埋めるようにして身を縮める。
■ホアジャオ > 女の足元、木箱の下にはやけくそ気味に書かれた看板ひとつ。
『売られた喧嘩、買います』
…
もう長いことここで喧嘩相手を探してきて、解ったことが幾つかある。
ひとつ、強いやつは大体自分から言わない
ひとつ、こういう看板に釣られてくるのに碌なのはいない
ひとつ、どっちにしろ、滅多に喧嘩できない!
と言うわけで、ここでこうして待っているのは多分無駄足になるのだろうけど…
「ホント、何処に行けば効率よく喧嘩できるんだろ…」
既に『効率よく喧嘩』の言葉が、普通の感覚の使い方とズレている。
■ホアジャオ > 胸に抱かれている黒猫は、至極迷惑そうではあるのだが、諦めたようにぐったりとして女の腕に抱えられている。時折女が身じろぎすると、思い出したように抗議の鳴き声を上げるくらいだ。
「…うう、冷えてきた」
天気が良くて日当たりが良いと言えども、じっとしていれば体温は奪われる一方だ。猫を抱いたままもぞもぞと足を崩して、空箱から降りる。
「…肉まん買いにいこっか?」
■ホアジャオ > 猫へと問いかければ、意味が解るかのようにごろごろと喉を鳴らす。その様子にゲンキンだなぁ、と笑ってほおずりをして、港の出口へと小走りに走っていく。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にジードさんが現れました。
■ジード > 昼間の喧騒が嘘だったかのように人の気配が消えた船着き場。
薄明かりに照らされたまばらな人影が通るだけになった路地に、露天が広げられていた。
色とりどりの薬やアクセサリーが歯抜けに並べられている店先は、
その店がそこそこ程度に繁盛した形跡を残している。
「――それなりに受けは悪くは無いんだが。
売れる薬はどうにも原価が高いんだよな。今日はこの辺が切り上げどきかね。
全く、新年だからって財布の紐が軽くなるってこともないか」
渋い顔でぼやきながらのセリフを漏らしながら、
店主らしき男は困り顔で肩を揺らした。トータルで見ると今一のようだ。
気を取り直してとばかりに人のまばらな通りに目をやるが、
客になりそうな一足はイマイチ見かけない。
■ジード > 「もうちょっと船乗り向けの商品でも揃えらればいいんだろうけど、
船乗りに受けるものってなんだろう?
酒とかその手のかなあ―薬酒はないな」
作るだけならば勿論作れるが、薬としてどんな効果を求められるかわかったものではない。
栄養剤たぐいならまだマシで媚薬など売ろうものなら下手をすればしょっぴかれかねない。
危ない橋すぎるなと首を横に振り、船の停泊する港に視線を向ける。
荷揚げ荷降ろしが終わった人足が思い思いに散っていくのを見。
「ま、慣れないことはするべきじゃないか」
総結論付けて息を吐く。何とも難儀な話だ。
■ジード > 「そろそろ切り上げどきか。
食事する場所だけはしっかり用意しておかないとな」
声を漏らしながら立ち上がり荷物を片付けて、街の方へと消えていくのだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からジードさんが去りました。