2018/12/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…ご苦労様。後の処理はギルドに回しておいて構わない。ああ、それと、くれぐれも商品の出処を探らない事。そんな事をされたら、貴様らの船を海軍の船が追いかけ回す事になるからな」

人気の無い深夜の船着き場で、大柄の水夫たちと会話する少女……の様な少年が一人。
淡々と、というよりは幾分不機嫌そうな表情で、水夫たちを見渡し―

「それと、これは貴様らへの特別手当だ。酒を呑むなり飯を食うなり、女を抱くなり好きに使うと良い。貴様らは、私の容姿を馬鹿にしなかったからな。思慮深い口を持つのは良いことだぞ?」

そして、少年の足元には歪な方向に首が曲がった水夫の死体。
その死体と少年を交互に見つめた水夫たちは、少年から金貨を受け取ると脱兎のごとく駆け出していった。
それは、欲望を発散させる為なのか。それとも、少年から逃げ出したかったからなのか。

「…やれやれ。死体の処理も面倒なんだがなあ…」

足元の死体を蹴飛ばすと、小さく溜息を吐き出して水面に浮かぶ商船に視線を向けた。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 別に見られて不味いという訳では無い。王族としての権力。自身g持つ資産を用いれば造作も無い。
ただただ、薄汚い水夫の死体を処理するのが面倒というだけ。

「…海にそのまま投げ捨てとくか。良い魚の餌になるだろうし」

閃いた、とばかりに魔力を練り上げると、出来の悪いマネキンの様なゴーレムを召喚する。

「片付けておけ。片付け終わったら、消滅を許可する」

少年の指示に従い、のそのそと歩き出したゴーレムは水夫の死体を抱えて海へ飛び込んだ。
幾分大きな水音が響き何事かとそこらの船から水夫が顔を出すが、触らぬ神になんとやら、と言わんばかりに顔を引っ込めるだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 水音が落ち着いた後、遠くから男達の騒ぎ声と微かな嬌声が耳に届く。
視線をそちらに移すと、水夫相手に花を売りに来た娼婦に男達が絡んでいる様子。

「そう言えば、奴隷市場も近くにあるのだったな。商売相手も多かろうに、よくもまあ頑張る事だ」

白い吐息を吐き出しながら、感心した様に呟く。
今夜の仕事は一段落ついたし、此方も奴隷市場で今夜の戯れ相手でも探しに行くかと少し悩ましげな表情で考え込むだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にぼたんさんが現れました。
ぼたん > ダイラスに船で辿り着いたのは昼間。解ってはいたがひどい船酔いで、今のいままで宿で寝ていた。
ようやく人心地ついて、気分転換に少し外の空気を吸おうと厚手のストールをぐるぐる巻きに巻いて港へと出てきた。

「うう、やっぱ、寒…」

嬌声をあげる娼婦と水夫を横目にてくてくと岬の方へと歩いて、白い息を吐いて空を見上げる。
次いで視線を落とすと、小さな人影に気付く。

「おや…こんばん、は?…」

気のせいかと目を瞬いて、首を傾げながらも、声を掛けてみる

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 投げかけられた声のする方へ、怪訝そうに顔を動かす。
視界に映るのは、白いストールをマフラーの様に巻いた黒髪の女性。花を売る様な姿には見えないな、と僅かに首を傾げつつ―

「…今晩は、と気軽に挨拶をするのは良いが、こんな時間に女性の独り歩きとは感心せんな。海の男は気が荒いし手が早い。それとも、そういう類の女か?」

自分よりも僅かに背丈の低い女性相手に返す言葉は、如何にも高慢極まりないもの。

とはいえ、その言葉とは裏腹に普通に自分に声をかけた相手は珍しいと言わんばかりに不思議そうな表情で彼女を見返すだろう。

ぼたん > 寝すぎたせいの見間違いかと思った人影から声が返ってきて、更に何度も瞬く。気のせいじゃなったと思うと、多少ほっとして気だるげに笑う

「アタシちょいと色々あって、今日船でここに着いて、今さっき起きたとこ…今、そンな遅い時間?」

あまり正確な時間を気にしないで出てきてしまった。また空を見上げて、星と月を確かめて視線を下ろす。
自分に対して高慢な口調で話す相手を改めてみれば、自分よりは遙かに年下の少女とも思えるような人物だ。そんな相手に忠告を受けているのが少し可笑しく、くすりと笑って

「危ないってェことなら、キミも一緒…」

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…遅いどころか、後数刻もすれば日が昇るだろうよ。別に貴様の事情も睡眠時間も知ったことでは無いが、外出する前に時間くらいは確認くらいはしておくべきだろうな」

気だるげな笑みを浮かべる彼女を呆れた様な視線で見つめながら、小さく肩を竦めてみせた。
とはいえ、娼婦でないなら帰宅を促すべきだろうかと珍しく親切心が頭を擡げた矢先。笑みを浮かべながら彼女が発した言葉に、ギシリと表情が歪む。

「……ほう?念の為に確認しておくが、私の、何処が、この場所で、危ないというのかね。良ければ御教示頂きたいものだが」

カツリ、と革靴が硬質な足音を立て、小柄な女性に大きく一歩近づいてニコリと笑みを浮かべて尋ねる。
尤も、その瞳は全く笑みを浮かべてはいないのだが。

ぼたん > もうすぐ日が昇ると知ると、ぽかんと口を開ける。
おやまぁと声を漏らしながら、3たび空を見上げようとして、近付いてきた相手に視線を再び戻す。
よくよく見れば、かなり身なりの良い少年?…だ。そうして笑っていない目と視線が合うと、きょとんと眼を瞬きを繰り返し

「おやま…何ンか悪い事、言ったかい?」

多少のんびりとした口調で返しながら、片足が本能的に後へ少し、下がる…

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「いいや。何一つ言っていないとも。貴様に悪気は無いのだろうし、私の容姿が男性的な特徴を有していないことも理解している。ただまあ、人の逆鱗というものは何処にあるか分からぬものだろう?」

堅苦しい言葉の羅列ではあるが、要するに八つ当たりに近いものだった。
彼女と話す前に首をへし折った水夫も己の容姿を揶揄し、手を出そうとしたが故に、首の骨の可動域が大きく広がる事になった。
その苛々が尾を引いているところであったのも、八つ当たりの一因であったかも知れない。

「…何故後退る?私は此処では貴様と同じ様に危険なのだろう?」

朗らかとすら言える口調ではあるが、その瞳は僅かに細められて彼女の黒い瞳を見つめている。
そのまま緩慢に伸ばされた腕は、ゆっくりとした動きで彼女の腕を掴もうとするが―

ぼたん > 相手の怒りの原因らしきものを知ると、眉尻を下げる。確かに、聞こえようによっては『彼』の性別を疑うような発言だったかもしれない。

「ああ、ごめんよ?そンなつもりじゃァなかったンだけど…キミほうが、アタシよか腕細そうだったから…」

下げた片足はそのまま止まって、何故か紅い瞳が反らせず、見つめ返したまま言葉を返す。そうして伸ばされていた腕が触れそうになる瞬間、はっと気づいて―――反射的にこちらから手を取ろうと

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…いや、まあ、私も少し大人気が無かった。貴様に悪意が無いのは分かっているし――」

申し訳無さそうな彼女の表情を見て、流石に此方も意地の悪い事を言い過ぎたかと内心苦笑する。
腕が細い、という発言に再び頬が引きつりかけるが、悪気はないのだからと言い聞かせる。

だが、戯れに伸ばした腕が彼女に取られた時、怒りでは無く、悪戯心が鎌首をもたげる。

「…どうした?男の手を取って、何か面白い事があるとは思えぬが」

魔術を用いて肉体能力を引き上げれば、此方の腕を掴む彼女を、腕を引いて半ば強引に此方に引き寄せようとするが―

ぼたん > どう見ても『少年』と形容しようがない相手から『大人気』という言葉が漏れるのが少し可笑しかったが、再び機嫌を損ねまいとほんの少しだけ目を和ませる。
そうして思わず彼の手を取ってしまった事を指摘されれば、あはは、と誤魔化し笑いをして

「ごめんよ、つい…ッ!?」

腕が引かれるとまた反射的に手に力が入ってしまう。そうして引き寄せされて

「わわッ」

すっかり油断していた足がもつれ、ほぼ『彼』に倒れ込むように身体が傾いてしまう

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 魔術を利用しなければ、小柄な女性を支えるのも怪しい程絶望的なフィジカル。
だが、少し魔力を込めただけで、こうして男性的な力を擬似的に得ることが出来るのだから魔法とは良いものだ。

「…さて、先程忠告はしたな。"こんな時間に女の独り歩きは感心しないな"と」

彼女の黒髪と己の白金の髪が絡まり合う程の距離まで顔を近づけると、誂うような口調で彼女の耳元で囁くだろう。
その間に、彼女の腕を掴み返そうと腕を軽く撚るが――

ぼたん > 相手が思いがけず支えてくれたお陰で転ばずに済んだ―とほっとしたのも束の間。少年の口調と様子が何だか、不穏なものになっている―

(アタシまた怒らせちまったのかしら…)

耳元の囁きに肩を震わせて脳内で首を捻っている間に、腕が掴み返されている。

「えッと…以後、気を付けるよ。ホント…」

まだ思考が整理できないまま、言葉だけがのんびりと返答する

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「分かれば宜しい。本当に気をつけなければ、私のような意地の悪い男に捕まってしまうかも知れないからな?」

肩を震わせた彼女の反応を愉しげに眺めた後、のんびりとした言葉に応える様に幾分穏やかな口調で言葉を返す。

しかし、支えた彼女の身体から伝わる体温と柔らかさが、もう少し苛めてみても良いか、と己に囁いた。

「…というよりも、私の容姿がどうあれ、夜中に男に捕まっているという事態に危機感を持つべきだと思うがね。荒くれの水夫共よりは手荒にはしないが」

そんな言葉を投げかけた後、戯れに己の下半身を軽く彼女に押し付ける。

ぼたん > 「…確かにキミ、意地悪かもね…」

相手の穏やかな口調にあっさりと気を許して、あははと笑って軽口を叩く。
そうして解放されるかと思っていた所で、腰の辺りに熱が押し付けられてびくんと背中を震えが走る。

「それは…キミの見てくれがどうだってェのは関係なくて…多分アタシがドジなだけ…」

お得意の『化かし』で逃げるしかないかも…と考えながら、妙に肝の据わった返答をする。

「…アタシ、ソッチは上手じゃァないから…キミのほうが損するよ…」

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「……冗談だ。流石に、路上で女を犯す程飢えてはおらぬ。無警戒に夜道を歩く貴様を、少し誂ってみたくなっただけだ」

分かりやすく背中を震わせながらも、怯えも戸惑いも見せない彼女を面白そうに眺めた後、クスクスと笑いながらそっと解放する。
言葉も態度も傲慢で高慢なものではあったが、その瞬間だけは年相応の表情を見せていた――かも知れない。
僅かに欲望の熱を帯びていた己の身体は、彼女を解放する事が不服そうではあるが。

「とはいえ、先程の言葉に他意はない。貴様、本当に私が女に飢えた男だったらどうするつもりだったのだ。全く」

何だか小言めいた口調になりながら、呆れた様な視線を彼女に向ける。

ぼたん > 解放されれば、ほっとした様子を隠しもせず気だるげな笑みを『彼』に向ける。化かして逃げた後、ふたたび顔を合わせでもしたら結構気まずい。

「…だよねェ?どだい、キミみたいひとがアタシなンぞ相手にしちゃァいけないよ…」

小言めいた発言に少し、笑みこぼし

「ホントだね…まあ今日の場合、アタシはいちおう人を見る目が少しはあるってェ事じゃァないの?」
発言の裏に、少年の事を『親切だ』という言葉を隠して屈託なく笑う。

ぼたん > 先よりすこし、傾いた冬空の白い月を見上げる。

「…じゃァ、アタシそろそろ行くね…今度から、夜出るときは時間確かめるように気をつけるよ」

少しだけ乱れたストールを巻きなおして、気だるげな笑みを向けてから踵を返す…

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からぼたんさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「そうすると良い。では、他者でな」

気付けば、すっかり話し込んでしまった。
気怠げな笑みに対して、高慢な笑みと共に彼女に背を向けて歩き出す。

そう言えば、名前を聞きそびれてしまったな、と思考の片隅に思いを走らせながら、身を震わせる寒さから逃れようと自室へと浮かう足を早めた。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。