2018/12/09 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 天気の良い昼下がりの港、海風は少しだけ冷たい。
相も変わらず見送る人に見送られる人、船荷を待つ人運ぶ人、降ろす人でそこそこの人出。変わったといえば人々の服装が少し、着込む数が増えたせいか様々に変わってきている。
そんな船着き場の一角、空荷の木箱が積みあがっている場所へ白いストールをぐるぐるに巻いた女がひとり、歩いていく。
「よいしょ…」
紙包みをいちど木箱に置くと木箱によじ登り、胡坐をかいて座る。
■ホアジャオ > 女が紙包みを取り上げると、カンフーシャツの胸元が何やらもぞもぞと動く。
「唗…ちょッと、大人しくしてよ…もう少しだから…」
自分で胸元をぽんぽんと撫でるようにすると、少し、動きが柔らかになる。
それに満足そうに眼を細めると、改めて紙袋を取り上げて、中から湯気の立つ中華まんを取り出す。
■ホアジャオ > 「好热(熱ッ)…」
半分に割ると、更なる湯気と共に餡の肉汁の香りが広がる。
―と、シャツのもぞもぞの動きが俄かに強くなって、隙間から毛むくじゃらの耳が。
「あァ、もォ……」
半分に割った片方を紙袋へ戻して、空いた片手でシャツのボタンを外しにかかる。2つほど外したところで、胸元から黒猫が顔を出して、女を見上げてしきりに甘えた鳴き声を上げる。
■ホアジャオ > 「…どォせ、熱いまンまじゃァ食べれないくせに……」
中華まんの餡をほんの少し、指ですくって息で吹いて冷ます。猫の鼻先に差し出せば、ぺろりと舐めてから噛みついて、はぐはぐと食べる。
それを目を細めて見下ろして、まだ湯気の立つ残っている中華まんにかぶりつく。
■ホアジャオ > 飲み下した猫がまたねだり声を上げる。
その度に少し掬って与えて、自分も食べて暖を取る。
そうしてやがて食べ終わって、名残惜しそうに女の指先を舐める猫の頭をゆっくりと撫でて。
「…良い子だから、もうちょッと、付き合ってよね…」
猫の頭が出たままストールを巻きなおすと、紙袋を丸めて手に取って、空箱から降りる。胸元を抱えるようにしながら、軽い足取りで港の出口へと…
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にジードさんが現れました。
■ジード > 昼間の喧騒が嘘だったかのように人の気配が消えた船着き場。
薄明かりに照らされたまばらな人影が通るだけになった路地に、露天が広げられていた。
色とりどりの薬やアクセサリーが歯抜けに並べられている店先は、
その店がそこそこ程度に繁盛した形跡を残している。
「――それなりに受けは悪くは無いんだが。
売れる薬はどうにも原価が高いんだよな。今日はこの辺が切り上げどきかね」
渋い顔でぼやきながらのセリフを漏らしながら、
店主らしき男は困り顔で肩を揺らした。トータルで見ると今一のようだ。
気を取り直してとばかりに人のまばらな通りに目をやるが、
■ジード > 「もうちょっと船乗り向けの商品でも揃えらればいいんだろうけど、
船乗りに受けるものってなんだろう?
酒とかその手のかなあ―薬酒はないな」
作るだけならば勿論作れるが、薬としてどんな効果を求められるかわかったものではない。
栄養剤たぐいならまだマシで媚薬など売ろうものなら下手をすればしょっぴかれかねない。
危ない橋すぎるなと首を横に振り、船の停泊する港に視線を向ける。
荷揚げ荷降ろしが終わった人足が思い思いに散っていくのを見。
「ま、慣れないことはするべきじゃないか」
総結論付けて息を吐く。何とも難儀な話だ。
■ジード > 「そろそろ切り上げどきか。
食事する場所だけはしっかり用意しておかないとな」
声を漏らしながら立ち上がり荷物を片付けて、街の方へと消えていくのだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からジードさんが去りました。