2018/10/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にヴァルブルガさんが現れました。
ヴァルブルガ > ”青春の味”

20代の終わりごろ、付きあっていた、というよりは肉体関係のあった友人の傭兵。

異国の目をした彼がいつも大事そうに吸っていたタバコが、ダイラスの土産屋で売っていた。

たまに故郷から送られてくる以外に手に入らないのだと彼は
言っていたが、もう
こうして気軽に買えるようになったのか。
20年以上昔の記憶を掘り起こせば、煙草の匂いと一緒に、ベッド脇でやさしく
こちらを見下ろす農耕馬のようながっしりとした褐色の男性を
思い出し、やや
はにかみながらややとげとげしく感じる煙を吐き出した。

ヴァルブルガ > 港湾関係者が行きかう、裏通りの宿屋街。海を見渡せる急な坂道の兵に腰かけ、コート姿の疵顔の
女は、足をぶらぶら揺らしてしきりに白い煙を吐き出していた。

夜空に溶ける煙を見ているだけど、どんどん時間が過ぎていく。
普段は吸わないのでもう後ろにひっくり返りそうだけれども。
またも脱税や禁制の品だとめんどくさい仕事の最中。

相手にも舐められて待ちぼうけを食わされている当たり若い外見も損だと思う。

「まー、膝がだの腰がだの言ってたらこんなところには来ていませんが。」

ヴァルブルガ > 知人たちが年を取っていって一人だけ取り残される寂しさはあるが、まだ現役の女だと
いう事への満足感もある。編み物だの縫物だの、歩き回れてタバコだって吸おうと思えば吸える。
若いままの体というのは素晴らしいものではある。

ふと、寒いのに、あれは干し終わった洗濯ものだろうか
大きな大きな籠を背負った異国の女性が目の前を通っていく。
こんな時間に。明日朝早い船員たちのものだろうか?ほとんど
上半身裸で歩く彼女の体はたくましく、筋肉が浮いた褐色の
肌。人種差別と言われるかもしれないが、ああいう肌と体格の
一たちは、裸体をさらしてもむしろ様になって見える気がする。
自分の白い裸体をさらすことを考えると、羞恥というより恥ずかしい。

「肌を焼く季節は終わってしまいましたが」

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にグスタフさんが現れました。
ヴァルブルガ > 最後の一本を思いっきり肺に入れて支援の帯を吐く。グルグルと目の前で渦巻ただよう煙は
不意に拭いた風に吹き流され、若い頃の思い出とともにキレイさっぱり消えてしまった

「ふぅ、冷えましたしそろそろ宿に」

そう言いながら、塀から飛び降りると、知り合いに出会って面食らう。ちょっと恥ずかしそうに

笑いながら、こちらから声をかけよう。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からヴァルブルガさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からグスタフさんが去りました。