2018/06/04 のログ
■イーリス > 辺りは相変わらず喧騒が包んでいるが、這わせた視線が、一瞬影かと思った佇む人影を捕えたとき、
自然と腰の魔銃に手を伸ばしたのは、接近戦を無意識に拒む意識が働いたからだろう。
ごく自然に指先がグリップを握り、トリガーに伸びてはいるが、視線は相変わらず黒衣の男の言動を静かに追っている。
「………あぁ、随分と“失礼”な連れのようで同情するよ。もう少し“躾”が必要じゃないか?」
吐き出す言葉は辛辣さを含んでいるのは、自分の行動はすっかり棚に上げて、言いがかりをつけられた腹いせのようでもあった。
「おいおい、オトクイサマの選別もできない人間が、今後の商売の心配かい?
それに、無暗に突っかかってきたのはそっちのほうだろ。こちらこそ、詫びの一つでも請求したいところさ」
大げさに首を竦めて、更に大げさにため息をつくが、警戒を解くわけでもなく、グリップを握る手もそのまま。
ただ、眼差しだけが、面倒事に巻き込まれたと悟ったように僅かに細められ、相手の表情を伺う。
僅かに。
ほんの僅か、何か甘い香りが鼻孔を掠めた。
それが何かを思案するだけの知識もなければ、判別するだけの能力も持ち合わせていないが、
反射的に、男と間合いを取るように一歩、足が後方へと下がった。
■カルニーツォ > 「いやいや、いちいちごもっとも。顧客を教育するのも優秀な商売人の仕事だとはわかっているつもりなんですがけどねぇ」
女の言葉に苦笑を浮かべ、肩をすくめる。一歩進むごとに少しずつ香炉の振り幅が
大きくなり、夜の闇に溶け込んでいく煙の甘い香りが強くなっていく。
漂う煙は一種の幻覚剤。一定の理性を保ちながらも、男の暗示にかかりやすくなる。
一般人なら金縛りにするくらいならわけもない効果はあるが、
意志の強いものや薬品や毒に耐性のあるものにはそこまでの効果は期待できない。
その分、後遺症も残ることはない薬を使ったのは男なりの気遣いか。
「いやはや、本当に耳が痛い。そうは言ってもこのところの不景気でなかなか儲けが出ないものですからねぇ」
口調はかわらずのんびりとしたもの。それでも視線はせわしなく女の体を移動し、
手をかけたグリップに気づくともう一方の手で懐からこぶし大の陶器製の球を取り出す。
光の精霊の力を閉じこめたそれは壊れれば魔力が解放され、
しばらくは視力を奪うほどのまばゆい光を放つ。
その目くらましで一気に間合いを詰めようと女に向けてその球を放り投げると同時に、
耐性を低くして、おおきく一歩を踏み出す。
■イーリス > 揺れる香炉は視界の端に捉えてはいるが、琥珀の眸はまっすぐに男を射抜く。
と同時に、サッシュから素早く魔銃を抜くや、迷いなく銃口が男の額辺りを狙い、
「動くな」
先ほどまで饒舌に言葉を運んでいた口が発した言葉は短く鋭い。
トリガーに指を掛けたまま、先ほど鼻孔を掠めた香りが強くなっているのに気付きはしたが、
その効果が如何なるモノかを理解しない己にとっては、ただ男を見据えたまま、その香に包まれる以外にない。
「客は選ぶことだ。少なくとも、闇雲に襲い掛かる不躾な客はお勧めできんな。
…あぁ、それに。君のような商売人も信用ならん」
香炉とは別の手に握られた球体の何か。
それが何かを見た目で判断できるほど知識はないが、少なくともよからぬモノではないだろう。
この状況で「詫びの一つ」なわけもないのは重々承知だから、男の手がその球体を投げたのと、こちらがトリガーを引いたのはほぼ同時。
ぱぁん、と乾いたというには軽すぎる音が空気を揺らし、放たれた魔弾は、確かにその球体を狙ったはずだったのに、
軌道が反れたと見たのと眩い閃光が奔ったのは同時だった。
軌道が反れたのは、香の影響がいくらか思考か、判断か、それとも反射か、兎も角何か影響したのは間違いないが、
その答えにたどり着く前に、一気に間合いを詰めた男が視界に入り、
咄嗟に魔銃を構えたが、それが間に合うかどうかは、香の効果次第だろう。
■カルニーツォ > 光の精霊が解放されるのと同時に放たれた魔力の塊が男の帽子を弾き飛ばす。
地面に倒れ込むようにさらに姿勢を引くククすると、女の太股に小さな針を刺す。
華麗とは言いがたいが、そのままぐるりと地面で一回転しながら、女の背後に回り、
膝立ちになる。
「あたた...ああ、そのまま動かない方がいいですよ。今しがた神経毒を打ち込みましたから」
腰をさすり、ゆっくりと膝立ちのまま移動しながら女に声を掛ける。
女に刺したのはただの裁縫針。それでも煙の効果があれば、
体の自由を奪う暗示にもかかるはずと言葉を継ぐ。
「ほら、そろそろつま先から痺れてきているんじゃないですか?直に指にも震えが来てまともに動かなくなりますよ」
静かに立ち上がり、女の周囲をフラフラと動きながら暗示となること場を紡いでいく。
「サァ、針に刺されたところが氷のように冷たくなってきたでしょう?毒が体に回っている証拠です。このままなら全身に毒が回り、死に至りますよ?」
クスクスと笑いながら言葉をついでいく
「なかなか辛い死に方らしいですよ?目も見え、耳も聞こえるのに
体の自由がまったく効かず、助けを呼ぶこともできない。少しずつ体が冷えていき、
心臓の動きが弱まっていくのを感じながら意識が遠のいていく」
そしてゆっくりと背後から女に近づき、耳元に囁きかける
「私としても命を奪うのは本意ではないんですよ。ここは取引といきませんか?
あなたに解毒剤をお渡しする代わりに、あなたの体を一晩私に提供していただく。
悪い取引ではないと思いますけどね?
...ほら、急がないとそろそろ腕に力が入ってこなくなってきていませんか?」
笑いながら、フッと耳に息を吹きかける
■イーリス > 閃光に目が眩み、眉間に皺を深く刻みながらも、男の動きに合わせて腕を上げはしたが、
魔銃が2発目の音を立てることはなかった。
「…―――っ!」
痛覚も多少鈍くなっているのか、身体のどこかが、ちくりと痛みを感じたが、
それがどこか気にするより早く、背後に回った男の言葉に、苦々しく舌を打つ。
全く面倒なことになった、とため息が零れ、男の言葉が耳に届いてはいるが、ただそれだけ、
思考はこの面倒事から如何に逃れるか、に終始していた。
だから、男の言う通り、指先が僅かに痺れ、かたん、と重い魔銃が手から零れて足元で音を立てたが、
幸いにして、男の言葉を半ばほどしか理解していなかったのか、
「………なるほど。商売人、とはよく言ったものだ」
少しばかり呼気を発し、声を発するに戸惑う様な間はあれど、望むままに言葉を出すことはできた。
いくつも死線を越えてきた豪胆さ、というのか、その声に動揺はなく、ただただ静かに紡ぎだすと同時に、はっと呼気を出して笑った。
「君は随分と回りくどいことをするな。私などより、もっと“いい体”なら、娼館に行けばゴマンと居る。
それとも…こうも回りくどく、“体”を得ないといけないくらい、不景気なのかい?」
どういう意味で、身体を提供するのか、その言葉の真意は理解できないが、
男の言動が、随分回りくどく、遠回りなことに対して、呆れたような色と笑いを含んだ言葉が続く。
確かに指先の痺れは強くなってはいるが、さりとて死に怯える、という風でもなく、
ただ男の言動の不可解さに対する答えを待つ沈黙が流れ。
■カルニーツォ > すんなりと抵抗を止める様子に意外そうに細い目を瞬かせる。
女の正面に回り、穴の空いた帽子を拾い、ほこりをはたき落として被り直す。
「まぁ、不景気のせいと言えばその通りですねぇ。
まあ、こんな回りくどいことをするのは趣味と実益を兼ねた所なんですけどね」
女の言葉に恥ずかしげに笑いながら懐から小瓶をとりだし、中の赤い液体...
行ってしまえばただの安物の赤ワイン、を女の口に含ませる。
「さて、これで体の自由は効かなくても感覚は通常に戻るはずですよ。
...さっきの返事ですがね、正直、最近は奴隷市場に行っても
壊れてしまっている女か、好き者の女ばかりで、薬の実験台にはならないんですよ」
そう言いながらジャケットの前を開け、ドレスシャツのボタンを一つずつ外していく。
あらわになった晒しを見ると肩をすくめ、ポケットから小さなナイフを取り出すと、
布地を引っ張りながら切り裂いていく
「あなたのように勝ち気な女性に対して、どの程度効果があるか...
そういう薬を求めるお方が多いので、実験が必要なんですよ」
そしてあらわになった胸に顔を近づけるとしげしげと眺める。
そっと乳首を指で摘まむと静かにそっとしごきはじめる。
「お大尽ほど、普通のお楽しみじゃ満足していただけませんからねぇ。
だから、色々薬を実験する必要があるというわけですよ...」
腰のベルトにぐるりと付けられた小物入れから小さな貝殻を取り出すと、
中の薄く透明な緑色の軟膏を指に取り、乳輪から乳首へとゆっくりと塗り込んでいく。
「例えば、この感覚を通常の数十倍に敏感にする薬。これをあなたのような方に
使用するとどのような反応をするのか...そう言うことは普通の商品じゃ試せないのですよ」
マッサージとも愛撫とも言えない手つきで乳房を揉みながら上目遣いに女の表情を伺う
■イーリス > 呼吸と言葉は幸いにして自由を手にしているが、身体の方は男の言葉の通り、そろそろ毒でも回ってきたのか、
随分と動きづらく…というより、まるで見えない何かに捕らわれたように自由を失ってきている。
「趣味と実益、ねえ。いい趣味をしている」
は、と短く息を吐き、大げさに呆れた風を装いはしたが、男が距離を削ぎ、その小瓶の赤い液体が視界に入ったときには、
さすがに唇が一瞬真一文字にむすばれ。
だが、舌の感覚はまだ残っていて、その液体が馴染みのある味…と少なくとも感じられる程度は機能しており、
小さく喉が上下して、その液体を嚥下すれば、なるほど、男の言葉通り、
少しずつなれど感覚自体が、まるで氷でも解けるみたいにゆっくり戻ってくる感覚があった。
それでも、身体の自由はいまだ戻ってくる気配がない。
どころか、それをいいことに、伸びてきた男の手に、
「なるほど…実験、ねえ。………一つ忠告しようか。
私に自由が戻ってきたら、君は簀巻きにして鱶の餌だ。
あぁ、大丈夫。君のさっきの言葉を借りれば、辛い死に方じゃあない。
骨まで綺麗に鱶が食ってくれるからな」
木綿のサラシが引き裂かれる音に、苦々しげに奥歯を噛むも、口だけは相変わらず負けん気の強さを示すような台詞を吐く。
が、外気に、男の視線に晒される己のたわわな双丘を感じれば、
苦々しさだけでなく羞恥も含んだように、僅かに頬から目許に朱が刺し。
「随分とっ…下衆い薬を扱ってっ……触るなっ!―――ふ、ぁあっ?!」
その軟膏がどのような効果を示すか、そんなことは試さなくとも男の言葉から察するには十分。
この段になって、初めて狼狽したように声が震えて。
逃れようにも、身体の自由は奪われたまま。
こんなことなら、解毒などしてもらわず、感覚も奪われたままのほうがマシ、とでも言いたくなるような甘ったるい声が零れ、
咄嗟に唇を噛んではみたものの、男の手つきは、的確に女の部分を悦ばせるに十分だった。
どれほど効果のある軟膏なのか、男からの刺激に悦んだように胸の突起が尖り、更なる刺激を求めるかのように震え、赤みを帯びて行く。
薬の実験と効果がどこまで、どれだけ続くのか、それは男の手に委ねられたまま、夜は更けていって………―――。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からイーリスさんが去りました。
■カルニーツォ > 「おぉ、それは恐ろしい。できることなら痛みを感じる暇もないよう、そちらのそちらの腰の物で私の首を一刀両断にしていただきたいものですねぇ」
両手で自らを抱くと、大げさに身震いをしてニッと笑う。
そして、完全に女の豊かな胸が露わになると同時に、
その表情に微かな変化が浮かんだことを認めると、笑みが深まる。
「フム。先ほどのお約束がなければ、このまま売りに出したいくらいですね。
あなたのような方は相当な高値で売れそうですからね...」
そう言いながらも手の動きは徐々に早まっていく。
おおきく形が変わる乳房、そして尖っていく乳首。
その乳首を口に含み、吸い上げ、甘く噛む。
そのたびに徐々に荒くなっていく女の吐息に、目を細める。
「さて、夜はまだまだ長いですよ?じっくり楽しませてくださいよ?」
クク...と喉の奥の笑いが闇へと溶け込んでいく...
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からカルニーツォさんが去りました。