2018/04/08 のログ
カイル > 一通りタバコを吸い終われば、それを道端へと放って、
ブーツの裏でふみけした。

さあ、この金で一杯飲みに行くとするか」

そうつぶやけば闇へと姿を消していって。足音だけが闇へと響いて。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からカイルさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にヴァルブルガさんが現れました。
ヴァルブルガ > 「んーっ♪」

ぐい、と伸びをして潮風にあたる。まだ少し冷たいが外での食事も楽しい季節になってきた。

寄港していた旅客船の視察を終え、海辺のバーで、パラソル席での食事を堪能していた。

昼からビールのそそがれたグラスをちみちみとなめながら
魚卵で作られた特産のパテを肉や野菜に付けて食べる。ホントはバゲットに
つけて食べるのが多いらしいが、この店ではいろんなものに付けて食べるのをお勧めしている。

「ほろ酔い気分でゴキゲンですが……お昼はどうしましょうかね」

いっそ宿に戻って惰眠をむさぼるのもありかもしれないが、ちょっと観光をしてもいいかな、なんて考えて。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > カウンターで酒を飲んでいると、何ともなしにパラソルの方に視界を向けた。
パラソルで酒を飲んでいる客の中で知った顔を目にする。

寒くないのだろうかと思いつつも、声をかけたくなったので私もグラスを手に彼女の元へ。

「外は寒くないのか? この間は私に抱きついてきたではないか。」

彼女の真横に立つと、耳元で囁く。

そして、にんまりと満面の笑みを浮かべた。

ヴァルブルガ > 「ああ、フォーコさん、今日は。意外ですね、フォーコさんもダイラスにいるとは意外ですね、今日は任務か何かで
?」

知人に声をかけられ驚いたようにして。笑顔で答えながら、抱き着いてきたといわれれば軽く苦笑いをして。

フォーコ > 「任務ではなく、仕事でな。 この辺にも知り合いの商店があって時々顔を出している。
それより、そちらこそ視察か? 今日は別段危ないことは無かったようだな。」

視察中であると割れたら迷惑だろうから、彼女にだけ届く声で。

苦笑いしている彼女の髪を触れる。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からフォーコさんが去りました。
ヴァルブルガ > 「困りますよ……」

街中でもぐいぐるフォーコにちょっと困ったように苦笑いをしながらも、あちらもやはり任務中だったのかその背中を見送って。

手を振り見送った後、カモメと青い空を見上げる。

やはりまだ多少は寒いが、いい季節になってきた。
夏が来るのが待ち遠しい。春のほうが過ごしやすい季節ではあるが、夏の暑い日差しで汗ばんだ肌を撫でる潮風が好きだし、こうして屋外で食べる食事は格別だ。

旅をして回り野営をすることもある今の仕事は向いているのかもしれない。

「さて……」

ヴァルブルガ > 「ちょっとぶらぶらしていきましょうか……」
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からヴァルブルガさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「ぃよっ……と」

船着き場にほど近い場所に陣取って、海に向かって竿を振る。
しなやかに釣り竿が揺れ、糸が伸び――着水。
春の陽気に包まれながら、今日はまったりと釣りを楽しんでいた。
仕事のない時には、山や森に入ってサバイバル訓練がてら野外を楽しんだり、こうして川や海で釣りに勤しむ――
ともかくも、なにがしか、身体を動かしていることを好む性質であった。

「……今日は食い付きがよくねぇな――」

――いつもいつも、派手な釣果を獲られるとは限らないのであるが。

エズラ > 「――んんっ!来たかっ!」

手応えあり――瞬間、腕を振る。
釣り竿がしなり、直後――水しぶきを上げ、海中より何かが飛び上がってくる――

「……ちっ、だめか――」

――釣り糸の先端には、たっぷりと海藻が絡まっている。
適切に処理すればもちろん食用にも適しているが――
モソモソとその「釣果」を釣り針から取り外し、なおも海に向かって竿を投げる――
果たして見事に釣果を獲たのか否か――

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からエズラさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にティエンファさんが現れました。
ティエンファ > 異国の青年が船を降りる。
水夫達が荷下ろしをする様子を背に、ぐぅっと伸びをして深呼吸する。
少年の色を残した顔に見合わず、首に当てた手はごつごつと固く、袖から覗く腕は太い。
荷を端に括った長い布包みを肩に載せれば、深く吸った息をゆっくりと吐く。

「懐かしい匂いだな」

落ち着いた声で呟き、僅かに頬を緩める。

ティエンファ > 首から顎に指をなぞらせる。
長い船旅で不精をした短い髭がちりちりと指をくすぐる。
帰って来た感慨を胸に満たしながら、一歩、二歩、揺れない地面を確かめる様に歩いてから頷く。

「一か月以上船上の人だったが、やっぱり揺れない地面ってのは良いもんだなあ…
 揺れないベッドも確保せんといかんが、さて、こんな夜にまだ空いてる宿があるのかどうか…」

港を歩き出しながら辺りを見まわたす。
船がつけば、水夫の懐を目当てにした娼婦や、商人を呼ぶ宿の小僧などが群がってくることもあるが、
今日はそう言う姿もあまり見られない。
居ない訳ではないのだがー…

「まあ、見るからに金を持って無さそうな奴には声をかける事も無し、か」

着古した異国の長衣に頭陀袋、金目のものと言えば長い髪を止める銀の髪飾り位な物か。

ティエンファ > 「群れに紛れて財布を盗もうとする輩を追い払う手間を考えれば、
 これっ位の方が気楽なもんだな 宿宿…この辺りは詳しくないんだよなあ…」

空きっ腹が、持ち主の気楽な言葉に抗議するように鳴る。
さらしを巻いた腹に手を当てれば息を吐いて、宿も良いけど飯が優先かな、と呟く。
しかし、少年が歩き出した方向は運悪く、港の歓楽街とは逆方向。
気付けば、寝静まった倉庫街の暗い道を歩く事になってしまった。

「…まずったな、道が分からん …戻った方が良いかね?」

ティエンファ > かび臭いジメジメした石壁の倉庫群は、春の潮の香りも相まってどうにも鼻に染み入る。
足を止めてしまえば酷くそれが気になり、親指で少年は鼻を擦り、僅かに眉根を寄せた。

一度曲がり角まで向かって向こうを覗き込む。
月明かり以外の明かりも無い倉庫路地は暗く、目を凝らしても道があるばかり。

「…引き返すか、倉庫泥棒に間違われても馬鹿馬鹿しい
 今番所に突き出されても、身元を証明してくれるやつが、今も町に居るかもわからんしなあ…」

ゆっくりと振り返り、来た道を歩き出す。
倉庫街の路地に、少年の足音。

ティエンファ > 「一年くらいかね」

歩きながら指を折る、街を出たのが初夏の頃だ…一年とは言わずとも、三季節。
船に乗ってこの国に戻る前に自分の私書に試しに手紙を送ったが、送り返されてきた。
私書も暫く使っていないと閉鎖されてしまうのだとその時に知り、驚いたものだ。

「まァ、このご時世一回町を出たらそのまま戻ってこないこともザラにあるし、
 いつまでも、戻ってくるか分からん奴の私書箱を開けておく慈善事業も無いか…」

納得はしたが、どこか寂しい気持ちもある。
開設の手続きは先だって送っているので、もう生きているはずだが、

「それを見る為にも、まずは街…というか、宿だなァ…」

ティエンファ > 「優先すべきは飯だが、宿が見つかったらまず風呂だな
 船上じゃあ真水で行水なんて無茶できなかったし…流石に臭いそうだ
 それから飯だな、安いのでも良いからグイっと呑んで、焼き立てのあぶり肉なんて齧った日にはもう…」

そんな妄想を繰り広げた所で、妄想よりも脚を働かせろと腹の虫がまた鳴いた。
猫背になって腹を撫でれば、溜息1つついて倉庫街を抜けて逆方向。
今度こそ歓楽街の方に向かう。

少しずつ増えていく人影とすれ違いながら、夜に尚賑わう通りに出る。
他にも船が着いたばかりなのだろう、自分のように旅疲れた顔の水夫や冒険者の姿。
うろうろと歩き回って宿に立ち寄るが…

「マジか…」

五件目に断られて、流石に足を止めて絶望の溜息をもらす。

ティエンファ > 「団体のお着きって言っても程度があるだろうよォ…!?
この辺り一帯大体貸切られてるって…
 なあオッチャンよ、予備室とか、最悪馬小屋でも良いんだけどさ!?」

六件目の宿の親父に懇願するが首を振られてげんなりと肩を落とす。
ない袖は振れぬと言う事なのだろうと理解する。
勿論、金か身分でもあれば空く部屋もあるのかもしれないが、

「最低限の金しか持ってないしなあ…身分証明になるような職業でもないし
 …ああ、いいよ、無理言ってごめんなオッチャン…千客万来おめでとさんだ」

不憫そうに見る宿の親父に弱く手を振って歩き出す。
天蓋付で柔らかなベッドとまではいかないが、

「初日位は野宿じゃなく、ベッドで眠りてェもんだけども…」

ティエンファ > 「女を買ってその女の連れ込み宿にでも…
 …いや、無しだな、この臭いのままってのは男としてどうかって話だからな…」

自分の服の袖に鼻を寄せ、顔をしかめる。
諦めたように息を吐けば、賑やかな宿通りから向こうに視線をやる。

「…公衆浴場でも探して、あとは野宿かねえ…はあ、どうにも締まらねえぜ…」

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からティエンファさんが去りました。