2018/02/11 のログ
イーリス > 「まぁ、そうなるよな」

ぺしりと叩くその仕草に笑いながらも、悪びれる様子なく、大よそ返答にも検討は付いていたのか、
抱きかかえた子犬に、フラれたな、と笑いを含んだ声をかけ。

「まぁ、どう考えても、犬に船底の鼠を捕る才があるとは思えん。
…となると、やっぱりお前は陸暮らしが最適みたいだ」

子犬は、腕に抱く己へと向けていた視線を、新たに手を伸ばしてくれた相手へと向けて、また尻尾を勢いよく振って機嫌良さそうである。
その様に、こちらも双眸を細め、穏やかな表情で眺めながら、

「…この愛想の良さだから、番犬になるかとなると………怪しいが、もしもの時は頼むよ、カイン」

そういいながら、一通り彼に撫でてもらった子犬を足元へと下ろす。
両脚を踏ん張ったかと思うと、抱かれた名残を残す毛並を整えるように身体を震わせては、こちらを見上げて尻尾を振っている。
そういう仕草が飼いたくなるものの、何しろ船に乗せるわけにもいかず、暫し葛藤が続くことになるが。

カイン > 「そりゃそうだ。このワンコにひどい目合わせる訳にはいかんだろ」

言いながらも犬に視線を向けて言い返しながら、
肩を竦めて言い返しながらに喉を鳴らす。
犬を一通り愛でてから、屈みこんでポンポンと犬の頭を撫で。

「ま、これくらいに元気が良ければそれこそ問題はないだろさ。
 …ン、任されて置く。それはそれとして、今夜はどうするんだ?
 こいつの寝床。船にでも連れてくならまあ、それでもって所だが」

この後の予定を問いかけながらに相手を見上げ。

イーリス > 「そう思うと、動物を飼うってのは大変だな」

足元で彼に撫でてもらって満足そうに擦り寄る姿を眺めながら、
今更ながらしみじみと痛感したような呟きを落とす。

「いや…それがな。この犬、さっき勝手についてきただけなんだ。
人慣れしてるから、ちょっと構ったんだが……船は、…やっぱり駄目だ。
いろいろと面倒になる」

ボスが子犬連れて帰ってきたー!と騒ぎになるのは目に見えている。
強欲な海賊船のボス、らしく振舞わねばならぬ日常とかけ離れた言動はやはり控えておくべきだろう。
となると、だ。

「…そうだな、とりあえず今夜は、知り合いの酒場か娼館か、その辺りにこいつは預けることにする。
こいつのことはゆっくり考えるよ、カインの伝手もあるし、私の方でも引き取り先を探してみる。
で、カイン。…君はどうする?
この辺りで仕事なら、邪魔はしないが、仕事が終わっていれば、私に付き合わないか?」

先ほど犬はフラれたが、と笑いながら付け加え、再び距離を削ぐため、半歩近づく。
先ほど、預けていい?と表情と仕草で問いかけたのと同様の表情で相手を見上げて首を傾けてみせるあたり、戯れめいた仕草であろう。

カイン > 「そりゃそうだ。。責任を持たなきゃいかんからな、と」

言い返しながらも立ち上がって相手を見やれば、
少しの葛藤を見せる様子に喉を鳴らす。
そのまま、相手の誘いを聞けば軽く手を伸ばして相手の手をとり。

「それじゃ近所に行きつけの店があるからそこにしようか。
 犬の面倒くらいは見てくれるさね」

おどけた様子で言いながら、そのままそっと歩き出してゆくのだった。

イーリス > 責任だとか、命の大切さだとか、何しろそんな真っ当な思考の対極に位置する己にとっては、
何ともしんみり一考するチャンスになったのは間違いない。
うん、と驚くほど素直に相手の言葉に頷いてから、触れる手をぎゅっと握る。
この辺りも素直さが行動に表れているといえよう。

「よし、おいで。…ちゃんとお前の飼い主、見つけてやるからな」

ちょっと芽生えた子犬に対する責任感。
手招きすれば、子犬は尻尾を揺らしながらついてくるから安堵したように表情を綻ばせ。
そして、一時の借りの宿とはいえ、子犬を連れた二人は去っていく。
めでたく子犬の引き取り手が見つかるかどうかは、のちの二人の働き次第―――。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からカインさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からイーリスさんが去りました。