2017/10/04 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にクトゥワールさんが現れました。
■クトゥワール > 日もすっかり落ち、辺りは暗闇。日中であれば喧騒に包まれる港とは言えこのような時間ならば静かなもので、少し離れた酒場から馬鹿騒ぎが漏れ聞こえる以外は波音しか聞こえる物はない。
波止場に腰を下ろしていると少し冷えるが、この静けさが心地良く、離れがたい時間をどれだけ過ごしているやら。
「――長い道を 月明かりの夜を」
独り言の趣味などありはしないが、歌は別だ。特にこのような場所に一人いると、つい口ずさんでしまいたい気分になる。
舌が踊る。
ラララライ ラララライ。
そこらの酒場に入って歌いでもすれば合いの手も入って盛り上がるのだろうが、喧騒の中で歌おうという気にならない辺り、我ながらひねくれたものだ。
■クトゥワール > 過去を悔い、思い出に苛まれる歌はしかし、内容とは裏腹にアップテンポが心地良い。
このような波止場で一人盛り上がるにはうってつけ。 冷えた波風も次第に気にならなくなっていく。
しかし口ずさめばやがて歌は終わりを迎えるもの。再び波止場に静寂が訪れたなら、海へ落ちる月の姿に目が移る。
「いや綺麗な月だ。…そういえば、もうそんな時期でしたか」
長居したにしてはかなり今更な感想を間抜けと思うが、これはこれで眺めて過ごすには良い時間潰し。
灯の代わりにとステッキを輝かせていた魔力を止め、自然の風情を楽しみ始める。
■クトゥワール > 波のさざめき、薄ぼんやりと届く酔っぱらいの馬鹿笑いにもう暫く耳を傾け――月が僅かに雲に陰り、再び顔を出した時。座り込んでいた青年の姿は忽然と消えていた。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からクトゥワールさんが去りました。