2017/04/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にヴェロニカさんが現れました。
ヴェロニカ > 「船が遅れるのはわかるわよ、けど連絡もなくていつ着くかもわからないんじゃ困るじゃない!」

辺りが温かくなってきた頃、いつものドレスに身を包み、意気揚々とやってきたが、普段の繕った態度さえ投げ捨てた声が朗々と小屋から外まで響く。
自身と瓜二つのメイドのみを連れてやってきたが、今日の朝には着いて荷下ろしをしているはずの船団はまだ到着していないと港湾を管理する者に伝えられたのだった。
憤慨する娘の横には、人形そのもののメイドが黙したまま立っていて、烈火の如く声を荒げる主人にもまるで動じていない。

「と、に、か、く!運んでるものは全部あたしが出資したものなんだから、伝書鳩でも魔法でも連絡船でもなんでもいいからさっさと連絡とりなさいよ!」

そう平謝りする職員に言い切って、腹立たしそうにメイドが差し出したショールを羽織って港湾職員の詰め所を出ていく。
流石に外に出てからは、今更な感じはあるが貞淑な令嬢の振りをするようにひきつった表情を繕う。
出てくるのを待っていた馬車の御者にしばらく待つように告げて、せめてもの気晴らしという風に潮風の吹く港の近辺を歩いていく。
潮風に切り揃えた髪を靡かせながら、同じ顔二人が歩いている様は、暗くなった夜でも目を引くことだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にサーリットさんが現れました。
サーリット > 港に程近い場所。
今日の最終便で来たのであろう旅人姿が大きなリュックを背負って一人歩いている。
“ここがダイラスねぇ”といった様子で周囲をきょろきょろと眺め、歩いていく。
さてさてひとまず宿を決めないとなぁと考えながら、脇の露店を覗き込んだ。
港町らしい品ぞろえをまた興味深そうに眺める。

港側から現れるお嬢様然とした姿にはいまだ気づかず。
女性の一人歩きは危ないとは思うだろうが、雰囲気は慣れたものといった様子。
…ともすれば、油断、ともいえるかもしれないが…。

ヴェロニカ > 「海賊、魔物、はたまた敵国かしらね……護衛も考え直した方がいいかしら……ん」

埠頭から見える水平線は、太陽が顔を隠して夜空との境界があいまいになって、月明かりと散りばめられた星の光を僅かに反射して黒々とした帳に光を見せる。
そんな風景も、昼と変わらないぐらいに見える深紅の瞳にはあまり風情あるものには映らない。
不意に、名すら呼ばずに傍に控えるメイドへ手袋に包まれた片手を差し出せば、忠実な従者は懐からケースにいれた葉巻を取り出して火をつけずに渡してくる。
それを受け取れば、中空に何か指を走らせると、小さな炎が宙に浮かんで葉巻の先を撫でていき、深みのある香りが広がっていく。

火をつけた葉巻を咥えずに指先で弄びながら、周囲に広がる香りを楽しむうちに心が落ち着いていく。
そうして歩いていると、目の前からやってくる旅人か、行商人か、大きなリュックを背負う者が目に入った。
このまま少女が気づかなければぶつかりかねないコースであるが、何故ただの旅人に自分が道を譲らなければいけないのかという不遜な考えが、そのまま気にせず歩を進ませる。
仮に本当にぶつかってしまうならば、控えていたメイドが割って入るように二人の間に立つことになろう。

サーリット > おっちゃんこれください。
そんな会話が聞こえるだろう。安物の、港土産といった風体のアクセサリ。
値段の交渉もわずかばかり。硬貨を数枚差出し、商品を受け取る。
ありがと、と人懐っこい笑みを浮かべて歩き出そうとし———。

「…っと。ごめんごめん。」

思わずぶつかりそうになってしまい、反射的に避ける。
多少かすめたかもしれないが、ケガする事もありえないくらい。
しかし、メイド姿の女性が間に入ってくると、なんだろう?という視線では見てしまう。
どこかのお嬢様だろうか? にしてはずいぶんと扇情的というか、そんな雰囲気。
多少顔を赤くしながら、再度ごめんね、と言う。
あんまり目の前に迎えておくには刺激的な女性だし、早めに離れたほうがいいかな、とも思いつつ。

ヴェロニカ > 『…………』

ぶつかりそうになり、相手がすんでのところでよけながら口にした言葉には普段から下がる眉根が一瞬深くなるが口に出さず。
その間も、割り込んだ瓜二つのメイドが、茫洋とした意志が薄弱に見える瞳でじっと相手を見つめ続けているのを、背後で軽く手を振って再び傍に控えさせる。
メイドが傍に控えたことで表情と服装以外全く同じ顔が並んでいる異様な光景になる。

「……構いませんわ、こちらも従者が失礼をしましたもの。あたしに何かついていますの?」

身なりからして期待していなかったものの、不躾な視線を向けてくる少女のそれが、どこか同性が向けるにしては違和感を覚える。
その一泊の沈黙があった後に、目を伏せて腕を組んで胸を二の腕に乗せて強調しながら鷹揚に繕った態度で言葉を返していく。
それから少し憮然とした態度でその視線と赤らめた顔の理由を問うように目を細めて訊いてみて。

サーリット > 意思のないようなメイドの様子。
それを見ても「不思議な子だな」くらいにしか思わない。
魔術的な素養がほぼ無いといった様子。
けれどそれも、同じ顔が二つ並べば内心では驚いた。
外に出すのはさすがに失礼だと感じているのか口にはしなかったが…姉妹だろうか?くらいには思った。

「いや、こっちこそ。」

謝られれば控えめに。別に相手が偉いから、というわけではなく自然体で。
しかし、ぐいっと胸を強調するようにされればもうちょっと頬の赤みが増すだろう。
わずかに視線を少女から外しつつ、

「…あ。いや、そういうわけじゃなくて。まぁちょっと見惚れてたっていうか…。君が綺麗だったっていうか…。」

何言ってるんだろ私といった雰囲気で、若干どもりながらも答えてみる。

ヴェロニカ > 間近で見てもメイドの正体に気づいていないことから、相手は魔術の心得は薄いと見える。
同時に魔族の探知もできないだろうと踏んで、ひとまずの警戒を解いた。
最も、視線から別の心配も浮かぶというものであったが。

「お気になさらず、何かあったわけではありませんもの」

組まれた腕で胸を持ち上げる体勢になれば、また顔を赤くして視線を逸らそうとする少女に、怪訝な顔で見つめる。
そのおおよその理由は、本人の嗜好がそうなのだろう察していていたが、続く言葉には少し呆気にとられたような顔になる。

「はぁ、変わった方ですのね……旅の方にいきなり口説かれるだなんて」

歯切れの悪い口ぶりで答えた相手は、よほど混乱していたのか、纏まり切らぬ本音のようなものが飛び出てきたのだと考える。
口ぶりこそ、いきなりの言葉に戸惑ったようなものであったが、続く言葉と同時に相手の傍まで近づいていく。
そうして、手で弄んでいた葉巻を持ち上げて無意味に唇のリップ音を立てて咥えながら、深紅の瞳で間近に相手の瞳を覗き込もうとした。

サーリット > 少女の考えは概ね当たっているという感じ。
レズビアン、というよりはそういうもの、なのだが。

気になさらず、と言われてほっと胸をなでおろすように。
ようやく安心したという雰囲気である。
ひょっとしたら少女が不機嫌、ないし怒っていたという事を無意識ながら感じ取っていたのかもしれない。

「え?口説くって。…そういうんじゃなくて。私はホントの事を…」

そこまで言いかけてぴたりと止まる。
葉巻を加える瑞々しい唇と、間近に急接近した深紅の瞳に目を奪われたからだ。
血の湖のような深い色の瞳に吸い込まれそうになってしまう。

ヴェロニカ > ほっと胸を撫で下ろす相手が、安心した理由を察するだけの思いやりを持っておらず、察することはなかった。
しかし、安心した心のスキマに滑り込むように近づいていくと、自然と顔には獲物を見定めるような笑みが浮かんでしまっていたことだろう。

「あら、そうでしたの、てっきりそういうつもりだと……はしたなかったかしら」

頭一つ弱は身長差がある相手を舌から見上げて視線を交わしながら、そう口元に手を当ててころころと笑う。
見下ろす相手には、その小柄ながら発育のいい肢体が視界に否応なしに入ることになるだろうか。

「……本当のことが聞いてみたいわ?」

相手が深紅の瞳を覗き込み続けていると、血が溜まるような瞳の奥で小さな光の線が走っていき、魔法陣のようなものを描く様がスローな動きで見えるだろう。
大きく制約と負担を受けている支配の呪詛を持つ瞳の、ほんの僅かな洗脳にも満たないささやかな暗示であったが、口を割りやすくしてみようと試みた。

サーリット > ふと少女の表情を見れば、まるで獲物を見つけたような笑み。
背中にぞくりとした感覚が走り抜ける。それは悪寒だったのか。
助けを求めたほうがいいのだろうか、と背後のメイドに視線を向けたけれどまったく期待できそうもなく。
自然、再び少女に視線を落とす。

「う、うん。そうじゃなくて……。」

しかし、今度はそのメリハリの利いた身体に視線が向いてしまう。
深い胸の谷間に囚われてしまいそうな錯覚を覚え、
徐々に腰のあたりが熱を帯び始める感覚。
内心、慌て始めていたものの、しかし少女の瞳の奥に光が見えてきて…。

「あ…。」

小さな声とともに、思考に霞がかかっていく。
少女の言葉がその霞の中に響いてくるような感覚。

「…その。君の事がすごく魅力的で。体質もあって、興奮、しちゃって…。」

どこかぼうっとしたような言葉の羅列。無意識に答える、そんな雰囲気。
少女が視線を落とすか体を近づければ、ズボンの下、股間の辺りの盛り上がりか、固くなったものがわかってしまうかもしれない。