2017/02/12 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にノーガルトさんが現れました。
ノーガルト > 「……はぁ…。」
『そう落ち込むな、ノル。必ずまた機会は巡ってくるはずだ。』

(仕事は無事に完了した。
結局、何かトラブルに巻き込まれることもなく無事にダイラス港までたどり着くことはできた。

しかし、仕事を終えて金を受け取ったノーガルトの表情は、聊か曇りがちであった。
手にしている布巾着を手にしつつ、今いる場所はダイラスのオープンテラスの酒場。
時間もちょうどいいので、酒と適当な飯を頼んでいた。

しかし、それを目の前にしてもため息しか漏れない。
確かに仕事は無事に終わった、しかし肝心のノーガルトの計画。
商業団体の信頼を勝ち取り、コネを手に入れて安定した収入を。
その計画は、何も起きなかったことによりも脆くも失敗に終わった。

何も起きなければ、ノーガルトは結局一人の冒険者という認識でしかない。
不謹慎かもしれないが、今回はせめて海賊襲撃くらいは起きてくれないか、と。
そんなことを思いながら受けた、という思いもあった。)

「………しばらくは地道に、依頼を受けていくしかないか。」
『そういうことだな、人間はそういう地道な努力をすることが好きなんだろう?』

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にシンシアさんが現れました。
ノーガルト > (冒険者が、大手の企業から信頼を得ることは非常に難しい。
いくつもの依頼をこなしていればいいが、ノーガルトがマグメールで仕事を請け負い始めたのは、まだ1月ほどまえから。
ベテランというにはまだまだ経験不足ではある。

確かに、ダインという相談役はいる。
しかし、その声は人に届くことはなく結局はノーガルトの考えになる。
そうなると、ほかの冒険者はあまりノーガルトのことを、快くは思わない。

だからこそ、ノーガルトはあまり表だって依頼をこなすことはない。
敵を作り、家族に迷惑をかけるわけにはいかないのだ。)

「やはり時間がネックだな……、1年もすればいいんだろうが…。」
『本当に、人間というのはややこしいな。時間など何の役にも立たないというのに。』

(ダインの皮肉が、なんだかとても正論のような気がした。
時間は結局、過ぎていくだけのもの。
その実績、そして経験は自分自身が培っていくもの。

そう考えると、時間などたいしたことはない。
そんな風に思えてしまって、自嘲気味な笑みがこぼれた。)

シンシア > 今日か明日か…1週間となるとソロソロ戻ってくるかもと、港町まで出てきてみた。
王都では、あまり情報も数少なく
船の出入りがある港なら、異国の話も聞けるかと思って

朝、ダイラスに到着してから
酒場とか宿屋を回りながら、船が着いた知らせに人が動けば
船着場まで出ていったり

海賊に襲われた異国のボロボロの船もあれば
立派な商船だったり、小さめの船だったりと
周囲をキョロキョロしては、見つけられなくて…別の酒場に入り神剣の話を聞いて回ったりを繰り返すだけ

王都のように馴染みのある酒場でもない
女が一人で聞いて回ると、よくない誘いを受けるのを流したりしながら1件1件聞いて回っていた

ノーガルト > 「…仕方がない、猛牛亭の女将にまた大型の依頼が入っているか聞いてみるか。」
『あまり忙しすぎるのもどうかと思うがな…。しばらくはゆっくりしたらどうだ?』

(確かに、今回はかなり長い間家を空けてしまっていた。
船の上では、マグメールの情報などかけらも入ってこない。
時折伝書鳩を飛ばしてみようかと思ったが、わざわざ海賊にありかを知らせることもない。
危険を招きそうなことはは、極力排除するのも信頼を勝ち取るためだった。

その計画が失敗してしまった以上、もう一度一から始めるしかない。
もう少し依頼を片付けていけば、人伝にノーガルトという冒険者の名前は広まっていく。
それを待つというのも、時間はかかるが別の目的もあるし、それでもかまわないか。)

「…よし、飯を食ったら宿に戻るぞ。明日の朝、マグメールに帰るか。」

(飯を片付け、ノーガルトは代金を置いて立ち上がった。
長身で、しかも剣を二振りも持っているような男に絡むような男はおらず。

店の階段を下り、道に出ると軽く背伸びをする。
もしかしたら、その姿―――彼女になら見えるかも、いや。
こんな背の大きな男、嫌でも目立ってしまうのだが。)

シンシア > また、どこかの船が入ってきたという知らせに人の流れができる
出迎えの者、荷下ろしの業者など
別の酒場から通りに出てきたとこ、その人の流れにため息をつく
この船に乗ってる可能性はわからず
人の流れのほうこうへ足を向けようとしてた、顔を上げたとき
視界のなかに、長身で大柄の人影が見えた気がした

「ぁ…」

人の流れを横切るのは難しく
まっすぐ目指す人影に近づけない
どこかに行こうとしてるのか、後ろ姿になり離れていく
まだ背が高いから見失うことなく、大通りをジグザグに横断できれば
彼の後ろ側、声をかけるよりも先に剣に触れないように上着を掴もうと手を伸ばして

ノーガルト > 『ノル、明日帰るならマグメールまで走り込みだ、足腰を鍛えれば少しは剣も軽く触れる。』
「下半身の力で剣を振る、か。…分かった、食料を買って明日から走りこむか。」

(体力をつければ、ダインの能力も長く使える。
結果として、己の力を上げることにもつながる。
魔法の剣ではなく、魔剣であるからこそのアドバイスだった。

ノーガルトは軽くうなずき、しばらくは人込みを避けるように歩いていく。
紹介された宿はもう少し先だ、少しくらい夜のダイラスを愉しんでもいい。
どこか、酒を売っている場所はないかとあたりを見回していた…ら。)

「……ぐっ!?」

(完全に油断していた、それもいつものことだが。
どうしても、日常ではノーガルトは注意力散漫なことがあるらしい。
上着の襟が首にかかり、のけぞりながら締められる。
何事か、と黒い外套を翻し、後ろから来ていた人物をにらむ。

だが、その眼もすぐに、驚きの目に変わるのだが。)

「……シンシア、…シンシアか?」

シンシア > 「ぁ…ノル」

遠目にも間違いでなかったとう彼のシルエット
思わず声が出なくて手が出たけど
上着を掴んだまま後ろを振り返る彼を見上げるような形になり
見間違いでなかったと、嬉しいのに驚き顔のまま彼の名を呼んで

「あの…遠くで見えてもしかしてって、思って…今日か明日なら
 ここにいたら、会えるかもとか…思って」

嬉しいのに、気が沈んでた日が続いたからか
どんな顔していいかわからず、上着を握ったまま俯いて
文章としてバラバラだけど、思いつくまま自分がここにいる理由を口にして

ノーガルト > (彼女のいうとおり、この港に着いたのは今日の夕方を過ぎたころだった。
そこから、依頼料の受け取りや宿の手配などを済ませて、先ほど飯を食べた。

上着をつかんでいる彼女の声を聴くと、なんだかとても懐かしい。
1週間という期間は、どうにも長く感じてしまっていたらしい。
軽い苦笑をしつつ、なぜかしどろもどろなシンシアの肩をたたく。)

「まあ……帰ってきたのは今日だ。結局何もなくて、なぜ依頼を出したのか疑問にも思ったがな。」

(肩をすくめながら、上着を握っている手を離させる。
さすがにこのまま歩けば、また首が締まってしまう。

だが、その手に今度は自分の手を握らせた。)

「とりあえず、宿に向かおう。つもる話は、ゆっくりと酒でも交えながらな。」

(それに、彼女の声も少し引っかかる。
まあ、理由は何となく察しているけれども…人通りの多いところで、彼女を抱きしめるなど。
そんな、破廉恥な男ではないだけに今はただ手を握るだけ。)

シンシア > 「怪我とか、ないんだ…よかった。さっきボロボロの船とかも入ってきてたから」

港でいろんな船を見た後のこと、彼が目の前に怪我もなく無事でいる様子に
心から安心して肩のちからが抜ける

「…ぁ、ごめんなさい…ぅん」

上着を掴んでた手に無意識に力が入ってた
手を外されて、謝りながら手を繋がれる

少し俯いて、彼の少し後ろをついて歩くように
あまり知らない土地で見知った相手で彼がいるだけで
さきほどまでの嫌な気分もずいぶん軽くなってた

ノーガルト > 「ああ、あの船か……可哀想に、積み荷のほとんどを海賊にやられたらしいな。」

(船体の損傷も激しかったし、おそらく乗り移られての白兵戦になったのだろう。
乗組員の中で無事だったものも数少なく、今度商売をやっていけるのか。
しかし、ノーガルトの声はどこかそっけないものだった。

ノーガルトは、別に船が襲われるとかそんなことはどうでもよかった。
自分が関係していない事柄には、とことん無頓着なのだ。)

「あ、そうだ。いろいろと助かったぞ、シンシア。」

(栄養のことを考えてくれた果実のジャム。
そして、気付けのお酒に弁当まで。
彼女のおかげで、途中だけでも出される冷や飯を食わずに済んだ。
病気にもかからなかったし、彼女に借りたマフラーも後で返そうと思っていたところだ。

だが、この一週間は心配させてしまっただろう。
だからこそ、しっかりと謝罪も入れておかなければならない。

そんなことを思いながら、しばらくは二人で道を歩いていく。)

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からシンシアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からノーガルトさんが去りました。