2016/11/21 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にジアさんが現れました。
■ジア > 前日からの時化のせいか、昼下がりには船足が途絶えた港の片隅で、冬場でもなお薄着でいた少年が、見ている方が寒くなると押し付けられた毛布を空き箱に敷いて座っている。
渇いたパンを咥えて湿らせながら、その手元では受け取った賃金の硬貨を指で何度も数えており、その枚数が数え間違いではないことがわかると、少年はパンを噛み千切ってそれを嚥下し、大きなため息を吐きだした。
「ううん、思ったより稼げなかったな」
荷運びの仕事は完全な歩合制であり、数をこなせばこなすほど多くなるが、今日のような仕事の絶対数が少ない日は、誰もが躍起になって仕事の取り合いになってしまう。
そうなれば力こそあれ小柄な少年では到底対抗できる舞台ではなく、結果として実入りも悪くなる。
「ま、しょうがないか。今からじゃ工房にもいけないし」
体力はまだまだ残っていて持て余す中、遊ぶ金などあるわけもなく。
咥えて湿らせたパンをまた噛み千切っては、とりあえずお金は大事そうにバッグの中に入れた硬貨袋に詰めた。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」に魔王リュウセンさんが現れました。
■魔王リュウセン > 前日から船が時化で全く出せない。いや、出せるだろうけど港から止められて久しい。
狐耳と九尾というある意味とっても目立つ状態で数人の男たちとああだこうだと相談しながらどこからか歩いてきた。
その話の内容は『倉庫整理の人足が足らない』のと『頭の回転が良く知識もそこそこある子供がいない』だった。
ここ数日は大柄な子供や男が多く集まったが どれも筋力が良くてもそれだけだった。
これでは何時までたっても終わらないだろう。
力は足りているから 頭の回転のある子(機転の利く等)を探してこい、と男たちに発破をかける様に散らせよう。
そうしてから はぁと溜息を吐いて 尻尾を ゆらゆらと揺らす。
「頭の回転っていうか、器用な子が…いると助かるというか…」
ぼやくように呟いて 何となくだが
港の片隅で ちらりと少年(ジア)の方を見たが 遠目なので何をしているかまでは見ていない。
■ジア > 出店でいくらかオマケしてもらった硬いパンをやっとのことで食べ終えた少年は、周囲の喧噪が普段のそれと違うことに気が付く。
とはいえ、博識の~と、聴こえてくる話の殆どは少年の理解の外の話であり、殆ど反射で人混みの方へと視線を動かした先にいた女性に、その視線ががっちりと固定された。
「わぁ、凄い尻尾」
人混みの中で嫌でも目立つその恰好と尻尾、顔までは良く見えなかったものの綺麗に流れる髪に、目を丸くしながらじぃとその姿を注視する少年。
小耳に挟んだことがある獣人のそれかと少年は思い当たるも、奴隷階級だと聞かされていた割には少年よりはるかに立派な身なりの相手を見て、噂はあてにならないなと少年は一つ学んだ。
そしてちゃっかりもらいっ放しになっていた毛布片手にとてとてと其方へと歩いていき、人混みを避けながらその後ろをついていこうとした。
何か打算があったというわけではなく、一目その姿を間近で見ていたいという、様々な異国の人間の姿が見られる港にいる内に育った旺盛すぎる好奇心からであった。
■魔王リュウセン > ぴこん ぴょこぴょこ ふるふる 狐耳が立ったり揺れたりぷるぷるしたり。
もふ もふもふ もふ もふんもふーん。各々九つもある狐の尾が揺れている。
特に何もして…耳と尾は女の無意識によって勝手に気ままに揺れて動いてる。
「んー……」
獣人であれば奴隷かそれに準ずる者だとして単体でこんな所にいるのがおかしい話。
男たちはその主たるこのお女は立っているだけでも目立つし、何かあれば連絡位はくれるだろうから、
暫く突っ立って 一人もふもふをしていたが、ゆっくりと歩き始めた。
冬毛であるからして尾の一本一本が柔らかもふもふ。それが九つで余計にもっふもふん。
後ろからついてくる少年の気配は何となく気づいたが―耳がぴこんと向き、ゆっくりと振り向けば
「何か 用??」
尻尾がふわりゆらんゆらん と柔らかく揺れる。
■ジア > 近くに行けば当然、狐の耳も生えていて、作り物ではないことを示すように頻繁に動いているのが見える。
大きな塊の尻尾に見えた九尾がゆらゆらもふもふと揺れ動く様子に、今抱えているごわごわとした毛布とは比べものにならないくらい柔らかいのだろうなと取り留めもない想像が浮かんでいく。
「わっ、わわわ…!ぼ、僕、凄い尻尾が見えて、綺麗な人なのかなって思って…。
あっ、こ、これは護身用で!決して悪いことをしようとしたわけじゃないんです!」
振り返る相手の怜悧な美貌に一瞬見とれて、さらに振り返ることで柔らかく揺れる尻尾にも視線が向きかけたところで、問いかけられていることを思い出す。
ハッとなった少年は慌てた様子であわあわと弁明のように言いながら、馬鹿正直に心象まで吐露する有様。
背後から忍び寄ろうとする曲者と勘違いされたのではないかと不安になって、腰の曲刀について弁明も付けたしていく。
■魔王リュウセン > 人が住まう?いや人が多いと思うこの都市で堂々とケモミミケモシッポを晒すこの女。
きちんと生えているので狐耳も九尾も取れはしない。
収納は利くので 収納してしまえばそこらのヒト族の少女にはなれるけどそれだけ。
一本だけならまだしも二本三本と尻尾で包めば
たちまち極楽浄土の極みに誘ってくれようぞ、もふもふにしてやんよの如く。
「…ん、そう。綺麗かな?? 武器の一つや二つ 港だからいるでしょ、ん大丈夫。…もふもふする??」
少年と真っ当に対峙。問いかけに素直に応じてくれている模様。少年の腰に下げているものについては聞いていなかったが
答えてくれたので 隠し事できないのではと推測。ふむ、見た目毛布持っているボロい格好の少年と見えた。
悪魔?のとんでもない言葉を口にして 艶やかな笑みを添えて少年の出方を探ろう。
■ジア > 「え、はい、僕はき、綺麗だと思います…ふぇうっ!?」
曲者とは見られなかったことにホッとして少年が胸を撫で下ろしたのも束の間、最後に付け加えられた誘惑に、雷で打たれたようにビクンと身体を震わせて、その拍子に毛布が足元に落ちた。
潮風と汗でベタベタになった身体で~と体面を気にしたり、そもそも会ったばかりの相手にというなけなしの常識などがチラついたりする少年の理性がぐるぐると頭の中で回り、ゆらゆらと揺れる尻尾が視界に入るたび、そこに少しずつもふもふが侵食してくる。
「もふもふ、したいです…もふもふのお姉さん…」
やがて生唾を飲み込んだ少年はこくんと頷きながら欲望に素直になった。
抗えないもふもふを見つめる内に、相手の爪先から頭の天辺に向かう途中のふくよかな部分にしっかりと視線が動いてしまっていた。
■魔王リュウセン > 表向きは貿易商紛い 裏は魔王と暗殺者をやっているとんでもない系の魔族に該当する存在。
仮に彼がその手の同業者でも大して驚かなかったともいえ、毛布を落として
背後に稲光が落ちた様な錯覚と固まった状態になりはてた少年を面白そうに ニマニマと怪しい笑みを浮かべてみていた少女は。
彼の体の汚れ具合とか汗とか ほぼ初対面だろうが 悪魔のささやきをするに当って 魔王らしく?彼を堕とす為なら
もふもふという彼の視線が動くものが 耳と尻尾と…にある事を目ざとく気付くと
誘いをしたわけであり 彼が頷けば では早速と すーっと尻尾を揺らしながら近寄って 毛布と彼の手を優しく握ると
港の片隅 というか 一寸 邪魔にならない場所へと連れ去ってしまうー
もふもふにしてやんよ と。 彼の行方は彼が港に戻るまでは誰も知らなかったとか。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」から魔王リュウセンさんが去りました。
■ジア > 相手の笑みも、内心の動揺や隠し切れぬその身体への欲望までも見透かされているようで、恥ずかしさやら様々なものがこみ上げて落ち着きなく視線を彷徨わせる少年。
間近に近づいてくる相手に手を優しく握られると、動悸が早くなる少年はカチカチと緊張し切った様子になる。
そのまま手を引かれて連れられて行く少年は、相手の本性など知る由もなく、その行く末を知る者は、当人たちを置いて他にいないことだろう。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からジアさんが去りました。