2016/05/14 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にフィリオソリスさんが現れました。
フィリオソリス > 「ふむ。ではそれとそれとそれ。あるだけもらおうかのう」

いくつかの麻袋とタルを指さしいいつける

『あ、あるだけですか?
 あ、ありがとうございます!?』

ここは倉庫街。
本来買い物をするような場所ではない。

だがなにぶん買い上げる量が多いため王都などでは用件をみたせず
きづけば倉庫街で荷下ろしされた商品を直接買いたたくようになっていたのだった。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にキルド・ニッヒドさんが現れました。
キルド・ニッヒド >  
「……――」

すごい買い物だなと思った。こんな大胆な買い方は初めて見た。
随分お金持ちなんだな、なんて思いながら。若干思案顔……

「ふぃりおそりす、さま。どうやって持って帰るんです、それ」

どうやっても持って帰れるようには視えなかったのだ。
あくまで、少年の常識では

フィリオソリス > 「これか?これは荷運びまでがこやつらの仕事じゃよ。
 本来は王都の商屋まで卸売りに行くのを直接我の所まで持ってきてもらうというわけじゃな。
 自分で持って帰っても良いが粉まみれになるのも嫌じゃからのう。」

そういって金貨を数枚カチャカチャと並べる。
相場より少しだけ色をつけて。

キルド・ニッヒド > 「…………?」

すごくすごく不思議そうな顔。

「でも、それ、死んじゃわない?」

確かダンジョンの奥に住んでいたはずだ。
大丈夫なのだろうかと

フィリオソリス > 「もちろん入口までじゃよ
 目印にどこぞの誰かが建てた社も建っておるしのう」

その社も今や倉庫である。
それを知った村人はどんな顔をするだろうか。

料金を勘定した商会の人間がぺこぺこと頭を下げている。
こういうやりとりももうすでに一度や二度ではない。

要するにお得意様だ。

「というわけでごまをすろうにもぬしに手伝えることは無いのう
 残念じゃが」

と、ふりかえると見透かしたように告げた。

キルド・ニッヒド >  
「……ごまをする? ごまってなに、ふぃりおそりすさま」

まずはそこからだった。少年にはその行為自体わからないもの、らしい。
若干、この世界において、ずれているのはみていて分かったのかもしれないが
まるで、権力というのにも、興味がないのは今の一言で感じ取れたかもしれない。
そういったものではないのだ。

「ちなみに、なにをかったの?」

ひょいっと買ったものを覗きこむように

フィリオソリス > 「ふむ。そんなものか」

気付いていないということもあろう。
それはそれとして。

「これは石灰じゃよ。まぁ建物の材料じゃな」

それに言ってないがそのたもろもろ。
麻袋をポンポンと叩けば白い粉が舞う。

キルド・ニッヒド >  
「……? ふぃりおそりすさま?」

教えてくれないと見れば眉間にシワが寄る。
まゆが八の字になって、何かを取り上げられた子犬のようだ。

「たてもの……まだ、おうち、つくるの?」

じぃっと袋を見つめれば、白い粉が鼻をくすぐり。

「へきしっ」

くしゃみ一回

フィリオソリス > 「んー……」

いっていいものか悩むのも一瞬すぐに答える。

「ごまをするというのは気に入られたいと取り入ろうとすることじゃな」

くしゃみを見ればハンカチを取り出して鼻をぐしぐしとするだろう。

キルド・ニッヒド >  
「ふぎゅ」

ぐしぐしとこすられれば大人しくなり、そのまま拭き取られ。
若干鼻面が赤くなる。気に入られたいと、言われれば……
ちょっと考える。すごく考える。感情を、思考する。
どうなんだろう、と。これは気に入られたいに入るのだろうか。

「……ふぃりおそりすさまに、いろいろおしえてほしいとおもうのは、ごまをする?」

口に零し、思案する。
間違いなく、目の前の少女はどんな人よりも”自分が知りたいこと”を教えてくれている人物である。
それゆえに、どんな人なのかは気になるし、嫌われるのも嫌だから、粗相のことを謝りもした。
だが、そこには変な意味は、ない。純粋にそう思ったから、なのだ。
でも――

「……なんだか、ごめんなさい」

良い意味じゃないのは分かったのでしゅんっとした。
そう見えたのは、すごくなんだか。思っていたのと、違ったというように

フィリオソリス > 「……そんな顔をするでない」

ぺしぺしと頭を叩く。
なんといえばよいのか、捨て犬に見つめられているような感じである。

「ほれ何か食べにに行くぞ」

ここにもう用はないとばかりに告げる。

端から見れば話題を変える作戦そのままである。
おなかがすいているのも本当なのだが。

とはいえ人里で食事をすることなどほぼほぼ無い彼女にとってそれは気を遣った結果かも知れなかった

キルド・ニッヒド >  
「ぁぅぁぅ」

頭を叩かれれば、頼りない悲鳴を上げて。
むぅっと、まゆの八の字はそのままに――

「ごはん……ふぃりおそりすさま、なにかたべたいもの、ある?」

首を傾げて。素直すぎるのが少年のいいところだ。
裏なんてわからず、言葉通りに。
食べたいものがアレば、知っているなら紹介したいなんて。
そしたら、機嫌よくしてくれて。またいろいろおしえてくれ――

(……よくない)

これが”ごまをする”。覚えたと心に刻む。
そして――

「うん、ぼくも。いっしょにふぃりおそりすさまと、たべたい
 いっしょにたべると、おいしかった」

この前、キャタピラを食べた時。久々の一人じゃない食事は美味しかったと思いだして。

フィリオソリス > 「食べたいものもなにも何があるのか寡聞にしてわからん」

そもそも主食からして鉱物である。
人間の食事自体にあまりくわしくない。

人里におりてこういったダンジョンに必要なものを買い集めるようになってはいても
そういった点はやはりなれぬままであった。

彼女の知識はかなーり偏っているといえる。

「そう言えば最近酒はたしなむようになったな」

思い返しながら告げる。
えてして止められることの方が多いのだが。

そこは金の力である。

キルド・ニッヒド >  
「……それじゃあ、さかばに、いく?」

こっちっと、手を取り、歩き出す。
酒場には、詳しい。親方然り、”持ち主”しかり。
飲みは欠かさなかったし、自分も必要な情報はそこで得ていた。
入り浸るに欠かさなかった場所だ。ひと月前では。
だから、ある程度よく、知っている。

「いこっ、ごはんっ」