2015/10/18 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にレナ=ミリイさんが現れました。
■レナ=ミリイ > 頼るべき明り明りといえば月明かりと、ところどころに吊るされた照明用の蝋燭のみといった状態の埠頭に現れるフード姿の人影、その背丈からは人間の成人男性ではないことは容易に想像でき、隠せない耳がミレー族であることを物語っている。
時折屯っている酔っ払いや柄の悪い連中に好奇の視線を向けられるのを回避しながら、行く先に留まっていた帆船の近くにいた男性に近づいて。
「依頼の物、取ってきたよ」
短くそういえば背中に背負っていた袋を地面に落とす、依頼と言ってもギルドを介した物ではない、おそらく相手はかなりアングラな人物なのだろう。
しかし、ミレー族としての正体を隠せない自分にとってどうでもいいことであった、どちらの依頼にせよ、ミレー族の身分では大した報酬がもらえるわけではないのだから。
男が袋の中身を確認するのをじっと警戒を解かないまま待っていて。
■レナ=ミリイ > 中身の確認を終えると男は満足そうに革袋を手下に手渡し、下種な笑みを浮かべながら、よくやった、などと言い。
「別に礼なんかいらないから、さっさと報酬をちょうだい」
そういえば男は小ばかにしたような笑みを浮かべ、ミレー族に払う金などないと言い放ち、あげく、警備兵を呼ぶぞと脅しをかけてくる。
たしかに渡したものはやや非合法な物、兵士を呼ばれればややこしいことになる、しかしそれは相手も同じ事。
しかしミレー族の自分が居れば警備兵は確実に自分のみを犯人に仕立て上げるだろう。
悔しげに押し黙れば、男は高笑いと共に船の中に消えていき。
「……っ」
男の後ろ姿を苦々しげに見送れば踵を返してその場を後にして船着き場を歩きはじめ。
■レナ=ミリイ > 奴隷の身分から抜け出して冒険者になってからこんなことは日常的でなれているつもりではあったが、それでもせっかく依頼を終えても報酬なしでは気も滅入るというもので、なんとなく海の風を浴びようと埠頭をふらふらと歩き。
「こんなことなら、いくらかいくつか抜いておけばよかったかな……」
小さく呟くものの、それがばれた時を考えるとリスクが高すぎると思いなおす、事実あの船にいる男達を相手に取れば自分の腕で助かることは不可能なのは確実なので。
■レナ=ミリイ > 「はぁ……明日のご飯どうしよう」
目下の悩みはそれであった、以来の場所がら狩りをすることもできず、ほとんどその日暮らしの自身に蓄え等あるはずもなく、途方に暮れる感じでため息をつき。
桟橋に腰掛けて海を眺め。
「釣り道具でもあれば魚とれるかな、でも釣りってどうやるんだろ」
山での狩りを中心と置く生活だったため、釣りのやり方なんてわからず、ただただ海を見下ろして水面下を泳ぐ魚を見るだけで。
■レナ=ミリイ > 「ん……」
何時のまにか眠ってしまっていたようで、周りに聞こえそうなほど大きな腹の音で目を覚まして。
「はぁ……しょうがない、何とか方法を考えよう……街の外に出たら狩れそうなのが居ればいいんだけど」
そういって立ち上がり、ややおぼつかない足取りで歩きだし夜の暗闇へと消えていき
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からレナ=ミリイさんが去りました。