2015/10/10 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にベルフェリア・ゴールさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からベルフェリア・ゴールさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にベルフェリアさんが現れました。
■ベルフェリア > 先日の戦いからどれくらいか経過しただろうか。
そんな事をふと考えたが即座にその思考は停止して、考える事をやめる。
黒いローブマントを羽織って夜闇の船着き場にて、地面に腰を下ろしながら海を眺めていた。勿論特に理由があっての事ではなく、久々に訪れた人間界の風景を楽しんでいるというわけでもない。
「ここは男連中が多いなぁ……。」
黒いローブマントに包まれ、夜闇の中である為一層ただの黒い塊にしか見えずその容姿も一目ではわからない魔族がそこにいた。
男は別に嫌いではないが、食の対象や性の吸収対象としては気に入らない。血の味は濃いし、汗臭いし、何よりこちらから襲うとなると淫魔のようにはいかない。そんな事もあり、女性を狙った方が手っ取り早いのだが、この時間というのもあり、酒に酔った男がうろついていたり、或いは船着き場の近くにある酒場から男気の強い笑い声が聞こえてくる程度だ。
つまり、これといってベルフェリアの望む獲物が居るわけではないのだ。
「まー、気長に探すかぁ。一度こっちに着ちゃうと暫く戻れないし。」
戻る術は幾らでもあるのだが、態々魔族の拠点から出て来たのに、再び戻る為に魔力を使うのは面倒だった。勿論魔力を使った方が楽なのだが、距離も距離だけに膨大な魔力が消耗される。
そういう意味でも女性の血液は、特に性的な状態に陥った物が魔力濃度が高まり美味であり、魔力の補充にもなって良いのだ。だから慌てて戻る必要もないので、ゆっくりと探し回れば良いという結論に至った。
「……でも、この時間じゃなぁ。」
既に深夜に近い時間だろうか。人間の行動時間と、女性の立場の低さを考えるにこの時間帯に一人で無防備に歩いているような者は居ないだろう。
じゃあ日を改めるしかないか、と諦めると面倒臭そうに溜息を吐いた。
■ベルフェリア > 「――暇潰しにあそこの連中を狩るかぁ?」
見向きもせず、はっきりと声に出さず、呟くような言葉を零す。
だが勿論そんな事はしない。怠惰は面倒くさがりであるが故に。
とするとやはり『魔族』としての暇潰しは此処では得られそうにない。人間としての娯楽であれば、幾らでも見つかりそうなものだが――。
「そういえば、人間界には娯楽、とかいうものもあったかなぁ…。」
飲食、博打、競技といった人間の生み出した数々の娯楽というもの。ベルフェリアは引き籠りな魔族であるので魔族内にある娯楽の存在さえ殆ど知らないが、人間界にも同じようなものがあるとすれば嫌でも興味を持つというもの。
ただし、それを行うにはゴルドと呼ばれる通貨が必要になるらしい。――ベルフェリアはそんなものは持っていなかった。
■ベルフェリア > そこで暫く唸りながら首を傾げて思考を重ねてみる。
ゴルドなど持っていない。人間界では使われている通貨である。人間界で使われている通貨ということは、人間ならば誰もが持っている。
そこでようやくベルフェリアは目的を見つける事となった。
「お~……そうか。そういう理由なら襲うのもアリか~。」
間延びした声と同時に、俯いていた顔をあげた。この場で戦闘をすると騒ぎになってしまうし、そうなるとその場所で通貨を使って娯楽に混ざる事もできないだろう。
だとすれば襲うのは独り身の男だろうか。何しろこの時間は酔っぱらった男が勝手に人気のない場所に歩いて行ったりするので、襲ってゴルドを奪うには絶好の獲物と言える。
「少し、試してみるか。」
ゆらり。面倒臭そうに立ち上がると黒い影が急にその背丈を伸ばしたように見えるだろうか。
くるりと背後へと振り返ると周囲に何の警戒もせずに歩き出す。
相変わらずフードを深く被っているのでその顔ははっきりと表に晒しはしていないが、正面から見たなら確実に人の形をしている存在と認知できる。
「さっきあそこに一人か二人、入って行ったよね~。」
未だに賑やかさを保つ酒場から影になっている路地裏へ、足を運んでゆく魔族。
路地裏の入り口前に立つと、二つの人影を確認し、地面を蹴る音だけが僅かに響いて暗闇の中へと消えて行った。
――その翌朝、二人の酔っぱらった男性の死体が見つかった。一撃で背骨を打ち砕かれ、財布の中身を抜き取られていて、強盗にあったのだとして周囲が警戒を行ったが、目撃証言は未だに届けられていない。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からベルフェリアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にエルレストベーネさんが現れました。
■エルレストベーネ > (船着場の路地裏
とはいえ、この辺は倉庫も多く、また必要がなければ人通りがない場所も多い
表には適度に人がいながら裏に入れば誰もいない、もしくはいかがわしいことに使う倉庫などもあり
襲うもの、襲われるもの、見物、観光、仕事、様々な用事で人が行き交う場所である
……そして現在、倉庫裏
襲ってきたゴロツキどもをひねり倒したばかりである
そもそも並の魔族でも敵わないように作られた芸術品である少女は
その辺の連中を相手にしたところで何ら困ることはない
……別にそういう相手をしてやっても良かったのだが、得るものがない相手には無駄でしかない
となれば、ひねり倒すには十分な理由だった)
……くだらない
殺されなかっただけありがたく思っておくことね
(冷たく言い放つと、しばらくは動けないであろう連中を見下ろした)
■エルレストベーネ > (荒事には慣れている、というより魔族の護衛や露払いとしての人形である
もともとこうしたことは出来て当然で、そこに何の感慨もない
……ソードなど人を超えた戦闘とは根本的に違う
となれば、腕を捻り足を払い人を盾にして転がすことなど容易だった
必要なのは、知らないことを教えてくれる相手、もしくは無理にでも聞ける相手である
街の様子は大体把握した、あとは自分の用向きだけである
倉庫裏では、人通りが少ないか?
となれば港通りに出て人待ち……正確に言えば適当なやつを捕まえる、もしくは適当な人探しをしてもいいかもしれない
どうでもいい連中が転がっている倉庫裏を離れ、表通りへと
適当な散歩なり気晴らしとでも言えばいいだろう)
■エルレストベーネ > (表通りを歩くとまた絡まれる
正直、体目当てで役に立たない相手に絡まれるとあしらうのも面倒である
要は時間の無駄なのだ
……とはいえ、面倒でも相手しないといけない
そしてほうっておくと囲まれる
拒絶すると、争いになる
こういう場所ではこの良すぎる外見も面倒なことになる
が、表通りで堂々と殴り倒すわけにもいかない
結果、じゃあ倉庫の裏で、ということになるので連れて行かれる
……このループだろうか)