2021/07/04 のログ
タマモ > 体が冷えている、まぁ、そこは海に浸かっていたのだから当然だ。
…ただ、どれだけの間、浸かっていたのか、それは分からないが。
顔色が悪い…これも、海水に…以下略。
ずぶ濡れなのも、以下略としておこう。
うん、今の少女の悪い状況が、纏められてしまった。

なんだかんだで、意識を戻す少女。
目は覚ましたようだが、反応が薄い。

「………どうかしt」

不思議そうに、そう問おうとした、その瞬間。
冷えた体なんだ、くしゃみの一つも出るだろう。
それによって、言葉が途切れた。

「あー…こほん。
して、お主、こんな場所で、何をしておったんじゃ?
暑いとは言え、海に浸かり過ぎは、ちと危険じゃぞ?」

咳払いを一つ、気を取り直し、問い直してみた。

ティアフェル >  頭がぼーっとするし、じわじわと痛む。海水が沁みてしまったのかぼやけた眼は赤くなってこれも少し痛い。
 陽光に温められるが、やはり体も芯から冷えていて寒気を覚える。

 濡れた身体は濡れているだけの理由ではなく鉛のように重たく感じて動くのも億劫に感じた。

 コンディション最悪の中、くしゃみをひとつしたところでお声が掛かったことに反応して首を持ち上げそちらを緩慢に向く。

「……ぁ、れ……? たま、mっ、げほっ」

 想定していなかった人物の顔に軽く目を見開き、口を開こうとしたがげほげほと咳き込み、ごぽ、と飲んでいた海水を吐いてはしばらく苦し気に咳と呼吸を繰り返し、その身体を折り曲げられて担がれる姿勢もきついのか、ぽんぽんとその背を叩いて下ろしてくれるように意思表示し、涙目でそちらを見た。

タマモ > 真面目な状況下ならば、相手の意識も読めるのだが。
今この状況では、それは出来ないのだ。
ゆえに、ぱっと見で少女の体調を理解せねばならない。
…うん、普通に無理。
とりあえず、少し?体調が悪そう…かもしれないが、海水浸かっては、自業自得。
と、誤解をしたまま。
次いで咳き込み、その時、その口から海水が吐き出されれば。
さすがに、これ、おかしくない?との考えに到る。

「む…えーっと…お主、大丈夫か?
涼む為、海に浸かっておった訳ではないな?
いやはや、勘違いしてしまうとは…」

どうしても、間が空いている為、名前が出ないのはいつもの事。
それはさて置き、涙目でこちらを見る少女を、ゆっくりと肩から下ろす。

ティアフェル >  沖合から溺れかけて波間を漂流していたのだから、ふらふらくらくらしていて、口の中はしょっぱくて苦くておかしな味。
 陽射しがやけに眩しく感じて目を眇めて、衣服の中にまで海水と一緒に砂が沁みて張り付いて、ついでに海草もぺっとりと絡みついてる。
 髪も乱れて、見るからにちょっとおかしい、そんな様子にようやく彼女は気づいたようで。

「……、え…? は……?」

 昨晩なにがあったのか、この状況はなんなのか、ぼやける意識の中で想起させていたその時、問いかけられた言葉は意味がよく分からなかった。
 そもそも耳にも水が入っていてよく聞き取ることも出来ずに首を傾げ。
 肩から砂浜へ下ろされると、大きく息を吐き出し、太陽の光が刺さるようで目の上に腕を置いて、ゆるゆると現状を把握に掛かり。
 ここは浜辺で昨日の夜海に投げ出されたことから、しばらく漂流して意識を失っていた間のことは判らないが、どうやら運よく海岸に打ち上げられたところを、彼女が通りかかったのだろうとようやくそこまで理解して。

「ぇー…と……船から……落ちました……」

 けほけほと咳交じりの掠れた声で取り敢えず端的に語った。

 

タマモ > 状況確認、こちら側。
体調が悪そうな少女、問うてみた答えは、船から落ちた、だった。
考え、考え…ぽむ、手を打った。

「おぉ、夜釣りか、お主にも、そんな趣味があったとはのぅ。
しかし、夜釣りは身に味わった通り、危険じゃろう?
もっと、身の安全をしっかりとせんとのぅ?」

勘違い、その2、だったらしい、その言葉。
やれやれ、と肩を竦めてみせれば、すっと伸びる手が、少女の頬に軽く触れる。

「大人しくしておれ、ちと、力を流すぞ?」

そして、そう伝えれば。
ふわり、と手を通して、何かしらの力が流れる。
それは、大人しく受けるならば、体中へとゆっくりと巡っていき。
その体調を、じわじわと治してゆくだろう。

本当の話とかは、とりあえず、少女の体調が戻ってからだ。

ティアフェル > 「…………」

 ふるふる、と彼女の導き出した答えに否の意を示して首を振る。
 詳しく話したいのはやまやまだが、自分でもよく分かっていない所は多いし、それに海水を飲んだ喉がカラカラに渇いていてうまくしゃべれない。
 頭痛は脱水のせいかもしれない。
 意識を取り戻したのはいいが、気を抜けば、ふーっと再び気絶してしまいそうだ。
 額に触れる掌にぴく、と肩を揺らし、陽を避けて翳した腕の隙間からそちらを伺うように見ていると、不可思議な力の流れを感じる。
 回復職の端くれ。どこか知ったような感覚に一瞬強張らせた身体から力を抜いて、施術を受けると重い身体がふわっと軽くなってくる感覚に息を抜いた。
 血色は戻ってきたが、喉の渇きはやっぱり癒されてはいなくて、少々かすれた声でよろり、と身を起こすと。

「ありがとう……楽になった、みたい……申し訳ないんだけど、水、持ってないかしら……?」

 喉が渇いて猛烈に水分を欲していた。まだ少し弱弱しさの残る声で尋ね。

タマモ > さすがに、戻せるのは体力や体調。
外部的要因、水分までは補給出来ないようだ。
力を流し終え、水分を求める少女に、ふむ、と頷いて返し。

「水…水か…ジュースで良いか?」

再び軽く思案する素振りをし、そう答える。
ごそごそと、袖の中に手を突っ込み、何やら漁れば。
もぞり、取り出されたのは水袋。
…だが、中にあるのは、果実のジュースなのだ。
それを、すっ、と少女の前へと差し出す。

「して、船釣りでも無い…とすると、何なんじゃろうか。
ほれ、そこでゆるりと腰でも落ち着かせれば良かろう」

そうしてから、ちょいちょいと指差す先は。
海岸に打ち上げられた、船の残骸の何か箱っぽいもの。
座るには、ちょうど良さそうな感じだ。

ティアフェル > 「充分……。ありがとう、いただきます……っ」

 とにかく喉が渇いていたし糖分も失われている。塩分だけは過多だったけれど。果汁の入った水袋を受け取ってすぐに蓋を取ると、すぐさまこく、と慎重に一口含み、舐めるようにちびちびと焦らずに補給し始めた。
 時間をかけて少量摂取し、ほう……とようやくそこで人心地ついたように息を吐き出し。
 そこ、と彼女に示された荷箱のようなものを見やって肯き。
 濡れた衣服や肌に張り付いた砂をできるだけ払って箱の端に腰を落ち着けると、

「えーと……昨日の嵐で、船から投げ出されて……海に落ち、波間を漂流して流れ着き、今に至ります」

タマモ > 「おぉ、それは良かった。
水のみなんぞ、味気ないもの、持ち歩いておらんからのぅ」

水は水の良さがあるのだが、そこまで考えず、拘りのみで持ち歩いているらしい返答。
それを、無駄に胸を張りながら答えるのだ。
ジュースを受け取り、ゆっくりと飲む。
示した箱に腰掛け、落ち着く…と、そこまで、のんびりと見詰め。
よいせ、と己もまた、その隣に腰掛ける。

「うん?…じゃから、船釣り…ではなくて?
普通に、船に乗って、難破でもしたか?
となると、昨晩は結構荒れたんじゃのぅ。
ふむふむ、それはそれは、大変じゃったな?」

海釣りも、また船を使うのだが。
船の利用した理由が、先の反応から、どうや違うらしい。
まぁ、それがどうしたものであれ、大変であったには変わらない。
労うように、そう伝えながら、肩に手を回し、ぽんぽんと肩を叩く。
…濡れる?そもそも、担いだところで、濡れている、気にしない。

ティアフェル > 「はあ……、なんだか子どもみたいなこと云うわねぇ……。
 この時期腐らない?」

 もらった水分を無駄にしないようにゆっくり慎重にしっかり身体に沁み込ませるとかなり落ち着いて、乱れた髪や衣服にも気を配る余裕が出てきた。
 髪の間には払い切れずに細かい砂が付着していたが、手櫛で整えて流し。
 時間を少し空けてまた果汁を含み。

「釣り舟じゃないわよ……そこまで釣りに興味もないわ。
 客船よ。そうそう、高波にさらわれちゃってね……転覆はしなかったようだけど、他にも何人か投げ出されてたわ。無事だといいんだけど……」

 しかし他にはこの海岸に流れ着いた者はいなかったようだ。運よく他の船に救助されたか、それとも沈んでしまったか、別の海岸に流れ着いたかは分からないが。
 肩を叩かれて微苦笑を零しながら。

「っはー、死ぬかと思った」

タマモ > 「………妾は、子供ではないからな?
見た目で、相手を決めてはいかんぞ?
腐る?…いやいや、そうならないようにしてあるから、大丈夫じゃ」

ぴくり、少女の言葉に耳が揺れ、そう返す。
見た目でなく、なのだが、そこは気付いてないらしい。
そして、ジュースに関しては、さらっと答える。
どうして、とか細かくの説明は、省いた。

「えー?釣り、やってみると、楽しいものじゃぞ?
…客船、それはまた、豪華なものに乗ったものじゃ。
それは、うーむ、何とも…不運じゃったな」

その表情まで、えー?みたいな感じに。
こう、釣り竿を振るかのように、空いた手で振って。
続く言葉に、ふむ、と頷いてみせた。

「そう思うただけで、こうして生きておる。
生きておる事を、素直に喜ぶが良かろう」

肩を叩かれ、苦笑を浮かべる少女。
そんな少女へと、笑いながら伝え、ぎゅーっと抱き締めるのだった。

ティアフェル > 「見た目以上に中身がコドモよ」

 少々揶揄うように口にして目を小さく細める。
 彼女が気づいていない点をわざわざ口にして肩を揺らしては、

「やったことあるわ。弟には釣りバカもいるし。
 だけどわざわざ船に乗ってまで釣りをしようってほど好きでもないわ。
 んー…? 旅客船に乗ったことない? 一般的に13名以上の旅客を運ぶ船のことよ。周遊目的の豪華なのもあるけれど……そういうのじゃないわ。
 ――天候ばかりはどうしようもないわね。航海士の腕の問題じゃなければ」

 今さら云ってもどうしようもない。仕方なさそうに肩を竦め。
 釣りバカの弟ほどでもないかもだが、彼女の相当な釣り好きなのだろうことが覗えて少々肩を揺らし。

「死ぬかと思った分、こうして元気だと得した気分よね」

 ないと思っていたものを見つけたように、落としたものを拾った気分。それはまさに命拾いというもので、軽口を叩いていると、不意に抱き締められて擽ったそうに笑いながら、ぎゅっとだきかえして、ありがとう、と囁いた。

タマモ > 少女の、改めての言葉に、沈黙。
少しの間を置き、視線を逸らし、戻す。
何事も無かった、そうしたらしい。

「釣った魚を、その場で捌く。
そうした経験は、なかなかに、良いものじゃろうにのぅ…残念じゃ。
うーむ、知ってはおるが、乗るような機会がのぅ…
この時期、天候を読むのは難しかろう。
まぁ、良い良い、気にしても戻るものでもない」

少女同様に、それを気にしても意味はない、と。
釣りに関しては、本当に残念そうに、そう言ってみせるのだ。
まぁ、刺身とか、そうしたものを知らなければ、その良さも知らないだろうが。

「…うむ、ならば良し」

その答えに、うんうんと頷いて。
少女の抱き返しがあれば、お互いに抱き締める、そんな形になるのか。

囁きのお礼に対しては、軽くまた考え。
にっこりと笑み、貸し一つじゃな!とか、親指を立てながら伝えてみせた。

ティアフェル >  あーあー、と敢えて視線を外す所作を見ておかし気に目を細めた。

「家の弟は食べるよりも釣ること自体が愉しいみたいだったわねえ。
 大して釣れなくても、食べられない魚でも竿を持って釣り場を巡ってたわ。
 釣り舟には乗るのにねえ~。
 そこをがんばるのが航海士の仕事ってやつよ……ま、仕事にはミスはつきものだけど」

 人の命が掛かっているのだから読み切れませんでしたでは済まされないところもあるだろうが、起こってしまったことはどうにもならない。
 とりあえず生きているのでギリ許す。

「お蔭さまで……ぅくっ。まあ……仕方ないなぁ……」

 穏やかな抱擁、だけでは済まされなかった。
 貸し、と軽やかに告げられて一瞬息が詰まったが、まさかそこで踏み倒すこともできなければ即時返済の当てもない。
 肩を竦めて肯いて。

タマモ > うん、誤魔化せた。
誤魔化せてないけど、誤魔化せた事にしておく。
たまには、こう言う人も必要だよね、そう思いながら。

「あぁ、それはそれで、分かるぞ?
釣り糸を垂らし、静かに待つ、その時間も良いものじゃ。
これに関しては、人を選ぶから、誰でも楽しいとは言わんがな?
うぅむ、確かにそうじゃが、難しい話じゃのぅ。
絶対は無いんじゃ、それはそれ、反省はすべきじゃが、それ以上、やりようもないじゃろうて」

とか、釣りに関して、そんな事を伝えながら。
航海士は、概ね少女の意見に賛成で、それにも頷き答えておいた。

「ふふ…お主の、そうした律儀なところも、好みじゃぞ?
素直なのは、良い事じゃ」

お返しとばかりに、耳元に唇を寄せ、囁きを返す。
了承を得られれば、よし!と言わんばかりに、拳を握り締めた。
どう返して貰うかは、まぁ、考えておこうと、そう付け加えながら。

ティアフェル > 「そういうのが楽しめるから釣り好きなのよね。
 わたしはやっぱり釣れなければ面白くないし、要らない魚がかかっても詰まんないわ。
 それで死んじゃった乗客にはそうは云えないものよ。
 死人に口なしだけどね。精々遺族に刺されないことを祈るわ」

 誰が助かって誰が沈んでしまったのかは分からない。全員無事であれば構わないのだが、そうでない場合、遺族は天気が悪かったのだから仕方ないですねと納得してくれないだろう。
 彼女は他人事に過ぎないから云える発言でもあるだろうと肩を竦めた。
 責められるべき時に責められなければならないのが仕事だ。

「あらあら、そんなことを云われちゃったら裏切れないわねえ……。
 それなら真面目にしておきますか。何かいいことも、あるでしょ」

 囁き声に擽ったそうに目を細めつつ、貸主に笑いかけた。
 しかし、一体なにを返済するのだろうか、と一抹の不安は過った。
 それを振り払うように、ふんふん、と小さく首を振ってから。

「ところで、こんなに朝早くから……泳ぎに来たの? いや、それこそ釣りかな? 荒れた後は豊漁だっていうもんね」
 
 海水浴には少々早い時期だが、敢えて話題を変え。

タマモ > 「そこは、好みの問題じゃ、何か言う事もない。
やってみて、そう思うならば、合わんかったんじゃろうな、うむ。
…とは言え、航海士が何をするとか、分からんがのぅ。
分からんものは、頑張っておったとて、分からん、辛いところじゃ」

どちらもどちら、分かる分からないは、その者次第なのだ。
それ以上は、言っても何ら意味はない。
腕を組みながら、己の意見にも、頷いてみせるのだった。

「………」

そして、その貸しに関し、不安を抱えつつの言葉に。
また沈黙と、視線を逸らす姿が見られるのだ。
明らかに、禄でもない内容なのだろう。

「あー………まぁ、そんなところじゃな」

答えるに答え難いような、そんな間。
そして、少女の言葉に乗っかって答えるのだった。
うん、それを聞けば、それ違うよね?な雰囲気満々である。

ティアフェル > 「釣れれば確かに面白いし、たまにはやってもいいけど、そんなにハマる程じゃないかなあ。
 誘われればいくけど、一人でずっと座って待ってるのは時間がもったいない気はするし。
 ――優しいのね。わたしはそんなに優しくないわ」

 分からないことをそのままにしておかれては同じことは繰り返されるだけである。同じことにならないよう、次に繋げてもらわなければ、その船には乗れない。

 なんだか分が悪かったり返答に窮するとすぐに黙って目を反らす。
 そんな癖をいい加減察して、判り易いなあ、と感じたが、癖は判ったところで何を考えてるかまでは分からず唇を曲げた。

「ふうん……」

 アタリをつけてみたが、そういえば釣り道具の用意もないようだ。泳ぐには時間も時期も早い。
 そして言葉を濁している。
 しかし誤魔化されては話にならなさそうなので流すことにして、それじゃあ、と立ち上がり。

「お蔭で好くなったから、そろそろ行かなくちゃ。ジュースごちそうさま」

 最後に一口いただいてから袋を返して頭を下げ。海岸に流れ着いてしまったが、ここから帰宅するならそこそこ時間を要しそうだ。
 全身海水でべたべただし所持品も碌にない。最寄りの冒険者ギルドにでも頼るか、辻ヒールで稼ぐかと算段しつつ。

タマモ > 「やる事の無い、暇潰し程度、にはなるぞ?
まぁ、そればっかり、と言うのもあれじゃがな?
そうかそうか、ならば、機会あれば、お主を誘ってみようかのぅ?
………世の中に、絶対なんぞ、存在せんもの。
努力を怠らぬ相手を、妾は責めはせん。
怠る相手は、容赦せんが」

少女の考えは、分からないでもない。
だから、相手でそこは考えるのだ、己としては、だが。
それ以外の目を考えれば、そう世の中は甘くないのは確かだろう。
と、そこまで答えれば、真面目な意見はこれくらいで、良いだろうか?とか、そんな感じに、じっと見詰めてみた。
そう言うの、苦手なのだ。

とりあえず、貸しに関しては、いずれ分かるだろう、と言った感じに事は収められた。
その時にどうするか、楽しみに己は待つとしよう。

「ふむ…しかし、そうは言え、今の状況で一人は不安じゃろう?
安全なところまで、妾が一緒に行ってやろう。
貸しは一つで十分、これも、それに含めておくのじゃ、安心せい」

空になった袋を手に、一人で行こうとする少女に、軽く思案して、そう伝える。
街からの途中、寄れる場所に温泉もあったし、そこを利用すれば、身形も整うだろう。
それ以外でも、危険があって何かあっては、目も当てられない。
まぁ、その申し出を受けるか受けないかは、少女次第なのだが。
それで同行に許可が出るならば、問題なく、送って行くつもりだが…さてはて。

ティアフェル > 「んー…空き時間にちゃちゃっとはできないしねえ……。
 餌も道具も必要でしょ?
 ――うん、そうね、釣りに誘われたら喜んで行くわよ? おしゃべりしてれば釣れなくっても退屈じゃないし、釣れたら一緒に食べれるし。
 
 例え手を抜いても結果的に無事故ならそっちの船に乗るわ。能力も判断力も充分にあったってことだしね」

 一生懸命やってもらっても沈む船よりも、鼻歌交じりで適当でも沈まない船にしておきたい。命が掛かっているのだから、努力した、よりも完遂できる方を取る。
 ただ、手抜きの船なんて大体沈むが。

「あら、いいの? それは助かるけど、これ以上負債が増えたら首が回らないかもって思ってたのよ!
 それじゃ、安心してよろしくお願いしまーす。ありがとね」

 せっかくの申し出なのだ、負債も増えないのならば断わる理由など微塵もない。
 正直このままてくてく帰るのも、何とかできないことないが、ちょっと大変だと思っていた。ありがたくお願いして頭を下げ、掌をぱっぱと払うと、にこーと上機嫌そうに笑い掛けながら差し出して、「さ、行こっ」と語尾上がりに口ずさみ。

タマモ > 「むむむ…それは、さすがに難しい、か。
確かに、時間も、道具も、必要じゃからな。
おぉ、それならば、機会あれば、誘うとしよう。

結果がすべて、まぁ、それもありじゃろう。
肯定も否定も、するものでもない話じゃ」

それに加え、運も絡むだろう。
こればかりは、まさに運も実力の内、なんて言葉が当て嵌まる訳だが。
だから、それで良し、とは言えないのだ、それに関しては。

「良い良い、妾も、一人よりも二人、それは確かじゃ。
いやいや、だから礼はいらんぞ?
共に行くのじゃ、それで十分じゃろう」

まぁ、こちらとしても、あんな状態だった少女を一人で向かわせるのも。
それがあるからこその、申し出なのだ、言葉の通り礼は不要と思っている。
と言う訳で、差し出された手を取り、一緒に帰る事になるのであった、まる。

ティアフェル > 「ところで、わたしの名前はなーに? タマモちゃん?」

 友達になった、ということだった筈だが、それなのに名前を憶えてくれていない気配はある。
 つないだ手に力を込めて、にっこりと笑って小首を傾げながら、送ってもらうような形の一緒の道中。
 あれこれと話しながら往くのである。

ご案内:「セレネルの海」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からタマモさんが去りました。