2021/05/27 のログ
ご案内:「セレネルの海」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここはセレネルの海、海辺からそう離れてない海域。
まだ日も高い日中に、ぽつんと大きくは無い船が一隻。
…とは言っても、一人二人程度でない、十数人は乗れるレベルの船だ。
その船に乗っているのは、専用の操縦士が一人と、少女、後は…
ともあれ、その目的は、この少女ならば簡単に予想は付くだろう。
そう、船釣りである。
同行者次第では、他の目的も出来そうだが、それはそれだ。
「………ふむ」
釣竿を手に、少女は海面を眺める。
やる事は、いつもと変わらない…と、言う訳でもない。
河川と違い、釣った後の対応が、少々違う。
普段は、釣った自身で軽く調理するが、今日は代わりの者が居る。
ちと暇になるかもしれないが、まぁ、それはそれで良い。
ちなみに、今は釣り始めたばかりだ、初めの一匹目を待つ。
ご案内:「セレネルの海」にガウムさんが現れました。
■ガウム > 波が起こっていない静かな海の中、潮風が心地よい温度と風を送る中で異変は起きる。
海の中、船の周りには魚の影が見えていなかっただろうが、近くで大きな影が浮かび上がる。
その大きさはサメやカジキの類であったが、それと違う点はひとつ。
四肢があった。
「……ガッハ!!」
船の近くで大きな飛沫を起こしながら太く長い腕が出てくる。
船を揺らすが如く、力強く掴み、船内へ上がろうとしたのだった。
海水で全身が濡れた毛皮の腰巻をした褐色の鬼が現れた。
腰あたりまで乗りあげれば、もう片方に獲物として捕まえたサメを持ち上げて、打ち上げる。
「…?ドコダ?ココ…。」
顔面にかかる髪を全て後ろへ持ち上げて周りを見るも、全く知らない景色に疑問符を浮かべる。
■タマモ > 釣り糸を垂らし、のんびりと寛ぐように、静かな時間を過ごす。
…いや、過ごしていた。
その時間は、不意に崩れ去るのだ。
海面に向けていた視線、そこに何かが入り込む。
その大きさは、普通の魚なんてものでない。
しかも、何か手足のようなものが、見えたような、見えなかったような。
「おぉ…この海には、こんな変わった魚も居るもn…」
そちらの方へ、釣竿を、くい、くいっと寄せてゆく。
この時点では、まだ少女は、変わった魚としか思ってなかったのだ。
しかし、その直後。
「おおぉっ!?」
海面から、腕が出た。
しかも、それが船の側面を掴み、這い上がって来るのだ。
手足の生えた魚、とか思ったのだが。
よく見たら、普通に人型だった。
って言うか、それどころか、見覚えのある相手である。
…いつものように、名前は忘れたが。
「………ぉ?…うん?
おや、お主は…ってか、どこも何も、船の上じゃろうに。
陸だったら、海辺があるじゃろう?」
驚く操縦士をよそに、少女は普段の調子を戻し。
はふん、と軽く溜息を吐きつつも、さらりと言い放つ。
見知った相手と知れば、こんなものである。
■ガウム > 驚いた様子の声が聞こえそちらへと目線を向ける。
恐らく、少女が自分と出会った時は熊の毛皮を被っていたために素顔を晒していなかっただろう。
今がその素顔を晒した瞬間であるが、驚くほどの美男子という訳でもなく、恐ろしく不細工という程でもない。
言うなれば、まだ整っている方の鬼であった。
「ン…オマエ…。
何処カデ…アッタ…。…覚エテナイ…。」
鼻をスンスンと動かし匂いを嗅ぐ。
その匂いは何処かで知っていたが、恐らくその時は獲物と言う認識で収めていたために名前や素性と言ったものは覚えていなかったのだ。
「船…。
アア…寝床…違ッタカ…。マァ、イイ…。」
改めて足場を見るも、どうやら陸地に設置された船場と勘違いして浮き上がってしまったのだった。
それでも深く考えずにその場に胡座をかく。
その後、直ぐに腹から音が鳴る。
まるで龍の唸りのような爆音を鳴らすが、それは鬼の空腹を知らせる物であった。
すぐに行動に移し、自分と一緒に打ち上げたサメに近寄り、素手で解体を始めようとしたのだった。
■タマモ > 少女にとって、相手が何であるか、なんてものは関係ない。
そもそも、己自身さえ、真っ当な存在でもないのだから、そうなるものだろうが。
…とは言え、九尾狐に鬼。
この場に、居る相手が相手ならば、どうなっていたやら…と言った感じか。
「あー………うむ、そうかそうか。
気にするな、覚えてさえいれば、いずれ思い出せるじゃろう」
相手の言葉から、どうやら、相手も己と同じタイプらいし。
ちょっとした親近感を感じつつも、手をひらひら振って、そう答えた。
まぁ、前に会った時は、軽く会話を交わした程度…だったと思う、仕方無い。
「いやいやいや、海から出たら、寝床だった、とか。
お主、どこで暮らしておるんじゃ。
まったく、この船だったから、良かったものの。
小船であれば沈んでおるし、大層な船であれば、大騒ぎじゃぞ?」
似たようなもか、気にせず胡坐を掻く相手に、そんなツッコミを。
変わらず片手で釣竿を持ちながら、そちらに視線を向けていれば。
何やら、抱えていた鮫を、捌き始めようとしている。
ちらりと、視線を操縦士に向ける。
「あー…知り合いじゃ、まぁ、好きにさせておくが良い。
何かあれば、妾が対処しておこう」
やれやれ、と肩を竦めながら、そう伝えるのだった。
■ガウム > 「寝床ハ常二変エテイル…。
同ジ場所ダト、バレルカラナ…。」
自分が居た痕跡を多く残せばその分見つかるリスクは高くなる。
それ故に、自分の寝床は転々と動き周り、今回は海辺近くにしていたのだった。
「カッカ…悪イナ…。
腹減ッテテ、見ツケタツノリデナ…。」
悪びれる様子もなく奇妙な笑い方をして反省した。
到着地点がここだと思い、餌に食らいつけるかと思っていたのだったが、どうやらハズレてしまったのだから仕方ないだろうと思っていたのだった。
それから、サメの解体に入った。
自身の強力な握力と腕力を使い、サメの皮膚を裂いて食すのであった。
その風貌とは打って変わって、食べ方はかなり大人しい食べ方であった。
血液もしっかりと汚さないように海に流し、取った肉をしっかりと口に入れて食べたのだった。
「…オマエ、何シテル?
枝ヲ海二向ケテ、虫デモ取ルノカ?」
こちらも食事しながら視線をタマモへ向ける。
海に向かって垂らした釣竿を気にしているようだった。
手についた魚の血を舐めながら、少女の目的不明な行動に疑問を持つ
■タマモ > 「ほほぅ…なるほど、以前は山の中じゃったな。
ばれて、何があるか知らんが、大変そうじゃ。
まぁ、腹が減ったのならば、仕方無い」
ばれて何かあるから、寝床を変えているのだが。
少女は、そうした事を、そう気にしてないらしい。
もっとも、何かあったらあったで、それを愉しむのだろうが。
理由を聞けば、これからの行為は、納得するもので。
が、食しているのは鮫だ。
体が大きいとは言え、目の前で、あの量を食べているのが見えてしまえば。
こう、何だろう…己自身は、何か食べようとする気は失せてしまう。
そもそも、小食だし。
「うん?…何をしておるか、と問われれば、海釣りと答えよう。
…釣り、分かるか?
こうして、魚を釣る…あー…捕まえるのじゃ」
と、ふと向けられた、相手からの問い。
そう答えながら、釣竿を軽く揺らす。
言葉を訂正したのは、釣竿を枝とか言ってたから、釣り知らないんだろうなー、と思ったからだ。
「魚なんぞ、捕まえろ、と言われれば、ささっと捕まえる事も出来るが…
こうして、のんびりとした時間を過ごすのも、悪くないものじゃぞ?
………まぁ、そうでない時間を過ごすのも、愉しいものじゃがのぅ」
そして、続けて、こう言葉を続けるのだ。
こうした時間を過ごす、それを自慢するかのように、無駄に胸を張りながら。
■ガウム > 「狩リノ基本ダ…。
同ジ場所ハ見ツケヤスイ、罠モ仕掛ケヤスイ…。」
自分たちが狩りをして生活している部族であるからこそわかること。
相手に起こることはすなわち、自分達にも起こることであった。
そこから読み取って自分達の行動に生かすため、1箇所に留まらずに生活をするようになったのだった。
「ツリ…。
潜ッテ取ラナイノカ?」
魚は常に素潜りで捕まえる。
恐らく環境の問題だろう。
人間たちのいる世界では、精々両手サイズ、大きくてこの鮫のような生き物だ。
しかし、魔族の国では自分達より体の大きい生物は何十万と居る。
村全員が食えるほどでないとならない為に複数人が一緒に狩りに行くため、釣りの概念を知らなかった。
「…時間ヲ過ゴス…?
…ワカラナイナ。
腹ガ減レバ直グ二餌ヲ捕マエル、知識ヲ手二入レタラ実戦スル…『のんびり』ッテ、ナンダ…?」
時間は常に詰めて過ごしていたからこそ、のんびりと過ごす生活もした事がなかった。
無駄に胸を張る少女を見るもその行動や意見を理解出来ていないために、眉間にシワを寄せて難しい顔をしている。
■タマモ > 「ふむふむ、狩りの基本か…
まぁ、言われてみれば、確かにその方が良いのやもしれんな?」
そんな事、意識した事もなかったのだろう。
その言葉に、なるほど、と頷いて。
…とは言え、納得しただけで、己ではやらないだろうが。
続く言葉に、軽く首を傾ける。
なぜ潜らないのか、後は、のんびり過ごす事。
それらを問われても、分かり易い答えが浮かばない。
「むむむ…そうじゃのぅ…
何をするでも、もちろん、生きる事も、愉しむのが妾じゃ。
確かに、手段を選ばねば、簡単に出来る事もあろうが。
そればかりでは、つまらんじゃろう?
まぁ、要するに、何事も遊びを持つ事が大事、と言う事じゃな。
とは言え、生き方が違えば、なかなか理解も難しかろうて。
後、あれじゃ、妾は説明は苦手じゃ」
とりあえず、そんな感じに、適当に答えた。
僅かでも、理解してくれれば、それで良い。
言葉にした通り、説明、苦手だし。
何にせよ、この鬼が海中から現れた。
と言う事は、そこらの魚は、逃げてしまった可能性が高いだろう。
すいっ、と釣竿を引いて、釣り糸を戻す。
「お主等にも、楽しみの一つや二つ、あるじゃろうし?
愉しむ事自体は、理解出来る、とは思うが…さてはて」
釣竿を、ぽんっ、と消しながら。
難しい顔をしている相手を、改めて見遣るのだった。
■ガウム > 「・・・。」
自立し、理解のできる年代になればそこから狩りの知識や生き方等を教わる。
そして、それを子供の時から続けていた為、遊びというものを知らなかったのだ。
だからこそ、相手の言葉もあまりピンと来なかった。
「俺ノ…楽シミ…。」
聞かれて考える素振りを見せる。
遊びを持って生きていくことをしなかったが、それでも、楽しいと言う気持ちは持っていたのがこの鬼の心情だ。
「オマエノ話…ワカラナイナノハ…俺ノ生キ方、全テガ楽シイカラダ…。
狩リヲスルノモ、捌クノモ、戦イ方学ブノモ、襲撃来タ女ノ仕分ケモ…全部、楽シイ…。
ダカラ、理解出来ナカッタ…。」
故郷での生き方、それ全てが彼にとっての娯楽の様なものであった。
釣竿でのんびり待つのが遊びのひとつと言われ、それが理解出来ないことなのは、彼にとっての楽しみ方と違うからだろう。
そう考えて、スッキリとした様子になると、体格や風格に似合わず、少し血が滲んだ牙を見せるように笑ったのだった。
■タマモ > さて、説明…と言えるかは、あれだが、それを終え、相手の様子を見詰める。
…うん、ちゃんと理解したか、判断が難しい。
だが、しばし思案した後の、その答え。
それを聞けば、あぁ、とこちらはこちらで、何となく納得した。
今の生自体が楽しいならば、それ以外なんてもの、そう求めるものもないのだろう。
なるほど、狩るのも、それを捌くのも、戦う事も…ん?その後の言葉に、再び首を傾げた。
「いや待て、襲撃に来るのは、女とは限らんじゃろう?
それに、仕分けってのも、よく分からんが。
…まぁ、愉しいならば、それで良いか」
結局のところ、少女は深く考えず、自己完結し。
笑みを浮かべる相手に、ふむ、と頷き返すのだった。
「しかし、さすがに、この状況で釣りはあれか。
せっかくの機会、戻るついでに、お主の…寝床?とやらに、送りでもするか?
泳いで帰るのもありじゃが、のんびりと船に揺られて行くのも、悪くは無いぞ?」
一度散った魚は、そうそう戻っては来ない。
改めて、周囲の海面を見渡し、軽く思案し。
よいせ、と己も適当な場所に座れば、そう問うのだ。
■ガウム > 「俺ノ故郷ハ魔族ノ国ニアル…。
タナールヲ挟ンデ向コウ側…。
ソコ二来ル人間、俺ラト戦ウケド、大抵勝ツ。
男ハ肉、女ハ見極メテ餌袋カ肉二スル。」
魔族の国、彼の生まれ村伝統の習わしだろう。
仕分けについて詳しく話さずとも、その言葉からある程度は予想できるだろう。
「俺ノ寝床…。
…カッカ!『のんびり』カ…。
構ワナイ…オマエ、俺ノ寝床ヲバラスヨウニ見エナイカラナ…頼ム」
(大声で笑えば送ってもらおう事になる。
現在の寝床は崖の中腹にある穴、人では到底行くことの出来ない場所にあるため、場所を教えながら船に揺られるのであった。)
ご案内:「セレネルの海」からタマモさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からガウムさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」にキルシュナさんが現れました。
■キルシュナ > 雨季の曇天が陽光を遮り、夏を目前にしているとは思えぬ肌寒さを感じさせる地域もあるなか、そのビーチは真夏と変わらぬ灼熱で、人出に賑わう砂浜に陽炎を立ち昇らせていた。
そんな強い日差しに焼けた砂浜にて、男達を中心とした多くの視線が一匹の猫の姿を追い掛ける。
前下がりボブの髪と同じ黒色の獣耳をピクつかせ、同色の猫尾を歩みに合わせて挑発的にくねらせるのは、陽光に映える褐色肌を布地面積の極端に少ない白ビキニで包む20前後と思しき娘。
腹部や腰回りには無駄な肉付きは一切見られず、しなやかに引き締まったウエストからむっちりと肉付いたお尻へと続く稜線は芸術的ですらある。
ふにゃんふにゃんと気儘に揺れる猫尾の下は、リオカットの食い込みが尻たぶの丸みを大胆に露出させ、すれ違う男達の視線を吸着したまま離さない。
胸元の膨らみはまさに爆乳といった圧巻のボリュームで、乳輪周辺をかろうじて覆っているだけの三角布は、今にも零れ落ちそうな肉果実で肩紐をピンッと張り詰めさせていた。
■キルシュナ > それだけで人を呼び込む事が出来るだろう極上の身体が、これまた綺麗に整った顔貌の良さを見せ、その癖、にんまりと軽薄に口端を吊り上げる大口の愛嬌が気安い雰囲気を漂わせているともなれば、当然男達からの誘いもひっきりなし。
一体これが何組めかになるのか、それなりに引き締まった体躯を日に焼いた、見るからに遊び慣れていそうな5人組の男達が猫に果敢なアタックを仕掛ける物の
「ん~、まぁ、兄やん達もウチの事結構愉しませてくれそな予感はあるけど、ウチ、今日は可愛らし女の子探しに来たんよねぇ。なぁなぁ、どっかでそないな子、見かけんかったぁ?」
5人の軟派男に囲まれた状況にもたじろぐことなく、むしろこちらからついっと近付き手近な一人の肩を抱き、頬擦りするかに美貌を寄せて問いかける。
小布から大胆に露出した褐色肌を惜しげもなく擦り付けて、豊満な乳房を二の腕に押し付けながらのやり取りは、彼らの敵愾心を煽る事もなく誘いを断り、良さそうな子が居たら教えてやるよなんて返答さえ引き出してみせた。
ご案内:「セレネルの海」にムラサキさんが現れました。
■ムラサキ > (がやがやと猫がナンパ男達に絡まれている頃、それを遠巻きに見守る集団も少しずつ騒がしくなっていく。このビーチにおいてもとびきりの美女。肉付きもよく、魅惑的な肉体を惜しげもなく夏の太陽の下に晒し、見せつけていく中、無謀というべきか勇猛というべきか。いかにも遊び人と言わんばかりの5人組が軽い様子で女に声をかけていく。
詳しい話の内容まではよくわからないけれど、どうせあの様子では俺達と遊ぼうぜ、とかそういう内容であろう。
このビーチの多くの人間の視線を集めた女へのアタック。そうなれば、そのナンパの行方というのは多くの人間の興味を引くもの。がやがやとその行末は、話題に登り、所によっては賭けまで行われる始末。
――・・・そのように少しばかり騒がしくなってきたこのセレネルの海。うとうととパラソルの下、ビーチチェアに寝転がり、すやすやと心地よい眠りについていた少女も少しずつ目を覚まし。)
騒がしいわね・・・。
(ふわ・・・、と欠伸をしながら脇に置いていたジョッキに手を伸ばし、ちゅー・・・とストローから飲み物を飲みつつ、その喧騒の中心へと視線を向ける。
起き上がった身体、ほぐすように軽く伸びをしつつ。)
ねぇ。なにこれ。 ・・・は?ナンパ?
・・・へぇ、賭けしてんの?ふーん・・・。
じゃあ私、失敗にこれのおかわり。
(そんな風に近くにいた男達のグループの賭けに起き抜けながら参加しつつ、その喧騒の行末を見守って。)
■キルシュナ > どれほど容姿に恵まれていたとて所詮はミレー。
どこかチンピラめいたガラの悪さも漂わせていた5人組にかかれば、例え誘いを断ったとて強引に岩陰などに連れ込まれ、場合によってはその場で押し倒されての輪姦レイプが始まったとておかしくない。
そんな哀れな猫娘の末路に下劣な期待を寄せつつ賭けに興じていたギャラリーだったが、結果は
「おっしゃ、頼むでぇブラザー。えぇ情報くれたらおっぱいの一つくらいは揉ませたるから気張ってなー♪」
ひらひらと手を振る猫と、拳を振り上げそれに応えて去っていく5人組という何ともにこやかな別れで幕を閉じた。
飄々として妙に余裕のある態度が下手に手を出すべきではない相手だと男達に認識させたか、さり気ない催淫が彼らの暴力性を押さえ込んだのか。
どちらにせよ予想を大きく外されたギャラリーが悲喜こもごもの悲鳴を上げる結果となった。
そんな賭け事にさり気なく乗っかって、見事、よく冷えたドリンクをもう一杯せしめた少女に
「――――んぉ?」
男と別れた後も獲物探しに余念のない猫のきょろつきが金眼をぴたっと停止させた。
それなりに距離は離れていても、「ほほぉ、これは中々……ええんちゃうかな……?」などと呟きながらの品定めは、無遠慮なだけに彼女にも気付かれよう。
何せ、目が合いそうになればさっと視線を逸らして『私は違う所を見ていましたよ? 貴女の形の良いおっぱいなど見ていませんよ?』なんてフリをする男とは異なり、目が合おうが相手の表情が不機嫌そうに歪もうが、そんな事はお構いなしにねっとりと舐め回すかの視線が水着姿を這い回るのだから。
■ムラサキ > (そして、男達のナンパの結果は失敗。最終的に暴力にまで至ろうとしたようであるが、その女の体つきは女らしい柔らかさを感じさせるものの、しっかりと鍛えられた実戦的な筋肉の存在も感じられて、ちょっと運動してます、程度のチャラ男程度でどうにかなる相手では遠巻きからでも明らかであった。5人に囲まれてもあの余裕。あれがハリボテではないのなら、それは複数相手でも余裕で捌ける自信の現れであろう。)
ふふ、私の勝ちね。それじゃあおかわりよろしくねー。
(ひらひらと、舌打ちしながら童女のおつかいを頼まれた男は結果結構な出費になったらしく、涙を浮かべながらちくしょー!と叫びながら海の家へとダッシュしたらしい。数分後、ドン、と苛立ち混じりで机におかわりが置かれればありがと、とにんまりとした笑顔をその男に向けて。)
――・・・。
(頬杖をつきながら、ちゅー・・・、とストローからその冷えたドリンクを飲みつつ、視線を感じれば、ふふ、と笑ってみせる。
視線?当然気づいている。でも、見られる、というのは悪くない。それも、悪意ではなく、いやらしさが混ざるものの、割と好意的な視線であれば尚更。)
ねぇ。もう一回おつかい行ってきて。ほら、これでもう一個これ買ってきてよ。いいでしょ?
(ついつい、と隣のはー、はー、と息を上げて涙目の男に追撃するようにもう一度おつかいを頼む。そう遠い距離でもないし、いいでしょう?
そして、男が は? と渋れば、賭けに勝ったのは私よ 文句ある? とばかりに我儘振りを発揮し、男がもう一度ちくしょー!と、泣き叫びながら童女のおつかいを受けるのでした。
そして、泣き叫ぶ男がもう一度海の家へとダッシュしたならば、ちょいちょい、と件のミレーの女を手招きしてみせる。
さっきからこちらを見ているんだもの。興味は、あるんでしょう?ほら、おいで?)
■キルシュナ > 視線が合えばにっこりと微笑み、不躾なエロ凝視にも機嫌を悪くする様な事も無い。
何かしらのやり取りで傍らの男を追いやった少女が、その幼げな顔立ちに見合わぬ大人びた仕草で手招きをするならば、猫娘は軽い驚きに金瞳を瞬かせつつも誘われるままに近付いていく。
彼我の距離が狭まれば、それまでは気付かなかった部分も見えてくる。
それは、この猫娘の白水着に関するあれこれ。
その布地面積だけでも十分すぎる程に扇情的なそれには、どうやら裏地さえついていないらしい。
木目細かな肌に伝う珠汗を吸ったのか、はたまた既に一度は海中に潜ったのか、濡れた白布は薄っすらと褐色の肌色を透かし、豊乳の頂点などはツンと突き出た乳首の陰影どころか、その周辺をぷっくらと膨らませるパフィーニップルの淫靡な形状までもを浮かばせていた。
ハイレグカットのビキニショーツも同様で、布地の上部には逆三角形に切り整えられた恥毛の黒が透けて見えるし、白布の食い込む恥丘などは微かに花弁のはみ出した肉溝の形状が手に取る様に確認出来てしまう。
それらに男達の淫視を集めていながら、この猫は羞恥の欠片も覗かせず、いっそ誇らしげに猫尾を揺らしてビーチを闊歩していたのだ。
「やぁやぁ、お嬢ちゃん。今日は見事な海水浴日和になったねぇ」
少女の傍らに立ち、エメラルドグリーンの海原と、水平線の向こう側に聳え立つ入道雲に金眼を向けつつ声を掛ける。
■ムラサキ > (男どもをおつかいに追いやって新たにそのミレーの女を迎えれば童女はにっこりと上機嫌に笑ってみせる。招待に応じてくれたのだ、悪い気はしない。
して、女が近づいてくるならばその女が纏う水着の詳細も見えてくる。もともと遠目からでも随分布地の少ない大胆な水着を着ているな、とは思っていたけれどそれは想像以上であった。
身にまとう水着は水着というよりかは夜に使うようなエロ水着といっても過言ではなく、その最低限性器だけは隠しました、というような布地の水着はうっすらと透け、その水着の下に秘められた褐色の肌や膨らんだ乳首の形どころか色さえもなんとなく分かる程の透け具合。
上がそんな具合ならば下もお察し。そちらにちらりと視線をやればうっすらと整えられた陰毛がひょっこりと顔を出しており、秘所においてもちょっと激しく動いたらもうはみだすんじゃないの、というかもう見えてるんじゃないの、と言うレベル。だというのに、そんなエロ水着を纏うミレーは堂々と恥ずがしがる様子もなくこちらに歩みを進めてきていて。なんなら、羞恥を失うような催眠とか、常識改変をされるような洗脳とか、そういうのをされていると聞いた方が納得できる。
でもまぁ、童女としてはそういうちょっと変わった女の方が好きだし、すけべな女は嫌いじゃない。ふぅん、とその正体が顕になれば、にんまりとやはり楽しそうに笑うのだ。
童女もまた、先程のミレーの女のようにじろじろと観察するようにミレーの女の胸元や股間部などに視線を向けて。
・・・なお、童女の脇にいた勝ち組の男共は不思議と前かがみになって、顔を真っ赤にしながら視線を反らすモノが多かったという。
そして、お使いにいった男もまた、ドン、と童女のおつかいのドリンクを机に置けばそそくさと離れ
「なぁ、あの人ヤバくね?ヤバくね?」「馬鹿、騒ぐな黙ってろ」という興奮したような声が薄っすらと聞こえてくるだろう。)
私としては少し日差しが強いけど・・・たまにはこういう日も悪くないわ。
まぁ、座りなさいな。これ、私のおごりだから。
(そして、すすす、とキルシュナの方にストローの刺さったドリンクを差し出すだろう。ドリンクと言えど、それなりにアルコールの入った酒、カクテルであるが。)
それにしても、随分大胆な水着選んだわね。浜辺中の男共の視線釘付けじゃない。どーお?男共の視線を独占した気分は。
■キルシュナ > 生娘めいて初々しさを失って久しい猫娘は、当然ながら先程のお返しとばかりに向けられる少女からの凝視も平然と受け入れる。
いっそ腰を突き出して見せつけるなんて品の無い真似こそせぬものの、さり気ない体重移動でむっちりとした尻肉を歪ませてみたり、水着のポジショニングを修正する様な仕草で豊乳をいやらしく拉げさせてみたりといった小賢しい誘惑は呼吸するかの如く自然に行う。
意外にも眼下の少女よりも余程に初々しい反応を見せた男達には、ちろりと金瞳の流し目を向け、にひひっと八重歯をチラ見させる笑みをプレゼント。
「ほな、ありがたくご相伴に預からせてもらおかな♪」
少し離れた場所に設置されていたビーチチェアをずりずり引きずり移動させ、彼女の隣に寝そべれば、褐色の長腕を伸ばして浮いた水滴も涼し気なトロピカルカクテルにベージュの唇を付けた。
「まぁ、悪ないよね。お嬢ちゃんもそうみたいやけど、ウチもエロい目ぇ向けられんの嫌いやないしな。せやけど、ウチ、男に抱かれるんはもう飽きてもぅてなぁ。最近は可愛らし女の子に悪戯したり、おちんぽぶち込んだり、勢い余って孕ませてもぉたりするんがお気に入りやねん。今日も初々しい子に声掛けて、口車と催淫で水着脱がせたって、ヌーディストビーチの興奮でおまんこぐちょぐちょにさせたろ思て来てみたんやけど………」
言いつつちらりと傍らの彼女に目を向ける。
雪白の肌。目元を飾る紅化粧。シニョンに纏めた紫銀の髪と、小柄なれど発育の良い肢体。
水着の上に羽織ったジャケットが、"穿いてない"感を醸しているのもポイントが高いのだけど、彼女はそれらの武器を活かす所作を見せてはくれない。
そして童顔に見合わぬ大人びた口調もどこかちぐはぐな印象で
「残念やわぁ。お嬢ちゃんはそういうタイプや無さそうやねぇ」
ちゅるると啜ったカクテルは結構なお値段の物なのか、すっきりと品の良い甘さがグラス内で転がる氷の音と共に心地良い涼を味合わせてくれた。
■ムラサキ > はい、どうぞ。
(童女の隣に寝そべれば、童女はビーチチェアに腰掛けながらそれを見下ろす形。チェアに手をついて、体重をその腕へと預ける形で座るとなれば、ゆさりとその存在を主張する白桃が揺れて、見上げればそのまんまるとした下乳を覗かせるだろう。
かちゃり、と音を立ててサングラスを髪の上へと移動させれば真紅の目を顕にして。)
ふふ、へぇ、まぁ。随分と楽しそうなコトを口にするのね。ふふ、こぉんな人目がある所で堂々と。まぁ、まぁ大胆。えっち。すけべ。
初々しい、ね・・・。確かに、そんな表現とは私は程遠いかもしれないけど。
(そういうコトをした経験は何度も。外で・・・、というのはあまりそう多くはないし、人目がある所で・・・、というのもそう多くはない。けれどまぁ、身体を重ねた経験は幾度も。同性・・・というのはやはりそう多いものではないけれど。
ちゅー・・・とストローを唇につけ、そのカクテルを口にしつつ)
――そういう女は、お嫌い?
■キルシュナ > 「―――おっ♥」
そんな声音が零れたのは、ここに来てようやく彼女が有効な武器の使い方を見せてくれたから。小柄な体躯に見合わぬ白乳の揺れる様と、サングラスを持ち上げて紅瞳を露わにする様子は中々に魅力的だった。
「別に嫌いっちゅうわけやあれへんけど、ウチとの相性はあまり良くないやろなぁ。まぁ、中には上手く噛み合う子もおるけど、そういうんは結構レアやと思うで」
カクテルを奢ってくれた好意に対し、このような事を言うのは流石の猫も少々咎める物があるのだろう。眉尻を下げた申し訳なさそうな苦笑で告げた所で―――ぢゅぞぞぞぞーっと品の無い啜り音が響いた。
良く冷えたカクテルが、全て猫娘の腹に収まったのだ。
「さぁてと、カクテルごちそーさん。ウチは改めて獲物探しに――――……んぉ?」
ひょいっとしなやかな動きで立ち上がった猫娘が、獣耳をピクつかせて砂浜の向こうに金眼を向けた。
そちらでは先程猫娘をナンパして玉砕した5人組が手を振って何事か叫んでいる。
「おぉっ!? 全然期待してへんかったけど、なんや可愛らし子見つけたらしいわ! ほなな、お嬢ちゃん」
しゅばっと片手を上げて別れの挨拶とし、スラリとした長い脚で砂浜を蹴る。
リオカットの白布が食い込む褐色尻をぷりぷりと振りながら、「今いくでぇ、かわい子ちゃん~♪」などと囀る猫の背は、あっという間に人混みに紛れて見えなくなった。
後に残されるのは柑橘めいた猫娘の体臭と、カラン…っと涼やかな音を立てて溶けゆくグラスの氷。
太陽はまだ高く、日差しはますます強く砂浜を炙る。
夏はもう、すぐそこまで迫っていた―――。
ご案内:「セレネルの海」からキルシュナさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からムラサキさんが去りました。