2019/08/25 のログ
ご案内:「セレネルの海  岩場」にボブさんが現れました。
ボブ > (銛を片手に海中に潜り、魚や貝類を採っている傷が目立つ身体をした褐色肌の男。
腰に付けた採取籠の中にある程度の成果が貯まった所で海上に上がり、海上に顔を出し、
顔の表面に滴る水滴を手のひらで拭い取っていき)

「ふぅ~~~、じっくり待つという精神勝負の釣りと違ってこっちの方は体力勝負だな。
体力が持つ限りはある程度の成果は得られると……」

(銛を手に持ちながら平泳ぎで岩場へと戻り、陸地に上がれば、そこに置いておいた海水で満たした木箱の中に
採取籠の中の漁で得た成果をドボドボッと放り込んでいって、一旦休憩に入るために黒のフード付きパーカーを羽織る男)

「何とか今のところは魔物に遭遇はしていないが、そろそろやばそうな雰囲気は感じてるんだよな…
こういった勘は当たるんだよなぁ~、当たっては欲しくないけど……」

(静かに波打つ海の水平線の方に視線を向けながら魔のものの襲来の予感をしている事を独り言として洩らしていって)

ご案内:「セレネルの海  岩場」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > そんな独り言を漏らす男に吹く潮風にふわりと混じるのは…冷たい空気と甘い香り。
水平線の向こうからではなく、岸辺から…緩やかに散歩めいた足取りで岩場へとやってくる影一つ。

「さて、と…確かこの辺に……あったあった…お?」

カリカリと、岩場に張り付いている海藻をこそいで瓶に詰める仕草をしていた美女めいた風貌がふと…そちらを向いた。
見覚えのある顔を見つけたと言わんばかりに、言葉を投げようか。

「おや、お前さんはこの間の……ごきげんよう?」

ボブ > (水平線に目をやりながら、潜水をして少し疲れているだろう身体を休ませていると
暖かい太陽の日に当たっているのにも係わらず、ゾクッ…っと背筋に走る悪寒に肩を震わせる男)

「うおっ……この気配は……」

(まず気配を察知した男……そして声を掛けられ、その声に聞き覚えがあれば、男は最初に大きく深呼吸を数度し、
心臓の鼓動を落ちつかせた上で、声がした方に振り返ってみせて)

「これは奇遇っすね。 なかなかこうして再会するって事ないっすよ」

(前回の別れ際、次会う事があったら普通に接して欲しいと言われてた事は憶えていた男は努めて普通の対応らしきものをしてみせた)

ハーティリア > 「おや…感心感心、ふふ…嬉しいわ、ありがとう?」

声をかけると…深呼吸をしてから振り返る男にクスリと笑みを浮かべ、普通の対応を返してくれた彼に礼を告げる。
愉しげに返事を返せばひらりと、手を振ってみせ。

「俺は調合用の材料集めに来たんだけど…見た感じ、そっちは魚獲りか…調子はどーぉ?」

先程海藻を詰めた瓶に、海水をコポコポと汲みながら…相手の出で立ちを見て勝手に用事を予想し、今日の成果でも訪ねようか。釣りと言わなかったのは単純、釣竿が見当たらなかったから。

ボブ > 「まぁ、さすがにまだまだ警戒心は完全には解けてない事は勘弁してくれや。
どうしても身体というか、防衛本能が働いちまってるからさ」

(こっちの努力にお礼を返してくれる相手に対して、まだまだ未熟である事を晒し、逆に謝罪をしていく男)

「材料集めね……ん? こっちの成果か…、運良く海中の魔物にも遭遇しなかったんでボチボチだな」

(素潜り漁で捕った成果を見せる為に海水を入れた木箱を開けていけば30センチくらいの魚が6匹、
サザエやホタテといった貝類が多数入っているのを見せていくか)

ハーティリア > 「はっはっは、しゃあないしゃあない。体が敏感なんだねぇ…むしろかわいいもんさね。」

謝罪を返す相手にクツクツと喉を鳴らすような笑みを零してひらひらと手を左右に振って構わないと。
そりゃあ、人によっては死の気配の塊の隣に居るんだから、震えの一つも起こすだろう、と割り切っている。

「そうそう、ここの海藻は中和剤の材料にちょうど良くてねぇ…おや、そりゃあよかったなぁ…いや、良くなかったか?」

魔物に会わなかったと言えばクツリと笑みを浮かべて、見せられた成果に大漁じゃねぇかと幸運を喜ぶが…ふと考えたら、海の魔物なぞ些事に思える魔族が目の前にいるのだから…運が悪いと言うべきなのか、と首を傾げて少しばかり考え込み。

ボブ > 「身体っていうか、根が臆病なだけだと思うぜ。
臆病だったからこそ本当にヤバい危険から離れる事が出来たんだから」

(豪胆と臆病……それを兼ね備えていないと出来ない前職をしていた男は自分自身を臆病者と堂々と言い放っていき、
何も知らない人がそれを聞いたら男の事をただのヘタレと思われる事も気にしていないようにも見えるだろうか)

「ふう~ん、薬とかの知識は俺にはまったくなかったから、それはいい勉強になったな。
……さっき、魔の気配がしてきそうだなぁ~と独り言を洩らしてたんだが、口に出さなければよかったよ…言霊って本当にあるんだな」

(相手が持っている瓶の海草に目をやり、感心したような口ぶりをしていた男は
心の中で燻ぶっていた予感を口にしなければ良かったとあっけらかんと打ち明けていくか)

ハーティリア > 「ははっ、まあビビリなくらいが丁度良いさ。勇気と無謀はまた違うもんだからねぇ…誰もが英雄になれるわけでもなし。」

若いのに随分と酸いも甘いも噛み分けてきたような言葉に、笑みを零しながらそれを肯定する。
結局誰もが、自分が許容できる範囲でしか行動できないわけだし、と。

「まあ、調合に錬金術の知識が居るから、煎じて煮込んで出来上がりーってわけにゃあいかねぇけどな。
 おや…ははは、それは災難だねぇ。…まあ、間違ってはいねぇけど、ちょっと傷つくわぁ。」

その言い草だと会いたくなかったみてぇじゃねぇの、と冗談めいた口調でわざとらしくいじける振りなぞして見せながら…。

ボブ > 「そうそう……張りぼての英雄に持ち上げられてもまったく嬉しくなかったしな。
飾り物の英雄よりは臆病者の方が千倍マシだよ」

(軽くため息を吐いた上で思わず口から零れたのが過去の出来事に対する愚痴。
自分より明らかな大きな存在の相手ならば自分の事など気にしないだろうという根拠のない安心感から出た愚痴であって)

「まぁ……見た目はいい感じだとは思ってるさ。
でも、さっきも言った通り防衛本能はバリバリ働いちまってるからなぁ~、そこは隠しようはないなぁ~」

(いじける様子を見せる相手に対し、女とはいえその身体中から放たれる存在感の方が大きいとぶっちゃけていくか)

ハーティリア > 「おや、思いもがけず英雄候補生だったか…ははっ、なぁに、英雄の最初なんてハリボテメッキ上等な気もするけどなぁ。…俺も覚えあるわぁ、うん。」

まあ、ハリボテが本物になるか、ハリボテを着たまま溺れるかは、その先次第だけども、なんてクスクスと笑みを零し。少しばかり遠い目をしてぽつりと呟き。

「ふふ、ありがとさん? それなら、恐怖を軽減するまじないでもかけてやろうか?」

存在感が大きい、とぶっちゃけられると、ほんとに敏感なんだなぁ、と少しばかり意味深にとれそうなセリフを零してクスクスと笑い…ふと、思いついたような問いかけを。

ボブ > 「うそうそ、小さな話を大きく膨らます事がうまいヤツがいて、ほっっっんの小さな手柄をとんでもなく大きくさせちまったのさ。
その所為でやったら命を狙われ、それを迎撃する度にまた話を膨らまされちまっただけの正真正銘の張りぼてさ」

(めったにしない己の過去話をしていき、最後に大きくため息を吐き、嫌な過去だった事を態度で示していって)

「ん?まじないか……そ~だなぁ~、こうしていちいちビビるのも失礼だとは思ってるんだ、世話になったほうがいいかな」

(相手から申し出られた恐怖心を軽減させるまじないとやらに関心を持ったように返事を返し、
どのようなまじないかは分からないが、気持ちを少しでも軽くさせようと少し身体の力を脱力させるような体勢をしていくか)

ハーティリア > 「ん~? ガチのハリボテだけなら、それ途中で死んでる奴だけどなぁ。」

捌いて生き残ってる時点で、割と素質あるじゃねぇの、とクツクツ笑みを零し、まあいい思い出では無いみたいだから、必要以上には触れないでおくが。

「ふふ、じゃあ遠慮なくかけさせてもらおうかねぇ。」

(身体を脱力させ、己に向けて心を許している彼に目を細め…するりと、呪文を口から紡ぐ。)

「光よ光」『我は夜に生きる者』
「其は恐怖の只中に付く灯火にして勇気の光明」『我が言葉は誘惑 我が香りは蠱惑 我が指先は堕落の一触れ』
「汝に勇猛の光あれ」『汝に永遠の堕落あれ』
「ブレイブ」『ラヴァーズ・カース』
(まるで、二つの文章を分割して同時に発言しているようなそれは…しかし、魔術言語を知らなければ単なる言葉の羅列にしか聞こえないか…そして彼に二つの魔術がかけられる一つは対象に勇気を与える魔術…そしてもう一つは、淫魔が扱う、隷属に近いほど強力な、堕落と魅了の呪いが彼に向けられて。己に耽溺すれば、恐怖する必要もないだろう…という、淫魔としてなら、まともな思考回路にもとづいたものだが。)

ボブ > (相手が掛けてくれるという恐怖心を軽減するというまじないを受け入れる為に心を楽にさせていた男の耳に
まったく聞きなれない言語が相手の声を介して届き上げていく。
男の心の中に熱き物が込み上げてくるのを感じ、男は『おっ!! 本当に恐怖心が薄れてきた』…と
思った記憶を最後に男の記憶はフッと途切れる……

記憶が途切れた男の身に何が起こるのか……今の時点でそれを知りえるのは目の前に立っている相手だけであろう……)

ご案内:「セレネルの海  岩場」からボブさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海  岩場」からハーティリアさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (―――目覚めた時、周囲の景色は既に幾分赤みを帯びていた。
相変わらず、読書の姿勢が長く続かない身。
浜辺に流れ着いた流木に腰かけ、膝の上に本を広げて、
――――――いつ意識を手放したものか、記憶がなかった。

膝の上にあったはずの本は、転げ落ちて砂の上。
あわてて足許のそれを拾いあげ、軽くはたいて砂を落とすと、
ぽん、と膝上へ乗せ直して)

………お日さまの色が、すっかり赤くなってるし。
何時間うたた寝してたんだろ、ぼく。

(昼日中の日差しを避けるべく、木陰などを選んだのがそもそも間違っていた。
快適さは眠気に直結し、加えて堪え性のなさが眠気に拍車をかけて、
結局、このざまである。
膝に乗せた本の上で頬杖をつき、肩を落としてぼんやりと、波打ち際のあたりへ視線を転じ)

ご案内:「セレネルの海」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (――陽の色が濃く、闇に転じる前の世界を照らす
打ち寄せる波の音が、反響する様に砂浜へ響き
黄昏時の仄かな潮の香りを感じる事が出来るだろう。

波打ち際へと視線を投げた時、彼女の目に映るのは影
海の彼方を見詰める背中が、ゆっくりと彼女の方へと振り向いて。)

「―――お目覚めかな?」

(声は、距離に反して、随分と近くで届いたろうか。
砂を踏みしめながら、ゆっくりと歩みながら
木陰の流木へ腰掛ける娘へと、近づいて行く。

――娘は気付くだろうか。
この時間ならば、沖を幾つも行き来しているだろう船が
今は、一隻も見えない事に。
そして、元々人影が無かった周囲とは言え
余りにも――世界と、剥離した様な感覚を、覚える事に)。

リュシー > (向けた視線の先に、人影がひとつ。
その背に漠とした懐かしさを感じると同時――――どこかで、なにかの、
チャンネルが切り替わるような、不可思議な感覚を覚えた。

波の音は変わらず聞こえてくる、吹き抜ける風は今も、潮の香りを孕んでいる。
けれど、―――――ひとつ瞬きをして、こちらへ振り返り、近づいて来る彼と、
その周囲の景色とを―――確認する、わずかな間をおいて。)

………ルヴィ、……今、何か、してる……?

(寝入るまでは確かに、いつもの「世界」だったはずの空間が、
彼の姿を認めた途端―――何かで、隔てられてしまったような。
何気なく前方へ伸ばした手指が、見えない壁に阻まれたりはしないけれども。
くす、と小さく、喉を鳴らして)

……もしかして、ぼく、閉じこめられちゃってる、とか?

(そうしてわざと、不穏な表現を使うのだ。)

ルヴィエラ > (娘の前まで歩み寄れば、其の傍に屈み込む。
其の足元に転がっていた巻貝の殻一つを、拾い上げて砂を落とし
耳へと押し当てながら、娘の伸ばした指先へと、柔く己が指を絡め様

静寂は、続いている。
まるで、この砂浜だけが世界から隔絶され
そして、二人だけが取り残されたような感覚を娘へ与えるのは
恐らくは娘の感覚が「そういったこと」に敏くなっているから、やも知れぬ。)

………何、私の褥に連れ帰るのと何も変わらぬよ。
ただ、折角足を延ばした砂浜から、連れ帰るのもと思ったまででね。

(何をしたか、については、くすと笑むだけで否定も肯定もしなかったが。
大抵こう言う時は、何かしている、と言う場合の方が多いだろう。
不穏な娘の表現では在ったけれど、実際そんな事になったとて
其れが、少なくとも娘を害する為ではないとは、判る筈だ。)

御存知の通り、誰かを浚うのは得意なのでね。
少しは――長旅の疲れも癒えたかな?

(そっと、貝殻を耳から外しながら、問う。
刹那、きっと思い出すだろう。 ――意識を失う前の事を。
少なくとも、其の見目は何も変わらない
裂かれた筈の衣服も、何事も無かった様に元に戻っては居るが
――胎の奥には、熱が、灯った儘となっている筈だ)。

リュシー > (あと一刻もすれば、海へ零れ落ちてしまいそうなほど、
西に傾いた陽光はあかく、たなびく彼の銀糸を染めている。
魅入られたようにその流れを見つめているうち、伸ばした指先に彼の指が触れた。
ぴく、とわずかに肩を揺らしたが、すぐにこちらからも力を添えて、
甘く十指を絡ませる接触を求めて)

……寝てる間に、ベッドに逆戻り、なんてしてたら、
さすがのぼくも、ちょっとびっくりしたかもなぁ……。

(彼の存在にも、その力にも、随分慣れたと思ってはいるが。
夕暮れ色に染まる外界を望みながら、透明な膜が幾重にも被さり、
完全に「隔てられた」あるいは「護られた」場所に居る不可解。
ソレ、を感知した瞬間にはやはり、少しばかり驚いてしまうのだ。
もちろん、生命の危機を覚えるような事態にはならない、と、知ってはいるけれども。)

あは、は、……そうだね、確かに得意だよねぇ。
ルヴィん家は、ルヴィが攫ってきた女の子で一杯だもんなぁ。

(けらけらと洩らす笑い声も、何処か奇妙に反響して聞こえる。
それに何より、身体の奥が―――――まだ。)

疲労回復できたんだか、逆に疲れたんだか、よくわかんないよ。
ルヴィの「チカラ」は……やっぱり、濃厚すぎて。
お腹いっぱい、になったん、だか……余計にお腹空いたんだか、
わかんないくらいにされちゃうから。

(責めるような詰るような言い回しだが、これも甘えの一種だと、
彼には伝わるだろうか。
本を乗せた両腿を、きゅ、と擦り合わせながら、空いたほうの手で腹を撫でる。
「ココ、まだ熱いし」なんて、唇を尖らせて訴え)

ルヴィエラ > (娘の指先が絡まり繋がるなら
其処に生きている証たる温度を伝える。
周囲に広がるのは、確かに初め娘が訪れたセレネルの海辺だが
もし、此処に居るのが二人で無かったとしたら
孤独感すら、感じて仕舞うやも知れぬ程。)

自ら訪れた場合も、浚って来た場合も在るがね?
御陰で、王都にも我が家を建てる事になった訳だ。

(狭くなってしまいそうだったからね、と。
娘が居ない間、漸く開店に漕ぎ着けた王都の娼館を話題にしては
据わる娘の前に、そっと膝を付く様屈み込んだ。
貝殻を再び砂に置き、伸ばす掌が、娘の胎へと重なる
娘の掌と重ねながら、緩やかに己からも、其の奥を愛でる様に撫ぜては。)

――…砂糖菓子を食べ過ぎた感覚、だろうかね?
其れだけ餓えていたと言う事でも在る…満腹感とは別にね。
もしも物足りぬと言うなら、素直に口にしても良いのだよ?

(くすくすと、悪戯っぽく笑みながら、見やる娘の瞳。
触れれば、きっと其れだけで娘の子宮が反応を見せる
跳ね、うねる感覚を、娘自身にも自覚させながら。
飢餓感に苛まれていた時とは又異なる、穏やかな、純粋な欲熱が
其処に点っている事を、伝えて)。

リュシー > (日暮れ時という時刻のせいか、海辺という場所のせいか。
ひらけた場所に在る、という錯覚の中でも、なお、物寂しさが付きまとうのは―――

けれどそれも、繋いだ手指の温度が、完全に馴染んでしまうまでのこと。
目の前に屈みこんだ彼の手が、煌めく砂粒を散らしながら、己の腹へ伸びる。
己の掌越しに重ねられた温もりが、少しずつ、少しずつ。
奥底に息づく雌の器官を、愛でるように動きはじめれば――――ぞく、と。
軽口を繋ごうとした己の身に、蜜事を思わせる戦きが生じる。)

モテモテです、ってアピールも、ソコまで行くと嫌味を通り越すよねぇ……、
――――― ル、ヴィ、……ちょっと、待っ、て……、

(彼の熱へと貪りついて、自らねだる言葉を発して、浴びるほど飲み干して、
―――満たされていたはずの場所が、きゅう、と収縮する気配。
ソコが今は何も咥えていない、当たり前のはずのその事態こそ、
異常だ、と言わんばかりに、虚であることを主張する熱。

思わず彼の手へ、己の腹へ、ぐっと指先を食いこませながら、
待って、と声を振り絞り――――上体を屈ませて、彼の肩口へ顔を埋めようとしつつ)

ルヴィ……帰り、た、い。
ここじゃ、やっぱり、……お日さま、が、眩しすぎて……、

(「恥ずかしい」なんて、今更、ではあるけれど。
そもそも、言葉を交わすだけならば、羞恥を覚える必要もないのだから、
己が何を望んでいるかなんて、もう、言うまでもないのかもしれない。
か細い訴えを紡いだ唇はとうに熱く、彼の肩口を吐息で湿らせ)

ルヴィエラ > おや、家族が増えて行くのは喜ばしい事だがね?

(――どこか、おどけて見せる様な言葉を零しながら。
待ってと願う言葉に、其れ以上娘を煽る事はしないだろう。
いずれにしても、火種等、灯ってしまえば其れで充分な事だ
燃え広がって行くのを待つだけで、其の身は雌で在らんとするのだから。)

……なら、私の部屋に帰ろう。
王都には又何れ、ちゃんとして招きたいからね。
……それで、構わないかな?

(明るすぎる、と言うのなら、仰せの儘にと囁いて。
両掌で、娘の身体をゆっくりと抱き締めては、其の首筋に口付け様。
――刹那、足元の互いの影が、うねるように質量を増して、波の様に互いを飲み込まんとする
娘が、其れを良しとするならば、影は二人を飲み込んで――

砂浜には、静寂が訪れる筈だ。
そうして、少し経った後で。 不意に沸いた小さな影に
娘の持ち物である本が、ぽとりと落ちて。 忘れ物、とばかりに回収されて行く筈で――)。

リュシー > ―――……それ、どーゆー意味……?

(家族、という言葉には、なんの含みもなかったはずだが。
何故だかひどく淫靡な響きを、熱に浮かされはじめた耳が感じ取る。

ひとたび自覚してしまえば、あとは募ってゆくばかりだ。
抱き寄せられた腕の中で、己の身体は容易く弛緩し、
少しでも気を抜けば、意識だって摘み取られかねない。
首筋に口づけられた、それだけのことで肌が燃え立つように火照り出して―――

もはや声も発さず、彼の腕に身を委ねて頷いた。
飲みこまれる、連れ去られる、今度こそ誰にも見えないところへ。

すっかり己が失念していたために、ぽとりと残された一冊の本さえ。
何もかもお見通しの彼の「力」が、こともなげに回収していった、とか―――――。)

ご案内:「セレネルの海」からリュシーさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からルヴィエラさんが去りました。