2019/04/22 のログ
クレス・ローベルク > 「……?」

飲み物を渡したら、今度はおっぱい両腕で抱えてくれた。
それを見ると、少し怪訝な表情になる。
いや、非常に眼福ではある。眼福ではあるが、

「(それを俺にやってどうする……?)」

男は、はっきり言ってただの給仕。表向きにも、貴族の従者と言う触れ込みで通っているはずだ。
ハニートラップなら、もっとやり甲斐のある相手がごろごろ転がっている。どうしてわざわざ、一介の給仕を誘惑する?
……しかし、それはそれとして、

「(ううむ、ドレス越しにも解る、ボリューミーながら形の良いおっぱい。
後、体つきが普通にエロいなあ……ボディラインが出るドレスなのに、コルセットとか使ってる感じもないし……)」

もともと、女は大好きである男は、露骨にならない程度に視線を動かし、彼女を観察する。
華のある立ち振舞も相まって、娼婦ならば間違いなくナンバーワンを取れるだろうと思う。
尤も、彼女はどちらかといえば娼婦のご主人様なのだが、男はそれを知らない。
とはいえ、彼女は何を思ったか、こちらに質問してきた。
相変わらずその理由は謎だが、しかし無視は失礼に当たるので、

「ええ。お恥ずかしながら、この様な宴は初めてな物で。
雲上の方々とこうしてお目見え出来るのは栄誉な事ですが、如何せん、高尚なお話にはついていけません。
主の信頼を裏切ることになるので、大声では言えませんが、私には荷が重い仕事かと……。代わりの者が居れば、そちらにおまかせするのですが」

訳:話を聞くだけでドン引きです。早く仕事終わらせてほしいです。人柱も辞さない。
割とひどい本音を百層ぐらいオブラートに包みつつ、できるだけ柔らかな口調で答える。
……尤も、男の腹芸など、所詮付け焼き刃。台詞はともかく、口の端が微妙に苦いものになっているが。

エキドナ > 怪訝な表情を浮かべる彼に対し誘惑めいたことをする理由。
それはただただ、彼が面白そうだからに過ぎない。
確かに、金をたくさん持ち、セックスのテクも上等な男などこの会場にいくらでもいよう。
しかし、この女にとっては彼らなど、結局良く見る顔に過ぎない。
この宴の空気に完全に染まり楽しんでいる者たちは決して嫌いではないが、面白みには欠ける…というのが彼女の理論。

そんな会場で他人にはわからないであろう異色さを感じさせる彼に興味を抱くのは、魔族として当然。
何より、露骨なまでの誘惑に対し、理性が勝りつつも煩悩豊かにチラチラ視線を向けてきてくれるのが楽しくもある。
まさか誘惑されるとは思っていないからこその反応、だからこそ初々しく。

腕を寄せたり、下から持ち上げたりすると、まるでマシュマロの如く柔らかく形を掛ける豊満。
グラマラスな肢体もまた情欲を誘うものだし、くっきりとした大き目のヒップラインもまた視線を誘うか。
さらに胸の揺れ具合を見れば、下着を付けているのか?と思いたくなるほど揺れたりしていて。

「あは、そっかそっか。
聞いてて気持ちのいいもんじゃないし、アタシもそん中いたわけだから、気に食わなかったりしちゃうよね。
あ、じゃーアタシがお願いしたら仕事ほっぽってデートに付き合ってくれちゃったりする?
連れの男は戻ってこないしぃ、どーせ港着くまで暇だしさぁ」

彼の言いたいことはずいぶん綺麗な言葉で包み込んではいるけれど。
表情とか、セリフの端々に感情が滲み出ていたりして。
そんな彼に納得した様子を見せる女は、いきなりそんな提案を。
元々目的は達成しているので、これと言って他にすることのない女は彼を誘い、船が陸に到着するまで付き合わせるつもりのよう。
一応この女、客の中でも上位に位置する上客の一人、誘いの断りは寧ろ失礼とも取られるかもしれないが。
少なくとも違法取引真っただ中のパーティ会場からは抜け出せようか。

クレス・ローベルク > 「はぁ、デート、ですか」

一応、体面上は渋い顔をしつつ、冷静に勘案する。
自分は雇われの身である。故に、本来ならば、仕事をサボってデートなど言語道断、ばっさり断ってしまうのが筋。
なのだが、

「(見る限り、少なくともスパイっぽいのは居なかったしなあ。
どうせ、俺以外にも何人か"混ぜて"あるんだろうし、固辞するよりは客の応対した方が雇い主にとってもプラスか……)」

理論武装は一瞬で完了した。
多少の不都合があろうが、この魔境に居るよりは、彼女についていった方が精神に良い。
大体、こんな騙された様な経緯の仕事を真面目にやる気はないし、デートの相手という意味では、彼女は性格も見た目も最高だ。乗らない理由がない。
一応、彼女が"真っ当な"組織の諜報員である可能性もあるが……

「(ないだろうなあ)」

何というか、緩い。
幾ら何でも、ちゃんとした組織の諜報員はこんな露骨にチャラチャラしてはいないだろう。
大体、諜報員だとしても自分は何も知らないのだし。

「解りました。卑俗の身ではありますが、一時、お付き合いさせていただきましょう。
所で、私はこの盆を置いたり、仕事の引き継ぎをせねばならないのですが……何処で待ち合わせ致しましょうか?」

一応、船にはパーティ会場のほか、海を一望できる上にプールまである甲板や、パーティの空気が合わない者の為のバー、それに勿論、各々の個室等がある。
本来ならエスコートは男の仕事だろうが、身分はこちらの方が低い。
此処は、彼女の行きたい場所に合わせたほうが良かろう、と。

エキドナ > デートのお誘いに対し、渋い顔を見せる彼。
もちろん、そんな表面的な見せかけの態度で気を悪くするような女ではない。
にまにまと微笑みつつ、彼のきちんとした答えを待つ。

「あはっ、じゃあよろしくねお兄さん」

なんかいろいろ理由とか理屈とか考えてたらしいけど、答えは決まっていたようなもの。
彼が提案を受け入れてくれれば、これまた露骨なまでに嬉しそうに微笑み、豊満な胸をたゆんと揺らす。
彼が給仕以外の職務も請け負っていることまでは把握しようがなかったが、まず目の前の緩い女がスパイであるはずがなく。
そんな疑いを向けること自体、本当のスパイに失礼だと思うの。
なのでまぁ、彼の考えは大正解。

「んーとぉ、プール!あったよねぇ。
ソコで待ち合わせで~、水着着てきちゃうからね」

別にエスコートとかそういうのは気にしない、結局のところ暇だから付き合ってくれたら嬉しいというだけのこと。
待ち合わせ場所を尋ねられ、乗船時に見たプールを指定する。
パーティも佳境に入り、夜も更け始めた時間…ナイトプール、なんてよく聞くが、この時間にプールで遊ぶ者はほとんどいなかったりするだろうか。
だからこそ、立場の異なる者同士のデートにはちょうど良かったりするか。

「んふふ~、アタシはエキドナ。
お兄さんの名前教えて?」

そうと決まれば善は急げ、早速とばかりに名を名乗った女は彼の名前を訪ねよう。
きっとなんの脈絡もないあだ名をつけてくれることだろうが。
互いに名乗り合えば、「それじゃあ後でね~」なんて手を振りながら、会場を後にする女を見送ることになろうか。

クレス・ローベルク > おお、プールか、と心の中でテンションが上った。
プールで水着。今は謀略の真っ最中で、プールなんか誰も使っていないから、二人きり。
ドレス姿で十分すぎるほどの色気だ。これが水着ともなれば、さぞかし素晴らしい眺めに違いない。
とはいえ、あくまで今は紳士的に。

「それでは、プールにて。こちらも、水着にて参上します。
と、失礼、名乗り忘れておりました。私は、クレス・ローベルクと申します。それでは、また後ほど」

何か変な仇名を付けられてしまったが、まあ、可愛い女性に付けられた仇名は勲章だ。
彼女が立ち去るまで見送りの礼をしてから、バックヤードに戻って一度私服に。
そして、誰も居ない使用人部屋に戻って水着を引っ掴み、男渾身のはガッツポーズ。
仕事をサボれる嬉しさ、あの魔境から抜け出した開放感、そして今からグラマラスな美女とプールへ行くことの期待感。
これら全ての感情を引っ括めて、男は叫んだ。

「よっしゃあ、遊ぶぞお!」

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夜の甲板と言っても、そこは金のかかった魔導機船である。
足元が危なくないよう、少し強めの照明が、床なり壁なりに埋め込まれている。
プールの中にも同じく明かりがあるので、水の底が暗くて怖い、なんて事はない。
そして、そのプールサイドに、男がボクサーパンツの水着姿で現れる。

「……」

無言で立っているが、それはあくまで礼儀正しい態度を保つため。
内心では、既に心躍っており、何なら今から鼻歌を歌いつつスキップしてプールに飛び込みたい気分だった。

エキドナ > 女は会場を後にすると、自室へ向かう。
連れの男が伸びている部屋…の隣の部屋。
相部屋にするほど親しい仲ではなかったということだ。
仄暗い部屋に戻れば早速ドレスをぱさりと脱ぎ捨て、豊満な肌を露出させる。
案の定下着は下しか付けていなかった女だが、今はもう関係ない。
その唯一の下着も外せば、己の荷物から水着を取り出して着用し、パレオを羽織ってから早々に部屋を出てプールへと向かった。
どれくらい楽しめるかな、なんて期待を胸に。

それから数分…
彼が水着姿でプールに到着すれば、既に女の姿があっただろう。
パレオをサイドチェアに掛けて、プールの端に腰を降ろしゆったりと待っていた女。
月明りと淡い照明に照らされた褐色肌のグラマラスな肉体は非常に艶めかしく映ろうか。
着用している水着は褐色の肌に馴染む黒のホルタービキニ、ただその布面積はずいぶんと少なく、色気と妖艶さを存分に発揮していたか。

「クレちゃん、待ってたよ~」

結局付けられたあだ名はやっぱり脈絡のないもので。
女は彼の姿に微笑みながら、手を振ってこちらに来るよう誘っている。

クレス・ローベルク > 男の上半身は、傷が多い。
これだけで、少なくとも一般カタギでないのは察せられるだろうが、しかし、男は今更気にしなかった。
そもそも、闘技場の選手なのだ、知ってる人は知っているし、今更それが+1された所で痛痒はない。本名も名乗ったし。

呼ばれたあだ名は、可愛らしいもの。
男らしさには欠けるが、親しみの証と思えば気分を害することもなく。
どころか、気分は寧ろ上昇の一途である。
何せ、水着姿が凄いのだ。

「(こりゃまた……)」

絵になる、というのだろうか。
パレオを着けているとはいえ、布面積の少ない水着だ。着こなしによっては下品になりうるが、そんな感じはない――否、寧ろその下品さすら、逆に色気に取り込んでしまっているような。
とはいえ、見惚れている場合でもない、呼ばれた男は、歩いてエキドナの横に座る。
気温を調整する魔法でもかかっているのか、脚を水に付けても、さして寒いとは感じない。

「おまたせしました、エキドナ様。
さて、取り敢えず水着に着替えてはみたものの……何分、この様な場は初めてでして。
まさか、エキドナ様を水練に誘うわけにも行きませんし……」

ル・リエーの水遊場にはちょくちょく出かけるが、残念な事に女性と遊びに出かけた事はないが故、男は少しだけ困った様に言う。
さて、女性とプールで遊ぶとは、如何にすれば良いのか……

エキドナ > 傷の目立つ男の身体。
やはりただの給仕というわけではないのだろう。
その見てくれからタフと分かるだけで女はさらに機嫌よく。
アソコもタフなのかな、なんてピンク色の頭で考えてたりする。

彼はやっぱり平静を装ってはいるけれど、その視線の動く先はやはり男の子。
誘われて、隣に座る彼に対し、少しずらせば先端が見えてしまうような、きわどい水着に包まれた爆乳を、たゆんと揺らして見せ。
ついでに彼の手に手を添えたりもしてみようか。
ずいぶんと大胆なふるまいだが、デートなのだから当然。

「あは、デートにプールで、何するかわかんないんだぁ。
クレちゃん、意外に初心だねぇ~」

相変わらず硬い口調なのはさておいて。
上機嫌な本心を隠しつつやってきたわりには、エスコートの仕方はわからない様子。
そんな初々しい姿に元気よく笑う女は、早速プールの中へとざぶざぶ入っていく。
それを眺める彼ににやっと笑えば、彼の足を掴んで引っ張り、プールの中へと引きずり込んでしまおうか。

クレス・ローベルク > 正直、あんまり期待はしていなかった。
水着姿を見れれば、後はプールで泳いだり、適当に話をしたりして時間を潰そうぐらいに思っていた、のだが。

「(うぉ……)」

距離感が、近い。隣りに座ったのも、今考えれば相当非常識な距離の詰め方だが、女のそれは度を越していた。
明らかにわざと胸を揺らして、こちらを誘惑してきたかと思えば、手を添えてさりげなくムードを作ってくる。
慣れた誘惑の仕方だな、と思うが、しかし真面目な仮面を被っている時にそれをやられるのは、非常に心臓に悪い。
軽口で流せない分、真面目に取るしかなくなるからだ。
プールに入りながら耳に痛い事を言ってくる彼女を目で追いつつ、男は溜め息を吐き、

「あー、まあ、女性と接した経験はそれなりにありますが、女性の取り扱い方自体に慣れている訳でもないの……うぉう!?」

ばしゃーん。
綺麗に引きずり落とされ、水中に落ちる男。
仰向けに叩き落とされた身体を、水中でぐるりと回して体制を整える。
流石にこんな事で溺れる事はないが、しかしビックリしたのは確かで。

「やったな……!」

そして、一度ビックリすれば、自然仮面も解ける。
もともと、演技には慣れてないのだ。
早々に敬語も大人気もすっ飛ばし、水面をばしゃばしゃと掬ってエキドナの顔に水をかける。

エキドナ > 彼の反応は慣れたところもあれば初心なところもある。
女性経験はあるにはあるけれど、本当にデートとかそこらへんのことは経験が少ないよう。
だからこそからかいがいがあったりするのかもしれず。
彼にしてみれば不本意なところだろうけど。

「あっはは!
綺麗に落ちたねぇ」

ムードを作られ、どうにもそわそわ気味の彼に仕掛けた悪戯。
足を引っ張られた彼は美しくプールに引きずり込まれ、見事全身びしょ濡れに。
まぁ溺れたら溺れたで、きちんと優しく妖艶?に介抱してあげただろうが。
ともかく、悪戯されたことで生真面目仮面も無事剥がれた様子。
水面から元気よく顔を出した彼は、女に向けて反撃に水を掛けてくるが…

「ダーメ、そう簡単には濡らさないよぉ」

彼が放った水飛沫は、女の目前でまるで時間が止まったかのように宙に浮いたまま制止する。
ただ髪を濡らしたくないという理由で高度な魔法を用いちゃう女は、彼にはにかみながら目を細めて笑う。
特に詠唱を用いず魔法を使えば、魔族と看破されてもおかしくないのだが…この女、別に魔族とバレても気にしないし、知り合いはたいてい知ってるから問題なかったりして。
目の前の彼はたまげるだろうけど。

ご案内:「セレネルの海」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からエキドナさんが去りました。