2015/12/15 のログ
ご案内:「セレネルの海」に触手のロータスさんが現れました。
ご案内:「セレネルの海」にエレノアさんが現れました。
触手のロータス > (辺り一面に海面が広がっており、遠くを見渡しても水平線しか見えない。
 ここは、そんな大海原である。
 そこに浮かぶ一匹の巨大な亀。
 その亀を見ると小島をイメージしてしまうだろうか。それ程の亀である。
 亀の尻尾は蛇となっており、無数の触手が生えている。
 そんな巨大亀の上で腕を組んで佇んでいるのは魔王軍四天王の一角、触手のロータスであった。
 さらにロータスの周囲には、半漁人など海魔の軍勢がいる
 そして巨大亀の背後にも、とてつもなく巨大な青い半魚人が顔を覗かせている。その半漁人は長い尻尾を有していた)

「この辺りでよかろう。
 海戦演習をするにはうってつけの場所だ」
『そうですねぇ、ロータス様』
(ロータスに言葉を返すは、彼の従属神ダゴンであった。
 ダゴンとは、巨大亀の背後にいる巨大半漁人の事である。
 邪神ロータスに従属する邪神の一柱、それがダゴンである。

 本日、ここで魔族達による海戦演習が行われる。
 だがそんな場所を横切ろうとする王国軍の艦隊の姿もあった。
 王国軍の戦艦は五隻程である)

エレノア > 海戦演習。天気は好調。水面は水色に煌めく。
人間界の海を勝手に利用して、遊ぼうと言う話だった。南海からはそろそろ引き上げた方が良いと言う話だったので、演習地点をこちらに移した。
享楽的な冥軍の連中は、祭り騒ぎだった。
一応は戦闘演習ではあるが故に、勿論真面目に勝負をするが、当然。

「…ま、ロータスには海じゃあ勝てないわよね。」

船の一番前の高角砲の根元に行儀よく座るメイドさん。
無表情に水平線の境目を眺めながらワントーン落とした女にしては低い声で溢す。
普通にやったら勝てるまい。水に満ち溢れた澄んだ水面。
とある方面で、巨大な航空母艦の上に乗っかったメイドさんは、双眼鏡も媒介にせず、水面に映る者達を眺めた。
彼女とて元々魔王であった高い位の魔族、それであるが故、その大亀の姿はもとより、後方の半魚人の姿、
点在する海魔、または、互いの間に挟まった不運な人間の艦艇まで、偵察魔法で目視していた。
この海戦演習だが、この水のフィールドでは、普通にやったら彼等に勝てない事も十分理解している。
何よりも、見るべきなのはここでは彼等の得意分野である水魔法に分があり過ぎる。
しかして、だからといって適当にやるわけでもないし、当然普通にやるわけでもなかった。
冥軍の者は皆酔狂だが、例にもれず、彼女も酔狂だ。多少ともこの演習を楽しんでもらえるための、サプライズは用意してある。

「…もしもし。ロータス?予定通り、時刻―――より、海戦演習を始めるわ。準備は良いかしら。
ああ、…それとも、15分ほど後にする?…何かいるし。」

音の魔法を介して、直接彼にと声を響かせて届かせる。そして、海戦演習開始の時刻も。
例え王国軍の戦艦が彼我の間を横切っていたとして、それらは魔族の演習には障害物でしかない。
多少予定外ではあったので、彼等に是非とも退いてもらうための時間を取ろうかと、彼に通信を送った。
こちらには、この特注の航空母艦の他に、周囲の護衛艦と見られる小型艦が多数、
また、巨大な砲を突きだす戦艦が数隻。水面下で哨戒ラインを作っている潜水している艇が少数。
大凡、この世界の技術力では3、4個艦隊相当の戦力が精々だ。
しかして、勿論これも見かけではの話。護衛艦は見た目通り脆いが、それ以外には、数多の魔導機械の技術が組み込まれている。

触手のロータス > (あちらさんはお祭り騒ぎのようだ。
 まあ、両者死者が出ないお遊びのようなものだ。
 享楽的な冥軍はやはり盛り上がるだろう。

 ちなみにロータス率いる海魔軍勢だが、巨大亀の上にいるのはほんの一部に過ぎない。
 むしろ本隊と呼ばれるものは、深海に潜んでいる。
 ロータスが用意した“ボス”とやらも、背後にいる邪神ダゴンの事ではない。
 ダゴンはロータスの従属として強力であるが、手を出す気が一切ない観戦者と言える。
 ロータスが真に用意した“ボス”もやはり、深海で蠢いていた。
 海は、海魔達にとってはホームグラウンドである)

(ロータスは、船の一番前の高角砲の根元に座るメイドを見る。
 その姿は遠くからでも、はっきりと見える。

 音魔法がエレノアからロータスにとどく。
 こちらもテレパシー系統の魔法を用いて、エレノアの脳に直接話かける)
『こちらは、準備できている。
 が、そうだな……まずはこの海の異分子にお引き取りしてもらわねばならぬな。
 少し脅す程度で、退いてくれるだろう。
 三隻はこちらで引き受けよう。二隻はそちらに任せる』

(人間達の艦隊は前方に三隻、その数百メートル後方に二隻という陣形だった。
 ロータスは、前方の三隻の方を担当する。
 天気は好調……のはずだった。
 だが急に、辺りに濃い霧が立ち上る。
 濃い霧により、肉眼ではあたりを見渡せなくなった。
 人間の軍艦は、その様子に戸惑い始める。

 すると、突然海面より三隻の前に現れた巨大な“何か”。
 それを見た軍艦三隻は、一目散にこの海域を抜けだそうとするだろう)

エレノア > それなりの艦隊を用意すると良いと言われた。故に、それなりの艦隊を用意してきた。
彼等もボスモンスタークラスを用意すると言っていた。メジャーな所で言えば、クラーケン、サーペント、ピジョップフィッシュ、人魚等が思い当たる。
あの半魚人は、人魚の類なのだろうか。それとも、分類的には巨人族だろうか。
―――しかし、この他にも色々と居るのだろう。
当然ながら、エレノア本人も手を出す気はない。純粋に船の演習、若しくは祭りだ。
それから、魔王軍彼等にとっては、人間の艦船との戦い方の演習だろうか。

「了解、良いでしょう。…ふむ。」

良い具合にバラけていた。後ろの側を…さてどうしようか。
成程、彼は上手い具合に言葉通り、少し脅している。…霧の中で何があったかは分からないが、
しかし三隻の王国軍艦は、船速全力で逃げ出していった。
塩梅がよく分からないが、沈める必要もあるまい。退いてもらえばいいのだ。
しかし、一体、何を―――?
彼等もまた、サプライズを持って来てくれたのだろうか。成程、こうでなくては。
そう思って、メイドさんは表情には出さず笑った。

「さて、―――この旧世代艦が、見えない場所からの魔法攻撃を見たら、どう思うのかしらね?」

此方が行使したのは潜水艇による威嚇射撃。
哨戒線を引いていた、水の下で偵察ラインを引く潜水艇から、あろうことか雷の魔法弾が飛び出し、炸裂した。
機械水雷、魚形水雷なんてものがあるが、これは本物の雷だった。その性質故、水の中でも通しやすいのが特徴だ。
彼等から見れば、水の中から魔法弾が沸き出したようにしか見えないだろう。
一発二発ではなく、数発も打っていけば、軈ては、先に逃げた三隻とも、もう一方あった方の軍艦とも合流もせず、それぞれがバラバラに後退するだろうか。
彼ほど綺麗に後退させられなかったのは、少々残念だった。
後ろの方で冥軍の暇そうな連中はロータスがやった濃霧からの正体不明な脅しにザワザワ盛り上がっていた。

「さて。…それでは、始めましょうか。開始時間は―――。終了時間は―――。
楽しんでいきましょう?」

人間の艦艇は逃げ切ったかどうかは分からないが、威嚇はしたので
もともと、訓練の為に勝ちも負けもないのだが、兎も角。身振り手振り一つなく、淡々と、しかしながら、
本心から愉悦を滲ませたような口振りで、開始の宣言をする。

「全艦艇に告ぐ、水中からの攻撃を警戒しなさい。」

こうして、全軍への命令が行きわたると、享楽主義の連中はまた、ワイワイと騒ぎ出す。
海戦、それも艦隊を用いる時、一番警戒しなければならないのは船の弱点―――即ち船底への攻撃だ。
そして、水面、それも深海で潜れる彼等にとっては、優位を取りやすい場所でもある。
だから、こちらも潜水艇を水の中へ潜らせて、偵察術式と言う名のレーダーで船底を捉えられない様に警戒ラインを作っている。
水の中からの奇襲攻撃への対策だ。
そして、こちらの旗艦である一際大きな航空母艦、こちらにも大きな魔導機械を接合している。
これは、潜水艇や他の艦艇、或いは王国にさえない、異次元的な性能を持つ魔導機械。
その効果は、同じく、偵察術式をレーダーとして。しかして、その性能は段違いだった。ただ…それはやっぱりただの偵察術式でしかないのだが。
目では見通せない岩陰の向こうや、水底、或いは大空も。高精度、高性能に、探知を行う。
それらのレーダーが魔力探知として、大きな反応を見せるのは、恐らくロータスやダゴンの存在が上下に重なる向こう側と、
それから、水底に居るだろう"何か"の場所だろうか。また、小さな反応が水底から出てくるだろうか。