2022/09/19 のログ
ご案内:「◆ゾス村」にソティさんが現れました。
■ソティ > 星を読める訳でもなく、地域の知識に詳しい訳でもない。
行く先を王都とはっきり決めている訳でない少女の姿は今、元来た道を戻ったゾス村にあった。
一度メグメールの街道を歩いていた筈なのに、少し道を外れて散策をした結果である。
街道に戻れたは良いのだが、その街道を逆に向かってしまっていたのだ。
それに気が付いたのがゾス村が目に入ってから。
そんな状態から更に踵を返し進もうとするのだが、歩き詰めであったのもあって休息を取る事に。
本来は疲れを感じぬ体質であるものの、やはり気分的には休みたい、というものなのだろう。
「……」
数日前に王都に向かった剣を抱く少女。
それを覚えているのも村の者に居るが、そうした者達はその姿を見て首を傾げるだけだった。
人は宿に泊まるもの、そんな人の営みを模倣するように宿へと向かう。
■ソティ > 宿の場所は知っている。
前に来た時に一度泊まっているからだ。
数日前に見た宿の看板を確かめてから、その扉に右手を添えてゆっくりと開く。
鞘に収められた剣は左手で器用に抱えて。
『よぅ、いらっしゃ……ん?
なんだい、こないだのお嬢ちゃんじゃないか。
早いお帰り、って訳じゃないんだろ?どうしたんだい?』
そんな少女の姿に、新たな客を迎えようとやって来た店長らしき男が不思議そうに聞いてくる。
「……道、戻って来た、みたい…
また…お願い」
そんな店長の言葉に、彼が居るカウンター越しまで歩いて来れば。
腰に下げた小袋から必要分と思われる貨幣を取り出しコトリと置いた。
『お、今度はちゃんと金で払えたな、偉いぞお嬢ちゃん。
前に来た時は、あんな宝石で払おうとしたから焦ったものだ、良かった良かった』
ガッハッハッと盛大に笑いながら、カウンターに置かれた金を手に。
部屋の鍵と思われる一本が代わりに置かれる。
「……あの時は…無かったから…」
前に来た時、支払いを求められたのだが、金銭を持ち合わせておらず。
その代わりにと渡したのが、手持ちにあった宝石類。
明らかに釣り合わない価値の宝石だったのだが、正直者な店長だったのが幸いして、ついでに換金して貰っていた。
金銭の使い方、それは理解しているのだが。
少女には色々と欠けた部分がある。
■ソティ > どの部屋かは鍵に付いた札に記してある。
それを確かめてから鍵を手にすれば。
「……」
頭を一つ下げてから、その部屋へと向かって行く。
今日はこのまま休んで、明日から改めて王都へと向けて歩いて行こうと。
だから、今日だけはゆっくりと休むのだった。
ご案内:「◆ゾス村」からソティさんが去りました。