2022/01/09 のログ
メイラ・ダンタリオ > ゾス村 及び近隣の小村含む場所にて

昼のゾス村は少し人の気が薄かった
気温がさらに下がったことで雪が静かに降り始め、積もっては溶け消え、そして地面を凍らせていく
それは馬や車輪が難航する一つでもあり、蹄や荷馬車の車輪にきちんとした加工がなければ行き来も難しくなるだろう

ゾスをまだ孤立させてはならない
メイラは雪が降った夜を終え、進言 メイラに連ねる斬り込みに適した猛者ら
そしてその目的のために追従する騎士と雑用の雇われ者らと共に、様子を見に訪れていた
屈強 且つ 軽快な 二足大蜥蜴の背に跨り ギョウギョウ と弦を広く鳴らしたような声を上げる
その愛馬の首を撫でつつ、メイラはゾスの中は深く積もってはいないものの、薪の量 冬の蓄えを村長らに確認させていく

「深く積もれば、直にゾスは絶たれる
 その前に近隣の賊や獣を再度一掃する必要がありますわね。」

メイラは使い勝手のいいこの場所を失わせやしないと
村民も当てがないからこそ移動しない そして維持に努める働きはしているからこそ
まだここから根を抜きはしないだろう

好き勝手にする騎士の腹を裂き 賊の首を落とし 須らく王へ貢献している
その狂気にも似た忠誠心がメイラにあり、それを図らずとも見せつけている
故での結果だった

「蓄えはともかく、春の水溶けまで一度ゾスもタナールも絶たれる期間を考えると……。」

全身に首下甲冑とスリットマント 長槍 腰に直しを含んだ姿で、愛馬の首を撫で
その白い鼻息を見やる 寒さに弱い体は直にこの季節走れなくなるだろう
その前の最後の走りともいえるものの、着せてやった衣のおかげか、まだ牙も爪も鈍っていない様子だった

「お前の鼻も頼りにしていますわ。
 賊の垢にまみれた臭い 獣の臭い。」

そう言って、愛馬 いや、愛蜥蜴はコロロロロと静かに喉を鳴らし、顎を撫でる主へ瞼を細めている。

メイラ・ダンタリオ > 食料 集めた薪 最近の村々の様子
賊らは洞穴や林の中を住処とせず、小さな村すべてを制圧したとしたら、通りのない冬の間そこで過ごすことができる
ようは村人との入れ替わり同然のそれである

馬は乗り物に 牛や豚は須らく解体し肉にしてしまうだろう
酒も井戸も思いのままだ
しかしそれを良しとしないのが、こうした巡回である

「賊は慣れておりますが、獣は専門がおりますわね?」

周りの同輩らと、白い吐息でやり取りしあうのは猟師だ

魔獣 獣 冬眠しない狼などの群れも当然危険なものの
冬眠する獣は自身の脂身が足りなければ肥えようと村の者でも襲うことがある
ゆえに、道の痕 辿るべき痕跡など それらを任せ、全て刈り取る

魔獣や狼 熊のような者を全て周辺から掃ったとしても
悪戯狐や泥棒鼠らの数は変わらないだろうと踏んでいる

話をしながらも、顎を撫でる毛皮を着こんだ猟師らは
各々の意見として一つ上げた

『騎士様 できれば大型 もしくは魔獣がいれば頭骨をいくつか揃えたいもんです
 魔術と同じように、カシラを飾るって行為は警告になりやす
 ここに近づけば 同じようにしてやる それを示すんですよ。』

頭蓋骨
蛮族が良くやる行為とされるだろうそれは
言ってみれば脅しのように見えて、実のところ魔術要素が原点である
頭部という力が最も詰まったそれを用いることで魔除けになるのだ
道という字になぜ首があるか、それはここからきている。

「なるほど となるとそれなりの首が必要ですわね。」

賊などはともかく、獣避けには最適だと
狐や鼠などももちろん、遠ざける 逆に賢すぎれば効かないだろうが
理性がなければ本能で避けるものだと、納得のいく説明がきた。

「周辺の獣 小型も潰しながら刈り取りたいところですわね。」

毛皮も肉も、全て村に与える メイラはそう述べる
猟師の取り分を除いて、だが。

生肉を求める同輩らがいれば、ある程度だろう
村をつなげる為である。

ご案内:「◆ゾス村」にイリーナさんが現れました。
イリーナ > 村の狩人と騎士様のやりとり、そこに挟まれる一言は村の外からやってきた女の言葉。

「おっちゃん、偵察いってきたけど――今年は随分と奥まで行ってそうね……っと、これは失礼?」

村の外、獣が冬を超えるであろう隠れ家までの道なき道。
そんなところを進んでいたせいか、多少の草木や雪が赤いコートに付着している。
それを払いながらのご挨拶。

「こんな騎士様までいるなら、あたしは今年ご不要かしらね?」

そんな軽口を混ぜながら自分が探索したポイントが示された地図を狩人の頭、親し気におっさんと呼ぶ相手に手渡すだろうか。

『ばかやろう、いい目は一つでもおおく欲しいんだ。 今年も頼りにしてるぜイリーナ』

そんな返事に女、イリーナと呼ばれた赤目の女は軽く手を振るだろう。 わかっている、とばかりに。

「いただいた分の仕事はちゃんとするわよ」

メイラ・ダンタリオ > メイラ 同輩騎士 村長 猟師
集まったメンツでの話し合いの中、獣狩りをしている最中に賊が現れることはあるまいと結論付ける
仮に手薄とみて入り込み、盗めるだけ盗んだところで 痕をつけてしまえばもうどうしようもない
丁寧に枯れ枝で雪を掻きながら進むというのなら、それもいい

必ず 必ず追い詰める

メイラは三日月の口元 トラバサミのようなジグザグを描くギザ歯の嚙み合わせでそう呟いた

ゆえに今は頭骨を含めて獣らを刈り取る話し合いが進んでいると、猟師の一人がこう言う
村猟師ではなく、メイラ一同が連れてきた冒険者 猟師上がりの弓使いだ

『先に痕を探りに行った者がおりやす
 賊だろうが獣だろうが 痕を見つけるのは出来るハンテットがね。』

さて、そんな者が混じっていたかと思うと
先にゾスに滞在していたという
ようは、メイラが雇っている側ではなく村側で懇意にしている一人らしい


現れたのは、この寒気に合わせたものの身軽な姿
装甲よりも布地が目立つそれ メイラのような腰に下げるように
わかりやすい武装はなく、メイラの赤い瞳が毛先から爪先まで一瞥し
探る者としては身軽に動けている印象だった

メイラに対し、軽口を叩きながら自分は不要か? と確認をしながらも
必要に決まっていると応対される辺りを見れば、同輩の一人は口笛を吹いた。

『お嬢といてもあの感じなら、獣にビビりもせんでしょうな。』

「フン、確かに 気に入りましたわ。」

メイラは軽口を叩く女冒険者 追跡していた相手とやらに近づくと
猟師に渡された簡単な道筋を見やる
奥まで行っている それは村からは離れており 賊が気を伺う可能性を増やしている
そして奥まで入り込むということは―――

「冬眠の準備ができているのか はたまた誘い込むつもりかもしれなくてよ。」

メイラが呟いて周りが目を向けると、メイラは眉を顰める

「これを狙う間に他の獣と挟まれる、などを考えていただけですわよ。」

全部殺せば済む話では、あるけれど 

そう言ってメイラは目の前の女を見やり

「メイラ・ダンタリオですわ 偵察任務とマッピングという確かな仕事
 刈り取れた暁には上乗せしますわよ。 貴女も共に行くのでしょう?」

これを切っ先として、貫けるなら安いものだと初手の功労者に言葉を送る

イリーナ > 「冬ごもりに失敗、っていうのは今年はいなさそうでなにより」

少し、冷える。
口元に両手を添えながら息を吹きかける。
すませるべき報告はすませた、とばかりによけいな口は挟まず、村人と騎士様のやりとりを聞こうとしていたが――。

「――そこらへんは、この地で生きるおっさんたちを信頼してもらいたいですわね、と」

獣の気配には敏感だ、この地で生きる彼らならそういった危険の察知はお手の物である……と、願いたい。

「獣の相手をしてない騎士様たちだけなら、ちょーっと心配だけど」

なんて挑発気味に笑っても見せようか。

「イリーナ、ただのイリーナですわ。」

なんて礼儀も何もない名乗りを返し――。

「……そこまでの仕事分はいただいてるから」

同行するという意味を込めて静かに頷いた。

メイラ・ダンタリオ > 軽口を続け、おおよそ物騒な場所で使う者なんてほとんどいないだろう
メイラの令嬢口調を真似て語尾をつける様子
猟師の一人が おいっ と軽すぎるのもあれだとわきまえさせようとするものの
メイラはそれを片手で止めて、ニィッと笑みを浮かべるままに楽し気だ。

「イリーナ ね 覚えましたわ。
 貴女みたいな女は初めてですもの。」


クスクスと、メイラはイリーナと互いの名を交換し終えても
王都の腐った騎士 肥えた貴族のように 無礼者だえ などとすることもない
王以外は皆平等 使えるか使えないか 共にどれだけいたかでしか認識しない

メイラが楽し気にする様子も、同輩らは大したこともなく見つめ
猟師らもおろおろとするものの 何もメイラの何かに触れた様子もなさそうなら
イリーナのそんなやりとりや態度ももう咎める様子もないだろうか


「さて まだ深く積もってはいないとはいえ、待機する面子は必要でしょう
 弓笛はキチンとありますわね?」

矢を天高く放つことで、空気の通りで放つ鋭い笛呼びの知らせである
用意を確かめ、待機する間の薪も無駄にはできないだろう
組み立てることで使える鉄板のストーブもどきで、精々暖を取らせながらいさせよう

「猟師経験のある者は全て連れていきますわよ。
 雪がそれほど積もっていないから奥まで歩けはするでしょう。」

そう言って、メイラは愛馬のほうを見やる
こちらへと、黒爪を立ててノシノシとくる様子に首を撫で

「獣相手ではお前に乗るより、首をかじらせたほうがいいですわね。」

そう言って、戦力の一つとして数えながら向かうことになるだろう
獣狩りの昼が始まる。

イリーナ > 「それはどーも」

猟師からの言葉には小さく息を吐き

「やる相手はちゃんと選んでるわよ」

村人や猟師たちへのやりとりから、多少のご無礼は許してもらえそうだからとでもいいたげに。

「何事もありませんよーに」

そんな軽口を交えながら出発の準備を――。

「わーぉ、こわいこわい」
騎士様の愛馬の凶暴さに口を挟み――。

これだけ戦力があれば、今日は楽ができそうだと楽観視してか。

「獣の首を重ねて、夜は祝杯が挙げられそうね……」

メイラ・ダンタリオ > 【後日継続します】
ご案内:「◆ゾス村」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「◆ゾス村」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。