2021/11/14 のログ
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」にコルボさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 王都マグメール 街道 まれびとの道~ゾス村

朝から出発したメイラ・ダンタリオを含む狂人や出世の目のない、貴族の3男4男のような者
冒険者や女戦士 見込みのある者らを勧誘し、連れ立つ部隊
王城近隣 騎士の間でははみだしもののように扱われるだろう

斬りこみは戦の華 しかしそれが全員 まるで欲望と保身で際立つような
傭兵に身を任せるような貴族の部隊とは違い、全員が首級と戦に飢えた者らであるならば
狂っている 近づきたくない が相場である

しかし、戦力としてみるならば申し分ない
そんな一部隊を混ぜ込んだ補給部隊
タナール砦 アスピダを繋ぐまれびとの道を行く先は、ゾス タナール アスピダへと救援物資
及び重傷者と交換し合う人材である

メイラはこの時、朝から出発した一団の中で先頭に近い位置で黒い鎧に身を纏う
長いその黒髪も結んだ姿は、街中や城の中とは違い、戦場の装い
傍の供回りは歩兵としてメイラの扱う長い黒槍を携え、メイラ自身の腰には身幅のある
双子鉈剣が後ろ腰に生えている

跨るそれは、爬虫類か 二足で立ち上がる姿は地味な色合いにより暗い色た垂れ広がる迷彩色
黒いかぎづめを持ち、少し突起している口元はメイラと同じく鮫のようなギザ歯が生えそろっている
まるでどこかの地層から蘇ったかのような、竜と蜥蜴の間のようなそれにまたがるメイラ
理由は簡単 馬の飛び出る首が邪魔だからだ

飼い慣らしたと見えるそれに鞍を付け、銜は付けずにその口周り
開口を邪魔しないように手綱を敷くのみ

二本脚で低い姿勢で、馬とも猪とも鹿とも違う 爪と肉の前三つ指 後ろ一つ指の脚痕が続く

『ゾス村、現在どうなってるんすかね お嬢』

供回りが、気さくに声をかけるのに、メイラは手綱を空ける片手で顎を その手甲の鋭い爪先がカリッと撫で

「きちんと管理されていれば言うこと無しですわ。」

『……してなかったら?』

「わたくしは、王の為に動きますわ。」

そう言って、メイラはゾスがどんな目にあっていようとも
その時の行動をするだけだと 綺麗な騎士や綺麗な心とは裏腹に
現実には現実を以って対応すると述べた。

コルボ > 街道を向かう一団、それ等とは対照的にこちらへ近づいてくる人影が、気づいたように片手をあげる。

「ああー、いたいた。おーい、令嬢さんー。」

 片手をひらひらさせながら呼び止めるのは、貴女が斥候役として雇い、先んじてゾスに向かわせた男。
 懇意にしているイーヴィア氏、彼が経営するヴァルケス武器防具店につい最近臨時店員としても雇われている男。

「綺麗な不意打ち喰らって真っ先に騎士団共やられてたわ。雇われてた奴等も応戦してたらしいけど、
 勢いに流されて男は殺して女は犯せってな具合だったよ。

 後捕まってる女共はいい具合に上玉が揃ってたけど早く拾い上げないと
 使い潰されるな。」

 一団の歩調に合わせて歩きながら簡潔に説明。
 状況としては劣悪。よりによって連度の高い騎士団がまさかの瓦解。
 闇夜に紛れて奇襲でも受けたのか。

「後見張りは3交代制、穴があるのは村の北西の警備。襲撃した一団の中でも新顔なんだろ。
 すげえやる気ねえ感じだったわ。
 総勢は40。まー、ぼちぼち錬度は高いっぽいが、令嬢の前菜ぐらいにはなるんじゃねーか?

 メインディッシュは助けた女達な」

 三枚の紙を貴女に渡す。
 一枚目は簡易的な村の見取り図と配置。
 二枚目は標的達の簡易的な行動経路。
 三枚目は捕まって慰み者にされている女たちのリスト。目測の3サイズと点数が書かれてる。

「一応捕虜の女冒険者達には簡単な武器は差し入れしといたよ。」

 ひとまずやることはやったと言わんばかりに隣を歩きつつ。
 自分から後ろに乗るなどの要求はしないみたいで。

メイラ・ダンタリオ > 向こうからやってきたのは、身軽で軽い足取り
今だゾスとは目と鼻の先というわけではない
故に声は大きくも小さくもなく、集団の中でもメイラのみに向かってくる姿

顔見知りというわけではない
一方的にコルボがメイラ・ダンタリオを知っており、メイラはコルボの能力を買ったのだ
優秀な斥候として。

供回りとは反対の位置に陣取り、状況 配置 そして囚われの女冒険者のところにまで忍び込んだらしい
まだ味見されていない連中だと言うが、それはある意味で悪手だ
死ぬくらいならば、一矢報いるという気持ちになれば、死ぬ者らが増えるだけである

しかし、コルボは来ている 来るまで耐えるよう説明を添えていた
やる気のない貴族よりも、やる気のある狂った連中のあるほうがいいだろうと言葉を添えて

「……3サイズ?」

ヒタヒタヒタと歩く二足大蜥蜴のようなそれにまたがるままに、書き記したものの詳細
満足気にしながらも、周りの補給という作業 往復用の命が長いかもしれない部隊
交代要員用の覚悟は決まっている部隊
そして暴れ回り、王への忠誠 そして金ができればそれでいいと言わんばかりのメイラ一同
それらの中で、メイラは独り囚われ、味見済も含めるのか3サイズまで作っていた
じっくりとみたわけではないだろうに、目の範囲が効くという証拠だろう

おふざけよりも、その能力幅をメイラは買うように、ギザ歯は弓張月を描く

『……。』

横で見る槍持ちの歩兵は、既にやる気で充ちているものの
一番厄介なのは逃げられることである
固まっている者らほど仕留めやすく 散り散りに街道を離れて逃れる者らを
一匹一匹仕留めることは難しい

メイラは言う

「連中の馬の配置は此処ですのね?」

襲う連中は、盗賊らの集団
盗賊らは回収率と逃げ足が命ながら、今はゾスという中間地点での
残留部隊の終末に余裕めいていそうだ
足となる馬の配置を確かめると、メイラは告げる

「全員足音を抑えなさい
 補給部隊は悟られぬようこのまま遅く 蹄を静かに。

 強襲部隊を造りますわ わたくし達に付き、王の覚えを良くされたい者は?」

剣を 槍を携えて望むもの 実に15名

「よし わたくしの乗り物ならば静かに早くもできましょう。
 この北西より回り込んで侵入 残り部隊は今から5分後に蹄を高々と上げて

        殺 し 尽 く し な さ い  

                                     」

そう述べたメイラは、愛馬に命じる
首を撫で、ポンと叩いた

「往け」

喉から、まるで静かに野太い笛のような
いや、太い弦で掻くような声を上げると、奔り出す
最中、メイラは差し出された槍を掴み、左側に位置するコルボに手を差し出した
コルボ、その手を読み、奔り出すのならば、手を掴んだメイラは
軽々とその腕力でコルボを後ろに跨らせる。
乗るスペースもほぼ無きに等しいそれを
コルボは体の姿勢を変え、真っ直ぐに伸びた尾が落ちることを防ぐ

街道を途中から林に付き込んだ姿
槍を脇に携える儘、二人を乗せて尚 主以外を乗せることに文句を言うような愛馬
しかし脚の筋肉は萎えず、爪立てるそれは苔生す土であろうと滑ることもなく走り続ける
コルボはメイラの後ろで、獣のように奔り林の間々を抜けていく乗り物に対し
メイラにしっかりと抱き着いてタンデムするという 珍しい機会になった。

コルボ >  名を知っていても相手は王に忠義を捧げる狂人の家系。軍属の中でも突出した存在。
 名のみならず勇名も聞き及んでおり、故に知ってはいても接触することは控えていたのだが、
 あちらから声がかかった時は少し意外だった。

 それでも”どこにでもいるカラス”としていつの間にか情報を仕入れ、必要な情報を国の上層にも流す男の噂は
遠からず耳にも入るのだろう。


「女とヤりたいだけじゃなくてじっくりと見てりゃそのうち見ただけで分かるようになるもんだよ。
 令嬢だってそうじゃねえの?」

 疑問めいた呟きに何食わぬ顔で頭の後ろに両手を組みながらつぶやきを返して。

「ああ。主だった馬はそこでいい。一応隠してる馬が三頭、☆印つけてる建物に潜ませてあったが、
 飼葉に薬混ぜといたからもうじきまともに走れなくなるよ。」

 いざという時の保険、親玉の退路の為なのか隠し球にもすでに対処していて。

「……」

 作戦は決まる。鏖殺。その為の段階を刻み、戦果の向こう側を明確に提示して
 戦意が高いものをまとめあげる様に目を細めていると、

「こっから先は別料金、って言いたいが、たまには修羅場に戻るか」

 差し出された手を掴みながら引き上げられると共に自らも地を蹴り背後に位置取る。

「……キワモノかと思えば、爪が持ち味か。」

 内心”女好き”として自分を後ろに乗せるものではないと思っていたが、
 しっかりとその腰に腕を回しつつ爬虫類を一瞥する。
 家畜として飼い慣らされた軍馬と違いおそらく彼女が躾け、従わせた異形。
 馬に劣らぬ脚力、それ以上に『地を捉える爪』に目を見張る。
 それがしっかりと走破性を持たせ、おそらくは斜面であろうと問わず走り抜ける。

 人の改良が生み出した性能とは対極、過酷な環境、生存競争が研ぎ澄ませた奇跡のようなもの。
 それは、自分が掴まっている狂人にも通じるものがあり。

(ま、ここまでやる奴は”普通”からすれば狂人に見えるわな)

 不可能や非常識を選択肢から外すことはない貴女の在り方を以前から観察していた男は
どこか納得したように後頭部を見据えていて。

「首は上げるつもりはないが、敵前逃亡はしねえから安心してくれや」

 自分の役割は首級を挙げることではないと端的に告げて、

「取りこぼすようならかっさらうがな」

 獲物をかすめ取る黒い鳥の如く、獲物を、林の先の村に陣取る”敵”を見据える。

メイラ・ダンタリオ > 岩があろうと 段差があろうと 隙間を縫っていく 上にまたがる主の幅で。
道ではない道 獣だから通れると踏んでいるそこを、愛馬は駆けていく
主が命じた場所は、主が手綱を引き、方向を示すだけでいい
ただ道なき道を行き、苔生すそれで朽ち倒れた丸太を飛び超えながら、爪の一掻きが丸太を蹴る

「好いでしょう? わたくしの愛馬ですもの……っ
 着き次第 馬は任せますわ……っ」

女の重量 黒真銀の軽さ 其処に身軽な男の重量を乗せ、槍まで在ってもまだ耐える二足
前傾姿勢でバランスを取り、主もそれに倣うように槍を控えて頭を低くする
コルボがしがみつくそれを、なんとも思わないそれ
女好き 優秀な血を攫う そんなメイラの黒鎧に抱き着かれたからといって
凹凸がもめるわけでもない メイラに今あるのは、肉欲ではないのだから
そしてメイラは、コルボを役処はこの場で終わりではないだろうと
北西より侵入し、その脚の早さで馬を逃がせと言った

そして、林の中を駆けていく獣の足音は、蹄とは違う 馬とは違う
故にゾス村に駐在していた旅団か 盗賊か わからない連中が見る北西真正面より少しずれた林の中
影は色を帯び 色は形を帯び それは全体像を映し出すころには
跳躍したメイラの愛馬と同時に、コルボをその場から飛ぶように降ろすのならば、爪牙を剥く

『―――ギュエエエエエッ……!』

太い弦で下手に掻いた様な音
北西より外れから飛び出した、メイラから一つ重さが減ったことで
かぶさるように愛馬が爪を肩にたてて押し倒すのならば
狡猾な二足大蜥蜴はそのまま身体を反転させながら、爪で下敷きを抉る
尾撃によるもう一人の見張りを薙ぎ払い、口元は喉に突き立てられた
しかし食事というわけにはいかない

周囲を広がって警護していた者 建物の中で楽しんでいる者
二つに分かれているうち、散る方をメイラは槍を手に襲い掛かった

身が軽くなったことで、愛馬はより狂暴だった
弩が数発来たところで、主が馬よりも自由度が高い騎馬上で
その長い黒柄槍を奮い、矢を弾いていく

戦闘意欲でメイラの口の中は、湧き出る人体精製興奮物質の分泌で一杯だった
赤い瞳が、矢の一つ一つがくっきり見えているかのよう
騎乗上のギザ歯と、下のギザ歯は同じく弓張り月を描くかのように、口端は角を描いている。

追いかけ、槍で馬?上から排除する槍
馬ならば片側からしか攻められない図は、目の前に首が立っていないせいで
正面左右 どちらからも槍で餌食にしていく
殺すよりも、動けなくする その一打 一刃に効かせるのは、効率の為

やがて範囲が終わると、外へ逃げるもの数名
馬が無理となれば、もはや徒歩 愚走しかない
メイラが愛馬から降りるのならば、血の味で機嫌がいい愛馬の首を撫で

「同輩同僚を噛んではダメですわよ? 行きなさい。」

そう言って、愛馬は独り、逃げ出した逃走者を刈る為に動き出すように 道無き道へと消えていく

コルボ > 以前似たような感覚はあった。
友人の、風俗仲間のスピサと出会った時。
単眼とは言え見目も良く、巨乳で普段なら確実に食っているところだが、
まったくその気が起きなかった。

最近になって自分の傾向というか特性に気が付いたが、
どうも自分は”食う側にしか絶対ならない女性”が見分けられてそちらには食指が動かないらしく。

実際貴女にしがみついていても、スタイルより先に前方の村に意識が集約していて。

「血肉が好きそうな愛馬だなほんと……!
 そういわれると思って、丸太一つ落とせばデカい音で逃げ回るように細工してあるよ!」

 人に飼い慣らされた馬は必ず人のいるところに戻ってくる。ある種の帰巣本能。
 であれば、盗賊達から引き離して追い立てて逃がせばいい。

「んじゃここで一端掃けるぜっと!」

 クロスボウを構えながら跳躍する愛馬の逞しい躯体を蹴って跳び、
 向かっていく貴女の前方で弩を構える盗賊の一人の頭を射貫く。

 貴女へ向かう弾幕を減らしながら着地し、馬を繋いでいる柵の一か所へクロスボウをそのまま全力で投擲する。
 緩めていた留め具が連鎖的にはずれ、ガラガラと音を立てて柵の一角が崩れ、
 合わせて怒号、咆哮への駄目押しに恐慌を起こした馬の群れがあらかじめ切れ目を入れられていた手綱をちぎって方々に走り出す。

 そちらに遅れて出てきた盗賊達の目が向かう中、意識から逸れるように物陰を伝い、
 捕らえられた女達が軟禁された”風呂場”にたどり着く。

「おーオーお楽しみ中だったか」

 窓から覗き、まさに盛っている一人のこめかみへ無造作に投剣を打ち放つ。
 それで叫ぶ女もいれば、枕元に隠していた短剣で相手をしていた男の首を搔っ切る者も現れる。

 その投剣が蜂起の合図で、逃げまとう女が内側から扉を開いてしまえば滑り込み、

「顔に傷ついてねえな。ちょっとしゃがんで隅っこに隠れてろ。」

 逃げようとした女性へあえて建物の中に潜むように促しながら残った”客”を蜂起した冒険者と共に制圧していく。

 油断しきったところ、ましてや女を抱いて自分だけは安全という、根拠はないが
生物としてある種逃れられない油断を突いて次々と”客”はこと切れていく。

「俺が出たらお前らはとりあえず籠城しとけ。こっちに気を割く奴はそうそういねえだろうけど
扉抑え込んでりゃとりあえずどうにかできる。」

 冒険者達に身の安全を確保させると、再び戦場と化した村に身を躍らせる。

メイラ・ダンタリオ > 時間差は5分
蹄に気づかず、逃げれもせず、戸惑い 散り 応戦も含め
20名から間引いた残り十数名 それらがメイラとコルボによる単騎同士といえど
陣の中では連携が成り立つ殺し合いが始まった

槍を携えるメイラは、黒の全身甲冑 その姿で奔り出す
クロスボウで一撃を終え、用意周到に馬達を仕掛け一つで逃がした罠と効率の術を魅せたコルボ
逃げという一手を潰した後は、残りをどれだけ屠れるかによる
既にこの村周辺という中で、ゾス以外の村に逃げ込むか 将又別の場所へ逃げるのか
それは愛馬の狩りに任せている あれは恐ろしく鼻が利き、狡猾で、そして鋭い

愛馬の狩りを心配することもなければ、その反撃も恐れない
あれの首を刈り取ることも、一撃弩を中てる前に木々の中へと翻すだろう
だからこそ、何の憂いも無く応戦するもの 逃げる者 それらをメイラは追う
この場で必要以上に逃がすわけにはいかなかった

騎士道に則るならば、村人の安全が第一であるだろう
しかしメイラは、首 首 首 見えているのは有害その者らのみ
大笹穂で貫き、それを持ち上げるままにもう一人へと、その怪力で投げ飛ばして転倒させる

振り抜いた時もあれば、振り返す石突の大百足が足の首を掻いて走れなくする
一部一部でいい 腹を 足を 片腕胴諸共を、黒鉄で覆う竹節柄が殴りつけると折れる感触が数本

槍持ちの、間合い攻めや薙ぐようにするのではない 獣のような走破と延びる間合いに身を任せている
なにより、黒い、やや禍々しい鎧 特性の威圧と剣気がメイラの狂気と合わさって怯ませている
弱い者苛めではなく、必要要素と重なり合うそれと共に、薙ぐ視界には、人質小屋となっていた走り書きの地点
其処では既に仕込みを終えていたと語っていたコルボが、この騒ぎに生じて始まったのだろう
武器を渡していたというそれに任せ、暴れているのだ

好き勝手に口の中で 尻の中で 膣内で犯されていた姿 ぼろきれ布の姿であろうとも
結ばれていた縄を斬り準備を終えていた冒険者と村人は 復讐と狂気に燃える
何もできない心折れた者らだけが、隅で身を畳み、事の顛末を見ている

赤 赤 赤 悲鳴 悲鳴 悲鳴 赤 赤 赤 嗤い 狂笑 怒号

その様子を、耳で拾い上げているのだろう
中の障害が終われば立てこもりに走るようで出てくる気配も覗くそれも感じない

「 ア ハ ハ ッ」

メイラは笑う 嗤うということは好いことだ
好戦的を示し、攻撃意思を示す どうとらえようと構わない
ここでは笑いは、恐れを増やし、逃げを選ばせ、蹂躙に変えていく
十二分に犯し終えたのだから、十二分に殺せばいい

「 ハ ハ ハ ハ ハ  ハ ハ ハ ハ ハ ハ ッ !!」

狂戦士と、誰かが言った
そしてメイラは、逃げる数名をジグザグに歩を進めて狙いを定める
右手には槍 足は選ぶ 数名が重なり合う地点を。

「―――っ!!」

そして投げ射る 大笹穂黒槍
身を乗り出すほどの、片足立ちで投げ放った肩
真っすぐに飛ぶそれは、数人を斜線で描き、胴三つを貫き、まとめて槍でつられて倒れ伏す。

コルボ > (にしても)

 ふとメイラの愛馬を思い返す

(馬と狼を足したらあんな風になるんだろうなあ……)

 そう思ったのは愛馬を自由に放ったのを視界の端に留めていたから。
 生態はよくわからないが、おそらくあれは群れで狩る類の生き物なのだろう。
 そんなものが主を得て、飼い慣らされ、己の生き方を殺すことなく活かすものに従う。

 馬のように大型で狼のように獰猛な追跡者。

(装備は良いんだよなこいつ等)

 軍馬にも抱え上げられそうな馬を仕入れ、奇襲とはいえ連携が取れて騎士団を制圧した手並み。
 盗賊というには統制が取れた彼等の唯一の過ちは”ゾス村に滞在し続けたこと”

 元より中継地点の意味合いもあるこの場所に滞在して討伐に来た騎士団だの冒険者を返り討ちに
 更に稼ぎを挙げようとしたのだろう。

(一発ハズレ引きゃ終わりだし、この国にゃジョーカーがいるってのにな)

 まさに一発目のジョーカー。狂犬。狂人とも評されるメイラが逃亡した盗賊達三人を投擲した槍で一つなぎにする様を眺めて、
 ……うち一人が、腰に下げていたクロスボウに手を伸ばそうとしていたので
 眉間に投剣を放ち即死させて。

「あ、令嬢ー、そっち一人やんちゃ行ったぞー」

 大楯に大斧。貴女に比肩する膂力でも騙ろうというのか体格に恵まれた盗賊が
 貴女に突撃していくのを見やって

「とりまこっち、頭目あぶりだしてくるわ」

 言いながら腰の後ろに固定していたヴェリトゥムを引き抜くと、
 盗賊の大楯目掛け、身をひねり、力を溜め、全力で打ち放つ。

 ヴェリトゥムに求められるのは殺傷力ではなく、防御を殺すこと。
 大楯に突き刺さり、余計な重心として食い込む重り付きの短投槍は盾の機能を殺し、
 向かっていくメイラの攻撃を受ける余地さえなくすだろう。

「つーかこんだけやられてんだから様子見に来いよ」

 ぼやきながら、狼煙に使う薬剤を詰めた薬包紙にまとめて火をつけると
 元町長の家、盗賊の頭目が陣取る屋内にまとめて投げ込んで。

 やがて煙に燻し出された虫の如くせき込み涙を流しながら男達が飛び出してくるだろう。

「後は、村の外に逃げた奴とかがぼちぼちか……?」

 頭目の首級を挙げるのはあくまでメイラで、自分は傍観、しようとしていたが、
 頭目に付き従っていた一人が向かってくれば、フセットで受け流し、マインゴーシュですれ違い様に喉を裂く。

 狂気に満ちた笑いを振りまき恐れを、圧を振りまく貴女とは対照的に
 静かに、気配もなく、殺気もまとわず、一人の首を落として。

「つーか誰とヤるかなー。令嬢と被んなきゃいいけどなー」

 頭目に背を向けながら、すでに、終わった後のことに意識が傾いて村の外を見やる。

 頭目がこちらに意識を向ければ、斬りかかろうとでもすればいい。
 それより先にメイラの凶刃が届くのが余程早いに決まっている。

 知っているのだ。狂人と謡われる貴女の刃は、この国のどこにでも届くのだと。

メイラ・ダンタリオ > メイラが薙ぎ コルボが暗躍し うまく動けなくする
メイラは悪目立ちすればよかった
注目を浴び 受けて立つか逃げるかをする
逃げる選択をする者を中心に殺し、ある一定の方角の者のみは逃がす

それは行かなくても済む者が既に林の中で 森の中で暗躍しているからだ
村々方角へ行かれなければそれでいいように、長槍を貫かせ
繋ぎに変えたザマができあがると、メイラの体は返り血も今だ少ない
打撃も交え、間合いもあり、尚且つ血を浴びるような行いが少ない

コルボの煙幕援護は、立てこもっていた内部
村長自身がどうなっているかなどは知らない
せき込み出てくる者もいる中で、長槍を失ったメイラに
今だと特攻してくる斧使いが見える

槍から躯を引き抜くことはもはやかなわないと踏んでいるのだろう
大笹穂の先端と、三つを引き抜くのがどれほどの手間かと踏んだのだ。
そして、コルボが妙な支援をしているのには赤い瞳が開く

短槍か 鉄の杭か 投擲し、盾を穿つとそれはただの重りとなる
しかし穴を穿つことでそれは盾の耐久度を殺した
黒いそれは、まるで極太の抽籤を思い出す
クロスボウを極小化し、袖に仕込ませたような暗器だ

「嫌がらせは逸品ですわねぇ。」

そしてメイラは、投擲した後の槍をチラリと見る
メイラには術があったものの、突進してくる斧使い相手に、メイラが行った行動は決まった
無手となったメイラへと盾を前面に構え、斧の一撃が振り下ろされる
盾を構えている為懐にも入れないそれ
メイラは、腰の半月包丁のような、先端だけ斜めに切り落とした双剣を一刀抜くと
振り下ろされるそれより向こうへと突撃した
斧は、盾の向こう側へ振り下ろされる
振り下ろし斬るよりも先に、盾に対して刃を構え、突き込む姿勢で突撃した

力と体重 突進力に対し 斧の一撃は柄が肩に衝撃がきただけ
剣の根本は先端よりも斬りこめないという利点と同じく
握り根本の柄なんぞ、イーヴィアの造った鎧に対し打撃の衝撃が来ようとも
骨にこなければなんということはない

「■■■■―――っ!!」

鉄と鉄がぶつかり合う衝撃音と共に、半月鉈は切っ先が盾に触れると
穿たれている傍から入った弱い部分から食い込み、貫き、斧の主の肋骨を砕いて臓腑を貫く
倒れ込む大柄な体躯 盾に入れた一突が貫いたのなら、まだ息がある
次の斧が振り下ろされる前に、もう一方の半月鉈を引き抜き
斧に添えると流され、地面へとスカした撃
目の前で血泡を吹く姿に対し、右肩に突き刺さるそれは攻撃の腕を破壊した

そして始まるのは、殴打
そう、殴打による撃が、黒いガントレットで包まれたそれで、兜ごと殴りつける
マウントポジションによる 被っているものはバケツか何かかと
殴打による言葉違いのバケツリレー
拉げた形が頭部をとどめなくなったのならば、両方の半月鉈を引き抜き、立ち上がる
振り掃い、一回転させた鉈が後ろ腰の鞘へと収まれば、場は5分経過
増援部隊の到着と共に、親玉がせき込み出てくる場所は
終わりを迎えようとしていた。

コルボ > 本来制圧する軍などというものは代替が効く平均値が高いものの集まり。
だがここへ来たのはおよそ正面から当たっては制圧出来ない突出した単騎と、
既に村を制圧した戦力を把握し尽くし、詰将棋のように手を潰してくる何か。
真正面から潰され、側面から阻害され、騎士団を瓦解させた盗賊達の連携は丁寧に寸断されて潰されていく。

「予定よりはええなこれ」

二人で始末を想定はしていたが、それ以上に逃げた盗賊を潰す手間を”愛馬”が潰してくれたのも大きく。
あと村長のことは特に考慮してなかった。
多分殺されてるか縛られてさるぐつわでもされてるなら煙の影響がない床に転がっているだろう。

「戦場に嫌がらせもなんもねえだろ? 死んだ奴がわりいんだよ」

 本人からすれば絶妙なアシストのつもりが嫌がらせ呼ばわりで苦笑する余裕さえあって。
 それもメイラの戦力あってこそのものなのだが。

「ヒュゥー……ッ」

 鉄と鉄の激突。だが押し勝つは衝動。何よりイーヴィア作への絶大な信頼が一歩を踏み込ませる。
 双剣と斧の交差。狙われるは短投槍、貫通し身を抉る穂先が盗賊の臓腑を潰す。

 しかしそれで終わらず、マウントを取っての殴打撲殺。

 おそらくは盗賊団の切り込み役、最大戦力が潰されるのと頭目の戦意が途切れるのは同じくして。

「駄目だろ? 司令塔ならちゃんと現場把握してなきゃよ。
 いやー、お前さんが奥に引きこもってくれて助かったぜ。」

 遅れて聞こえる砂煙、重く響く軍馬の群れ成す音。
 遅れてきた増援部隊が村になだれ込み、辛うじて息のある盗賊や頭目を捕縛していく。

「令嬢ー、カタついたし事後処理はこっちに任せて俺等あっちでしけこまねえか?」

 尋問などはメイラの部下に任せて、と、顎で指すのは”風呂場”のほうで

「燻ぶった矛先ぶつけるところがいるんじゃねえの?」

 相手は自分ではなく、救われた女達であろうとニィっと笑って

メイラ・ダンタリオ > 武器を使い 使い切って 最後には殴打で仕留める
まるで武器が通じないからと絞殺した豪虐武人のような光景
増援部隊の到着後、動けぬ者らを捕縛し、まだ動ける者らを制圧する姿は士気もたっぷりである
なにより勝ち戦で恐れる者はいない

家に帰れると思う者ほど戦場で勝てはしない
戦場で思う存分好き勝手にできると思う者ほど、突き込んでくれる
その光景が広がる中で、メイラには同輩一人が槍を引き抜いて手渡してくる
槍は全身が赤で濡れていた
足元の潰れたバケツ男から適当に引きちぎった布で抜き取り、具合を眺めるのならば
残党狩りが始まるだろう
この者らの本当の寝床を襲撃するためには、一人も逃がせはしない

愛馬の活躍にも期待しながら、遠くで弦を下手糞に弾き鳴らした声がする
愛馬の声だと、首を向けていると 捕縛されている親玉と残り一同の傍ら
コルボが声をかけてくる 労いと共に、メイラは満足げな笑みを今だ描いている
赤い瞳は気が収まっておらず、両手は濡れていることはなくとも
互いにアシストと暴虐をたたえ合うだろうか

「見事な斥候とアシストでしたわ、コルボ
 貴方、わたくしのところに来なさいな。」

優秀且つ真面目に暴れられる者は歓迎だと
コルボにメイラはさっそく勧誘した。
しかし、コルボは風呂場に行きたいと、村のストレス解消の場でもある風呂場を指す
だが場が終わった直後の解放感の中ではまだそれは足りない

「事が綺麗に終わったらですわ。
 アジトの把握 躯の片づけ 補給物資を村へ分け落ち着いてからでしょう。」

そう、今だ昼間の惨劇なのだ
終わり方付き、総てが済むのは夕暮れからだろうか
現金収入を支払い楽しみたいのならば、夕暮れ時からだろう
部隊はゾス村で一夜を過ごし、翌日タナール砦へとまずは向かうことになるのだ

村々の修繕や状況にも人員を割くだろう
これはきれいな騎士道と呼べるのか?
否 全ては戦場の為 王への貢献の為である

補給部隊到着後もコルボはメイラに今だ許されず
ただ傍で

「娼館ですが、わたくしはこの金髪のバスト98の子がいいですわ。」

等と処理の合間に、先のメモ書きの一人を指しながら言うなどしつつ
同輩が周りに集まるころには、コルボとメイラに譲りながらもじゃんけんがはじまったりしたとか

ゾス村の娼館目当てでいたその他貴族の騎士や肥え豚鎧包みはといえば
王以外の命令など槍働き次第でしか会話も成り立たないだろう狂犬に
モノ申すこともできず かと謂えど被害を受けたあとの村の生娘を手を出そうものなら
第二の襲撃盗賊と同じ扱いを受けるだろうと踏んでいる

目の前のメイラ・ダンタリオは狂い、傍には耳ざとい斥候 コルボがいるのだから。

コルボ > 「馬鹿言うなよ。鳥かごに収まる”カラス”がいてたまるか。
 でも令嬢とやんのはすげえ楽しかったからな。次から報酬半額でいいわ」

 王からの絶大な信頼を有する狂人、その勧誘。
 しかし彼はそげなくそれを蹴って、しかし戦友だと認めるように笑って。

「っ。マジかよクソっやっぱ被るな、あぁー。しゃあねえかメイラのほうが雇い主だしなあぁー。あぁー!
 その代わりどうやって堕とすか見せろ。ダンタリオのテク見せろ。
 だったらそいつ譲るから。いやメイラのこた女と思ってねえからテクだけ見せろ!」

 金髪の98。予想通りというべきか狙いが被ったことへの譲歩としてそんなことを言い出して。
 いつの間にか令嬢から呼び捨ての有様で。

「ヤりてえからとっとと終わらすぞ!
 つか部下に丸投げしねえってどんだけ律儀なんだよどこが狂人なんだよ
たまには世評にあやかりゃいいじゃんかよー!」

 なんだの愚痴だの吐きつつ真っ先に”カラス”は村の事後処理、主に数字や被害の見積もり、分配に至るまで書類を真っ先に仕上げて提出するだろう。

 すべてはこの戦いで得た”友人”を労う時間を造る為に

ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」からコルボさんが去りました。