2020/09/17 のログ
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」にフルーアさんが現れました。
■フルーア > (些か不本意ながら。少女も半分以上はニンゲンである。
生きていく為には衣食住が必要で。それ等を得るには金銭が必要だった。
金策という行為にも、あまり縁が無かったものの。暫く転がり込んでいた王都の知人に、「依頼を受けてみるのはどうか」、そう紹介されたので。
何でも良いから戦力募集、という触れ込みに釣られ、あれよあれよ、何とかいう旅団との戦端に来る事となった)
「…ニンゲンか。相手はニンゲン。まぁ良いけどね――」
(正直、種族によって特別感傷を覚える訳でもなし。
そんな訳で二、三日前から村に留まり。街道や山岳方面へと行き来する兵士達を眺めていた)
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」にエイガー・クロードさんが現れました。
■エイガー・クロード > そんな折、戦端というものは非常に配置される者は少ない
そして今、王都から新しい騎士が派遣されるという事になって他の兵士たちはすべて他の戦線に移された
そうしてやってきた騎士は……たった一人の、奇妙な男だった。
顔は端正ではあるが女性のような化粧をして、その右腕は丸々鋼鉄の籠手が着けられている。
馬に乗ってやってきたその騎士は、周りを見渡して言う
「…こんな辺境に私一人だけ、ね。……傭兵が一人いるって聞いたけど誰かしら?」
そう、疑問の声を漏らした。
■フルーア > (もっとも。この村自体が戦場になっていたのは、少しばかり前であるらしい。
多くの兵達、騎士達は、攻城戦その物へと送られて。村その物は名目上、王国によって解放されている。
駐留する兵士や傭兵が、ちょっとした騒ぎを頻発させていたりもするらしいが、その辺は。来たばかりでは知る由もない。
牧歌的なようでいて。その実、空虚な空き具合を晒している村の中)
「…ん…ー――……?」
(ぽくぽくと蹄の音が近付いてくる。アスピダの方から退いてきたのか、新たに王都から送られてきたか、騎乗騎士が約一名。
遠目に見え始めた姿を、薄目で見やり。それから、ぁ、と小さな声を上げてしまった。
その人物に、見覚えが有ったから。
という事で。彼がもう少し村へと近付いて来たのなら、真っ先に気付くだろう。
見張りの兵士やら尻目に、にっこり、実に裏の有りそうな笑顔で手を振る少女の姿に)
■エイガー・クロード > 道中を案内するような存在もなく、地図とここへの道を外れないように考えながら来た
一部、左遷だとかそんな風に口さがない者どももいたが、仕事は仕事
何よりも、こうして何かの任務が具体的にあるのは久しぶりだった
……そうしてやってきた村は、なんとも……空っぽだった
「(はぁ、左遷とかいうのももしかしたら本当なのかも。『上』の貴族たちは私のことがよほど邪魔らしいのね)」
そう、憂鬱そうに息を吐いた
もう一度村へと近くなったため目を向けたら……
意外な少女が、そこにいるのを発見した
相変わらず白い、そして表情が一々なんとも陰があるあの子
しかし誰も知り合いがいないこの状況では一種のオアシスのようだ
もっともそのオアシスの水や植物は少々手を付けるのは憚られるが
ともかく、一度馬から降りて、馬と歩いて一直線にその少女の元へと向かった
「偶然ね、元気にしてた?」
■フルーア > 「や、ぁ、この前振りだよね…?そっちも、元気にやって――
やってなさそうだね。どうかしたの?」
(ひらひらと手を振っていたのなら。矢張り先方は気付いてくれたらしく。
馬毎此方にやって来てくれたところで、挨拶…それはもう、実に気軽な。
暫くぶりに再開した昔馴染み、とでも言わんばかり。
実際を言えば、会うのは今日で二度目でしかないのだけど。
そして。気安い言葉は、何とも中途半端に、疑問形へと変わってしまう。
背の高い馬の上、当然見上げるしかない、相手の顔に。
何やら重苦しい物が浮かんでいる事を。見てとってしまったのだろう。
小首を傾げるようにしながら、とつとつと歩み寄っていく。
その間、村の入口に立った兵士は。胡乱げな眼差しを、二人に向けてきたりはするものの。
きっと、遙かに偉いだろう騎士の姿に気付いていても、その場から動こうとしなかった。
持ち場を離れない律義さ故なのか。退屈な任務に気が抜けているのかは分からないが)
■エイガー・クロード > 「あー……頭が化石になってる人達から、ちょっとね。
こんなところ……っていうのも失礼だけど、王城から外されちゃったの」
肩をすくめて、苦笑交じりに言う。
歩み寄られて一度馬から降りて、他の駐屯していた兵士に馬を任せた
別に高価な馬ではないし、愛馬は連れてきていない
「ま、でもあなたとまた会えてうれしいわ。そこまで長くは離れてなかったけど、相変わらずそうで何よりよ」
本心なのだろう、心底嬉しそうに彼は君に笑って言った。
■フルーア > 「――そっか。そう…かー…大変だね。
手に終えないモノは、取り合えず遠ざけておけって。そういう事なのかな…?」
(そんな前回の初遭遇時。ちょっとした身の上話を聞かされたものだったが。
どうやら思っていたよりずっと。深刻で、性急な話であるらしい。
化石呼ばわりした、古くて堅い頭の持ち主達によって。こんな戦場…の後ろの方へと送られてきたという話。
これが最前線だったのならばまだ、華々しい武勲を上げて、逆に英雄というお墨付きを得ての凱旋も出来るだろうに。
それすら無さげな後陣への派遣。…やれやれと。聴いている側が頭を振ってしまいつつ)
「ん?……ふふふ、そうだね?この前は暇潰しだったけど。今日は、お仕事。
――前に会った時のあの夜は。……良い宿に入って、とっても愉しませて貰ったよ?」
(無反応を貫いていた衛兵が。思わず、少しぐらついた。
くねりとしなを作った少女の言葉が。間違い無く、彼女と騎士との関係について、あらぬ疑いを掛けさせたに違い無い。
…ちなみに実際は。騎士様ご宿泊の、なかなかに高級な宿の一室を空けて貰い。
当初の予定よりもずっと良い部屋に泊まれたというだけである)
■エイガー・クロード > 「ま、ウチは役割が役割だしね。危機感でも感じたんじゃないかしら?」
さらり、とそう言ってパンパンと道中の砂埃を払う
風除け用のフードを降ろして、鎧も一部脱ぎ、少し寛ぐ
心配させないように振る舞っているつもりだったが、どうやらバレバレのようだ
自分は嘘を吐けない性格であるらしい……まぁ、嘘を吐きたい訳でもないが
戦いから無縁でも、何があるかはわからない。常在戦場という言葉と意味を、自身の体は知っている
「お仕事……あら、そんなに若いしそんな装備で?
……と思ったけど、あなたならそこまで変じゃなさそうね。
―――ふふ、そっか。それならよかったわ、あそこの朝食のハニートースト、絶品だったでしょ?」
その言葉を聞いて、彼――エイガーはパァ、と花が咲いたように笑う
どうやらあそこではお気に入りの宿だったらしく、また、そこを愉しいと言ってくれたあなたの言葉がうれしかったようだ
「紹介してよかったわ。それに……互いにいい夜を過ごせたしね♪」
誤解だったと思った衛兵は、この言葉にまた少しぐらついてしまったかもしれない
■フルーア > 「あはは?腹の黒いニンゲンは大変だね――そんなに急いで動いちゃったら。
突かれると痛い腹が有るんだって、自分で言ってるようなモノなのに――」
(という事は。今後彼が仕事を終えて、王都に戻る頃合いが来たら。先方はさぞ大慌てするのだろう。
もちろん、鬼の居ぬ間に証拠やらを洗濯する事は目に見えているので。スピード勝負になるのかもしれないが。
という事は、当然。出来るだけ早く、やるべき事をやらなければいけないのだろう。
一先ずは到着した所。この後は先に駐留している者達への挨拶やら、有るのかもしれないが。
そういうニンゲンらしい面倒臭い事柄は抜きに、彼の此処任務は何なのか。興味が湧いて即かず離れず)
「僕のする事に。…剣とか盾とか、そういうのは邪魔なだけだよ。
実際、そんなの重すぎて持ってられないし。
――ぁぁ、うん、とっても美味しかったよ。甘いモノは良いよね?
身体だけじゃない、心まで満たされる――」
(思い出して思わず。うっとりと頬すら染める。甘い甘い夜…もとい、朝の味を。脳内で反芻してしまうのだろう。
その後も。やれ、湯船がとっても豪華だったやら。ベッドの上ではしゃいでしまっただの。
いいかげん真面目な衛兵が気の遠くなりそうな話題(誤解)を振りまきつつ。村の中を歩き始めて)
「…此処でも頑張って。また、美味しいモノを食べたいね?
そう、そう。君は何をしに来たの…?」
■エイガー・クロード > 「えぇまったく、その通りね。ま、全部やるのは私の仕事なんだけどね」
少し疲れたような、しかし確かな意志と意欲を見せて苦笑した
すでにこちらは目星が付いている。そしてその『許可』は上の貴族にも、さらに言えば正式な王ではない王族にも必要ない
彼がそう判断したら、そうできる。そのことを知っているから焦っているのだろう
「そうねぇ、あなたの『子』はそういうの邪魔になるでしょうしね。
えぇ、よかった。甘い物はどんな時でもいいものよ、至福の時間よね、本当に……」
こちらも、味を想像してうっとりと自身の頬に両手を当てる
そうして続いた宿への感想に、かなり時間を割いてしまった
巷で言うガールズトークがこんな二人に珍しく発生したのだ
しかもこんな場所で……なんとも奇妙な光景だっただろう
「そうねぇ……もしよかったら一緒にどう?他にもいい店知ってるのよ?
……えっと、この近辺で、騒がせてるあの旅団のほかに、何らかの要員で凶暴化した狼がいるらしくてね。
その退治ってわけなのよ」
■フルーア > 「流石に。そういう仕事は、手伝えないし――頑張ってね?応援してる。
…色々片付いたら今度は…ぅふ。王都のケーキ屋とか教えて欲しいな……?」
(甘いモノが嫌いな女子などいない。天地がひっくり返っても間違いのない事実。
彼もそこには乗ってくれるので、今の内から、予約を取っておく事にした。
…わざわざ、王都の、と注釈を入れている辺りが。そう遠くない内に、彼がちゃんと。
王都で王城で、やるべき事を果たす筈だからという。発破だか応援だか。
そのまま村の中を歩き始めれば。
…なるほど、と。続いた言葉に頷く素振りをみせただろうか)
「狼。あぁ、狼――わかるよ。僕も二、三日前に来たところだけど…荒らされてるね。
家畜に害が出て、村人が困っていて。――森に乗り込んでいった狩人も、返って来なかったんだって」
(馬上からは特に見易いだろう。作地を囲った柵が壊れていたり。鶏小屋が閑散としていたり。
明らかに。ガラの悪い傭兵やわが物顔の駐屯兵等ではない、もっと直接ナニカに食い荒らされての被害状況。
…んー、と。軽く声にして考えた後)
「それじゃぁ、君と僕とで、サクッと。
…僕が頼まれているのは、村を護衛する事だからね――丁度良いよ」
■エイガー・クロード > 「えぇ、まぁすぐに片付くわ。なんたって……私しかできないことだもの」
にっこりと、やろうとしていることとは裏腹に、その顔はとても綺麗な笑顔だった
そしてその約束も必ず果たされるだろう、貴族だろうと王族だろうと――この国へ害を齎すものは、すべて始末する
それが彼の存在意義であり、彼が今生きている理由なのだから
「そうねぇ、チーズケーキ……モンブラン……チョコレートケーキ……どれもオススメの店がそれぞれあるからねぇ。
よければ食べ歩きなんて、どう?」
そんな風に甘いものの話題に花を咲かせながら村の中を歩く
「あぁ、あなたも知っていたのね。じゃあ嘘じゃあないってことか……。
それならそれでよかった、ちゃんと仕事はあるってことだしね。
被害が出てるのは……とても心苦しいけれど」
そう、悲しそうに周囲の被害状況を観察した
……王城でしか仕事がないわけじゃないし、相手するのは人間だけじゃない
だからこそ……こういったところに来ることに、納得はしていた
そしてそういう不満は、この状況をみて吹っ飛んだ
「……えぇ、そうね。あなたと私なら、すぐ終わりそうね」
■フルーア > 「ご褒美が待ってるとなると。俄然やる気が出て来る辺り――僕も大概ニンゲンだ。
でも、食べ歩き。良いなぁ、凄く良い、一緒にまた、愉しもうね――?」
(それはもう喜んで餌に釣られる事としよう。
自分で言ってみせる通り、とても人間臭い現金さではあるが。
言ってしまえばそうやって、ちゃんと人として生きていく事が。少女にとっては今生きている理由。
自らの存在意義なのだから、きっと、愉しむ為には手を抜かない筈で)
「直ぐ終わる。直ぐ片付く。…ケダモノの出て来る時間帯…今夜中には。終わると良いね?」
(仕事の話になれば、端的…というより、事務的だ。
目的だけを考える分、率直に、解決に向けた発言ばかりが多くなる。
もちろん彼と同様に。そうやって困るニンゲンが居るのだろうな、だの。
出来るだけ早く片付けた方が、その分被害も減らす事が出来る筈だ、だのも。考えてはいるのだろう。
口にはせずとも、彼なら、同じ思いを抱いている。そう考えているだけで。
その侭歩いて、王国軍が逗留する、村の中央辺りまでやって来たなら。
相変わらず、軽い素振りで手を振り、一旦別れる。
彼が着任の挨拶やら、装備の準備やらをする間は。こちらもこちらで、なんやかんや前準備をするのだろう。
――再び合流するのは。告げた通り、月の昇る頃となる筈で)
■エイガー・クロード > 「誰だってご褒美は欲しがるものよ。特に大変なことがあった時はね?
えぇ、えぇ。私も、友達と一緒に愉しいことするの、今からとっても楽しみだわ」
どんなに現金臭くても、繋がりは繋がり、そして互いに愉しめれば、それは偽物の関係などではない。
どんなことも本気で取り込めば、本当の事とそう変わらなくなる。
そうして互いが満足できればそれは100点を上げてもいいだろう。
「えぇ、獣狩り。もしかしたら手強いかもしれないけど……それでもすぐ終わる」
予想にすぎない。そして件の狼とまだ戦ってはいない。
けれども昼間に襲ってこない以上は……そこまででもおそらくはない。
仕事の話となる以上、そこに私情はなく、互いにやることだけを話す。
で、あればひたすら行動をして、村人や駐屯兵達と協力し、罠を敷く
来るのは今晩。
そして今晩は――――幸運なことに、満月で、視界は比較的開けていた
■フルーア > 「――――君にとってもご褒美になれば良い。そう思ってるよ」
(彼の同意する言葉に。こちらも、幾度か頷いてから。最後にしっかりと付け足した。
自分が愉しむ事、だけでなく。一緒に行動する相手にも、愉しんで貰う事。
それをお互いに考えていられるのなら。関係としては充分だと思うから。
とはいえ、良く言う苦楽を共にする、という言葉を当て嵌めるのなら。
楽の為にはまず、苦の方を片付けなければいけないらしく)
「ニンゲンはニンゲン。そして、ケモノはケモノ。其処は変わらないから――ね」
(また。別れ際の会話で、同意してみせた。
どちらでもないバケモノに馴染んでいる少女だから、良く分かる。
暴走だの凶暴化だのと言われても。狼は、狼――獣としての自然な在り方までは逸脱していないのだと。
それならきっと。やり方は色々と有る筈で。
かくして、準備は整った。
月の上がった後、集合したのも、やっぱり二人。
本来なら兵士の数人くらい随伴してきそうなものだが。其処にも、彼を嫌う者達からの、お達しが有るのかもしれない。
仮に造園が駆けつけるとしても、きっと、大勢が決した後――
目の上のたんこぶである彼が、うっかり害されてしまう可能性が失せた後、なのだろう。
結局は。二人でどうにかするしかないらしい)
「―――― …さ。それじゃぁ――――」
(明るい夜。その静けさ、穏やかさを最初に台無しにしたのは。
…少女の方が用意していた、獣の血。屠られた家畜の血が壺に溜められ、強烈な、獲物の臭いを。ざわめく森へと漂わせていく――)
■エイガー・クロード > 「……ふふ、ありがとう」
そう、付け足された言葉に少しだけ、驚いたように間を開けた後
そっと穏やかな笑みを浮かべた
こうして言ってくれる人がいるだけで、力になる
よく、絵本ではそう言われるが……それは本当だったようだ
もしかしたら、彼が単純なだけかもしれないが……
ケモノとヒト。そこの違いは確かにある
だが王城にいるあの肥え太ったヒトは、ケモノとそう変わらない
そう考えている自分が、時々恐ろしいと感じるのは、間違っているのだろうか
その答えは……今は出すべきではない
月の光に照らされて、二人はいる
馬に乗らず、軽装の鎧と、一本の、少しだけ装飾をされている槍
しかし使い古されているが、傷一つない、かなりの逸品を携える一人の騎士の姿
……その槍は、もし少女が少しでも『魔』の存在があるとしたら……
その槍に決して傷つかれてはならない。例えこの世の理(ことわり)から外れた、それこそ悪魔や神だろうと……その槍に、傷を一つつけられてはいけない
そう感じることだろう
「―――えぇ。夜を始めましょう――――」
蓋を開いた壺から、濃厚な家畜の匂いが風を渡って森へと漂う
―――数分もしないうちに、赤く、明らかに自然発生したものではないオオカミのような魔物が、森から多数機敏に走ってきた
■フルーア > (さて。これできっちり約束の言質は取った。
世が世なら、戦いが終わった後に関する約束は、死の運命に直結するというが。…大丈夫だろう。
相手が所詮ケモノだから、ではない。二人きりでも、傍らに居るのが誰であるのか。其処が安心に繋がっている。
彼のようにお伽噺を思い浮かべたりはしない分。デジタルな思考での確信だった。
――実際に再び合流してみれば解る。
整えられてきた騎士の装備は。前回と同じ片腕を覆った籠手と、同質だろうか、動きを妨げない程度の鎧。
相手が動物なのだから、無駄に重い装備では追っつかない。ちゃんと考えられた物。
そして。あの槍だ。
困った事に、少女の『中』から出て来たがらないモノが居る。頭の良い、知性の有るモノが特に。
つまりはそういう事なのだろうと、納得だけはしておく事にした。
あくまでも出入り口でしかない少女だが。其処に人外の力が働く以上。迂闊に手を出さない方が良さそうだ)
「愉しいけれど、夜更かし厳禁、お肌の大敵――おや、あ…?
ふ…ふふ、良かったね?あちらさんも、僕等と同じくらいにせっかちだ―――」
(差程待つ必要はなかった。餓えた獣達は早々に。血肉の臭いに釣られて飛び出してくる。
…少し眉を顰めたのは、村人達からの事前情報に反して明らかに、マモノの臭いを感じたからだが。
それ以上は気にも止めない。先ず、彼の方へ行った分は、彼に任せておくとして。
ぺた。無手に無防備な少女がしゃがみ込み。地面に掌を着けた。
途端影から伸び上がるのは、太さは成人男子の太腿ほど、長さは背丈を上回るであろう――百足、だった。
二匹、三匹。駆け上がり、のたくり、少女側に喰らい付こうとする魔物に殺到する)