2020/04/06 のログ
ファーユ > 「……………。」

根負けした少年の耳に、むふー、となにか聞こえる。
根気勝ちしたからだろうか。
それはともかく、その背に触れれば見た目に反して案外鍛えているのだな、という感想を抱く。
先程の騒ぎで大の大人を撃退したわけであるから、さもありなん、ではあるが。

布越しに、ベッドを伝ってさえ、その鼓動がよく聞こえる。
張り裂けそうなほどに鐘を鳴らし、興奮と困惑と緊張が良く良く聞こえる。
……初々しさと、少し漂う雄の香りに、少しだけくすりと笑う。

……笑い声が、薄く聞こえた。空耳か幻聴か、と考える間もなく、
すぐに背後からは寝息が聞こえてくる。

アルトハルト・スメラギ > 耳元で満足げな吐息が聞こえ、くすぐったさにぞくぞくとする。
背に触れた手の感触すら鼓動を強く早鐘に鳴らす。
ベッドの中の女の香り、背中に感じる人の温かさ、頭の中が沸騰しそうな中、

「……?」

ファーユの吐息に声が混ざったように聞こえたけれど、
それを確認する前に、安らかな寝息。
……安心されていることに護った喜びと、男としての複雑な気持ちを抱きつつ、
結局まんじりともせずに夜を明かす少年だった。

ご案内:「ゾス村」からファーユさんが去りました。
ご案内:「ゾス村」からアルトハルト・スメラギさんが去りました。