2019/06/03 のログ
ご案内:「ゾス村 雨の酒場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 農民たちの休日とは、雨の日だ。
特に、こんなどしゃぶりの日では、まともに畑仕事など出来やしない。
そして、暇を持て余した男達は、お決まりの様に此処に来る――つまるところ、酒場に。
こんな日の酒場は、何時も大騒ぎだ。下手な唄を歌う者、賭け事の行く末に歓声や罵声をあげる者。声の出処は別にして、誰も彼もが大騒ぎだ。
「……はぁ」
しかし、そんな中で場違いに派手な服の男は、見た目と違い景気の悪い声を漏らす。
「まさか、今日に限って大雨とはなあ……昨日晴れてたから油断したよなあ」
男は、定期的にこの村の子供達に剣を教えていた。
凡そ三日ほど剣を振るうフォームとか、戦い方とかをみっちりチェックした後、四日目に帰るつもりだったのだ。
しかし、その四日目に、まさかの大雨。
流石にこの雨では、外に出るのも危ないということで、もう一晩この村で泊まる事にしたのだ。
娯楽のない村で三日泊まるだけでも退屈で仕方がないというのに、この上本格的に何も仕事がない状態で一日宿泊。
正直、勘弁してほしかった。
「どうすっかなー……」
■クレス・ローベルク > 一応、男にも仕事が無いわけでもない――ただ、その仕事が壮絶につまらない上に、自分では選べないだけで。
『おい、アンタ。ちょいと聞きたいんだがね、ウチの子供をあんま疲れさせんで欲しいんだがね』
――これ、つまるところ子供の親からの"相談"である。
何せ彼らからすれば、子供たちは大事な労働力だ。
無論、彼らとて魔物は怖いので、剣を握ってくれる者が増えるなら、それに越したことはない。いよいよとなれば国が魔物退治に動くだろうが、それまでの間に村が全滅することも少なくないのだ。
だが、それと子供が少なくない頻度で鍛錬で使い物にならなくなるのは別、という話であって。
「いや、それについては悪いとは思うけど、ある程度は我慢してもらうしか――」
こちらもそう反論するが、一度誰かが文句を言い出せば、同調して文句を言い出すのが田舎者というものである。
一人は二人に増え、二人は三人に増え――気づけば男の周りを、オジサンオバサンが取り囲んでいる有様だ。
■クレス・ローベルク > ――男の憂鬱は続く
ご案内:「ゾス村 雨の酒場」からクレス・ローベルクさんが去りました。