2019/03/29 のログ
ご案内:「ゾス村近郊の街道」にカナンさんが現れました。
ご案内:「ゾス村近郊の街道」にネイトさんが現れました。
カナン > 奴隷市場都市バフートでの仕事を終えて、王国の首府マグ・メールへと向かうことになった。
理由はネリーことネイト・オルブライトの身の上にある。
オルブライトの実家にさえ帰れれば、彼……彼女を購うのに費やした途方もない大金も返せるという。
どのみち王都での用事もあり、所持金ゼロどころかマイナスの現状を抜け出せるなら行かない理由がなかった。

その道すがら。ゾス村に程近い田園地帯を一台の幌馬車が行く。
今は積荷もなく藁の敷かれた荷台に揺られる女が二人。その片割れ。

「…………ふぁ……」

欠伸をかみ殺している方が私だ。

山ほど集めた資料も大半はバフートを発つ時に売り払い、今はわずかに二、三冊の書が残るばかり。
元より金銭的価値のない本ばかりで、二束三文の臨時収入は王都行きの路銀に消えた。
あまりにも時間の進みが遅い貧乏旅行。さりとて揺れる荷台で本を紐解くわけにもいかず。
退屈に殺されそうなほどのどかな一時を、ひたすらむにゃむにゃとして過ごしていた。

ネイト >  
幌馬車はあまりにものんびりとしていた。
のんびりと言えば聞こえがいいが、とにかく退屈な道中だった。
会話のネタは切れ、道行く時に見える山や動物の名前をぽつりと呟くだけ。

人はこれを会話の墓場と呼ぶ。

しりとりを始めなかったのは僕にもプライドがあるからだ。
でももうちょっと退屈が続いていたら誘惑に負けてしりとりを始めていたかも知れない。
はっきり言って人間としての誇りがあるのならしりとりなどするべきではない。

「…………そういや、カナン。僕はさぁ…」
「ミレーっていうのは何を考えているのかわからない存在だと思っていたけれど」
「意外と普通のことを考えるのかも知れないな……しりとりとか、雲の形とか……」

ほんの一ヶ月程度ミレーになっただけでミレーの全てを知ったかのような口を利いてしまったか?

カナン > 無限に遠のいていく轍のあとを眺めるのに飽いて藁山へと倒れこむ。
物珍しくもなく、変わり映えのしない景色より先輩を眺めている方がずっと建設的だ。

「前はどんなものだと思ってたんですか?」

髪にくっついた藁の切れ端をつまんで捨てて。きりがないのでそれきりにして。

「もっと動物みたいに、縄張りがどうとか誰がボスとか……そういう感じですか?」
「それとも単に、わからない。気味の悪いやつらだと思っていた。そんなところでしょうか」
「………バフートでお友達でもできました? ミレーは身内には優しいといいますし」

ごろごろするたびに藁がまとわりつく。

「………先輩。なにか面白いことしてくださいよ。芸のひとつも仕込まれたでしょう?」

ネイト >  
藁に倒れ込んだ飼い主サマを横目で見る。
綺麗な女だけど、考えていることは相性が悪すぎてわからない。
男だった頃に明け透けな女とばかり寝てきたのも悪い。

「それはもう、よくわからないことを考えるよくわからない奴隷種族だと思っていた」

藁を編む仕草を始める。
もちろん、藁の加工技術など持ち合わせていないので編みこむフリだけ。

「友達なんて作っても空しいだろ、僕は男に戻るんだからな」
「そして僕は友達は多いほうだ……男に戻れたら、あいつらもきっと喜んでくれる…」
「はずだ」

無茶振りに顔を顰めて。

「なんだその振り。それじゃ滑らない話でもしてやろうか?」
「昔、食堂でセットにウズラのタマゴをつけてもらえるメニューがあったから4個注文したら」
「1回注文するごとにウズラのタマゴを3個つけるサービス内容で皿の上にウズラの味玉を12個並べられた」

カナン > 「でしょうねー。僕は貴族だぞー!!なんて吼えてる変な子はそっとしておくに限ります」
「そうでもなくてもお友達なんかできなかったでしょうけど……」

先輩がしょうもない話をはじめる。この人、意外と庶民的なのかもしれません。
面白いことというのは、そうではなくて。

「お座り」

紅い瞳に魅了の術式と目力をこめ、寸鉄殺人の意気を込めて短く命じてみる。
ミレー族は容姿だけでなく、習性にも動物的特徴も色濃く引き継いでいるというけれど。

「………というのも月並みでしたね。あれ、何でしたっけ?」

喉のここまで出掛かっている言葉が引っかかって思い出せない。
たっぷり数秒かけて思い出した。

「ああ。ちんちん」
「ちんちん。ほら、ちんちんです先輩。ちんちん。ちんちん!」

真顔で連呼する。何をする芸だったかまでは思い出せないままで。

「どうしてちんちんって言うんでしょうね。語源が気になりません?」

ネイト >  
「なんでだよ。僕のコミュニケーション能力舐めるなよ」
「友達くらい鉛筆をバキ折るくらい簡単に作れるっての」

いや今の筋力だと鉛筆折れるかわかんないけど。
そもそも鉛筆って折ったことあったっけ。

その時、魅了の術式がかっちりとハマって。
僕はその場におすわりの姿勢をしてしまった。

「お、おい……どういうことだこれは…」

座ったままがーがーと吼える。

「若い女がちんちんと連呼するんじゃあないぞ!」
「語源なんか知るか、僕は人間の男でこんなこと……」

でもやめられない。
蹲踞で招き猫のように手を曲げる。
犬だ。犬のちんちんポーズだ。クソッ、情けない!

カナン > 「よくできました。素敵ですよ先輩。お上手じゃないですか」

身を乗り出して頭を撫でる。大きな犬の耳をモミモミして。

「?? わんわんといえばちんちんじゃないですか」
「ちんちん。見たことありません?」
「芸の話ですよ。ちんちん。何だと思ったんですか先輩。先輩?」

変なことを考える方がいけないんです。私は悪くない。だって私は悪くないから。

「今見たかったんですよね。先輩のちんちん」
「肉付きがいいので結構ご立派というか……様になっていると思うんですよ」
「ええ。ちんちんはちんちんでも迫力満点のちんちんというか」

私はどこまでも真面目くさった顔をして。
気分が乗らないようなので手拍子をつけて囃してみましょう。

「ほら、ちーんちん。はいちーんちん、ちーんちん!」

ネイト >  
「僕を犬かなんかと思っていないか?」

今にも噛み付かんばかりに唸る。しかし抵抗できない。

「カナン……君というやつは…」
「退屈したら僕を弄るのをやめろ!」
「こら、耳に触るんじゃない、形が崩れるだろ!」

そこまで喋ってから相手のちんちんコールに頭痛を覚える。
退屈は猫を殺す。そして今は犬獣人を死なせようとしている。
会話の墓場? 違う。ここは知性の墓場なのだ。

「カナン……君のご両親が悲しむぞ」
「僕のパパも悲しむだろう、なんなら僕は今悲しんでいる」
「まるで悲しみの雨だよ………」

しみじみと言う。ちんちんしながら。

カナン > 「そんな悲しそうな顔しないで下さいよ」
「そんなこと言いながら、実はちょっとだけゾクゾクしてるんじゃないですか?」
「言うなればちんちんで気持ちよく」

耐えきれずに噴きだした。ちょっと鼻水まで出てしまって。
口もとを押さえて顔を背ける。

「でも言ってみるものですね。ちんちん。どこで仕込まれたんですか?」
「あの奴隷商人に教え込まれたとか……ちんちん。ち、ちんちんの味を……」

笑いすぎてむせた。

「ごめんなさい。も、もういいです……なかなかのちんちんでした」

笑いの波が落ち着くまで待って、すました顔で咳払いをひとつ。

「ご褒美になるかどうかわかりませんが」

先輩を藁山に押し倒せば、ぎしぎしと荷台が揺れて。
書令史の官服の長い前垂れをたくしあげ、先輩の顔にまたがる。
下着に指をかけてずらし、露わになった場所を見せつける様に腰を下ろしていく。

「舐めて下さいよ。先輩。そういうの、お得意でしょう?」

ネイト >  
「……カナンさん?」

ザァッと自分の中の怒りが引いていく。
面白いからではなく。
うん。決してプラスの感情ではない何かに心が塗り潰されただけだ。

いくら退屈で笑いの沸点が低くなってるからって
自分が言った下ネタでここまで笑えるのはひどすぎる!!

「あ、はい」

ちんちんのポーズをやめて引きつった笑顔で頷いた。
諂いの意味なんてなくてもこんな声が出るのだなぁ。
ミレーっていうか知的生命体って不思議だなぁ。

そんなことをしていると、藁山に押し倒されて。

「カナン……この台詞を君に言うのは、二度目になるけど」
「腰を抜かすなよ」

目の前のそれに舌で奉仕をしていく。

カナン > 「先輩、怒ってますか?」

おなかに手をつき、おへその周りをくるくると指先でなぞる。
そのまま覆いかぶさり、むちむちとして柔らかい太ももの内側に口付けをひとつ。
大きく広がった骨盤の、丸みを帯びた身体を覆う衣装を剥ぎ取っていく。

「幌の後ろは開いたままなので、誰かが通りがかったら見えちゃいますね」

実際は一時間に一台行き交えばいい方でした。ド田舎なので。体感ですけれども。
覗き込まれることはまず無いでしょうけど、こう言えば気になるのが人情というもので。

「ネリー。あなたの方こそ」

女の子の名前で呼んで、薄布一枚を隔ててもはっきりとわかる恥骨の隆起に細指を添える。
細指二本。下着ごと押し込んでぐにぐにと苛み、下着に覆われたまま深奥まで大気にさらすように押し広げる。
薄布を加えて、ずらして、こちらも舌での奉仕をはじめる。

「んん……っふ、うー………ふぁあふぁあ、ぉんあおふぉえ……ふぁんふぁんれふぉう」
(訳:あなたは、女の子で……わんちゃんでしょう)
「ふぃいほぉ、いっふぁいふぉひえへあえふぁふえ……」
(訳:いいとこ、いっぱい教えてあげますね)

ゾクゾクするものが背筋を駆けめぐる。
御者役のおじさまに気付かれない様に、声を押し殺しながらもっと体重をかけて快楽を貪る。

ネイト >  
「旅の恥はナントカだ」

そう言って舌で丁寧に愛撫をしていると、自分の秘所が露になり。
女のほうの名前で呼ばれると、少し女性的な感情が強くなった。気がした。

「あ、こら……僕のはしなくていい…!」
「あ、あ、あ……っ 喋りながらするな、振動が…!!」

二人で重なり合い、睦み事が始まる。

怒ったり、感じたり。
逆襲のために舌を挿入したり。
気づかれたかな? 気づかれてないかな。