2018/10/03 のログ
ご案内:「ゾス村 村の広場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 村の広場で、男が一人、数名の子供達と何かをしている。
子供達は棒を、まるで剣の様に構え、振る。
そして、時折子供達の手を取って、棒の握り方や振り方に指図する。
それは、見るものが見れば、剣術の初歩的な訓練だと解るだろう。
男は素振りをする少年少女達を見ながら、アドバイスをする。

「良いかな、戦いにおいていちばん大事な事は、剣を手放さないことだ。疲れてきたら振るペースを落としてもいいけど、剣は絶対に手放さないこと。それが戦いにとって一番大事なことだからね」

勿論、素振りで忙しい彼らはその言葉に反応はしないが、まあ多分ちゃんと聞いてるだろうと思う。

彼らは、この村の中でも、身体能力が高く、しかし協調性が今一薄い子供達だ。彼らは農作業にはあまり向いていない。その為、これから先の未来を生きる為に、鍬ではなく剣を持つことにした者達だ。

そんな彼らに乞われて、こうして剣を教えているのだが、

「……柄じゃないよなあ」

クレス・ローベルク > 何度か彼らの構えを直し、概ね満足行く水準になった為、彼らの前で胡座をかいて、素振りを見守るモードに入る。今の所は完璧だが、やがて疲労やど忘れで乱れた素振りになるだろうから、そうしたらまた立ち上がってそれを直す。

基本はこれの繰り返しだ。そして、基本こそ、生き残る為の奥義だ。

「全く……」

そっとため息をつく。元々は、こんな事をする予定ではなかった。
ただ、偶には村で出てくる新鮮なチーズや野菜なんかを食べようと、村の護衛依頼を受けただけだ。

しかし、日中は彼らにとって仕事の時間。
そこに余所者がぼうっと突っ立ってたら、普通に反感を買うという事に、村についてから気付いた。
故に何かしないとと思っていた所に、彼らが来たのだが

「……教えるという名目でいたいけな少女にセクハラ!ってのも考えたけど、広場だから目立つし、そもそも男の子も居るしなあ」

村人の白眼視から逃れるためとは言え、流石に男女で露骨に訓練内容を分けるわけにもいかない。
つまり、全く旨味がないのだ。今の状況は

「追加報酬くれないかなあ、くれないだろうなあ」

はぁ、と今一度ため息をつく。

ご案内:「ゾス村 村の広場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「ゾス村」にクレス・ローベルクさんが現れました。