2017/01/21 のログ
ご案内:「ゾス村」にシーゲイザーさんが現れました。
シーゲイザー > 遺跡に巣食うだけでは個体数は維持できず、強者により獲物を奪われ繁殖の機会を失う個体が増えると新たな狩場を探し移動をするのは他種族の胎内を借りて繁殖する魔物には極自然な行動であった。

名も無き遺跡よ離れた地に存在する小さな村
冒険者のような強靭な身体を持つ母体候補になる女は少ないだろう、だがそれでも繁殖できないよりマシだと本能的に考えた魔物がその村に新たな巣を作ろうとするのもまた極自然な事で、村に存在する空き家の一つに数匹のヒトデに良く似た形の群れ集わなければ何も出来ぬ脆弱な肉塊が集まっている。

何をしているか、と問えば当たり前に答える事は出来ないが、廃屋の中を覗けば何が起きているか一目瞭然だろう。
朽ちてボロボロになった家具をガリガリと音を立てて齧り、貪り、床に敷かれた簡素な敷物や調理器具にまでもそのモンスターは喰らい付いて、酢に迷い込んだ哀れな獲物を逃さず喰らい付く為に力を蓄えているところ。
床には喰らいつくされた敷物の代わりに透明なヌメヌメとした粘液が広がっている他、廃屋の壁一面には鳥もちのような、触れたものに強力に張り付いて逃さない罠の様な物さえこべりついている。


――ただ場所は小さな村の片隅に有る廃屋
獲物が迷い込んでくる可能性は非常に低く、迷い込んできた獲物が苗床になるだけの力を有しているかは難しいだろう。
それでもヒトデ型の肉塊達は廃屋を巣に作り変え、誰かが訪ねてくるのを物を貪り喰らいながら待ちわびているのであった。

ご案内:「ゾス村」にレナ=ミリイさんが現れました。
レナ=ミリイ > 首都で受けた依頼の得物を狩り、補給と休息のために村に訪れるも田舎町故、既に民宿は空いておらず。
店主に一泊するだけならと教えてもらった廃屋に訪れ。

「ぼろいな……」

放置されて久しいその外観を見上げため息を吐くがこの寒空の下で野宿するよりはましだろうと割り切ることにし。
ゆっくりとドアを開けると中から漂う異臭が華について眉を寄せる。
暗い中の様子はよくわからないが、まるで洞窟か放置されて久しい遺跡のような臭いに警戒し背中に背負っていたボウガンを手に取り。
ゆっくり構えながら家の中に入っていき。

シーゲイザー > 廃屋として扱われている空き家だけあって、魔物達が望んでそうなっている訳ではないが、誰かが廃屋に足を踏み入れるとギシとボロ板の床が軋んで侵入者の到来を知らせてくれる。
現に今中の様子を伺うようにして家の中に入り込んできた人影が家に足を踏み入れればギシと床は軋んで聴覚が鋭敏なヒトデの様な形状の肉塊達は一度ヒタと動きを止め、数秒ほど侵入者と同じように警戒をした後。コソコソと食べ残したボロボロの家具やベッドの下へと入り込んで、一先ず隠れてやり過ごそうとする。
無論、侵入者が食いでのある存在であれば喰らいつくが今は新しい環境で臆病になっている所為で、魔物達は一斉に隠れている。

その魔物達の代わりに室内に散乱するのはサラだろうが金属の調理器具だろうが木製の机だろうが何でもボロボロに鋭い歯で齧られたような痕が残る家具。
齧った痕には大量の粘液が付着しており、室内で時折響く音はその粘液が家具の曲線を伝い滴り、ボロボロの床に落ちて響く水音だった。

レナ=ミリイ > 「……」

一歩家の中に入り数秒間息をひそめて緊張した面持ちで中の様子をうかがうが特にこれといって魔物の様子は見えない。
足元に転がるもとはこの家の前の家主の物であろう皿などが不自然な割れ方をしていることから考えて以前に何かいたのは確実だったが。

「考えすぎ……か」

家自体大きなものではない、見えないということは今はいないのだろうかと考えて構えを解いて家の中に入りながら後ろ手にドアを閉め。
床に広がる液体を踏んだ感覚に眉のしわを深めて。

「何があったんだろう」

首をかしげながらも部屋において残っていたベッドを見つけるとそこに腰かける。
幸い臭いには慣れてきたためそれさえ無視すれば一晩過ごすくらい何とかなるだろうと考えながらボウガンをわきに置いて。