2016/11/23 のログ
ハイドリア > 「…くふ」
そろそろこの子は気が付いたかしら?そんな捕食者の目で見つめる。
私がただのお金持ちだと油断し続けていてはまったくもって面白くない。
ここから先は困惑と疑惑、恐怖こそが良いスパイスになるのだから。
期待を込めた笑みは知らず見る者の背筋を凍らせる毒蛇の笑みとなる。

「あはははは!とってもいやらしい声で啼くじゃなぁぃ。そんなに触って欲しかったのかしらぁ?口で言う割には随分と嬉しそうよぉ」

喉を逸らし笑い声を響かせる。
そして覆いかぶさっていく影を横目に自身はテーブルに戻る。
ああなってしまえば当分抑制できるものではないだろう。
こらえ続けた先の飴は甘かろう。そのために鞭…耐える時間をあげたのだもの。
そう…今はただ存分に快楽を味わうといい。天上の喜びに至るその寸前まで。
けれどその瞬間思い知るはずだ。そこには決して至ることができないと。
まさかこれ以上の限界があるとは今この二人は思いもしないだろう。

そこは天国と地獄が共存する場所。
この世のものとは思えない歓びと、その先に進めない業苦の領域。
その先に進みたいと願えば願うほど、あがく程ギリギリまで上り詰めて、けれど決して手には届かない。
今まで何人たりともそれを耐えられるものはいなかった。
誰もがその先を懇願した。
そう…あの日も…

そんなことを考えながら二人の感覚を記録していく。
限界までお預けされた感覚も、それを抑えんとするいじらしい努力もすべて。

「んんぅ…それにしてもこんな田舎にしては良いお酒ねぇ」

そして響き渡る二つの嬌声をどこ吹く風とのんびりと杯を重ねる。

ノア > 酒だって呑むし、同性相手は未経験でも生娘なんかじゃない。考えれば考える程、これが酔いのせいでない事は明らかなのに.. 気付くのが遅過ぎた。未だ僅かに残る反抗心を振り絞り女を睨み付けるも、返された冷たく高圧的な視線に びくりと肩が震え。

女の前で口走った台詞も、女の指を舐めてしまった事も、厭らしく割れ目濡らした身体も全部棚に上げ、こんな事望んでいない と強く自分に言い聞かせるけれど ───

「 ── ん、あっ.. !! 待っ、 ぁ.. んぁっ、うご か.. ない でっ、ン んっ ─ !! 」

覆い被さるイルマと.. それに伴い増えた、互いが触れ合う面積。動かないでと言いながら、身を捩っているのは自分のほうか。胸と胸が、左右交互に合わさる脚と脚が、身を捩り擦れるだけで経験した事のない刺激となって

「 んあっ.. ん、んっ ! ゃ... あ、んっ.. ! だ め.. イル、マっ... ん、んっ.. ん、んぁっ にゃ、あっ.. 」

認めたくないのに、屈したくないのに、友人の辛そうな顔だって見たくないのに ── 何一つ抗えない程 許容を越えた快楽に溺れ、未だ其れに至るまでの行為など何もしていなくとも近付く絶頂の波、琥珀色の瞳はたっぷりと涙を滲ませた。

イルマ > 触れ合う互いの身体の面積。その全てが快楽を増幅しているようで、並ならぬ刺激が断続的に己が身を襲う。それはお互いに同じことではあるのだろうが。
後ろから聞こえた女の高笑いにぞくりと背筋を震わせる。快楽では無い、その声に含まれる何かに怖気が立つ。

「――あ、あっ! やっ、ノア、ぁっ、ん、んんっ……!!」

布越しではあれ、得る快楽は等しく強烈で脳髄が痺れる感覚を覚える程。
互いの胸が、交互に合わさった互いの脚が擦れ合う度にその身を震わせて、認めたくないにもかかわらず更に肌を擦り寄せてしまう。

「んっ、あぁっ、あっ! や、んぅ、ノア、アっ…ん、んんっ、っう…」

衣服を互いに身にまとっていることがもどかしく感じる。
思う存分素肌を擦り合わせたい欲求を知らず覚えながら、それでも身体の動きは止まらない。
幾ら快楽を得ても届かない絶頂の波を追い求めるようにベッド上で友人と絡み合う…

ハイドリア > 「まったく二人とも、可愛らしい顔で啼くんだからぁ」

今はこちらから愛撫には手を貸さない。
すでに二人の体は限界まで追い立てた。
そのあとに与えられる飴を貪れば貪るほど、その時間が長いほど抜けられない沼へと落ちていく。
それは底なしの沼とよく似ていて、もがけばもがくほど抜け出せなくなっていく。
けれどもう、動かずにはいられないはず、止まれないはず。
お互いの動きは相手を高ぶらせ、眼が眩むほどの快感を味合わせても決してその高みには登れない。
そうしてお互いを貪りその分自らと相手を追い詰めていくだけ。
一歩踏み出してしまえばあとはもう、抜け出す術などないのだから。
さぁ楽しみなさい。地獄の只中で。私はそれを手伝ってあげる。
妖魔はお互いを貪る二人の意識をただ繋ぎ止める。気絶なんてさせない。逃がさない。

そうして二人が敏感になった肌をこすり合わせ、どれだけ絶頂を求めてもそれは手に入らない。
気絶しそうな快感に襲われても意識は飛ばず達さず、その先を求めてしまうのだからその行為はどんどんエスカレートしていくだろう。

ノア > 「 イ ルマ.. いま、っ..... なんと か、する.. か ら、っ.. 」

見ていられない程辛そうな友人の淫靡な表情と、呼吸、声。女の仕組んだこの状況から逃れる術がないのなら、早く楽にしてあげたい.. と ── そんなもの、ただの綺麗事だった。其の艶かしい身体に触れたくて、もっと声が聞きたくて、一緒に快楽の渦へ堕ちてしまいたい.. 其れが、奥底に隠した本心。

「 んぁ..... ん、んっ ── ─ 、 」

とはいえ、経験も知識もない。自分のしたいように、自分がされたいように、言うなれば本能のままイルマの身体を曲線に沿って手のひらで撫でる。その間、当然自身にも訪れる刺激には目に涙を溜め、奥歯をぎり.. と食い縛りながら。

背中から、細く括れた腰を通り、弾力のある臀部へ.. 其の途中、ドレスのファスナーを見つけたなら脱がしてしまおうか。もしドレスを脱がす事に成功したのなら、片手は上から垂れる綺麗な銀髪をやや強引にかき上げ、唇を塞ぎ、あの日の夜なんかより激しく舌を絡ませ..

「 .........っ、ん んっ.. !! 」

撫でるだけでは、舌を絡ませるだけでは、まだ足りない。蜜に濡れ、焦れに焦れた下腹部を自らを慰めたくて伸びかけた片手は、シーツを強く握り締めた。

イルマ > 「ん、ぅ……ノア、や、ぁぁっ……!」

此方は友人よりは幾分か、欲に忠実。目の前の相手に触れたくて、声が聞きたくて。
その白い肌を愛おしげに掌で撫で回し、何度も身を重ね合わせる。

ファスナーが下されると、全身を覆うドレスがはらりとベッドから床へ落ちた。
身体中襲い来る快楽の波に涙を湛え、耐えながら唇を重ねる。あの日が児戯に思える程に激しく舌を絡ませ、貪る。
その最中、友人の身につけるチュニックのボタンを外した。
脱がせることに成功したならば、待ちわびたかのような動きで。互いの胸を合わせ、先端同士を擦り合わせていく。

「……ん、んんっ…!」

丸みを帯びた弾力のある臀部を掌で抱え、脚を絡める。
限界まで焦らされた互いの無毛の割れ目を、互いの蜜を絡めるように腰を揺らし、触れ合わせる。
女の思うがままに、互いを求める行為はどんどんとエスカレートしていく。

ハイドリア > 「この場合貪っているのはどっちかしらぁ…」

ため息と共に微笑みながら口に出す。
冷静に、ただ場を言葉にしていく。

「目を潤ませて息を切らせてぇ…
あはぁ…まるで情交を覚えた獣ねぇ?」

音を立てて琥珀色の液体を啜る。
淫靡な音をたてて魅力的な唇へとそれが吸い込まれていく音は
まるで自分が啜っているかのような錯覚を覚えるかもしれない。
それが口唇か…秘所か…それは二人次第。彼女の知ったことではない。

そっと邪魔になった服を取り去り、枕も何も気にせず取り払う。
わざと毒針だけは見える場所に残しておくという意地の悪い行動をとるけれど気が付かなかったふり。
はた目から見ればただの親切のつもりに見えるだろう。

「ねぇ、見られて興奮してるんでしょぉ?
そんなに興奮してぇ…はしたない子ねぇ…
いいわよぉ?おねぇさんが見ててあげるから好きに乱れるといいのよぉ」

それはどちらに向けた言葉だろう?そんな風に揶揄いながら手は出さない。
ただ杯を笑みを浮かべながら重ねるだけ。

ノア > 「 ん.. んっ、んん..... っ 」

女の言葉は聞こえていた。其れでもただ、息をするのも忘れて舌を絡ませ。互いの胸も二人の間で押し潰され、形が変わる程無遠慮に擦り合わせて。気持ちいい、気持ちいい筈なのに..

( なに.. これ、)

過敏にさせられているのは確かなのに、ある一定を越える事が出来ない。それは同性との交わり方を知らないからか、それとも..

とにかく今は無視をしてでも目の前のイルマに触れる、それが最善だと思いたいから。相変わらず甘ったるい鳴き声を漏らしながら片膝を上げ、イルマの脚の間に割り込ませた太股で同じく濡れそぼった割れ目を擦る。同時に、シーツを掴んで耐えていた片手もいつの間にやら自身の下腹部へと伸びていて。とうとう、女の蔑む視線を浴びながらの自慰が始まり ──

「 .....っ、ン ! んぁ.. あ、あっ... ! ごめ、ん.. いる ま ぁ、っ......... ん、んあっ.. がま ん、でき な ぃ ── っ、ン.. んっ、もう.. いき た、いっ.. ! ん んぁ... あっ、」

くちゅくちゅと すっかり濡れそぼった秘部をかき回しても、自分が一番よく知っている最も弱い箇所を指の腹で擦っても、もう片方の手で秘芽をどんなに弄っても.. やがて来る筈の終わりが訪れない。ここで、漸く残酷な罠に気付く。

( なんで、どうして.. っ )

「 ゃ、だっ.. あ、あっ... んぁ、んっ ン、んあっ.. や、だっ... も ぅ、むり.. っ、」

イルマ > どちらからともなく相手の身を貪り、女の目があることも知っているのに情交をかわしていく。
息する間も惜しいほどに舌を絡ませ、胸を無遠慮に擦り合わせて押し潰し合い…
しかし、どうしても越えられない一線を感じる。蕩けた思考でも流石にそれには気づく。

「……っ、んんぅ、…アタシ、もぉっ……――あ、んっ、いきたい、っ、……ん、あぁっ……!」

ノアの太股で擦られる割れ目は、堰を切ったように止め処なく蜜を溢れさせていく。
しかし、何度敏感な箇所を弄られても絶頂が来ない。

自慰をしているノアを見下ろしながら、腰をくねらせて太股にどれだけ秘部を擦り付けても、快楽は感じるのにそれ以上はいかない。

「な、に…っ、あ、んっ、ん、んんぅ… も、なんかっ、へん…っ、あぁ、ぁっ」

知らず絶頂を求めてノアの片脚を抱き、濡れそぼる互いの秘部を激しく擦り合わせて強烈な快楽を得る。
溢れる互いの蜜がベッドをすっかり濡らす頃になっても、未だ。苦しげに熱い吐息を零しながら、ひたすら腰を振っていく。

ハイドリア > 「なぁにぃ?まだ足りないのぉ?」

いつまでも達さない二人を見ながら言葉に非難を含めながら惚けて見せる。
手法は簡単。飴と鞭。シンプルだが強力で、抜け出せない。

「酔っぱらってぇ…お友達相手に発情してぇ…知らない相手の目の前で獣みたいに腰を振ってるのにぃ
イケないなんてぇどういうことなのぉ?」

嘲笑と呆れを言葉に含ませそれに相応しい表情を作る。
既に魂を焦がすような人外の悦楽の中、繰り返し蔑んでいる。
ここまでの感覚に襲われ、何度も繰り返されればそれは快楽ごと魂に刻まれていく
いやらしいといわれるたびにこの快楽を思い出すだろう。
狂おしい波に浚われる度、自身の淫乱さを自覚するだろう。
視線を感じる度、蔑まれる度、…この友人と顔を合わせる度
この感覚を思い出し知らず股を濡らすだろう。
…友人に関してはこの後があるかは彼女たち次第だけれど。
けれど妖魔はまだ手を抜かない。丁寧に、繰り返し繋いでいく。

「そんなに熱心に盛って絡み合って、それでもイケないなんてぇ…
ねぇ?貴方達本当に相手が欲しかったのぉ?
ただ貴方達がいやらしい子だっただけではなくってぇ?
そうじゃないなら…ちゃんとイケるでしょぉ?
なのにずっと貪ってばっかりじゃなぁぃ。
もしもそうだとしたら酷い話よねぇ?」

楔を打ち、軋ませながらそれでも灼けた体でも思いつきそうな逃げ道はつぶさない。
やれやれと頭を振る。

「仕方がないわねぇ…。手を貸してあげるぅ。感謝してほしぃわぁ」

そう笑みを浮かべ、ソレは何もない空間に手を入れると次々に取り出していく。
呪文も陣も描かずそんな事を出来るのは人外故か。

「そうねぇ…どれならイケるかしらねぇ?張り子が良いかしらぁ?触手も液体生物もあるわよぉ?
あ、何なら挿れられるように生やしてあげましょうかぁ?」

貪れば貪るほど思考を焼かれ焦がされ、追い詰められていく獲物にとても柔らかい慈愛の表情を向ける。
そのいずれも渇きを癒せないと知っていても本当に半分は親切のつもりなのだから性質が悪い。
それは捕食者、絶対上位者としての自信と、手の内で遊ぶ蝶への愛情。
そんな慈母のような表情を浮かべ、歌うように言い放つ。

「どれが良いかしらぁ?自分がぁ欲しいものを…どぉうぞぉ?」

ノア > "何とかする" などと、綺麗事を言っていたのが嘘のように、先に我慢出来なくなってしまい うっかり触れたが最後.. 自慰は止められず、指はただ早く絶頂を迎えたいと動き続け ──

「 や だぁ、っ.. ん、 んあっ も ぅ、やだ.. っ、あ.. あっ、 ン んっ.. ! ん、 にゃっ.. ぁ、あっ.. ぁ、 あっ ─ 」

泣いているのか、鳴いているのか。其のどちらとも聞こえる声色で、嫌だ嫌だと子供のような声を上げる。イルマに抱かれ片脚が上がり、ついに互いの割れ目が擦り合わされるも..

「 ── ん あっ、 あ.. あっ ! も.. だめ っ、ン んっ ! やめ てっ.. ぁ、あっ.. あ、んっ.. ン、 んっ ─ ! イか、 せて っ.. ん、んあっ.. あ、 あっ ─── 」

やっぱり、其れ以上は登りつめられず.. ついに溜めていた涙も肌を伝い落ちた頃には、女への反抗心はおろか、大切な友人との関係すらも ── 達したいと望む以外は考えられず、何かを差し出す女の方へと視線を移し

「 .........っ、ほし ぃ.. っ、 ん.. っ、 いきた い、っ... おね 、が ── 」

ぼやける視界に張り子を捉え手を伸ばした、が.. 張り子と、其れを掴もうと伸ばした手の間に "何か" が割り込んで ── 掴んでしまった、やけに柔らかい其れは..

「 .........ぃ や.. っ、」

気味悪く蠢く触手の先。

イルマ > 友人が先程言っていたことなどすっかり忘れてしまったのか、競うように絶頂に達さんと相手の身を貪っている。
互いに無毛の割れ目を何度となく擦り合わせても、欲しがっているものは来ない。

最早友人も何もなく、ただ絶頂を求める雌がベッド上に二人あるだけで――

「あ、っん、んんっ、んぁっ、…や、だぁ、もうっ――ん、ぁ、んっ‥…」

女の慈母のような表情が目に入ると、我知らず手を伸ばした。
露わになる幾つかの道具、それに当たらぬ何か。いずれもが魅力的なものに思えて…

そしてノアが掴んだそれ。蠢く触手の、もう一方の先を己の手は掴んでいた。

「―――…っ、何、これ……っ」

触手自体は見たことがないわけではない。しかしまさか、行為の際に使うなど考えが及ぶこともなかったから。
掌に艶かしい感触が伝う。そこから刺激がじわりと伝わって、甘ったるい吐息を零す…

ハイドリア > 「あらぁ、そーぉ?ならキモチよく成れるようにそういうお薬を出すようにしておくわねぇ?
ああそう言えば精力豊富な魔物(ジャンク)でもよかったかしらぁ?まぁ今から言っても遅いわよねぇ」

歌うように紡ぎながら触手を部屋に放ち

「この子と遊んでアチラの世界に行ったまま帰ってこれなくなった子は多いからぁ、きっとイケると思うわぁ?
ちょーっと刺激が強すぎて壊れちゃうのが難点だけどぉ…」

「がんばってねぇ?」

嗤った。その結果を知っているからこそ、可哀そうにという憐憫を込めて。

既に出来上がっている体を二つ察知しそれは音もなく二人に殺到していく。
何本も何本もその体にとりつき、押しつけ、もみしだき、巻き付いていく。
それはまるで温泉で温まった手が何本も張り付き愛撫するような感覚。
二つの双丘、肉芽、蜜をこぼす秘所、それだけではない。
二の腕、つま先、鎖骨に臀部、全身余すことなく這い回り、蕩けるような熱さを刷り込んでいく。
その表面にはごくごく小さな棘が幾本もびっしりと並び、抗いがたい快感と共に刺激を残していくけれど…
その部分がどんどんと敏感になっていくのを二人は明確に意識していく。そして理解していく。
これは触れた場所を性感帯へと変質させていくものなのだと。
そして変質した場所に粘着質の力強い物体とくすぐるような刺激が与えられ、さらに奥深くまで浸透していく。
普通の状態であってもきっと悶えるほどの快感がおそうはずだ。
それを感覚を数倍にも高ぶらせ、絶頂寸前で震えている状態で宛がわれたのだからきっとたまったものではないだろう。
恐ろしいことにそれはまだ体内に入り込んですらいないのだけれど。

ノア > 「 .....っ、 や.. ぁ、 あっ... いゃ、 っ..

─── っ、 嫌......... 、」

我先にと掴んでしまった其れは、二人の肌の上を蠢きながら腕へ、肩へ、胸へ、腹へ、過敏になっている事などお構いなしに容赦なく滑ってゆき.. やがて雌のにおいを嗅ぎ付けた触手が、全身に群がった。もっと もっと と更なる快楽を求める身体、魔物への恐怖.. 其の狭間で不安定に揺れ、コントロール不能な感情は涙となって頬を伝い。

「 !!? ──── っ、 あぁっ.. あ、 あっ... ゃ、だ.. あっ、 や.. んあっ ぁ、あっ♡ やめ、 てっ.. ぁ、んんっ.. んっ♡ や.. あっ、 い や...っ、 ぁ あっ♡ ── んにゃっ♡ 」

涙を流しながら、甘ったるい鳴き声を上げる。怖くて仕方ない、経験した事のない快楽がもっと欲しい。そんな矛盾の中、確実に、壊れ始めていく..

イルマ > 掴んだ触手は徐々に、徐々に二人の肌を伝い、温い身で舐め上げ、纏う小さな棘で刺激を施していく。
全身を性感帯に変えられていく感覚にはしたなくも二人甘い鳴き声をあげて、何度も上体をくねらせ、ベッド上で身悶える。
どれ程快楽を得ても絶頂に達せない、その事実が眼前にある。未だ体外を這い回るその軟体に、ゆっくりとではあるが壊れ始めていく。

「あっ――や、あっ、んっ、あぁっ♡ これ、っ、やぁぁっ、あっ♡ んっ、あ、ん、ぁっ、ん――♡」

蕩けた蒼い瞳から涙が頰を伝う中、友人に向けて顔を突き出し、舌を伸ばして口づけを強請る。
もっと、もっとと快楽を求める中での、本能的な行動――

ハイドリア > やがて全身に十分にいきわたった頃、一本の太い触手がぼとりと地面へ落ちた。
それはえらがはった巨大な男根を滅茶苦茶に戯曲化した様なものを二つ張り付けたような形をしており、これにもまた無数の小さな棘と水泡のような突起がいくつも表面についている。
残りの触手は卑猥なマッサージを絶え間なく続けながら二人を吊り上げ、向かい合わせにするだろう。
そうして股を大きく開かせるとその太い触手を持ち上げ二人の蜜壺にあてがうと…

一気に二人の距離を縮めた。

「あらぁ…意外と入るものねぇ…?」

そんな暢気な言葉とは別に巨大な張り子のような触手はその細かい棘と水疱で膣口を、膣壁を、数の子天井を削り、擦りあげながら穿っていく。
そしてその最奥、子宮口にまでたどり着くとその体を膨張させ、しっかりと棘を食い込まさせた。
快感を得る場所ではない別の場所ですら触れられるだけですさまじい快感を与えるようなものが、直接体内に入り込めば…どんな感覚が与えられるかは想像に難くない。
それがしっかりと二人の間を繋ぐ橋となったことを確認すると今度は二人をつるしているそれらが不気味に蠕動し、無遠慮に二人を動かしていく。
それは単純な前後運動だけれど…それが与える快感はどれほどだろう?

…けれどイケない。達せない。

「ほらほら楽しんでぇ?」

面白そうに嬲る声と人のものと判断が難しくなるような嬌声が夜にただ響いていく。

ハイドリア > いまだ妖魔が宴は続く。
無事に朝を迎えるモノは何者かは
これから先のお話でまた。

to be continued......

ご案内:「ゾス村 /宿屋」からノアさんが去りました。
ご案内:「ゾス村 /宿屋」からイルマさんが去りました。
ご案内:「ゾス村 /宿屋」からハイドリアさんが去りました。
ご案内:「ゾス村」にハイドリアさんが現れました。
ご案内:「ゾス村」にイルマさんが現れました。
ご案内:「ゾス村」にノアさんが現れました。
ノア > あれからどれくらい経ったのだろう ── 許容を越えた強過ぎる刺激と、達せない苦しさとの狭間で鳴き続けた。全身に絡み付く触手は身体に更なる異変をもたらし、頬でさえ 指でさえ 腹でさえ、まるで性感帯の如く過敏となり..

「 ゃ、 んんっ.. んぁ、 あっ ぁ、やっ.. や、 め ── んあっ.. あ、 ぁ.. っ、にゃ.. あっ ─ おねが、 ぃ... っ、 ンっ.. も、 ゆる し てっ.. ん、 んっ.. く、 んぁっ ── 」

ドレスの女に対する反抗心も、人前で恥態を晒す屈辱も、同じ目に遭っている友人を救いたいだなんて奢りも.. もう何も考えられなくなる程、全てが跡形もなく崩れ堕ちてゆく。

されるがまま、友人と向かい合う形で吊り上げられると脚が容赦なく開かれ。ぐちゃぐちゃに蜜を漏らした割れ目を見せ合うような格好で、涙に滲む視界の中捉えたのは..

「 ゃ、 っ.. いや..... っ、ン.. んんっ ── !! ん、 んあっ !! あ、あっ.. い、ゃ... っ ─ だ、 めっ.. ン、 んぁっ.. あ、 あっ.. !! 」

醜悪な一本の太い触手。男性の其れにも似ているようで、全くの別物.. 凶悪な其れを一気に捩じ込まれた二人の女は、天井に吊られたシャンデリアの如く繋がった。

両腕は頭上で拘束され、膝裏は脚を開いたまま持ち上げられたまま、宿屋の外にまで聞こえてしまいそうな鳴き声を上げる。背中を大きく弓形に反り、 其れに伴いたゆんと跳ねる胸にもなお、細い触手が絡み付いていた。

イルマ > 己にとっては気が遠くなるほどの時間でも、蓋を開けてみればほんの少しの間かもしれない。
絡みつく触手に甘ったるい声で鳴き続け、性感帯となった全身を火照らせる。過敏となった肌は強烈な刺激を脳髄に与え続けて、すっかり意識も快楽に溶けていくようで。

「ん、んぁっ、あっ、あ、ん―― ん、あぅ、んぁ、やぁっ……ダメッ、もう…む、りぃっ、…ふ、あっ――」

最早恥も外聞も無い。同じ目に遭っている友人の眼前で、見知らぬドレスの女の前で痴態を晒し、何もかもに溺れ堕ちる。

向かい合う形でなすすべもなく吊るされ、開かされた両脚。二人の割れ目から垂れ落ちた蜜がベッドに滴り落ちる。
其処に一本の太い触手を打ち込まれると、堪らず背中を反らせ、しならせて嬌声をあげた。

「っ、――あぁぁ、ぁっ!! やっ、コレッ、だ、めぇ……っ、んんっ、あ、あっ、っん…!」

そして二人の身を吊るすそれが蠕動し、前後運動を始めると否応もなく触手に抜かれ、貫かれる互いの秘部。
その度に胸をたゆんと跳ねさせ、甘ったるい鳴き声をあげて悶え狂う。

ハイドリア > 「あーらぁ…?そんな声を上げて誰に聞かせたかったのかしらぁ?
知らないわよぉ?そぉんな声を聞きつけて誰かやってきてもぉ。
それともそうして見てもらいたいのぉ?やぁねぇ」

この声はもう耳にすら届いていないかもしれないけれどそんなことは気にもかけない。
そもそもそんな事に気をかけるほどの温かさがあればここまで追い込むこともないのだから至極当然といえば当然かもしれない。

「それにしてもこれぇ…魔族でも飛んじゃって帰ってこれないような代物なのにぃ
まだいけないのぉ?全く貪欲ねぇ…?何が足りないのかしらねぇ?」

狂乱を前にとぼけてみせる。
理由は分かっているけれどそんな素振りはみじんも見せず、柳眉を寄せ悩むような表情を見せた。
これは単純な繁殖機能を利用したようなものではなく快楽を得るためだけに調整されたような愛玩生物。
繁殖よりも快感と狂気を植え付ける事を目的に作り出された、淫魔等に対する拷問や尋問で使われすらするような代物だ。
一定の知恵を持ち獲物の弱点を覚えていき、そこを責めていくような時間をかければかけるほど最適化していく生き物。
本気で動くようには指示はしていないが人の身には十分に過ぎる。
そんな物にこんな状態で犯されて気が狂わない者はいないだろう。
ましては物のように扱われ、抗う術すら持たず上下左右に無遠慮に揺らされ続ける二人は一切の体のコントロールが効かない。
隠しきることも耐えることもできずただ快楽の濁流を叩きつけられるようなもの。

けれど達せない、狂えない。
吹けば飛ぶような精神状態に追い込んでなお
心も体も狂おしいほどその先を求めているのに薄紙一枚届かない場所に引き留め
精神がひび割れ剥がれ落ち、崩れていく様を手綱を引きながら嗤っている。

ノア > ( 嫌、怖い、気持ち悪い ── )

心ではこの状況も、この状況を仕組んだドレスの女の事も、其の言葉も、全て拒んでいる筈なのに..

"いや" と繰り返す泣き声も、発情した雌の声そのもの。唇の端から、無理矢理に触手を捩じ込まれた割れ目から、つぅ と細く銀糸が垂れる。

「 ぁ、 あっ.. あ、も.. やめ、っ ── !! そ れ、 だめ ぇ.. っ、 や だっ.. あ、あっ.. !! ん、んあっ.. ん、んんっ.. !! 」

脳ミソなんて大して詰まっていなそうな癖して、執拗に探るような動きを見せる触手に.. 奥まで、隅々まで余すとこなく責められる。けれど、あと一歩は越えられない。あまりのもどかしさで無意識に びくびくと全身を捩る様は、まるで自ら もっともっとと強請るように腰をくねらせていて。

イルマ > 拒みたくても拒めない。ろくに身動きも出来ない体勢で物のように揺さぶられ、甘ったるく鳴き、触手をねじ込まれた割れ目から蜜を滴らせる。

「ぁ、んっ、んあ…あぁっ!…や、んぅ、にゃ、あっ……あ、あぁっ、んぁ…!!」

敏感な箇所という箇所を全て責められている筈なのに、訪れない絶頂。
まさに寸止めされている感覚に近く、堪らず全身を捻り、くねらせて強すぎる快楽に悶える。
時折、一瞬だけ明朗になる意識が、目の前の友人に触れたくても触れられないもどかしさを生むようで…

ハイドリア > 「ああ、動かされるから駄目なのかもしれないわねぇ?
なら良い考えがあるわぁ?」

いいことを思いついたと手を打ち合わせて瞳を輝かせ、邪気のない口調で残酷な言葉を吐く。

「自分で気持ち良いところに当てられるようにすればいいのよぉ
こんなに盛っているんだものぉ。今更自分で腰を振るなんて平気でしょぉ?」

その言葉と同時に二人の体を前後に揺らしていた触手の動きがぴたりと止まった。
全身を狂おしいほど揉みしだきながら自由に動けるようにその拘束をほどいていく。
そして繋がったままの二人を群の中央、ベッドの上へとゆっくりと降ろしていった。
けれどその間も愛撫はやまず、また角度や高さが変わっていくたび胎内にあるものは滅茶苦茶に暴れ続け、全身を包み込む触手も捩れ、蠢き続けている。
特に二人を繋ぐそれはいつしか細い根のようなものを何本も生やし、二人の体にはい回っている。その一部はどこまで腰を引いても全体が抜けてしまわないよう二人の腰を抱え込み、その他は膣内や尿道にまで無数に入り込みその中でチクチクと先端を粘膜に差し込みながらざらざらと舐めとるように身をくねらしている。
その様は決して快楽そのものからは逃がさないと告げるようで。

「さぁ自分で動いてみたらいいわぁ?運が良ければぁイケるかもしれないわよぉ?」

それは内心拒んでいるそれを受け入れ、快楽のために利用する行為。
同時に相手を追い込んでいくとも十分に理解できるはずだ。我が身を持って。
けれど入り込んだものの動きは止まらず、全身を揉む感覚もまるで今もはい回られているかのような錯覚を起こすほど残っているはず。
この子たちはどう動くだろう?どんな痴態を見せてくれるだろう?
目を細めて愉悦を漂わせ、悦楽を煽る。
どれだけ羞恥を投げ捨てても、どれだけ痴態を曝そうとも、ただ自身と相手を追い詰めるだけ。
けれど魂すらも燃やし尽くさんとするような熱が籠った体は動かないなどという選択を許してはくれない。
仮に死後、絶望を感じる場所があるならその一つはきっとこんな場所。
まさにそこは淫獄と呼ぶにふさわしい場所だった。
そして…この地獄がいつまで続くかは彼女の気分次第。

ノア > 「 もう.. ころ し、 て... っ !! こんな の、 も.. むり っ.. ! ん、 んんっ ── !! 」

そう泣き叫んでいるつもりかもかれない、けれど.. 実際には先程となんら変わらない鳴き声を上げているだけ。閉じる事の出来ない口にもまた、細い触手が捩じ込まれた。

命を捨ててでも逃れたい程耐え難い恥辱に、心身ともにぼろぼろになった頃.. 悪魔の囁きが耳を擽った。

「 !! ─── っ、 ん.. 」

ベッドに下ろされる身体。繋がったままの二人。何時間ぶりだろう.. 友人の姿をじっと見詰めれば..

「 いる.. ま、 ..... っ 」

可哀想だとか、助けたいだとか、そんな感情は生まれず。ただ、気が狂う程の快楽に歪んだ艶かしい表情が "美しい" と ── 其れは未だ奥底に残っている友情からか、申し訳ないと思う気持ちからか.. 無意識に其の名を呼ぶと同時、涙が頬を伝った。

イルマ > 「ん、んんっ――あ、ん、んぅ……!!」

捻じ込まれ、口内を好き勝手に弄り回す触手に噛み付く余裕も今は残っていない。
心身ともにボロボロになって、それでもなお身体中を這い回る感覚は無くなることはなく――

やがて女の言葉が耳を擽り、するするとベッド上に降ろされていく。
向かい合わせに繋がって、未だ肌の上を身をくねらせ這い回る触手に気が狂うほどの快楽を感じながら…
しかし、それも一瞬忘れてしまったかのようにじっと、友人と見つめ合う。

「……の、あ……っ」

返事をするように、名を呼び返す。
頰を伝う涙に視線が吸い寄せられるようで。思わず彼女を抱き寄せようと、それが叶わずとも手を繋ごうとしたのか…片手がゆっくりと伸ばされた、が。

ハイドリア > 「死にたくなるほど気持ちが良ぃのぉ?平気よぉ
心はともかく体は意外と頑丈だからぁ」

嗤いを含ませながら手の届く範囲に降りてきた二人優しく囁く。
耳朶を撫でるようなその声は一瞬純粋な愛情と諦念を覗かせた。

「…美しき友情ですことぉ」

見つめ合う二人を見つめふと思い出すように呟く。
少しだけ何かを思い出すような素振りを見せた。
それはほんの一瞬で、それに気が付くことはとても難しいかもしれない。

「そんなに大事な大事なお友達だものぉ。楽しめばいいじゃなぁぃ
愛して、愛して、愛おしすぎて壊してしまう位にねぇ?」

その声に一瞬怒気の灼熱が籠ったのは押し殺せなかった内心故。
竜の灼熱は一瞬で消え去り再び妖魔の笑みを浮かべる。
それは先ほどよりも闇を色濃く宿し、冷たく瞳を光らせている。

「ほらぁ、お留守になってるわよぉ?」

指を鳴らし二人を繋ぐそれに再開の指示を出す。
合図を受け取った肉塊は再び蠕動をはじめ、主の怒気を映すかのように二人の体内を抉り始めた。
先ほどは吊るされていた分空中に負荷が逃げていたが、今は体重とベッドで挟まれその力が逃げる場所がない。
それ故に先ほどとは比べ物にならないほど力強く、二人の胎内を狂わせ続けた。

ノア > 伸ばされた友人の手に応え、此方からも手を伸ばすも.. 綺麗な友情は保てず、其の手首を強引に引っ張り抱き寄せた。何度も、何度も謝罪を口にしながら..

「 ごめ.. イル、マ.. っ あた し、 も ぅ.. むり、 イ きた ぃ.. っ ! イルマ、 っ.. イきた い、 っ..... ごめ、 んっ.. ン、 んあっ ─ ぁ、あっ ♡ 」

拘束が解かれ自由になった筈なのに、其の動きは女の思惑通りに動く.. まるで操り人形。触手という糸を操りながら滑稽な人形劇に愉悦の表情を浮かべる女の姿に、何もかも支配されてゆく恐怖に、それから.. 制御できない自信の身体に。精神は崩壊し始め..

抱き寄せ胸と胸を再び擦り合わせると、人外の太い欲棒を最奥までくわえ込み.. 騎乗位のような動きで上下に激しく腰を揺らす。勿論此方がそれだけ激しく動けば、其の動きは一本の欲棒を共有する友人にも伝わる筈で。わかってはいても、絶頂を求め止められない。其の顔は泣いていて、唇は笑みを浮かべてもいて、瞳は生気を失っていた。

イルマ > 伸ばした手首を掴まれ、抱き寄せられる。何度も耳を擽る謝罪の言葉に、此方も瞳から涙が零れ落ちた。

「ん、っ、…ノアっ、アタシも、っ、…っん、イきた、いっ…ノア、ノア…っ、あ、ぁっ、ん♡」

糸の見えない操り人形の如く、自由になった身を快楽のためだけに動かしていく。
半ば壊れかけていた精神は、此処に来て箍が外れた。様々な感情を綯い交ぜにして、狂ったように友人と求め合う。ドレスの女の言葉などもはや聞こえていないかのように…

互いの身体を抱き寄せ、胸同士を激しく擦り合わせる。そのまま最奧まで触手を咥えこめば秘部が密着し、腰を揺すると同時に秘部が擦れ合って二重に快楽を生んでいく。

正気を失った瞳、そして唇に浮かべた無機質な笑み。
そのまま顔を近づけ、貪るように口付けた。熱い舌を絡ませ、全身でひたすら愛し合う。

ハイドリア > 「このまま放っておいてもぉ
幸せかもしれないけどねぇ?」

その様子を首をかしげながら見守り、再び杯を煽る。
暫くはそのまま放置していたが、酒瓶を一本開けたことに気が付くと
別の酒瓶を取り出し封を切る。
このまま酒のつまみにしばらく放っておけば完全に快楽で壊せるだろう。
けれど…

「そう簡単に終わらせてあげるのもぉ…勿体ないわよねぇ」

まだ、どちらも壊してしまうには少々惜しい。
完全に狂気に堕ちる寸前を見計らって手を打ち触手の動きを完全に止め、
同時にその音で少しだけ二人の意識を現実に引き戻す。

「んー…困ったわぁ?
一応イケるかもしれない手段はぁ、有るには有るんだけどねぇ?」

優し気な笑みに困惑を一滴混ぜた表情を作り、二人に聞こえるようゆっくりと繋げていく。
絶望と狂気にたっぷりと突き落としてからやっと希望を匂わせる。
蜘蛛の糸を垂らし、天上に至る可能性を示す。
罪人に蜘蛛の糸を垂らし、救いの可能性を与えたように。
けれどそれ以上は決して与えない。
蜘蛛の糸を垂らしたものはそれを登りきる条件を告げず、罪人を最後奈落へと再び落とした。
この娘達は今まさに蜘蛛の糸一本でヒトとしての形を引き留めている。
登り切る術はそれを眺める者の手の中にしかない。
そしてその者は獲物が泣き叫び、全てを差し出しても良いと縋るように乞うまで
この供宴からの救いを与えるつもりなど微塵も無かった。
のんびりと言葉を紡いでいく。

「なんていうべきかしらぁ…問題点が多いのよぉ」

征服欲が主な糧であれば、このまま逃がしても良かったかもしれない。
二人は既に屈服に近い状態にある。
多くの雄の生き物は征服感を満たす為に獲物をなぶる。人も例外ではない。
飽きるまでいたぶったあと、喰らってしまえばいい。
それが目的であれば既にはんば目的は達成されているといえる。

けれど彼女はそれ自体には微塵も興味がなかった。
彼女にとって大事なのは征服欲などではない。
絶対者は他者を屈服させるのが当たり前なのだから。
彼女が美しいと思うのはただ、嬲られ、もだえ苦しみ壊れていく様。

だからこそ告げる。
先の見えない絶望から逃げ出す術が、私の手の中にあると。
最も美しいその瞬間に向けて期待で胸を高ぶらせながら。

「どぅするぅ?試してみるかしらぁ?」

ノア > 無数の触手に犯されてもなお届かない絶頂を欲し、友人の身体をも利用して貪るような性交が始まった。だらしなく唾液が垂れてしまうのも構わずに、互いの舌を絡め合い.. それでも..

「 いけ な、ぃ... っ、ン んあっ.. あ、 あっ ♡ おっき ぃ、 の.. こんな に、して る.. のにぃ.. っ、 ぁ.. あっ、 ん.. ゃ、あっ ♡ きもち ぃ、 のにっ.. いけ、 ない のっ.. ! ン、 んぁっ.. あ、 あっ ♡ 」

泣きながら触手相手に懇願する姿はもう、まともではなかった。喜怒哀楽が全て混ざっているようで、感情を失ったようでもある表情を浮かべたまま..

長い髪を振り乱し、薄桃色の胸の先をぷくりと腫らし、動く度じゅぶじゅぶと卑猥な音を鳴らしながら、ただひたすらに腰を上下に揺らし続けるも ──

「 ぁ、 あっ ♡ ん.. んにゃ ♡ ぁ、んあっ.. あっ、 らめ... っ おか し、 く.. なっ、 ちゃ.. ぁ、 ンっ.. ♡ んあっ.. あ、 あっ ♡ ── ゃ、 だっ.. ! やめ なぃ、 で.. っ

!? ─── っ、 ..... んっ.. 」

ドレスの女が手を打つ音が、直接脳に響く。其れと同時、触手達の動きがぴたりと止み.. 泣きじゃくる子供みたいに懇願した。

強制的に女の声へと意識は向く。何でもいい、其れが例え蜘蛛の糸だって何だって、今の自分にはすがり付く以外に選択肢はなくて..

「 おねが、 いっ.. なんでもいいっ、なんでも.. いいか らっ... はや く、イか せ て..... っ 」

イルマ > 友人の身体を貪るような性交。舌を激しく絡め合って、ぷっくりと腫れた胸の先端を擦り合わせ、全身を無数の触手に犯されながら――

それでも絶頂に達せない。涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら甘ったるい声をあげ、腰をひたすら揺すって揺らし続け、欲の棒で中を掻き回される快楽に身悶える。

「あっ、あ、あ♡ ダメ、もっ、イきた、いっ、のにっ♡ あ、あっ…ん…あぁ、やぁ、んっ♡」

友人の腰をキツく抱き、全身を余すところなく擦り付けてもまだ足りない。
終わりのない快楽に溺れていた意識がやがて、触手の動きがぴたりと静まったことにより浮上する。
女の声に目を瞠り、友人と声を重ねるようにして懇願した。

「ん、もっ、…いい、からっ、…おねがい、早くイかせ、てぇ、っ…」

クモの糸であれ、永劫に続くこの苦しみから逃れられれば構わない。切羽詰まったような色を可能な限り声に滲ませる。

ハイドリア > 「駄目よぉ。こういうお話はしっかり考えて決めないとねぇ?」

そんな懇願を他所に暢気に困ったように眉を顰め、宥める様に続けた。
頬に片手を当て、少し考え込む素振りを見せながらゆっくりと言葉を紡ぐ。
決して焦らないのはその言葉をよく理解させるため。そして焦らせその言葉をしっかりと刷り込むため。
その間も止まらないであろう愛撫を眺めゆっくりと焦らしていく。

「一応手はあるのよぉ?ただぁ…」
一瞬言葉を切る

「キモチ良すぎて死んじゃうかもしれないわぁ?」

無邪気に告げていく。
息をのむ気配を心地よく感じながら。

「それにぃ、私も大変なのよねぇ
だからあんまり乗り気じゃないというべきかしらぁ?
そうねぇ、対価はとっても大きいわよぉ?
まぁ欲しがっているものと同等かそれ以上を対価にするのは基本よねぇ?
それでも良いならイイわよぉ?」

乗り気でないそぶりを見せ、焦らしていく。
実際は大変でも何でもない。既に答えは予想しその準備も着々と進めてきたのだから。
けれどこうして焦らされる一分一秒がどれだけの責め苦だろうか?想像するだけで自身も熱を覚える。
仮に彼女の眼を見つめれば、その翡翠色に戻った瞳の奥に狂気を宿す怪物の姿を見るだろう。
けれどたとえ相手が人ならざる者と悟ったとて、目の前にある餌に食いつかずにいられるだろうか?
目の前の快楽の為に友か自らを売り渡す判断を迫る。
この契約は間違いなく受けるべきではない。
友を思うならば決して二つ返事にはうなずけない…そんな提案。
けれど、それさえ飲めば、目の前のご褒美に触れることを許されるかもしれないのだ。
仮に今一人で自身が対価なら、それこそ一も二もなく同意したかもしれない。
それほど今の二人には魅力的すぎる誘惑のはず。
その逡巡すら楽しむように言葉を紡ぐ。

「しっかり考えて身の振り方を選びなさいなぁ?断ったって良いのよぉ?
まぁ、その状態でこの後生きていけるかは疑問だけどねぇ…?」

時間をかけ、冷静さを取り戻させながら、少しだけ逃げ道を用意する。
例えこの場は堪えても、脳髄を焼く快感と欲求が満たされることはない。
それが何日何年続くだろう?何をしても達せない地獄のような日々、触れるだけで背筋が震え、脳髄が焼けるような日々がこれが解消されない限り延々と続く。
その間まともな生活は望むべくもない。
何度前後を巨根に貫かれようと獣に激しく嬲られようと、その火照りは解けないだろう。
なぜそうなっているか分からないのだから対処のしようがない。
しかも一市民ならともかく…

(罪人には厳しい条件だわねぇ?)

そんな弱った罪人が生きていけるほど、裏社会は甘くない。
飽きるまで散々好きにされた後、運が良ければ殺してもらえるだろう。
運が悪ければそのまま憲兵に僅かな金銭と引き換えに突きだされ、その後どうなるかは散々彼らの腐敗を語っていた彼女たちには悩むまでもない。
体の反応がいくら良くとも常時脳が焼き切れかけている上に、何をしても絶頂しない状態などすぐに飽きられるか先に壊れきるか…
どちらにせよ待っているのは逃れられない破滅。
それを鈍った頭でも考えられるほどの時間をおいて再び問いかける。

「ねぇ?どうするぅ?」

選択は自由。
眼前に差し出されるのは極上の蜜を称えた罪の果実。
今この瞬間の耐え難い業苦と抑えられる領域にない渇きを潤す奈落の甘露。
すでに一方には王手はかかり他に苦痛から逃れる術などない。
快楽に堕ちた生を選ぶか、僅かな誇りを抱えて死を選ぶか…
救いのかけらもない二択を提示しながらただ手を伸ばされる瞬間を待つ。