2023/01/19 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 男が剣を振るう度、血飛沫が舞う。
敵味方入り乱れる戦場の中、防具も付けぬ青い闘牛士服の男は、血塗れになりながら戦っていた。
だが、異様だったのは、その血塗れに自分の血ではなく、敵の血のみだったということ。
そして、もう一つは、

「いひ、ひ」

男が、笑いながら戦っていた事である。
戦場で薬物が使われる事は珍しく無いが、しかし彼の行動には高度な一貫性があり、敵を一撃で仕留める機敏さがあり、敵味方を分ける理性があった。
理性がないままに殺すのと、あるままに笑いながら殺すのと、どちらがマシかは人に拠るだろうが。
そして、ローベルクの家はどちらにせよ、殺すならば同じだと言うだろうが。

だが、どうやらこれは、無意識の様で、男は自分の口の端に手をやると顔を顰めた。

「……早く終わってくれないかな」

男は、人殺しは嫌いだ。
だが、それでも実家に無理矢理捻じ込まれてしまった以上、この戦場だけは戦い抜かねばならなかった。

ご案内:「ハテグの主戦場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からクレス・ローベルクさんが去りました。