2020/09/21 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にエミネさんが現れました。
■エミネ > 「さぁ、かかってきなさい!!」
戟を振りかざし、エミネは見得を切る。足元には王国の兵士が幾人も倒れている。そして、エミネの周囲にも武器を構える王国の兵士。
一人が叫びながら槍構え突進してくるのを、華麗にかわしながら戟で叩きのめす。死んではいないだろうが立てなければまあいい。
「惰弱ね!貧弱ね!もっと骨のあるヤツはいないの!?」
周囲に帝国兵士の姿は無い。いや、既に撤退したと言うべきか。エミネは独り殿を務めているのだ。
ある軍人皇族が自身に箔をつけるために帝国軍のいくらかを率いて行った外征、しかし準備も作戦も杜撰なそれはあっさりと破綻し、帝国軍は散々に王国軍に叩き返され退くことになった。
我先に逃げ帰ろうとするような無能でも皇族は皇族、撤退するまで守らねばならない。王国軍による追撃を食い止め、時間を稼がねばならない。エミネの隊が殿を担当し、さらにエミネはある程度時間を稼いだ後部下をも全員撤退させ、こうして独りで王国軍を相手にしている。
「たった一人のミレーに勝てないなんて、南蛮人は惰弱にもほどがあるわね?」
だが、彼女の顔に絶望も焦りもなく。自分が帰れなくなることなど考えていないようで。
また二人王国兵をなぎ倒す。トドメは刺さない。負傷者が増えれば追撃も遅くなる。
「どうせなら大将でも連れてきなさいよ!!アンタらじゃ役不足よ!!」
エミネは吠える。まぁそろそろ真打も出てくるだろう。そうなれば首でも取ってやろうと思いながら。
ご案内:「ハテグの主戦場」にルリアさんが現れました。
■ルリア > 「捜し物はこれかしらぁ?」
勇ましいエミネの挑発に答えたのは、戦場には似つかわしくない間延びした女の声。
装いも、少々下品で露出の多いドレス姿と完全に状況とミスマッチ。
貴金属で飾り立てられた姿は貴族の婦人に見えなくもないが、娼婦と言われても納得してしまうような雰囲気を纏っている。
そんなルリアの出現に、王国兵も戸惑っているようで。
しかし、無造作にぶら下げているある物を認めるとそれは恐慌に変わった。
「欲しいならくれてやるわぁ」
酷薄そうな笑みを浮かべると、ルリアはそれをエミネの前へと放り投げた。
軽いアンダースローにより、きれいに放物線を描いたそれはドサリと重たそうな音を立てて着地する。
それは、王国兵の指揮官の首であった。
見開かれた、もう動く事のない目がエミネの方へと向いた。
「むさ苦しい男ばっかりで、もう帰ろうかと思ってたけど。
んぅふふふ……。
オイシそうな獲物がいるから出てきちゃったわぁ」
生首を放り投げ、手ぶらとなったルリアは頬に手を当てうっとりとした目でエミネを見つめている。
怯える王国兵の姿は眼中になかった。
■エミネ > 「え……?」
目の前に投げられた首に、一瞬思考がフリーズする。
被っているヘルムと周りの王国兵の反応から察するに、どうも敵の指揮官らしいが…。
改めて見上げれば、こちらを見て恍惚とするルリアの容姿は南蛮人に見えるが、どうにも服装以外にも違和感を感じる。直感が警告音を鳴らしている。
「…まずは敵将の首を取ったこと、褒めてあげるわ。それで、アナタは何者かしら?」
獲物と聞いて身構える。どうにも友好的では無さそうだ。
間合いを維持しながら、戟を向ける。
どうにも、帝国で妖怪と呼ばれる存在に近い雰囲気を感じる。
■ルリア > 得物を向けられるも、ルリアは動揺も警戒も見せる気配がない。
舌なめずりをしながら、粘着質な視線をエミネに送ったまま。
「何者か、ですってぇ?
腕は立つみたいだけど、こんな時に可愛い事を言うのねぇ」
そう言うと、今度は足元に落ちている剣を拾い上げ。
それをエミネに向かって投擲した。
特に構えを取る事もなく軽い動作で投げられた剣だが、そんな見た目からは想像出来ない勢いで飛んでいく。
正面から警戒しているエミネに直撃するとは思えないが、棒立ちをしていれば確実に負傷、悪ければ致命傷も有り得る。
ルリアは言葉ではなく、行動で明確に敵である事を示した。
■エミネ > 目前まで来た剣を、手にした戟で叩き落す。なるほど、素敵な宣戦布告だ。
戟を見れば限界がきたのだろう。へし折れて使い物にならない。
エミネはそれを投げ捨てると、腰の刀をすらりと抜く。
王国兵は既に負傷者を連れて逃げ散っている。
自分も逃げたいところだが、逃がしてはくれない気がする。
「南蛮人は礼儀を知らないようね?武人なら名乗るものよ」
鞘から抜かれた刀は二つに分かれ、二振りの刀になる。
それを両手に握り、姿勢を低く。目線は真っ直ぐルリアを見据え。
「こちらから名乗らせてもらうわ。
帝国武官、”鉄蛇(アイアンサーペント)”エミネ・グウェン」
風が吹く。汗が落ちる。エミネは、一気に踏み込んだ。
■ルリア > 武人の心得を説かれても、そもそもそんなものではないルリアにはどこ吹く風。
しかし正統派な武人はルリアとて嫌いではない。
といっても、それをへし折る愉悦のためなのだが。
「んふふ……。
帝国のミレーは、中々活きが良いわねぇ。
王国で飼いならされてる腑抜けより、よっぽど好みだわぁ」
新たな得物を抜いたエミネに僅かに警戒を強めるルリア。
しかし、最初はあえて正面から受け止めようとする。
ドレスを翻しながら飛び退き、王国兵の取りこぼした剣を、こちらも二本拾い上げ。
同数の得物で以って、エミネを迎え撃つ。
ルリアにとって剣での打ち合いは専門ではない。
初めはエミネに花を持たせてやり、じわじわと武人らしくない手口で追い詰めていくとしよう。
■エミネ > 間合いに入れば、一部とはいえ鎧を着けているとは思えないほどの軽やかさで、
次々急所狙いの斬撃を繰り出すだろう。
「好み?そりゃ良かったわ。私だって堂々と肌を晒すような女は好みよ」
エミネはにやりと笑ってみせる。
その間にも、刃が風を切り、打ち合う音が響く。
「素っ裸にされたくなかったら今すぐ降参することね!」
命まで取るつもりはまるでない。逃げるのが自分の目的、そこは見失っていない。
今だって、言葉とは裏腹に隙さえできればさっと逃げ散るつもりだった。
■ルリア > 「あら情熱的。
どうせならベッドで脱がせて欲しいわねぇ」
軽口を叩きながら腕を振るい、エミネの攻撃を受け流しつつ牽制の攻撃を放つ。
全く戦士らしくない服装と態度のルリアだが、エミネの斬撃を致命打にならない程度に凌げている。
とはいえ浅く肌が裂ける程度の傷はいくつか出来ていて。
得物と地力の差からこのまま打ち合いを続けていても、エミネを打ち倒すのは難しいであろう事はよく分かっていた。
しかし剣で正面から倒す事が目的ではない。
そろそろこちらも仕掛ける事にしよう。
ルリアは打ち合いを続けながら、自らの背後にちょっとした魔術を展開する。
それは地面に水分を含ませぬかるみにするという地味な術であるが、打ち合いの最中にうっかり踏み込めば足を取られてバランスを崩しかねない。
仕込みが終わると、徐々に後退しながらぬかるみへとエミネを誘い込もうとする。
とはいえ、これも別段必殺の手ではない。
むしろ、ちょっとした卑怯な技を使って挑発するのが主目的だ。
■エミネ > 相手の肌浅くには、刃がかすっている。打ち合いから察する力量も、容易く勝てるほどではないといえエミネより強いとは思えない。なのに、相手は余裕そのものといった表情だ。
心の中で、エミネは警戒する。
「帝国に来たらいつでも抱いてあげるわ?だからベッドの準備をさせてもらえない?」
だが、それを察させない軽口を叩き返す。
その時、エミネは気づく。どうも、相手はワザと後退しているようだ。彼女は、追撃の足を止め、間合いを取った。
「……そっちに何かあるの?」
再度、双刀を構えなおしながら、エミネは問いかける。
冒険する必要はない。相手が何か仕掛けてるなら乗る必要はない。
■ルリア > 簡単な罠だが、警戒されてしまった。
だがルリアはむしろ上機嫌。
あっさりと罠にかかる猪武者よりも、手応えのある戦士を陥落させた時の方が喜びは大きいからだ。
「中々良い勘ねぇ。
そうよぉ罠を仕掛けておいたの」
仕込みの一つぐらいバレたところで大して問題はない。
そして今度は、隠すつもりもなくあちこちで魔術を発動させていき。
同様のぬかるみだけでなく、大小様々な落とし穴や爆発する魔力地雷をそこらじゅうに発生させた。
隠蔽もほどほどで気をつけて観察すれば位置は分かるだろうが、これで先程までのような白兵戦の打ち合いは困難。
間合いを取るのにも著しく制限がかかる。
そしてルリアは軽く宙に浮き、足元の罠の影響から逃れていて。
「それじゃあ、第二ラウンドといきましょうか。
終わったらベッドはこちらが用意してあげるわぁ」
余裕の笑みを浮かべたままのルリア。
更に両腕の付け根から、黒い影が出現し。
それが新たに剣を拾って四刀でエミネと向かい合う。
白兵技能に差があろうと、二倍の得物と罠だらけの足元。
これにどう対応してくるだろうか。
今度はルリアから距離を詰めて、二倍となった斬撃をエミネに見舞う。
■エミネ > 「……なるほど、そちらが本業ね?」
大量に敷設された魔術のトラップ、そして腕が四本になったルリア。
王国のかそうでないのかは知らないが、とにかく魔術師だ。
「ナメられたもんね。…増えりゃいいってもんじゃないのよ」
四刀の連続攻撃を、器用に二つの刀で捌く。それでも、捌ききれない分が体に向かうが、
浅い傷で済むようかわし、籠手も使って防御する。
そして、走ることはなくとも大股で、ルリアのほうを向いたまま後退していく。
まるで地面の状態を気にしないかのように、いや、埋められた罠を適格に、まるで見えてるかのように避けている。
見れば、尻尾が地面まで垂れ、慎重に地面を触って探っているのだ。
「どこまで追いかけっこできるかしら?」
歩む先は帝国領。エミネはそこまで行けば増援が来る程度にしか考えていないが、帝国領内には神々の加護がある。入ってしまえば魔族には辛いだろう。
■ルリア > 「あら、やるわねぇ」
今度は後退していくエミネをルリアが追う番だ。
これだけ足場が悪くなっても的確に避けながら後退出来る手腕は見事だが、当然素直に逃がすつもりはない。
今までは白兵戦と搦め手だけだったが、そろそろ本格的な攻撃で決着をつけてもいい頃合いか。
四刀でエミネに追撃を行いながら、魔力を溜めて攻撃用の魔術を準備する。
ここまでに搦め手と小技に徹してきたのは、このための布石でもある。
別に最初から攻撃魔術を放って追い詰めても良かったのだが、不意打ち気味に放った方がより効果的という考えと。
予想外の攻撃を見た相手の顔を見たいというルリアの趣味が主な理由である。
「逃げられると、余計に欲しくなるわぁ。
ふふふ、逃さなぁい」
余裕の態度を崩さないまま、浮遊してエミネを追い。
魔力が十分に溜まると、剣を投げ捨て指先から大気を焼く閃光をエミネに向けてまずは一本放った。
一撃だけなら回避もされるかもしれない。
しかし、これは連射式で無数に撃てる。
一発辺りの威力は致命傷にはならない程度だが、それでも当たれば痛みで動きは制限されるし負傷して動かなくなる程度の威力はある。
最初の一撃をもしかわしても、ルリアは余裕でエミネを捕らえる自信があった。
■エミネ > 「しつこい女は嫌われるわよ…って!?」
なんとなく、何かを仕掛けてくる予感はしていたが、いきなりの攻撃に慌てる。
エミネは指先から放たれた閃光を紙一重でかわした。
しかし、2発、3発、4発、10発、20発。
それこそ無尽蔵に、閃光がエミネに襲い掛かる。
エミネは必死にかわし、刀ではじく。もはや後退の余裕もない。が、しかし。
「あっ!?」
片手の刀がはじかれ、もう片方もはじかれ、そしてついに。
「ぐっ……」
もろに肩に食らってしまう。思わず膝をつく。ぜえぜえと息を吐く。
肩を触れば、服を貫通し、指先に血がつく。
それを確かめ、膝をついたまま、エミネは顔を上げ、ルリアを睨みつける。
「…………」
もう逃げられない。
■ルリア > 膝をついたエミネに悠々と近づき、睨みつけてくる目を上から見下す。
「もしかして、出し抜いて逃げおおせるとでも思ってたのかしらぁ?
ふふっ、遊ばれてる事に気づかないで最高に滑稽だったわぁ」
口の端を吊り上げて笑い、ねっとりとした視線を動けないエミネに向けながら。
「さぁて、これで逃げる目はなくなったしお仲間もいない訳だけど。
命乞いでもしてみる?」
影の握る剣の腹で、ぺちぺちとエミネの顔に叩く。
もはやその気になればいつでもその首を切り落とせる状態だ。
中々気の強い戦士のようだが、生殺与奪を握っている相手に果たしてどれだけ反抗的な態度を見せてくれるだろうか。
■エミネ > 「……まぁ勝算は低かったわね、確かに」
悠々と歩いてくる女を見て、舌打ち。
エミネはじっと、ルリアの瞳を見つめる。
「命乞いも何も別に殺すつもりはないんでしょう?
セックスだって、別にアンタみたいなエロい女となら喜んで付き合うわよ?」
そう言いながら、頬を叩く剣の腹に、視線を向けた刹那だった。
片手でそれを掴むと、指や手のひらが切れるのも構わずルリアを引き寄せながら、
もう片手で懐から取り出したのは、毒を塗った匕首。少しの傷でもつけば猛獣でも死ぬ毒だ。
それを逆手に構え、思い切り懐に飛び込み突き刺さんと。
■ルリア > ルリアに向けられた匕首はしかし、届く事なく足元から伸びる影に阻まれた。
更に腕の影に未だ握られた剣で、匕首を持つエミネの肩を切り落とす。
不意打ちで命を狙われたルリアは、むしろ上機嫌であった。
「そうそう、そうやって足掻いてくれないと面白くないわぁ。
まあ、お行儀の悪い腕にはお仕置きするけど」
あっさりと腕を切り落とすが、別にそのまま殺すつもりではない。
すぐに治癒魔法をかけて止血する。
しかし痛みまでは関与しない。
せいぜい苦しんで良い悲鳴を上げてくれればいい。
「さぁて、それじゃいよいよお持ち帰り、の前にまた余計な事をしないようにっ、と」
と言うなり何本も影の腕を生やしてエミネの武具を剥ぎ取っていく。
最後まで反抗を続ける意思は嫌いではないが、いちいち対応していては持ち帰るのも一苦労だ。
片腕を切り落とし、全裸に剥けば流石に大人しくなるだろう。
■エミネ > 「あー…自害にしとけばよかったわね…」
腕を斬られても、痛みに声をあげるどころか、にやりと笑みまで作ってみせ。
しかし、それでも痛かったようで、すぐに不機嫌な顔になりながら、シェンヤン語で何やらぶつくさ呟き。
影の腕にも抵抗することなく、全裸に剥かれる。
鎧で抑えられていたのが解かれ、鍛えられているが豊満な女体が、惜しげもなく晒される。
特に武器の類は無いが、尻尾は威嚇するようにびんと立っている。
「……どうせ腕なんてすぐ生えるわ。それより、持ち帰る前に名前を教えてくれないかしら?」
脂汗をかきながら、エミネは言う。
「帰ったら復讐リストに書き込んでやるんだから」
■ルリア > 「腕が生える?
ふぅん、ミレーにしても中々人間辞めてるわねぇ貴女……。
これは楽しめそうだわぁ」
余計な武具を剥き、豊満な裸体を前にしながら興味深そうに頷く。
そして未だ反抗的な視線を絶やさないのも中々の高ポイントだ。
「あらぁ、無事に帰れるつもりでいるの?
ま、これからお楽しみだし名前を呼んでくれた方が盛り上がるかもしれないわねぇ」
ルリアとしても飼うよりは適当なところで帰した方が面白いので、捕らえてもそのうち解放するつもりではあるが。
これから連れ帰るというのに、わざわざそんな事を教える事はしない。
「それじゃあ、私の事はルリアと呼んでいいわよぉ。
ふふっ、忘れたくても忘れられない名前にしてあげるわぁ」
そう言うと、五感を奪う魔法をエミネにかける。
隠れ家へのルートを覚えられては面倒だし、これで抵抗する力も奪える。
安全を確認してから、影の繭にエミネをくるむと戦場を後にするのであった。
■ルリア > 【中断】
ご案内:「ハテグの主戦場」からルリアさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からエミネさんが去りました。