2019/01/14 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場(流血表現注意)」にエルディアさんが現れました。
■エルディア > ハデク戦場の一画、楔状湿地帯。
警戒や奇襲対策を行いやすいという事から度々双方の斥候や
小規模軍が陣を形成するこの場所は今宵は妙な静けさに満ちていた。
月明かりに照らされた平原部には折れた槍や砕けた盾が散らばり
火のついた薪や枯れ木が爆ぜる音と共にそれらを時折強く照らし出す。
……そしてそこには今いくつもの死体もまた転がっていた。
あるものは頭を失い、あるものは全身が焼け焦げ、うっすらと煙を上げている。
恐らく野営の途中だったのだろう。散乱した食器や鍋、
吹き飛んだ竈にずたずたになったテント……体が半分吹き飛んだ馬なども見える。
■エルディア > 近年小競り合い程度であったとは言え此処は戦場であり、死は常にそこに在る。
死体だけなら珍しくもないが……この場所には戦に勝った者の姿は見えなかった。
砲術魔法にでも晒されたような有様の元野営地には占領を示す旗も掲げられず、かといって盗賊に荒らされたような形跡もない。
ただあるのは抉られた地面や焦げ跡、そして野営の残骸や死体。それだけだ。
恐らく武器を取る暇もほぼなかったのだろう。
死体の手元などに転がる食器などが彼らの身に突然不幸が襲い掛かったことを物語っていた。
「――――――――ぅ」
唯々静かなその場所に遠吠えに似た声が響き渡る。
その声の主は陣の近くにあった人の背丈ほどの岩場の上にあった。
「……」
背中から生える異形の腕と煌々と光る赤い眼光は、それがヒトならざるものであることを示している。
それはゆっくりと立ち上がると手に持っていたもの……軍用携帯食料を放り投げると近くのテントへとごそごそと入り込んでいく。
どうやら何か食べるものを物色しているようだった。