2018/10/17 のログ
■影時 > 忍びの者同士の戦には慣れているが、真逆この地で為すことになるとは思ってもみなかった。
否、近しい事例については初めてではない。
純然たる忍びではないが、近い使い手との戦いはまだ記憶にこれもまた新しい。
今までは斯様な戦場には鹵獲した剣槍やら、その場で仕入れたものをとっかえひっかえしていたが、今は違う。
切先まで氣が通り、己が手の延長の如く扱える得物があるというのはそれだけで違う。
駄剣や鈍らの類でも切り込める術は体得していても、然るべき得物があるというのはより一層の冴えをもたらす。
それは加減が効くということでもある。
詰まらぬ戦場であれば早々に済ませたことだろうが、そうではない刹那というのは何よりも得難いものだ。
「――善哉善哉。その位やってくれようなァ。」
だから、この切先を躱して立ち回る姿を捉えれば、隠すことなく喜色をその顔に示して相手の技量を湛えよう。
斬意も殺気もなく、ただ吹き抜ける微風の如く切り裂かん、とした刃を引き戻しつつ、立ち止まる。
二の太刀は打てる。否、そうではない。生じた微かな隙を向こうは逃さない。
「なぁ? 千鶴よ。何故あちらにいるかどうかは、問わんが」
掌と刃だ。右手一本に持ち替えた太刀を使い、連続する斬撃を刃の根元の鎬を使って捌く。
だが、叩き落とさんと差し向ける己の左手を手刀として繰り出すも、先んじる衝撃に微かに呻く。
五体に氣を練り、巡らせて踏ん張るも斯様に触れて来る仕手とは、久方ぶりだ。
故に向こうの名を呼びつつ、隠さぬ口元にありありと笑みを刻む。対敵の所以は、どうでもいい。よくあることだ。
■チヅル > 打撃を耐え、斬撃をいなす。
刹那の攻防はどちらに傾くこともなく仕切りなおす。
不意に名前を呼ばれる。気配で分かったのだから無理からん事である。
口元は己と同じく愉悦に、高揚に吊り上がる。
――愉しい、などと。
戦場で、感じるのはいつ振りだろうか。
命の取り合い、1手間違えれば屍を晒すのは自分かもしれないというのに笑みが消えない、止められない。
「話の分かる人は好きだよ、影時。
――事情なんて些細なものさ、特に僕らみたいのなら尚更ね」
二歩大きく下がる。苦無を眼前に構えながら問答のように語り合う。
「しかし見た目通りの剣の冴えだね。こりゃ気が抜けないな」
■影時 > 打った側の掌には、こんな手応えが返ろうか。
例えて言うなら、身が良く詰まった樹の幹を叩いたような手ごたえが。
よく練られた氣が充溢し、巡っているという証左である。
練気の技に長けたものとの命の遣り取りとなると、より内面に研ぎ澄ました氣を叩き込むことが重要だ。
その為に刃を握るのも、選択として間違いではない。
だが、そんな道理や条理はさておいて――詰まらぬと割り切ったつもりの戦場が、愉しくなった。
この否定しようもない事実、現実にこそ悦を抱く。滾る。生の強き実感を得る。
「俺達のようなものだと、寧ろこの位は何時もの事だわなァ。
だが、しかし参ったぞ。殺さずに置く……となると、幾つか手に悩むな」
殺し合う理由はない? 刃を交わらせる由縁であれば如何様にも出来る程に沸く。
死して屍拾うものなしではあるが、無為に投げ捨てるようなものではないからだ。
問答というよりは、見た目の物騒さえ除けば世間話でもするような気軽な風情が此処にある。
己も一歩下がり、一足一刀の間合いというにはやや距離を置いた距離を隔て、思考を回す。
では、こうしよう。右肩に刀を担ぎ、左手でぴっと印を切る。その上で瞬間に紡いだ気息を巡らせる。
「まァ、いいな。付き合え。思いっきり――戯れてみるかッ!」
その上で、再び切り込む。右手一本で握る刃を相手の顔、額に向かって振り落としてゆく。
連動して左肘を引き絞り、緩く作った左手の手刀を振るえば風が生じる。
氣を練り込んだ風による打撃だ。己が術の流派では木霊打ち、とも呼ぶ。
刃金の一閃と風を繰る一打と。上、横の順で虚実重ねた十文字を描くように攻め手を繰り出してゆこう。
■チヅル > 「・・・・・・、――!」
刀を担ぎ、印を切る。
忍術か否か。迷うより先に迫る唐竹。
咄嗟に身を捻るは右、刀を躱して追撃――を左より叩きつける猛風が殴りつける
軽身痩躯は木の葉のように吹き飛び――文字通り宙を舞う。
「ああ、いいよ。存分に暴れようじゃないか・・・ッ!」
初めて見る種類の忍術。またそれを高度な刀術と織り交ぜて扱う技量。
暗殺などとはまた違う緊張感が媚薬のように戦いへとのめり込ます。
愉しげに、友に交わす様に言い放ち、笑う。
未だ宙を滑るまま、身を捻り苦無を投げつける。
同時に両の掌をぱんと打ち合わし――生まれた炎が双手を、双脚を包む。
得意とする火遁の術、そのひとつ。名を鬼纏いの術と呼ぶ。
気をしかと巡らせた四肢はまるで鋼のような強度を持ち、また易々とは消えぬ炎を纏い掌打と踵、肘と膝――人体の中でも特に硬いとされる部位による打撃、それらを嵐のように打ち込んで行く。
刃にこそ触れてはならないが、鋼のごとき打撃は多少のことでは壊れることも失われることもない強靭な武器と化す。
■影時 > そう、そうだ。戯れる由縁はあっても、生命を奪うための由縁はないのだ。
相争う戦場で邂逅した。そして、趨勢が決しつつある局面の戦場でもあるのだから。
故に意識すべきは殺害よりも、無力化の方策であろう。
先程死んだ傭兵やら冒険者がどうだかの嗜好は不明だが、屍を抱く趣味はない。
故に、最終的に目指す方策を胸にしつつ、刀術を織り交ぜての一手に対する反応を窺う。
少なくとも明確なのは己と同様の生業であるが、同じ里の出ではない。
似たような技は使うだろう。しかし、どのように――という決定的なものはまだ見ていない。
「……! 炎、かっ!!」
投じられる刃をすぐさまに引き戻す刀の鎬で己の身の外側に払いのけるも、その後の瞬間に光を見る。
炎の光の色だ。その上で己が身をそれこそ、嵐の如く叩く熱と衝撃に呻き、蹈鞴を踏む。
連撃となれば、回転速度を考えるとなると深く突き刺さるような重みというのは難しいだろう。
向こうもそれを鑑みての、手数であろう。溜まらぬ、とばかりに下がりつつ両の手を構える。
――右手に太刀。左手に掌。肉を炙り、焼く熱。身に重なる衝撃。
向こうの呼吸を漸く掴みかけてゆけば、掌打や肘を受け止め、捌く算段はできつつあるが如何せん、速度がある。
「ッ、この、疾さばかりは一朝一夕に追いつけるものじゃァ、ないな。
が――、だが! 数ばかり重ねりゃ良いってモンではないぞ。おおらァっ!!」
だから、此方の攻め手として左半身を表に出しつつ、右足を引く。
一瞬でいい。堪える隙に、向こうが一際強い一打を繰り出す前に手を打つ必要があろう。
左手を右手で握る太刀の柄に添え、気勢と共に練り上げた氣を刃金に強く纏わせて右から左へと奮う。
氣を衝撃波と為して――向こうの胸元と胴の境目程の高さを薙ぐように繰り出す。
斬意をありありと籠めたものではなく、打ち据え、吹き飛ばす威を籠めた一撃で叩き伏せるがために。
■チヅル > 体格と、筋力の差はやはり容易に埋めることは叶わず、猛攻も数発打ち据えた頃、男は更に一歩踏み込む。
常識であれば当たり判定を増す悪手の筈。
しかし鍛えられた肉体と、それを見切る洞察眼の持ち主であれば――
「く・・・っ」
繰り出した掌底を弾き返すような感覚におもわずよろける。
続いて迫る刃。剣気からして斬る為のものではない。
しかしその威力、その速さ、重さが避けそこなった体を強かに打ち据え、ものの見事に吹き飛ばす。
「うぁ・・・・・・ッ!」
数メートルの距離を背面で飛び、地面で跳ねる。
肺に残った僅かな空気と共に呻くような声が漏れる。
しかし二度目の背面着地に受身で体勢を整え、再び向き合う。
ぱさり、と身を包む濃紺のケープが切れて落ちる。
肉こそ断たれなかったものの、衣服は切り裂かれ、白い肌を所々暴いていく。
羞恥を抱く間などなし。
「僕からしたら羨ましいまでの筋力だ。それこそ一朝一夕に宿るものじゃあないよね」
。
指を鳴らし生まれた種火を握り――忍ばせていた数枚の手裏剣と共に投げつける。
赤熱する刃が正面から、左右から弧を描いて飛来する――その影にまぎれるように、手を合わせ掌に炎を握り迫る姿。
間合いに入ったならば、掌の種火を押し付け、一息の後に爆ぜさせるだろう。
■影時 > 我ながら、それこそ侍の如き手管だ。
だが、どうしたのか。風体だけで手段を選ぶことこそが、忍びのものとしてあるまじきスタンスである。
目的達成のために手段を択ばない。如何なる手管、行為も何もかも突き詰めてゆけば手段に過ぎない。
そして、最終的に事を為すために時に耐え忍ぶのもまた、忍びのものであろう。
「火傷は兎も角、繕うのが大変なんだがなぁ。……ったく」
頬や身のそこかしこに火傷したと思しい引き攣れた痛痒を、打ち身の痛みと共に覚える。
装束自体は火薬を扱う関係上、燃えにくい繊維を選んではいても、万事耐えられるという保証は付かない。
宿に戻ったら、焼け焦げの有無を確かめた上で繕わなければなるまいが、まだやるべきことは終わっていない。
吹き飛ばした相手が一度地面で跳ねて、さらに飛んで地に落ちると共に受け身を取る。
――加減が過ぎたか。
内心で己を戒めつつ、見える肌色に微かに目を細めて太刀を下段に提げる。無形の構え。
「そりゃぁ、鍛えたから――なァッ!!!」
火術か。改めて向こうの手管を認識し、内心で定義しつつ一歩、敢えて強く前に出る。
下がれば向こうの思うつぼであろう。故に初手をずらし、外すとなれば前進することが最善と判断する。
その上で大きく息を吸い、五体に氣を充溢させ、体表に滲むくらいに張り詰めさせる。
何のために? 耐え忍ぶためだ。殺すよりも程々に生け捕る方が難しい。難しい程、後の愉しみが出る。
押し付けられる手を胸板に敢えて受け、気合と共に踏ん張れば激しい焔が炸裂する。
火傷の色も露な、鍛えた体躯が大気に曝け出される。その上でク、とひと際深く笑みを刻んだ上で引き絞った左手を繰り出す。
相手の胸板に、柔らかいかどうかも何も確かめることなく、すっと添えるように打ち込んで氣の圧を載せる。
細い体躯の内側にずん、と。響けとばかりの衝撃を間近で叩き込むがために。
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ご案内:「ハテグの主戦場」に影時さんが現れました。
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■チヅル > ――まったく、体力馬鹿とは戦いたくないな。
驚きよりも絶望よりも、千鶴が感じたものは“納得”だった。
まるで内側から膨れ上がったのではと錯覚する――或いは多少なりとも膨れ上がっていたのかもしれない、分厚い筋肉の鎧、鋼もかくやの精神力。
死ぬ可能性すら秘めた、奥義のひとつ。それすらも彼の男には届かず、炸裂する光の中飛び込んできたのは己のものではない、左腕。
閃光を掻き分けたそれは吸い込まれるように薄い胸の中央――心臓へと、触れる、届く。
ちらと見えたものは真っ赤に灼けた筋肉と、深く掘り込まれた勝利を確信した笑み。
ズン、と聞こえるような衝撃。
「ぁ――がはっ……!」
目を見開き掠れた悲鳴と共に散った鮮血が仮面を裏から紅く染め、縁を伝って垂れる。
直後胴だけが飛んでいくかのように吹き飛ぶ体。
揺れる視界、霞む意識、軋む体。
受身を取ることもできず、滑るように背中で地面を這う。
悲鳴も出ないほどの衝撃、されど意識を保ち肉体もあるのは男の技量によるものか。
投げ出すような四肢はくたりとしていて起き上がる体力も今はないことが分かるのだろうか。
辛うじて上下する胸が、息の根が止まっていない証拠でもあり。
■影時 > タフでなければ、死地は潜り抜けていられない。
陰に潜み、事を為す影働きの技能に加えて、四肢を活用した格闘術やら縄術等々、様々な技能を修めた者が此処にある。
並の使い手であれば、今までの一連の連撃でその防御を引き剥がされ、締めの一撃で致死に至っていただろう。
其れほどのものだ。此れを耐え凌ぐとなると一重二重の半端な護りでは、明らかに事足りるまい。
鍛え鍛えた五体。その内に秘めうる氣の量。そして、それらを十全に繰るための鍛錬。どれか一つ欠けていても駄目だ。
「――ク、ハ。ッ、む……弟子に笑われるな。練りが甘かったか」
それでもなお、先の技の重みは体躯に染み入る。
云わば、肉体という革袋に砂を詰めに詰め込んだ上に火薬を傍に置いて、派手に発火させたかの如き有様だ。
革袋と砂の間に染み入り、結び合わせる水や糊の如き氣を繰ってなお、伝播する衝撃は臓腑をかき回す。
咳き込めば、込みあがる鉄錆びた赤みある味を手甲を付けた手で拭い、手放さずに済んだ太刀をちらと検分したうえで鞘に落とす。
此れから為すことを考えると、今は此れに頼る必要性は薄い。
交差させるように打ち込んだ相手の様子を見なければならないからだ。
己と違い、細身の軽い体躯となれば景気よく飛んでしまう程だろう。
己が体たらくを顧み、て練りが甘いと噛み締めながら前に進む。地を這う姿へと、歩み寄る。
「……おい。生きているかァ? 死んでいないなら返事しろ」
辛うじて、という風情で上下する胸元を見遣りながら片膝を突き、右手を伸ばそう。
触れることが叶えば、丹田で練り上げた氣を籠めよう。即回復とは到らぬがその身を賦活させる程度の活力をもたらすために。
■チヅル > 男の呼びかけが聞こえる。
声を出そうにもこの調子ではしばらく声も出ないだろう、と力の抜けた腕をぱたりと持ち上げ――きれずに地面へ再び投げ出される。
しばらくして胸へ再び手が伸ばされる。
今度は打ち据え揺さ振るそれではなく、翳し癒すためのもの。
温かさに似た感覚が胸から全身へ伝播し、脱力した躯に力が戻る。
「ぁ・・・・・・、うん、どうも。何とか生きてるよ。――まったく、なんて体力馬鹿なんだ、君は。あれでも奥義のひとつだったんだよ」
なんとか回復した体、起き上がりつつ最初に発したのは礼と悪態。
物言いたげな声音で仮面のまま男の顔を見上げる。
「僕の負けだ、正直今トドメ差されたら殺られちゃうからね」
腰は地面に根を生やしたまま、胡坐をかくように座り込み諸手を挙げる。
その間視線を、顔を左右させて一応の護衛対象を探す。
生きて逃げ延びたにせよ、討ち取られたにせよ。報告には行かねばならない・・・・・・もちろん、ここから生きて出られればの話だが。
■影時 > 流石にそうそう容易く立って歩けるほど、ではあるまい。
此の消耗具合は住処に戻れば、瞑想による氣の流動の調律や損傷した装束の修理等、休息したいところだ。
それでも、動員できた氣を向こうに分配するのは気紛れではない。
元々殺すつもりはなかったのだ。故に、死なれてしまうと元も子もない。
「おう、生きてたか。加減は慣れちゃいなくてなァ。
……元々そういった体質でな、俺は。氣力精力に溢れてなけりゃ、死んでいたぞ」
少なからず、故国の同業者にも知られた使い手としての証左であろう。
何かを為し得るものは、相応の所以がある。
お陰でひとたび女を抱くとなると、長くなる。己も左腰に帯びた刀を邪魔にならないよう動かし、その場に座り込む。
かかる声に肩を竦めつつ、物言いたげな風情の相手を見遣って。
「トドメ差すなら、腰砕けにしてから殺してやるぞ。
――それとな、この惨状だと探し人は止めとけ。屍攫いに狩られて食い散らかされるがオチよ」
どうやら、他の仲間やら護衛対象などでも探しているのだろうか?
そんな仕草と視線の動きを見つつ、嘯こう。
少しずつ戦いの音は小さくなっている。血生臭さよりも、獣臭い動向の気配の方が強くなっている。
この分だと、逃散した敵兵の頭でも居れば早々に狩られて、裸に剥かれているのがオチかもしれないと思う程に。
■チヅル > 「――だろうねぇ。とは言え、生きているのか死んでいるのか分からないと、報告のしようもないからね。どっちにせよ目に付くところにいて欲しいものだけれど」
尤もな指摘に肩を竦めながら返す。
ついでにやれやれ、と言わんばかりに頭も振り。
この分だと探すのも難しいだろう、と。面倒臭いことになったと諦めるように溜息をつき。
「腰砕けって。僕相手に欲情したのかい?――物好きだねぇ」
戦場に在る以上はなんとなく分かっていた――予感していたことではある。
更に言えば久方ぶりの心滾る戦いの後、気が体が昂っている現状人のことなど言えるものでもないのだが。
さて、この男の目に映る自分は男か女か、どう見えているのだろうか。
興味がないわけではない、むしろ気になるところでもある。
「まぁ、流石にこんな戦場のど真ん中でひん剥かれるのは御免蒙りたいところだけど」
男もそうだろうが、感じられるこの流れ。
剣気怒号飛び交う戦況は次第に静まり、それに合わせて鎌首をもたげるのは獣のような、欲の気配。
剥ぎ取り、殺し、犯す――ハイエナのように嗅ぎまわる、そんな気の流れ。
そんな中で裸に剥かれればこの身が男であろうと女であろうと群がるものは想像に容易い。
あくまで無抵抗をアピールしつつ、さてどうしようかと今後の身の振り方を思案する。
■影時 > 「夜目は商売柄利くか。だが、分かっているだろう?
首から上をすっ飛ばされた屍の検分なんぞ、面倒極まりねェぞ」
せめて身分の特定なぞできる身体的な特徴でもあれば、話は別だろう。
捕虜の丁重な扱いなぞ、この戦場だと果たしてどこまで期待していいものか。
神ならぬ抜け忍の己にとって、保証の仕様もない。
「興味が無ェというのは、嘘にはなるなァ。お前はどうだ?」
疲れはある。痛みはある。しかし、此処まで無茶繰りをしていれば少なからず発散したいものはある。
生存欲求を掻き立てる戦場で、なおも生を拾うとなればどうしても本能を理性で押さえつける分だけ、反動はある。
故に尋ねつつも、気になるのは向こうの有様だ。
はたして、男か女か。どちらと見定めるべきなのか。
故に胡坐からしゃがみ込む姿勢に腰を擡げ、顎を摩りながらついつい手を伸ばそう。
むんず、という擬音が付く位に何げない所作で、向こうの股座を遠慮なく掴むように。
「――お望みってなら、持って帰るが? 俺の戦利品として。
そうすりゃ向こうの奴らには手は出させん。横から食い散らかせられるのは好かねェんでな」
人払いの結界でも敷くか? 今更だ。気配を隠す技のキモとして、周囲に悟られぬようにするのが重要だ。
見てわかるような様でありありとその手のことをやれば、すぐさま看過させるのがオチだろう。
傷を治すにしても、再び戦場に戻るにしてもどこかで休まなければ向こうは動けまい。
■チヅル > 「本当だね。まぁいいか、この様子じゃあ多分生きては戻れないだろうからね」
男の言葉に頷く。
元々面倒臭がりな性格も相まっては、もう探す気など失せてしまい。後はどうにかなるだろうと根拠のない楽観に頼る始末。
「気質か本能か、どうもこの手のあとは昂って――ぁわっ!?
・・・・・・少しは大事に触ってよね」
言葉を遮るように、或いは最初から聞いていなかったのかもしれないが。
文字通り鷲掴みされては驚きに悲鳴をあげ抗議の眼差しを仮面越しに送る。
さて、その手に収まる感触は如何物だったであろうか。
硬さか、それとも湿気か――或いは両方か。
他人の“認識”によって自分の性別すらも曖昧になってしまう、外法の怪物。
「持って帰るも茂みに隠れるもご随意に。どちらにしても僕はそうそう逃げられやしないだろうからね。
――優しくしてくれたら嬉しいのだけれど」
股間をつかむ手に腕を押し当て、少しだけ早くなりつつある息を吐きながら、